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2025.07.02

不動産担保ローンの借入・融資期間は最大どのくらい?手続きの流れや注意点も紹介

企業が、事業の拡大や設備投資を進めるためには、多額の資金が必要となる場合があります。その資金を調達する方法として、不動産を担保にしたローンを利用することが一般的です。不動産担保ローンは、大きな金額を借り入れることが可能ですが、返済期間が長期に及ぶため、事前に適切な返済計画を立てておくことが重要になります。

また、不動産担保ローンの融資期間や具体的な融資条件は、金融機関ごとに異なるため、利用する際には十分な情報収集が求められます。どのくらいの期間借入れが可能か、申込から実際に融資が行われるまでの手続きがどのように進むのか、正しく把握しておく必要があります。

この記事では、不動産担保ローンの最長融資期間や金融機関ごとの条件の比較をはじめ、申込から融資実行までの具体的な流れ、そして返済計画を立てる際の注意点について詳しく解説します。

不動産担保ローンの借り入れ・融資期間の目安

不動産担保ローンを検討する上で、融資期間はとても重要なポイントです。金融機関の種類によって融資期間の上限が異なり、経営計画に大きく影響します。

銀行系とノンバンク系の違い

不動産担保ローンの融資期間は、提供元の金融機関によって大きく異なります。一般的に、銀行系とノンバンク系で、以下のような違いがあります。

銀行系の融資期間は、通常1〜20年程度で、最長でも25年までとしているケースが多くみられます。銀行は審査が厳格である分、金利が比較的低めに設定されています。

一方、ノンバンク系の融資期間は、1〜30年程度で、最長35年という長期の融資期間を提供している金融機関もあります。審査基準が銀行よりも柔軟な分、金利は若干高めに設定されていることが一般的です。

実際の融資期間は、借入目的や担保となる不動産の評価額、事業の安定性などによっても大きく左右されます。長期の融資期間を希望する場合は、事業計画の安定性や将来性をしっかりとアピールすることが重要です。

融資期間と金利の関係性

融資期間と金利には密接な関係があり、一般的に融資期間が長くなるほど金利は高くなる傾向があります。これは、長期間にわたるリスクを金融機関が負担するためです。

短期(1〜5年)の融資では、比較的低金利で借入できることが多いですが、月々の返済額は大きくなります。資金繰りに余裕がある場合や、短期間で高収益が見込める投資案件には適しています。

中期(5〜15年)の融資は、返済負担と金利のバランスが取れていることが多く、多くの中小企業が選択する融資期間となっています。設備投資や事業拡大などの用途に適しています。

長期(15年以上)の融資では、月々の返済負担は軽減されますが、その分総支払額は増加します。不動産購入や大規模な設備投資など、長期にわたって収益を生み出す投資に向いています。

融資期間を決める際は、事業計画やキャッシュフロー予測を基に、無理のない返済計画を立てることが重要です。単に返済期間を長くするだけでなく、総返済額と月々の返済負担のバランスを考慮した選択が必要です。

不動産担保ローンの融資額や金利の相場

不動産担保ローンの魅力は、高額融資を受けられる点ですが、金利条件も重要な検討要素です。融資額の範囲と金利相場について詳しく見ていきましょう。

融資額の相場

不動産担保ローンの融資額は、担保となる不動産の評価額によって大きく変わります。一般的な融資額の範囲は、約300万円から10億円程度と幅広いのが特徴です。

融資額は通常、担保不動産の評価額の50%〜80%程度が上限となります。これは、担保掛目(Loan To Value=LTV)と呼ばれ、金融機関のリスク管理方針によって異なります。

例えば、評価額1億円の不動産を担保とした場合、掛目70%であれば最大7,000万円程度の融資を受けられる可能性があります。ただし、実際の融資額は、担保評価だけでなく事業の安定性や返済能力も考慮して決定されます。

金融機関によっては、複数の不動産を担保として差し出すことで、より高額の融資を受けられる場合もあります。特に、大型の設備投資や事業買収などの場合は、このような方法が取られることも少なくありません。

また、融資額の下限を設けている金融機関もあるため、少額の融資を希望する場合は、事前に確認が必要です。一般的に、銀行系は1,000万円以上、ノンバンク系は300万円程度からの融資に対応していることが多いでしょう。

金利の相場

不動産担保ローンの金利タイプには、変動金利と固定金利があります。それぞれの特徴と相場を理解した上で選択することが重要です。

変動金利は、市場金利の変動に応じて金利が変わるタイプで、現在の相場は3.39%〜6.80%程度となっています。金利変動リスクはありますが、固定金利より低金利でスタートできることが多いのが特徴です。

特に、経済情勢が安定している時期や、金利の低下が予想される時期には、変動金利を選択するメリットが大きくなります。ただし、将来的な金利上昇リスクは常に考慮する必要があります。

一方、固定金利は、契約期間中の金利が変わらないタイプで、現在の相場は4.0%〜8.0%程度です。返済額が一定であるため計画が立てやすく、長期の借入や金利上昇が予想される場合に適しているといえます。

金融機関によっては、当初数年間は固定金利、その後変動金利に切り替わる「固定金利期間選択型」を提供している場合もあります。これは、両方のメリットを活かせるプランとして人気があります。

金利タイプを選ぶ際は、返済計画の確実性を重視するか、総返済額の抑制を優先するかという点を考慮して決めることが大切です。

不動産担保ローンの返済方式

不動産担保ローンの返済方式には、主に2種類あり、それぞれに特徴があります。自社の資金繰りに合った返済方式を選ぶことが重要です。

元利均等返済の仕組み

元利均等返済は、毎月の返済額(元金と利息の合計)が返済期間を通じて一定となる返済方式です。最も一般的に採用されている方式で、計画的な資金繰りに適しています。

この返済方式は、返済の初期段階では支払う利息の割合が大きく、返済が進むにつれて元金の割合が増えていきます。例えば、3,000万円を金利3%、20年で借りた場合、月々の返済額は約166,330円で一定です。

元利均等返済の最大のメリットは、毎月の返済額が一定であるため長期的な資金計画が立てやすい点です。特に、季節変動の大きい事業や、安定した収益を見込める事業には適しています。

また、返済初期は元金の返済が少ないため、事業の立ち上げ期や拡大期など、一時的にキャッシュフローに余裕がない時期にも対応しやすいという利点もあります。

ただし、返済期間全体でみると、支払う総利息額は元金均等返済より多くなる傾向があります。長期間の融資を検討する場合は、総返済額についても試算しておくことをおすすめします。

元金均等返済の仕組み

元金均等返済は、毎回の返済で元金を均等に返済し、その時点の残高に対する利息を加えて支払う方式です。返済が進むにつれて残高が減少するため、月々の返済額は徐々に減っていきます。

例えば、3,000万円を金利3%、20年で借りた場合、元金部分は毎月12.5万円で一定ですが、初回の返済額は約20万円、最終回の返済額は約12.8万円と減少していきます。

元金均等返済の最大のメリットは、総支払利息が元利均等返済よりも少なくなる点です。早い段階から元金を多く返済するため、借入残高が早く減少し、結果として利息負担が軽減されます。

特に、業績が右肩上がりで将来的に収益増加が見込める事業や、初期投資後に安定した高収益が見込める事業形態に適しています。これは、事業が軌道に乗った後の返済負担が軽減されるためです。

ただし、返済初期の負担が大きいため、創業間もない企業や、収益が安定するまでに時間がかかる事業には向かない場合があります。資金繰りの見通しを立てた上で判断することが重要です。

不動産担保ローンの申込手続きの流れ

不動産担保ローンを実際に利用するには、いくつかのステップを踏む必要があります。スムーズな資金調達のために、申込から融資実行までの流れを確認しておきましょう。

必要書類の提出

不動産担保ローンの申込には、多くの書類が必要です。事前に準備しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

主な必要書類は、以下の通りです。

法人関係書類 履歴事項全部証明書、定款、印鑑証明書
決算関係書類 過去3期分の決算書、確定申告書、勘定科目明細
事業計画書 資金使途や返済計画を記載した書類
担保不動産関係書類 登記簿謄本、公図、固定資産評価証明書
代表者関係書類 住民票、印鑑証明書、所得証明書など

特に重要なのは決算書類で、直近3期分の安定した業績を示すことが審査上有利となります。赤字決算がある場合は、その理由と改善策を説明できるよう準備しておくことが大切です。

また、担保不動産の状態を示す資料として、不動産の写真や図面、賃貸中の場合は賃貸借契約書なども求められることがあります。これらは担保評価に影響するため、できるだけ詳細な資料を用意すると良いでしょう。

金融機関によって必要書類は若干異なりますので、事前に確認することをおすすめします。また、書類の有効期限(通常発行から3ヶ月以内)にも注意が必要です。

審査

不動産担保ローンの審査は、複数のステップに分かれており、一般的には申込から融資実行まで1〜2ヶ月程度かかります。審査のプロセスを理解して、計画的に準備しましょう。

審査の主なステップは、以下の通りです。

1. 事前審査 提出書類による基本的な審査
2. 担保評価 不動産の実地調査と評価
3. 企業審査 財務状況や事業計画の詳細審査
4. 最終審査 融資条件の決定と通知

事前審査では、企業の基本情報や担保不動産の基本情報をもとに、融資の可能性を判断します。この段階で明らかな問題がなければ、本格的な審査へと進みます。

担保評価では、不動産鑑定士や金融機関の担当者が実際に物件を訪問し、状態を確認します。立地条件や建物の状態、周辺環境なども含めて総合的に評価されます。

企業審査では、財務諸表の分析や事業計画の妥当性、返済能力などが詳細に検討されます。必要に応じて、追加資料の提出や面談が行われることもあります。

審査期間は、金融機関や案件の複雑さによって異なりますが、一般的には申込から融資実行まで4〜8週間程度が目安です。特に、担保評価に時間がかかるケースが多いため、余裕をもったスケジュール設定が重要です。

契約締結から抵当権設定まで

審査が通過すると、いよいよ契約締結と抵当権設定の手続きに入ります。この段階では、法的な手続きが中心となるため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

契約締結の主なステップは、以下の通りです。

  1. 金銭消費貸借契約書の確認と締結
  2. 抵当権設定契約の締結
  3. 司法書士による登記申請書類の作成
  4. 法務局での抵当権設定登記
  5. 登記完了後の融資実行

金銭消費貸借契約書には、融資額、金利、返済期間、返済方法、期限の利益喪失事由など、重要な条件が記載されています。契約内容を十分に理解した上で署名・捺印することが重要です。不明点があれば、必ず質問しましょう。

抵当権設定の手続きは、通常、司法書士に依頼して行います。必要な書類(権利証や印鑑証明書など)を準備し、司法書士が登記申請書を作成します。その後、法務局に申請し、登記が完了します。

登記費用(登録免許税と司法書士報酬)は、一般的に借主負担となります。登録免許税は、抵当権設定額の0.4%、司法書士報酬は5〜10万円程度が相場です。

抵当権設定登記が完了し、金融機関がその確認を行った後、いよいよ融資が実行されます。融資金は通常、指定の銀行口座に振り込まれます。出金に制限が設けられる場合もあるため、資金使途に応じた計画を立てておくことが大切です。

不動産担保ローンを利用する際の注意点

不動産担保ローンを利用する際は、適切な返済計画を立てることが非常に重要です。長期にわたる返済を、無理なく続けるためのポイントを押さえておきましょう。

返済負担と総利息のバランス

不動産担保ローンの返済計画を立てる際に最も重要なのは、月々の返済負担と総支払利息のバランスです。双方のメリット・デメリットを理解して、自社に最適な計画を立てましょう。

返済期間を短くすると月々の返済額は増加しますが、総支払利息は減少します。例えば、5,000万円を金利3%で借りる場合、10年返済だと月々約48万円、20年返済だと月々約28万円ですが、総支払利息は10年返済で約760万円、20年返済で約1,650万円と大きな差が生じます。

自社にとって最適なバランスを見つけるには、資金繰り予測を基にした返済シミュレーションが有効です。特に、事業の季節変動や将来の設備投資計画なども考慮した上で、無理のない返済計画を立てることが重要です。

また、返済方式(元利均等返済か元金均等返済か)によっても総支払利息は異なります。元金均等返済は、初期の返済負担が大きい代わりに、総支払利息は少なくなります。将来的に収益増加が見込める場合は、この方式が有利になることがあります。

さらに、ボーナス返済(年2回の増額返済)を組み合わせることで、月々の負担を抑えながら総支払利息を減らすことも可能です。季節変動のある事業では、こうした柔軟な返済方式が役立つことがあります。

収入支出の長期予測

長期にわたる不動産担保ローンの返済を確実に行うためには、企業の収入と支出を長期的に予測し、返済計画に反映させることが不可欠です。

収入予測では、業界の将来性や自社の成長戦略、競合状況などを踏まえた現実的な見通しを立てることが重要です。特に、景気変動や業界の環境変化を考慮した複数のシナリオを用意しておくことで、不測の事態にも対応できます。

支出予測では、固定費の増加や設備更新費用、人件費の変動なども含めて検討します。特に、ローン返済期間中に大きな設備投資や事業拡大を予定している場合は、その資金需要も見込んでおく必要があります。

また、キャッシュフロー管理の観点から、月々の返済額は、月商の15〜20%以内に抑えることが望ましいとされています。これを超える場合は、返済期間の延長や融資額の見直しを検討すべきでしょう。

なお、将来的な金利変動リスクも考慮する必要があります。変動金利を選択した場合は、金利上昇時のシミュレーションも行い、最大どの程度の返済額増加に対応できるかを検討しておくことが重要です。

早期返済の適宜検討

事業が好調で余剰資金が生じた場合、不動産担保ローンの早期返済を検討する価値があります。早期返済のメリットと、実行する際の注意点を理解しておきましょう。

早期返済の最大のメリットは、総支払利息の削減です。特に、返済初期に繰り上げ返済を行うと、利息削減効果が大きくなります。例えば、3,000万円を金利3%、20年で借りた場合、5年目に1,000万円を繰り上げ返済すると、約300万円の利息削減になります。

また、借入残高が減少することで財務状態が改善され、金融機関からの信用度が向上します。これは、将来的な資金調達の際に有利な条件を引き出せる可能性を高めます。

早期返済を検討する際の注意点としては、前述した期限前返済違約金があります。違約金と利息削減効果を比較して、経済的に合理的かどうかを判断することが重要です。

また、余剰資金の活用方法として、他の投資機会と比較検討することも必要です。例えば、ローン金利より高いリターンが期待できる事業投資があれば、そちらを優先した方が合理的なケースもあります。

早期返済を計画的に行うためには、契約時に違約金が免除される条件(特約)を確認しておくことや、一部返済が可能な条件を確認することも重要です。金融機関によっては、年1回程度の一部返済を無料で認めているケースもあります。

まとめ

不動産担保ローンは、担保となる不動産の価値に応じて、高額な融資を受けられる資金調達方法です。融資期間は金融機関によって異なりますが、銀行系では最長25年程度、ノンバンク系では最長35年程度となっています。選択する返済期間や返済方式によって、月々の返済負担と総支払利息のバランスが変わるため、自社の資金繰り計画に合わせた最適な条件を選ぶことが重要です。

申込から融資実行までには1〜2ヶ月程度かかりますので、余裕をもった計画が必要です。また、融資事務手数料や登記費用など、金利以外にも諸費用がかかることを忘れないでください。不動産担保ローンを活用する際は、複数の金融機関から条件を取り寄せて比較検討し、長期的な視点で返済計画を立てることで、事業の安定的な成長を支える資金調達が可能となります。

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監修者 三坂大作
筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
・1985年:東京大学法学部卒業
・1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
 表参道支店:法人融資担当
・1989年:同行 ニューヨーク支店勤務
 非日系企業向けコーポレートファイナンスを担当
・1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。


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