2025.05.09
資金繰りの立て直しに役立つ資金調達方法6選!根本的に改善する方法についても解説
会社を経営していると、資金繰りの悩みは常に尽きません。取引先からの入金が遅れたり、思わぬ出費が重なったりすると、普段は順調な会社でも一時的にお金が足りなくなることがあります。資金繰りを安定させるためには、状況に合った資金調達の方法を知っておくことが大切です。
この記事では、資金繰りを改善するための具体的な資金調達方法を6つ紹介します。また、一時的に資金不足を解消する方法だけでなく、資金繰りを根本的に改善するためにできる、経営上の工夫についても説明します。
資金繰り悪化の主な原因
資金繰りの問題に対処していくためには、まず原因を正確に把握することが重要です。
売り上げの減少
資金繰り悪化の最も一般的な原因は、売上の減少です。市場環境の変化や競合の増加により、売上が継続的に落ち込むと、固定費をカバーするための資金が不足します。
また、原材料費の高騰や価格競争の激化により利益率が低下すると、同じ売上高でも手元に残る資金が減少します。売上と利益率の推移を定期的に分析することで、早期に問題を発見できます。
特に、季節変動の大きい業種では、繁忙期と閑散期の資金状況を事前に計画しておくことが重要です。
回収サイクルと支払いサイクルのズレ(収支ズレ)
売掛金の回収が遅い一方で、仕入れや経費の支払いサイクルが短い場合、資金繰りが悪化します。例えば、取引先への支払いが30日サイクルなのに対し、自社の売掛金回収が60日サイクルだと、常に資金が不足する状態に陥ります。
特に成長期の企業では、売上増加に伴い運転資金需要が急増するため、このミスマッチが深刻な問題となりがちです。資金の流入と流出のタイミングを可視化することで、ミスマッチを早期に発見できます。
資金の固定化
必要以上の在庫を抱えることは、資金の固定化を招きます。売れ残りや陳腐化のリスクもあり、資金繰りを圧迫する大きな要因となります。
同様に、事業規模に対して過大な設備投資や不動産取得も、資金を固定化させる原因です。特に、創業期や拡大期の企業では、将来の成長を見込んだ過剰投資に注意が必要です。
在庫回転率や固定資産回転率を定期的に確認することで、資金の固定化を防ぐことができます。
資金繰りの立て直しに役立つ資金調達方法6選
資金繰りに困った際には、適切な資金調達方法を選択することが重要です。状況に応じた最適な方法を選ぶとよいでしょう。
銀行融資
銀行融資は、最も一般的な資金調達方法です。長期的な事業資金の調達に適しており、比較的低金利で大きな金額を借り入れられるメリットがあります。
銀行融資には、信用保証協会の保証付き融資(保証協会付融資)と、銀行が独自に審査する融資(プロパー融資)があります。保証協会付融資は、信用保証協会が保証人となるため、審査のハードルが比較的低くなります。
資金繰りが悪化している場合は、既存の融資について返済条件の変更や返済猶予を相談することも可能です。事前に綿密な事業計画と資金使途を準備することで、融資の可能性が高まります。
ノンバンクからの融資
銀行の審査に通らない場合や、急ぎで資金が必要な場合は、ノンバンク融資が選択肢となります。ノンバンクは銀行に比べて審査基準が緩やかで、審査スピードも速いのが特徴です。
無担保無保証で融資を受けられるケースも多く、急な資金需要に対応できます。ただし、銀行融資に比べて金利が高いため、短期的な資金調達に限定して活用するのが賢明です。
資金繰りが厳しい状況でも審査に通りやすいノンバンクもありますが、返済計画は慎重に立てる必要があります。長期間の借入れは金利負担が大きくなるため、できるだけ早期の返済を目指しましょう。
ファクタリング
ファクタリングは、未回収の売掛金を専門業者に売却して、即座に現金化する方法です。通常の回収サイクルを待たずに資金を得られるため、急な資金需要に対応できます。
ファクタリングには、取引先に売掛債権譲渡の通知をする3社間ファクタリングと、通知せずに利用できる2社間ファクタリングがあります。取引先との関係に配慮して方式を選択することが重要です。
手数料は、売掛金額の数%〜10%程度と比較的高額ですが、審査が融資よりも簡易で、負債として計上されないというメリットがあります。特に、季節的な資金需要がある企業や、大型案件の入金前に運転資金が必要な場合に有効です。
補助金・助成金
国や地方自治体が提供する補助金・助成金は、返済不要の資金であり非常に魅力的です。設備投資や研究開発、人材育成など、特定の目的に対して支給されるケースが多くなっています。
申請には計画書の作成や審査があり、採択されるまでに時間がかかる場合がありますが、自社の事業計画と合致する制度を積極的に探す価値は大きいでしょう。
特に、中小企業向けには多様な支援制度があり、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金などが人気です。最新の公募情報を定期的にチェックし、申請のタイミングを逃さないようにすることが重要です。
資産売却
遊休不動産や使用頻度の低い設備、保有している有価証券などを売却することで、資金繰りを改善できます。特に、事業に直接関係のない資産は、売却を検討してもよいかもしれません。
不動産の場合、売却までに時間がかかることがありますが、不動産担保ローンという形で資金化する方法もあります。バランスシートを定期的に見直して不要資産を特定する習慣をつけましょう。
株式や債券などの有価証券は、比較的迅速に現金化できますが、市場価格の変動で損失が発生してしまうリスクも考慮する必要があります。事業継続に不可欠でない資産から優先的に検討するのが基本です。
事業譲渡
不採算事業や経営資源を集中したい分野以外の事業を譲渡することで、資金を調達しながら経営効率化を図ることができます。特に、複数の事業を展開している企業にとって、選択と集中の有効な手段となります。
事業譲渡は、単なる資金調達以上の効果があり、人材や設備の有効活用、管理コストの削減にもつながります。自社の強みと弱みを客観的に分析することで、最適な事業ポートフォリオを構築する機会となります。
準備から実行までに相応の時間がかかるため、緊急の資金調達には向きませんが、中長期的な経営改善と資金繰りの安定に大きく貢献します。専門性が高いため、専門家のサポートを受けながら慎重に進めることをおすすめします。
緊急時に役立つノンバンク融資の活用方法
資金繰りが逼迫している場合、スピード重視のノンバンク融資が非常に有効な場合があります。
ノンバンク融資の適切な使い方
ノンバンク融資は、主に短期的な資金需要や緊急時の資金調達に適しています。例えば、大口取引先からの入金遅延や予期せぬ設備トラブルによる修繕費用など、一時的な資金不足を乗り切るために活用するのが最適です。
明確な返済計画を立ててから利用することが重要で、漠然とした運転資金としてではなく、具体的な使途と返済原資を事前に想定しておくべきです。
長期的な設備投資や事業拡大のための資金としては、金利負担が大きくなるため、銀行融資や別の調達方法を検討する方が賢明です。あくまで「つなぎ資金」として位置づけるのが、ノンバンク融資の正しい使い方です。
審査のポイントと準備すべき書類
ノンバンク融資は、銀行に比べて審査基準が緩やかですが、全く審査がないわけではありません。過去の返済履歴や現在の借入状況、事業の安定性などが主な審査ポイントになります。
一般的に必要な書類は、本人確認書類、事業内容がわかる書類(確定申告書や決算書)、直近の売上状況がわかる資料などです。事前に必要書類を整理して速やかに提出できる準備をしておくことで、審査のスピードアップが期待できます。
銀行融資で断られた理由を分析し、ノンバンクへの申し込み時に改善策や説明を用意しておくことも有効です。また、複数のノンバンクに同時申し込みをすると、それぞれの審査で他社への申し込み状況がチェックされ、審査落ちの原因になる場合があるため注意が必要です。
ノンバンク融資のコスト管理と返済計画
ノンバンク融資は、銀行融資に比べて金利が高いのが一般的です。年利10%を超えるケースも珍しくないため、借入期間が長期化すると金利負担が大きくなります。
総返済額を事前に計算して負担を把握することが重要で、できるだけ早期に返済するか、余裕ができたら銀行融資などの低金利融資に借り換えることを検討すべきです。
無理のない返済計画を立てることも大切です。月々の返済額が過大だと、新たな資金繰り悪化を招くリスクがあります。余裕をもった返済シミュレーションを行い、最悪のケースも想定した計画を立てましょう。
資金調達後も定期的に資金繰り表を更新し、返済原資の確保状況を確認することが、健全な財務管理につながります。
資金繰りを根本的に立て直すためポイント
一時的な資金調達だけでなく、企業の体質改善も重要です。長期的な視点で資金繰りを安定させる方法も同時に実践するようにしましょう。
経費削減
資金繰り改善に即効性があるのが、経費削減です。特に、固定費の見直しは効果が持続するため、優先的に取り組むべき課題です。
まずは家賃や人件費、光熱費などの固定費を分析します。本社機能の一部移転や在宅勤務の導入で家賃を削減できないか、残業削減や業務効率化で人件費を抑制できないかなど、具体的な方法を検討しましょう。
次に、契約中のサービスや保険、リース契約などを洗い出し、重複や不要なものを解約します。全ての経費に対して「本当に必要か」を厳しく問いかける姿勢が重要です。
在庫管理の最適化
過剰在庫は資金の固定化を招き、資金繰りを圧迫します。適正な在庫水準を維持することで、運転資金の削減が可能です。
まずは、在庫の現状分析から始めましょう。商品やアイテムごとの回転率を算出し、滞留している在庫を特定します。さまざまな分析などを活用して、重要度や回転率に応じた管理方法を導入することも効果的です。
需要予測の精度を高めて適正発注量を決定することで、余分な在庫を持たずに済みます。季節変動や市場トレンドを考慮した発注計画を立て、定期的に見直すことが重要です。
また、仕入先との関係を見直し、小ロットでの発注や頻度を上げた発注が可能かを交渉することも検討しましょう。ジャストインタイム方式の導入など、在庫を最小限に抑える仕組みづくりが資金繰り改善につながります。
取引条件の見直し
資金の流入と流出のタイミングを調整することで、資金繰りを大きく改善できる場合があります。取引先との条件交渉が重要なポイントです。
仕入先に対しては、支払いサイトの延長交渉や、分割払いへの変更など、資金流出のタイミングを遅らせる交渉を検討します。長期的な取引関係にある仕入先には、率直に資金繰りの状況を説明し、一時的な支援を求めることも選択肢の一つです。
一方、顧客に対しては、支払いサイトの短縮や前払い割引制度の導入など、資金回収を早める方法を検討します。売掛金の回収期間を短縮する仕組みを整備することで、安定したキャッシュフローにつながります。
新規取引を開始する際は、最初から自社に有利な条件で契約できるよう、標準的な取引条件を見直すことも大切です。業界の標準的な取引条件も参考にしながら、自社の資金繰りを優先した条件設定を心がけましょう。
資金調達を成功させるための準備
資金調達を成功させるには、金融機関や投資家が重視する、適切な準備と心構えを押さえる必要があります。
事業計画書に説得力をもたせる
資金調達の成否を左右するのが、事業計画書の内容です。特に、銀行融資やベンチャーキャピタルからの資金調達では、綿密な事業計画が求められます。
事業計画書には、資金使途と期待される効果を明確に記載することが重要です。「なぜその資金が必要か」「どのような効果が見込めるか」「いつ、どのように返済するか」を具体的に説明できることが求められます。
数値根拠を示した説得力のある計画を作成することが成功のポイントです。過去の実績データや業界標準値、市場調査結果などを活用して、計画の実現可能性を裏付けましょう。
また、想定されるリスクを洗い出し、それぞれに対する対応策を準備しておくことで、審査する側の不安を解消できます。
財務状況を明らかにする
資金調達において、財務の透明性は非常に重要です。不明瞭な会計処理や説明のつかない数字があると、審査で不利になるばかりか、条件が悪化する原因にもなります。
まずは、基本的な財務三表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を正確に作成し、定期的に更新することが大切です。決算書だけでなく、月次の管理会計資料も整備しておくと、より詳細な説明が可能になります。
財務状況を客観的に分析して強みと弱みを把握することで、弱点を認識したうえでの改善計画を示すことができます。財務分析の結果を、経営改善にどう活かすかを具体的に説明できれば、資金提供者の信頼獲得につながります。
外部の会計専門家や、税理士のサポートを受けることも検討すべきです。専門家の視点で財務内容をチェックしてもらい、改善点を見つけることで、審査に向けた準備がより充実します。
金融機関との関係構築に努める
資金調達は一度きりではなく、継続的な関係構築が重要です。特に銀行融資は、長期的な信頼関係が融資条件に大きく影響します。
資金繰りに余裕があるときから定期的に金融機関と接触し、事業状況や将来計画を共有しておくことが大切です。急に資金が必要になってから初めて相談するよりも、日頃から関係を築いておくことで、いざというときにスムーズな支援を受けられる可能性が高まります。
良いニュースも悪いニュースも率直に伝える姿勢が、信頼関係構築のポイントです。業績が悪化した場合でも隠さず早めに相談することで、金融機関も対応策を一緒に考えてくれるケースが多いものです。
融資実行後も定期的な報告を続け、計画通りに事業が進んでいることを示すことが大切です。返済が困難になりそうな場合は、早めに相談して条件変更などの対応を検討してもらえる関係を築いておきましょう。
まとめ
資金繰り改善には、短期的な資金調達と中長期的な経営体質改善の両方が必要です。緊急時にはノンバンク融資やファクタリングで急場をしのぎながら、並行して経費削減や在庫最適化などの内部からの資金繰りの立て直しに取り組むことが重要です。
資金調達を成功させるためには、説得力のある事業計画の作成や財務の透明性の確保、そして金融機関との良好な関係の構築が欠かせません。まずは、自社の資金繰り状況を正確に把握し、優先度の高い点から着手していくことをおすすめします。
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