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2025.05.07

事業者・経営者向けの資金調達方法の一覧!やり方の比較や選ぶときに見るべきポイントを紹介

事業を経営していると、新たな設備投資や人材採用、急な資金繰りなど、さまざまな場面で資金調達が必要になることがあります。しかし、「自社にはどの資金調達方法が適しているのか分からない」「調べてみても選択肢が多すぎて比較が難しい」と悩む経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、銀行融資やビジネスローン、出資、補助金など、企業が利用できる代表的な資金調達方法を分かりやすく解説します。それぞれの特徴や適した企業タイプ、資金調達を成功させるためのポイントもあわせてご紹介しますので、自社に合った方法を見つけるためのヒントとしてお役立てください。

資金調達方法の4つの分類

資金調達方法は、大きく4つのカテゴリーに分けられます。それぞれのカテゴリーには特徴があり、企業の成長段階や目的によって最適な選択肢が変わってきます。

ここでは、借入(デットファイナンス)、出資(エクイティファイナンス)、資産活用(アセットファイナンス)、補助金・助成金の4つの分類について見ていきましょう。

借入(デットファイナンス)

借入は最も一般的な資金調達方法で、返済義務がある資金調達方法です。金融機関やノンバンクから資金を借り入れ、利息とともに返済していきます。

借入の最大の特徴は、企業の経営権や株式を手放すことなく資金調達ができる点です。つまり、経営の独立性を維持したまま資金を調達できるというメリットがあります。

また、計画的な返済が可能なため、事業計画に組み込みやすく、税制面でも利息部分が経費として計上できるという利点もあります。

一方で、借入には必ず返済義務が生じるため、資金繰りに余裕がない企業にとっては負担になる可能性があります。また、多くの場合、担保や保証人が必要となることもあります。

出資(エクイティファイナンス)

出資は、株式を発行して投資家から資金を調達する方法です。借入と異なり、返済義務はありませんが、その代わりに企業の一部所有権(株式)を投資家に譲渡することになります。

出資の大きな特徴は、返済負担がなく長期的な資金を獲得できる点です。特に、成長途上のスタートアップ企業にとって、収益が安定していない段階での資金調達に適しています。

また、投資家のネットワークやノウハウを活用できることも大きなメリットです。事業拡大や新規市場参入などの、攻めの経営を行う際に有効な資金調達方法といえるでしょう。

ただし、株式を譲渡することで経営の意思決定権が分散する可能性があります。また、投資家からのプレッシャーや期待に応える必要も生じます。

資産活用(アセットファイナンス)

資産活用は、企業が保有する資産を活用して資金を調達する方法です。売掛金や固定資産などの既存資産を現金化することで、新たな資金を獲得します。

資産活用の最大の特徴は、既に保有している資産を有効活用できることです。企業の信用力よりも資産価値が重視されるため、業績が厳しい時期でも資金調達がしやすいというメリットがあります。

特に、売掛金を活用するファクタリングは、資金繰りに困った際の即効性がある方法として注目されています。また、不要な固定資産を売却することで、バランスシートの改善にもつながります。

一方で、重要な資産を手放すことになるため、長期的な経営戦略との整合性を考慮する必要があります。また、ファクタリングなどは費用が比較的高くなる傾向にあります。

補助金・助成金

補助金・助成金は、国や地方自治体が特定の政策目的を達成するために企業に交付する資金で、原則として返済不要です。事業の革新性や、地域経済への貢献度などが評価されて交付されます。

補助金・助成金の最大の魅力は、返済義務がなく自己資本比率を悪化させない点です。特に、創業期や新規事業に取り組む際の資金として非常に有用です。

また、審査を通過すること自体が事業の価値を証明することになり、企業の信用力向上につながる側面もあります。

ただし、申請には詳細な事業計画が求められ、審査のハードルが高いケースが多くあります。また、交付までに時間がかかることや、使途が限定されるなどの制約もあります。実績報告なども必要なため、管理面での負担も考慮すべきでしょう。

借入による資金調達方法の一覧

借入による資金調達方法には、さまざまな選択肢があります。ここでは、主要な借入方法とその特徴について詳しく解説します。

銀行融資

銀行融資は、都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関から資金を借り入れる方法です。多くの企業が、最初に検討する資金調達方法の一つです。

銀行融資の最大のメリットは、低金利で大口の資金調達が可能な点です。長期的な事業資金や設備投資資金など、まとまった資金が必要な場合に適しています。

また、銀行と良好な関係を築くことで、融資以外のサービスも受けられるようになります。例えば、ビジネスマッチングや経営アドバイスなど、企業の成長をサポートするサービスが提供されることもあります。

さらに、銀行融資の審査を通過したということは、企業の信用力が一定水準以上であることの証明になります。これにより、取引先や他の金融機関からの信頼も高まるでしょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、国が100%出資する政策金融機関で、中小企業や創業者向けの融資を行っています。民間金融機関とは異なる視点で審査を行うため、銀行融資が難しい場合の選択肢となります。

日本政策金融公庫の大きな特徴は、創業支援に力を入れている点です。創業融資では、創業計画の実現可能性を重視した審査が行われ、実績がなくても融資を受けられる可能性があります。

また、金利が比較的低く設定されていることも魅力の一つです。特に、特別貸付制度を利用すると、一般的な融資よりもさらに低金利で借入できることがあります。

資金使途の自由度も高く、運転資金から設備資金まで幅広く対応しています。経営改善や事業再生に関する相談も受け付けており、単なる資金提供だけでなく経営面でのサポートも期待できます。

ビジネスローン

ビジネスローンは、銀行以外の金融機関やノンバンクが提供する事業者向けローンです。銀行融資と比較して審査基準が柔軟で、迅速な資金調達が可能という特徴があります。

ビジネスローンの最大の魅力は、審査から融資実行までのスピードの速さです。最短で即日、通常でも数日程度で資金調達が可能なため、緊急の資金需要に対応できます。

また、審査基準が銀行より柔軟で、創業間もない企業や業績が不安定な時期でも、融資を受けられる可能性があります。多くの場合、担保や保証人が不要なため、手続きも比較的簡単です。

インターネット申込みに対応している業者も多く、来店不要で手続きが完結するケースもあります。忙しい経営者にとって、時間的コストを抑えられる点も大きなメリットといえるでしょう。

ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングは、インターネットを通じて企業と個人投資家をマッチングさせる新しい資金調達方法です。プラットフォームを運営する会社が間に入り、多数の投資家から少額ずつ資金を集めて企業に融資します。

ソーシャルレンディングの特徴は、銀行とは異なる審査基準で融資が受けられる点です。事業のストーリーや将来性を評価する傾向があり、財務状況だけでなく事業内容そのものの魅力が重視されます。

また、インターネット上で完結するため、地理的な制約なく全国の投資家からの資金調達が可能です。プロジェクトの内容次第では、資金調達と同時に事業のPRにもなるという副次的効果も期待できます。

ただし、金利は銀行融資よりも高めに設定されていることが多く、プラットフォーム利用料などのコストも考慮する必要があります。また、投資家に対して事業の魅力を伝えるための情報開示も求められます。

社債(私募債)発行

社債(私募債)は、企業が直接投資家から資金を調達するための債券です。金融機関を介さずに直接資金を集められるため、一定の自由度をもった資金調達が可能となります。

社債の大きな利点は、資金調達の条件を自社で設定できる柔軟性にあります。返済期間や金利などを自社の事業計画に合わせて設計できるため、無理のない返済計画を立てられます。

また、銀行融資と異なり、担保設定が不要なケースが多いのも特徴です。信用力のある企業であれば、無担保で資金調達が可能になります。

さらに、社債発行は企業の信用力や知名度向上にもつながります。特に、地域金融機関と連携した私募債では、地域社会への貢献とセットになった仕組みもあり、企業のブランディングにも寄与します。

出資による資金調達方法の一覧

出資による資金調達は、返済義務がない代わりに株式を譲渡することになります。成長志向の企業にとって、特に重要な資金調達手段です。

ベンチャーキャピタル(VC)からの出資

ベンチャーキャピタル(VC)は、成長可能性の高いスタートアップ企業に投資する投資ファンドです。単なる資金提供者ではなく、経営支援も行うパートナーとしての側面も持っています。

VCの最大の役割は、成長資金の提供と経営支援の両立です。投資後も定期的な面談やアドバイスを通じて、企業の成長をサポートします。

また、VCは豊富なネットワークを持っており、事業提携先や次の投資家の紹介、人材採用の支援なども行います。さらに、将来のIPO(株式公開)に向けたサポートも期待できるため、長期的な成長を目指す企業にとって心強いパートナーとなります。

VCは通常、シリーズA、シリーズBなど、企業の成長段階に応じた投資ラウンドで資金を提供します。成長フェーズによって投資額も変わり、初期段階では数千万円、成長段階では数億円以上の投資が行われることもあります。

エンジェル投資家からの出資

エンジェル投資家は、個人の資産を活用して、スタートアップ企業に投資する個人投資家です。VCよりも早い段階、特に創業間もない企業に投資する傾向があります。

エンジェル投資家の特徴は、創業初期の企業に寄り添うハンズオン支援にあります。多くのエンジェル投資家は、自身が起業経験を持つ経営者であり、経営ノウハウや業界知識を提供してくれます。

また、意思決定が早く、VCのような厳格な投資基準ではなく、起業家の人柄や事業への情熱を重視する傾向があります。そのため、実績の少ない創業初期でも、事業アイデアの魅力次第で投資を獲得できる可能性があります。

さらに、エンジェル投資家による投資は、その後のVC投資を呼び込むきっかけにもなります。エンジェル投資家の目利きによって価値を認められた企業として、信頼性が高まるためです。

第三者割当増資

第三者割当増資は、特定の投資家(第三者)に対して新株を発行し、資金を調達する方法です。既存株主以外に株式を割り当てるため、資本構成が変化する点に注意が必要です。

第三者割当増資を進める際には、まず投資家との条件交渉が重要です。発行価格や発行株式数、付与する権利などについて、双方が納得できる条件を詰めていく必要があります。

次に、取締役会での決議と必要書類の作成を行います。有価証券届出書や有価証券通知書など、規模や株主数によって必要な書類が変わってくるため、専門家のサポートを受けることが望ましいでしょう。

また、既存株主への説明も重要なステップです。特に、新株発行による株式の希薄化が大きい場合は、既存株主の理解を得ることが不可欠です。投資家との関係構築と並行して、既存株主との良好な関係維持にも配慮すべきです。

株式型クラウドファンディング

株式型クラウドファンディングは、インターネットを通じて多数の投資家から小口の出資を募り、その見返りとして株式を発行する方法です。従来の資金調達方法よりもハードルが低く、幅広い企業が活用できます。

株式型クラウドファンディングの魅力は、少額から多数の投資家を集められる間口の広さです。一般の個人投資家も参加できるため、事業内容に共感してくれるファンを増やす効果もあります。

また、プラットフォーム上で事業内容や成長戦略を発信することで、資金調達と同時に事業のPRも行えます。投資家がそのまま顧客や応援者になることも多く、マーケティング効果も期待できます。

さらに、VCやエンジェル投資家と比較して、経営への介入が少ないことも利点です。小口の投資家が多数を占めるため、日常的な経営判断に対する外部からの圧力が比較的少なくなります。

IPO(株式公開)

IPO(株式公開)は、未公開企業が株式市場に上場し、広く一般から資金を調達する方法です。大規模な資金調達が可能である一方、準備には時間とコストがかかります。

IPOの最大の効果は、大規模な資金調達と社会的信用の獲得です。上場により調達した資金で、事業拡大や研究開発投資が可能になり、会社の成長が加速します。

また、上場企業となることで、社会的な知名度や信用力が大幅に向上します。これにより、取引先の拡大や優秀な人材の採用がしやすくなるなど、事業展開においてさまざまな好影響が期待できます。

さらに、株式が市場で取引されることで、株主にとっての換金性が高まります。創業者や初期投資家にとって、投資回収の手段として重要な意味をもちます。

ただし、IPOには厳格な審査や情報開示義務があり、準備には通常2〜3年程度の時間がかかります。また、上場維持コストも考慮する必要があります。

資産活用による資金調達方法の一覧

既存の資産を活用した資金調達方法は、新たな借入や出資を受けることなく資金を確保できる手段です。ここでは、実践的な方法を紹介します。

ファクタリング

ファクタリングは、企業が保有する売掛金を売却して、即座に現金化する方法です。通常の売掛金回収を待たずに資金を得られるため、資金繰りの改善に効果的です。

ファクタリングの基本的な仕組みは、売掛金を割引価格で買取業者に売却するというものです。例えば、100万円の売掛金があった場合、買取業者は数%〜数十%の手数料を差し引いた金額を支払います。

ファクタリングには、大きく分けて2つの種類があります。1つは2社間ファクタリングで、売掛金を持つ企業とファクタリング会社の間で完結するタイプです。もう1つは3社間ファクタリングで、売掛先企業にも取引を通知するタイプです。

2社間ファクタリングは、売掛先に知られずに資金調達できるメリットがありますが、手数料は比較的高めです。一方、3社間ファクタリングは手数料が低めですが、売掛先との関係に影響する可能性があります。

リースバック

リースバックは、企業が保有する設備や不動産などの資産を売却し、同時にリース契約を結んで継続利用する方法です。所有権は手放しますが、使用権は維持したまま資金調達できます。

リースバックの最大のメリットは、資産価値の高い設備や不動産を活用して大きな資金を調達できる点です。特に、設備投資に多額の資金を投じた企業にとって、既存設備を活用した資金調達方法として有効です。

また、バランスシート上で資産が負債に置き換わるため、自己資本比率の改善にも寄与します。さらに、リース料は経費として計上できるため、税務上のメリットもあります。

ただし、長期的にみるとリース料の総額が元の資産価値を上回る可能性があり、また、リース期間終了後に資産の所有権が戻ってこない点にも注意が必要です。資金繰りと長期的なコスト計算のバランスを考慮して判断することが重要です。

固定資産売却

固定資産売却は、企業が保有する土地、建物、機械設備などを売却して資金を調達する方法です。遊休資産や活用効率の低い資産を現金化することで、資金効率の改善にもつながります。

固定資産売却を検討する際の判断基準としては、まず資産の利用効率と将来的な必要性を評価することが重要です。使用頻度が低い、または将来的にも使用予定のない資産は、売却候補として優先度が高くなります。

次に、現在の市場価値と簿価との差も重要な判断材料です。含み益がある資産の売却は、キャッシュフローだけでなく利益計上にもつながります。逆に、含み損がある場合は、税務上の損失控除のタイミングも考慮に入れるべきでしょう。

また、売却後の事業への影響も、慎重に検討する必要があります。例えば、不動産を売却した場合の代替施設の確保や、顧客へのサービス提供への影響なども事前に評価しておくことが大切です。

M&A(事業売却)

M&A(事業売却)は、企業の一部門や子会社を、他社に売却して資金を調達する方法です。本業に集中するための選択肢としても活用されています。

M&Aによる資金調達の特徴は、事業の将来性や成長性も含めた評価で、高額な資金調達が可能な点です。単なる資産価値だけでなく、顧客基盤やノウハウ、人材なども含めた事業価値全体が評価されます。

また、一部事業の売却により、経営資源を他の成長分野に集中投下できるというメリットもあります。企業全体の成長戦略の一環として、事業ポートフォリオの組み換えを行うことができます。

さらに、シナジー効果が期待できる買い手企業に売却することで、売却後も元従業員のキャリア発展につながるケースも多くあります。働く人の将来も含めた形での事業承継が可能となります。

ただし、M&Aは交渉から完了まで長期間かかることが一般的で、迅速な資金調達手段としては適さない場合があります。また、情報管理や従業員への配慮なども重要な課題となります。

補助金・助成金による資金調達

補助金・助成金は、返済不要の資金として、多くの企業にとって魅力的な資金調達方法です。効果的な活用法を見ていきましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業の生産性向上や、新たな付加価値の創出を支援するための補助金制度です。製造業だけでなく、幅広い業種が対象となっています。

申請成功のポイントは、具体的な経営課題と導入設備の関連性を明確に示すことです。単に最新設備を導入するのではなく、その設備によって解決される経営課題や、実現される生産性向上効果を数値で示すことが重要です。

また、事業計画の実現可能性も審査の重要なポイントです。過去の実績や市場分析に基づいた現実的な売上予測、具体的な販路開拓計画などを盛り込むことで説得力が増します。

さらに、地域経済や雇用への波及効果も評価されます。自社の成長だけでなく、地域経済への貢献や雇用創出効果についても言及することで、採択確率が高まる可能性があります。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、コロナ禍の影響を受けた企業が新分野展開や業態転換、事業再編などに取り組む際に活用できる補助金です。業種転換による新たな成長を目指す企業にとって、心強い支援制度です。

活用戦略のポイントは、既存事業とは明確に異なる新たな取り組みであることを示すことです。単なる商品ラインナップの拡充ではなく、新市場への進出や革新的なビジネスモデルの構築など、事業の再構築と呼べる内容であることが重要です。

また、市場の将来性や成長性についての分析も欠かせません。新たに展開する事業分野の市場規模や成長率、競合状況などを調査し、その中での自社の優位性を明確に示すことが求められます。

さらに、資金計画や収支計画の妥当性も重要な審査ポイントです。投資に対するリターンの見通しや、補助事業終了後の自立的な成長戦略についても、具体的に示すことが採択につながります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化などの取り組みを支援する補助金です。比較的少額ながら、申請のハードルが低く、幅広い用途に活用できる特徴があります。

この補助金の対象となるのは、従業員数が一定規模以下の小規模事業者です。具体的には、商業・サービス業では従業員5人以下、製造業などでは従業員20人以下の事業者が対象となります。

対象となる取り組みは、多岐にわたります。例えば、新商品の開発やチラシ・カタログの作成、ホームページの開設・改良、店舗の改装、展示会への出展など、販路開拓につながる幅広い取り組みが補助対象となります。

また、商工会や商工会議所の支援を受けながら申請を行うことが特徴で、経営計画の策定から申請書の作成まで、専門家のアドバイスを受けられる点も、初めて補助金に挑戦する事業者にとっては心強いでしょう。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のIT化を促進し、業務効率化や生産性向上を支援するための補助金です。デジタル化を進めたい企業にとって有用な制度です。

対象となる経費の範囲は、ソフトウェア費用と導入関連費用の両方をカバーしている点が特徴です。具体的には、ソフトウェア購入費用、クラウドサービス利用料、導入時のコンサルティング費用、導入研修費用などが含まれます。

対象となるITツールは、IT導入支援事業者が提供するものに限定されており、事前に登録された「IT導入補助金事務局」のウェブサイトで確認することができます。会計ソフト、受発注システム、顧客管理システム、ECサイト構築サービスなど、業務効率化に寄与するさまざまなツールが対象となっています。

また、近年ではインボイス制度への対応や、テレワーク環境の整備、セキュリティ対策の強化なども補助対象として重視されており、時代のニーズに合わせた制度設計がなされています。

企業規模ごとのおすすめの資金調達方法

企業の成長段階や規模によって、最適な資金調達方法は異なります。ここでは、企業タイプ別に適した資金調達方法をご紹介します。

スタートアップ企業・ベンチャー企業におすすめの方法

スタートアップ・ベンチャー企業は、急速な成長を目指す企業であり、資金需要も大きい傾向にあります。そのため、成長に合わせた段階的な資金調達戦略が重要です。

創業初期段階では、スピード重視のビジネスローンと成長資金としての出資を組み合わせることが効果的です。特に、創業間もない段階では、事業の実績が少ないため、銀行融資の審査通過は難しいことが多いでしょう。

具体的には、創業資金としては、日本政策金融公庫の創業融資やエンジェル投資家からの出資が適しています。事業が軌道に乗り始めたら、ベンチャーキャピタルからのシリーズA投資を検討し、さらに成長段階ではシリーズBやシリーズCといった、大型の資金調達へと移行していくのが一般的です。

また、研究開発型のスタートアップであれば、補助金・助成金の活用も重要な選択肢となります。ものづくり補助金や各種研究開発助成金は、返済不要の資金として貴重な成長資源となるでしょう。

中小企業におすすめの方法

中小企業の資金調達は、安定性と機動性のバランスが重要です。長期的な関係構築と緊急時の対応、両方の視点から資金調達手段を確保しておくことがポイントになります。

中小企業にとって基本となるのは、銀行との関係構築による安定的な融資枠の確保です。日常的なコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、定期的に融資を受けることで、必要時に迅速な資金調達ができる体制を整えておくことが重要です。

同時に、緊急時の資金需要に備えて、ビジネスローンやファクタリングなどの、即時性の高い資金調達手段も把握しておくべきでしょう。特に季節変動が大きい業種や、大型案件を受注する業種では、一時的な資金ショートを防ぐための備えが不可欠です。

また、設備投資や事業拡大などの大型資金需要に対しては、日本政策金融公庫の低利融資や各種補助金の活用も検討すべきです。特に、省エネ設備や生産性向上につながるIT投資などは、補助金対象となることが多いため、定期的に情報収集を行うことをおすすめします。

成長期企業におすすめの方法

成長期にある企業は、事業拡大のための資金需要が大きく、同時に資金調達の選択肢も広がっている段階です。短期的な資金繰りだけでなく、中長期的な成長戦略に基づいた資金調達が求められます。

成長期企業の資金調達戦略としては、複数の資金調達方法を組み合わせたハイブリッド戦略が効果的です。銀行融資だけに依存せず、出資による資金調達も積極的に検討することで、財務バランスを保ちながら成長資金を確保できます。

例えば、運転資金や小規模な設備投資には銀行融資を活用し、新規事業開発や海外展開などの大型投資には、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティからの出資を受けるという組み合わせが考えられます。

また、成長期には企業価値も上昇しているため、将来的なIPO(株式公開)も視野に入れた資金調達戦略を立てることも重要です。IPOを見据えた場合、財務体質の改善や情報開示体制の整備なども並行して進めていく必要があります。

再生期企業におすすめの方法

業績不振や財務悪化に直面している再生期の企業にとって、資金調達は事業存続のための重要課題です。通常の融資審査が厳しくなる中、特殊な資金調達方法の活用が必要になります。

再生期企業にとって有効なのは、資産を活用した現金化と再生支援融資の組み合わせです。特にファクタリングやリースバックは、企業の信用力よりも資産価値に基づいて資金調達できるため、業績不振時でも活用しやすい方法です。

また、中小企業再生支援協議会などの公的機関によるサポートを受けながら、金融機関との関係を再構築することも重要です。再生計画の策定支援や金融機関との調整など、専門家のサポートを受けることで、リスケジュールや新規融資につながる可能性が高まります。

さらに、事業再生の一環として、事業再構築補助金などの公的支援制度を活用することも検討すべきです。事業の再構築や新分野への挑戦を支援する補助金は、再生期企業にとって有効な資金源となり得ます。

場合によっては、第三者割当増資やM&Aによる事業売却など、抜本的な資本政策の見直しも視野に入れる必要があるでしょう。

まとめ

本記事では、事業者・経営者向けのさまざまな資金調達方法を紹介してきました。借入、出資、資産活用、補助金・助成金の各カテゴリーにおいて、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説しました。

資金調達を成功させるためには、自社の状況と資金調達の目的を明確にし、それに合った方法を選ぶことが重要です。また、単一の方法に依存せず、複数の資金調達方法を組み合わせることでリスクを分散し、より安定した資金調達体制を構築することができます。

資金繰りは、企業経営の生命線です。日頃から財務状況を把握し、事業計画を練り、資金調達先との信頼関係を構築しておくことが、必要なタイミングで適切な資金を調達するための基盤となるでしょう。

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