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2025.03.04

借金一本化のデメリットとは?注意すべきポイントを解説

複数の借入を抱えていると、毎月の返済管理や利息計算が複雑になりがちです。管理を楽にする方法として、借金の一本化が考えられます。返済管理がしやすくなる一方で、借金の一本化にはデメリットも存在します。

ここでは、借金の一本化を検討するにあたって知っておきたいメリットとデメリットの両面を解説し、返済期間の長期化や審査面でのハードルなど、具体的な落とし穴を掘り下げていきます。

借金の一本化とは

借金の一本化は、複数の借入先からの債務を新たな借入を利用して一括返済し、その後は一つの金融機関へ返済を集約する行為です。これによって返済先が一元化され、管理の煩雑さを減らす効果が期待できます。

手続きが煩雑

借金を一本化するためには、複数の返済状況の整理や必要書類の準備が欠かせません。通常のローン申込より提出物が多くなる傾向があるため、書類不備があれば審査の段階で時間を要する可能性があります。早めの準備と正確な情報提供が重要です。

おまとめローンという選択肢

借金の一本化を実現するための最も一般的な手段が、おまとめローンの利用です。これは、銀行や消費者金融が提供するサービスで、複数の借入を新規ローンに切り替える形で返済を集約します。返済管理を一本化できる点が特徴ですが、同時に様々な条件が課されます。

借金を一本化するメリット

借金を一本化することで、返済計画や資金管理を改善できるメリットがあります。主に返済先の集約と月々の返済負担軽減が挙げられますが、信用情報が整理されるなどの恩恵も期待できます。

返済管理がシンプルになる

複数の金融機関へ同時に返済していると、振込期日や利率がそれぞれ異なり、手間やミスのリスクが高まります。借金を一本化する場合は、たった一つの返済先に集中できるため、資金繰り状況の把握が容易になります。管理負担が減り、返済計画の変更にも柔軟に対応しやすくなります。

月々の返済負担を軽減できる可能性

おまとめローンなどを利用すると、借金をまとめた後の月々の返済額が下がるケースがあります。これは、返済期間を長めに設定し直すことで、一回あたりの返済負担を軽減する仕組みです。ただし、この方法には後述するデメリットが存在することにも注意が必要です。

信用情報が整理されやすくなる

複数のローンを同時に抱えていると、信用情報には多重債務者として記録されます。借金を一本化すれば、同じ金額でも借入件数が減るために信用情報が比較的整理される可能性があります。これが、将来的にローン商品を検討する際のプラス材料になることも期待できます。

借金を一本化するデメリット

一方で、借金の一本化には見落とせないデメリットも存在します。返済期間が延びて利息負担が増すことや、審査の厳しさ、追加借入ができない点などが挙げられます。

返済期間が延びる

毎月の返済額を抑える代わりに、返済期間を長く設定することが多くあります。その結果、利息総額が当初の想定より膨らむ可能性があります。一時的な負担は減るものの、長期的にみると支払総額が大きくなってしまうのです。

審査が厳しくなる可能性がある

借金を一本化するための新規ローンには、一定の審査基準があります。特に、高額の債務をまとめる場合、収入と返済能力が十分かどうか厳格にチェックされます。過去の支払い滞納があったり、信用情報に事故履歴があったりすると通過は難しくなるでしょう。

一本化後の追加借入が難しくなる

借金を一本化した後、新たに別の金融機関で借入を行うのは容易ではありません。多重債務への移行を防ぐ意味合いもあり、おまとめローン契約時の利用規約で追加借入が制限されるケースがあります。再度の借入を目論むと、返済を一本化するメリットがほとんど失われてしまいます。

一部の借入が対象外となる場合がある

おまとめローンで、全ての借入を一本化できるとは限りません。中には、金利の高いカードローンだけ切り替えられずに残ってしまうケースや、事業資金融資が対象外となる場合も考えられます。結果として、想定していたメリットが得られなくなる点に注意が必要です。

信用情報への影響

借金の一本化を行う際は、信用情報機関にもその情報が登録されます。現在の借入件数が減っても、多額のローンを一本化している事実そのものが新たな評価対象となります。さらに、返済期間が長期化すると延滞も起こりやすくなり、遅延が記録されれば信用度は大きく低下する可能性があります。

借金を一本化する際の流れ

借金を一本化する手続きは、いくつかのステップに分かれています。流れを把握しておくことで、必要書類の準備や審査通過に向けた対策を講じやすくなります。

下記は一般的な手順の例です。

  • 現在の借入総額と返済状況を整理する
  • 収入証明や身分証明など必要書類を確認・準備する
  • おまとめローンなどに申し込みを行い、審査を受ける
  • 審査に通過したら契約を締結し、融資を受ける
  • 既存の借入を一括返済して一本化を完了する

先に一部返済しておく

可能であれば、まとめる前に一部返済をして、借入総額を減らしておくのも有効な手です。総額を圧縮しておけば審査でも有利になるケースがあり、返済計画に余裕をもちやすくなるでしょう。

信用情報を事前に確認する

信用情報機関に開示請求し、自分の信用状況を事前に把握しておくことは大切です。過去の延滞履歴や事故情報があれば、審査結果に大きく影響するため、対策をとる時間を確保しておくと安心できます。

借金一本化のデメリットへの対処法

借金を一本化することにはデメリットも多いですが、上手く対処することにより、利息負担や返済期間をうまくコントロールすることができます。

返済シミュレーションを活用する

借金を一本化する前に、返済期間や金利を入力したシミュレーションを行うことで、将来的な負担を具体的に把握できます。総返済額がどの程度になるか把握できるため、無理のない返済計画を立てるのに役立ちます。

多くの金融機関では、公式サイトなどでシミュレーションツールを提供しており、簡単に試算できるのもメリットです。事前にシミュレーションを活用し、最適な一本化のプランを検討することが大切です。

繰り上げ返済

返済期間が延びると、その分だけ利息が増え、総返済額が膨らむ可能性があります。そのため、収入に余裕がある月には積極的に繰り上げ返済を行い、元本を減らすことで利息の負担を軽減することができます。

特に、早い段階で繰り上げ返済を行うと、長期的な利息の支払いを抑えやすくなります。返済期間を短縮することで、契約当初の見積もりよりも利息を減らし、経済的な負担を軽くすることができるでしょう。

予備資金の用意

一本化した後に追加でお金を借りる状況になると、返済計画が再び混乱し、負担が増してしまうかもしれません。そのため、あらかじめある程度の予備資金を確保しておくことが重要です。急な出費や予想外の支出に備えて資金を準備しておけば、新たな借入を避けやすくなります。

おまとめローン以外の借金一本化

借金を一本化する方法として代表的なおまとめローンですが、それ以外にも複数のアプローチが存在します。状況によっては、おまとめローンよりもメリットのある手段が見つかるかもしれません。

任意整理や個人再生などの債務整理

どうしても返済が困難な場合、任意整理や個人再生、自己破産といった手段を検討する選択肢が出てきます。これらの方法によって、借金の減額や返済計画の大幅な変更が可能になります。ただし、信用情報への影響は大きいため、検討は慎重に行う必要があります。

利率やスケジュールの交渉

借入先によっては、直接相談することで、金利の引き下げや返済期間のリスケジュールが認められる場合があります。特に、長期間にわたって取引のある金融機関であれば、これまでの実績を考慮し、柔軟に対応してもらえる可能性が高まります。そのため、事前に条件を確認し、交渉の準備をしておくことが重要です。

低金利融資の利用

銀行によっては、カードローンよりも低金利のフリーローンを扱っている場合があります。また、公的制度を利用できる条件を満たすと、より低い金利での借り換えが可能かもしれません。情報収集によって得られるメリットが大きいので、積極的に探してみましょう。

トラブルを避けるための注意点

借金を一本化する際には、思わぬトラブルに巻き込まれないための対策も考えておきましょう。

申込書類への正確な記載

借金一本化を行う際の申込書には、収入や他社からの借入状況などを詳細に記入する必要があります。申請内容が正確でないと、金融機関の審査に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、虚偽の報告は審査落ちの原因となるだけでなく、信用情報にも影響を及ぼし、将来的な借入が難しくなるおそれもあります。そのため、正確な情報を記載し、申請するようにしましょう。

相談窓口の活用

金融機関の相談窓口や専門家に相談することで、自分の状況や希望に合った具体的な提案を受けることができます。専門家は豊富な知識と経験をもっており、細かい点についても適切なアドバイスをくれるため、より納得のいく選択が可能になります。

また、自力で情報を集めるだけでは見落としがちなポイントや、難解な論点についても専門家に相談すれば、客観的で確かな視点を得ることができます。

条件の良いローンを見つける

金利が少しでも低いローンや、返済期間の自由度が高いプランなど、さまざまな選択肢を比較することが大切です。金融機関ごとに条件や特典が異なるため、複数のローンを検討することで、自分に最適なプランを見つけやすくなります。

一社だけで決め打ちしないことが重要であり、他社と比較することでより有利な条件を引き出せる可能性もあります。慎重に情報を集め、納得のいくローンを選びましょう。

まとめ

借金を一本化する方法は、複数の借入を一元管理できるメリットがある一方で、利息増加や審査の厳しさなどのデメリットが存在することがわかります。

最適な返済プランを組むためには、目的や状況に応じて複数の選択肢を比較し、自分に合った方法を見極めることが大切です。

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監修者 三坂大作
監修者 三坂大作

略歴
1961年 横浜市生まれ
1985年 東京大学法学部卒業
1985年 三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
1985年 同行 表参道支店:法人融資担当
1989年 同行 ニューヨーク支店:コーポレートファインス非日系 取引担当
1992年 三菱銀行退社
資格
貸金業務取扱主任者(第F231000801号)
経営革新等支援機関認定者
東京大学法学部を卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入社。
法人融資の専門家として、国内での金融業務に従事し、特にコーポレートファイナンス分野において豊富な経験を誇る。
同行に関して、表参道支店では法人融資を担当し、その後ニューヨーク支店にて非日系企業向けのコーポレートファイナンス業務に従事。
法人向け融資の分野における確かな卓越した知見を踏まえ、企業の成長戦略策定、戦略、資金調達支援において成果を上げてきました。
金融・経営戦略の専門家として、企業の持続的な成長を支える実務的なアドバイスを提供し続けています。
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