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2025.01.28

法人が銀行からお金を借りる方法!審査の基本を解説

法人経営において、事業の拡大や運営に必要な資金を確保することは経営の最重要課題です。自己資金だけでは事業資金が不足してしまうケースも少なくないでしょう。そこで、多くの法人では銀行等の金融機関から融資を受けることを検討し始めます。この記事では、法人向け銀行融資の基本的な仕組みや種類、審査のポイントについて解説します。

法人向け銀行融資の審査基準

法人が銀行から融資を受ける際には、厳しい審査が行われます。その審査においては、書類の内容や担保や保証人の有無が重要視されます。

事業計画書

銀行融資の審査では、事業計画書が非常に重要な役割を果たします。

事業計画書は、企業の現状と将来の見通しを銀行に伝えるための資料です。具体的かつ現実的な計画を立て、それを的確に伝えることが求められます。

特に、資金の使途や返済計画は詳細に記載する必要があるでしょう。事業計画書の内容が審査担当者の評価を得られなければ、融資を受けるのは難しくなります。

決算書類の準備と提出

銀行融資の申込時には、決算書類の提出が必須となります。

必要な書類は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などです。これらの書類は、企業の財務状況を正確に表すものでなければいけません。

決算書類は、過去3期分を準備するのが一般的です。また、直近の試算表があれば、より審査がスムーズに進む可能性が高まります。

担保や保証人の有無

銀行融資では、担保や保証人の有無も審査のポイントとなります。

担保とは、融資の返済が滞った場合に、銀行が代わりに換金できる資産のことです。不動産や有価証券などが担保になり得ます。十分な担保があれば、融資を受けやすくなるでしょう。

  • 保証人とは、融資の返済を保証してくれる人のことです。
  • 経営者本人や、企業の代表者などが保証人になるケースが多いようです。
  • 保証人がいれば、銀行にとっての融資リスクは低減します。

ただし、担保や保証人がなくても、事業の将来性や経営者の資質次第では融資が得られる場合もあります。

銀行からお金を借りるための準備

法人が銀行から融資を受ける際には、事前の準備が非常に重要です。ここでは、融資獲得のために必要な準備について詳しく解説します。

事業計画書の作成

事業計画書は、銀行融資の審査において最も重視される書類の一つです。事業の目的や市場性、競合優位性、収支計画などを明確に示す必要があります。

作成の際は以下の点を心がけましょう:

  • 事業コンセプトや目標を明確に記載する
  • 市場調査に基づいた需要予測と販売計画を立てる
  • リスク分析と対策を盛り込む
  • キャッシュフロー計画と資金繰り表を作成する
  • 経営者の経歴や実績をアピールする

銀行の審査担当者に事業の将来性と実現可能性を理解してもらえるよう、社長自身が自身の言葉で丁寧に説明することが大切になります。

財務諸表の用意

融資審査では、企業の財務状況を示す書類の提出が求められます。具体的には、以下のような財務諸表を用意する必要があります。

  • 貸借対照表(バランスシート)
  • 損益計算書(P/L)
  • キャッシュフロー計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 勘定科目内訳書

これらの書類は、公認会計士や税理士による監査を受けている方が信頼性が高まります。最低でも直近3期分の財務諸表を準備しておくとよいでしょう。

他の必要書類

融資申込時には、財務諸表以外にも各種の書類提出が必要です。主な書類は次の通りです。

  • 法人登記簿謄本
  • 印鑑証明書
  • 定款
  • 株主名簿
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  • 納税証明書
  • 担保予定の不動産の登記簿謄本(担保提供する場合)

これらの書類は、原則としてコピーではなく原本を用意する必要があります。提出前に書類が揃っているか、記載内容に誤りがないかを必ず確認しましょう。

担保となる資産の評価

銀行融資では、担保の提供を求められることがあります。担保となる資産としては、以下のようなものが考えられます。

  • 不動産(土地、建物)
  • 有価証券(株式、債券)
  • 預金・積立金
  • 売掛金債権
  • 在庫商品

担保の評価額は、資産の時価から一定の掛目(haircut)を差し引いた金額となります。担保価値を適切に算定するため、不動産鑑定評価書や資産評価書などを取得しておくことをおすすめします。

保証人の選定

法人向け融資でも、代表者個人の連帯保証が必要となる場合があります。さらに、第三者の保証人を立てることで、融資の承認を得やすくなることもあります。

保証人には以下のような条件が求められます:

  • 安定した収入や資産を有していること
  • 債務者との関係性が明確であること
  • 保証意思が明確であること
  • 代位弁済能力を有していること

保証人の選定は慎重に行い、保証の依頼は事前に十分な説明を行った上で行うことが大切です。保証人のリスクを最小限に抑えるためにも、返済計画はしっかりと立てておきましょう。

銀行からお金を借りる際の申込みから実行までの流れ

法人が銀行から融資を受ける際には、一定の流れに沿って手続きを進める必要があります。ここでは、融資相談から資金の受け取りまでの一連のプロセスを詳しく見ていきましょう。

事前準備

まず、融資を受けたい法人は、取引銀行の融資担当者に相談することから始めます。この段階では、融資の目的や希望する融資額、返済計画などを伝え、銀行側から必要な書類や審査のポイントについてアドバイスを受けることができます。

事前準備として、以下のような書類を用意しておくことが求められます。

  • 商業登記簿謄本
  • 事業計画書
  • 過去3年分の決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)
  • 直近の試算表
  • 納税証明書
  • 代表者の履歴書

これらの書類は、法人の財務状況や事業の健全性を示すために重要な役割を果たします。

融資申込書の提出

必要書類が揃ったら、銀行指定の融資申込書に必要事項を記入し、先ほどの書類と一緒に銀行に提出します。申込書には、以下のような内容を記載する必要があります。

  • 融資希望額
  • 融資期間
  • 返済方法
  • 資金使途
  • 担保の有無

融資申込書を提出する際には、書類に不備がないか、再度確認することが大切です。不備があると、審査が遅れたり、融資が受けられなくなる可能性もあります。

審査結果の通知

融資申込書と必要書類が提出されると、銀行側で審査が行われます。審査では、法人の財務状況や事業計画の妥当性、代表者の信用力などが評価されます。

審査期間は銀行や融資額によって異なりますが、通常は2週間から1ヶ月程度かかります。審査結果は、書面または口頭で通知されます。融資が承認された場合は、融資条件(金利、返済期間、担保など)が示されます。

融資契約の締結

融資が承認されたら、銀行との間で融資契約を締結します。契約書には、融資金額、金利、返済期間、返済方法、遅延損害金、期限の利益喪失事項などが記載されます。

契約内容をよく確認し、疑問点があれば銀行に質問することが重要です。契約書に署名・捺印をして、融資契約が正式に成立します。

融資実行

融資契約が締結されると、銀行から指定の口座に融資金が振り込まれます。これを融資実行といいます。振込手数料は、銀行負担となることが一般的です。

資金が口座に入金されたら、事業計画書に沿って適切に運用を始めましょう。返済は、契約で定められたスケジュールに従って行います。万が一、返済が難しくなった場合は、早めに銀行に相談するようにしましょう。

銀行融資を有利に進めるコツ

銀行融資を受ける際には、審査に通りやすくするためのいくつかのポイントがあります。ここでは、融資を有利に進めるためのコツを5つご紹介します。

事業の強みと将来性のアピール

銀行の審査では、事業の収益性や成長性が重要視されます。そのため、自社の強みや競合他社との差別化ポイント、今後の事業展開や市場の見通しなどを、具体的なデータを交えて説得力をもって示すことが大切です。

事業計画書や資金繰り表は、融資審査の重要な判断材料となります。ビジネスモデルの独自性や優位性、売上や利益の見込み、資金の使途と回収の見通しなどを明確に示し、事業の将来性をアピールしましょう。

経営者の信用力の向上

銀行は、経営者の人柄や信用力も重視します。融資審査の際には、経営者の経歴やスキル、ビジネスに対する熱意などがチェックされます。

日頃から銀行との良好な関係を築き、定期的に事業の状況を報告するなどして、経営者としての信頼を高めておくことが大切です。また、経営者保証を求められる場合は、個人の資産状況や信用情報にも注意が必要でしょう。

複数の金融機関との取引

複数の金融機関と取引することで、リスク分散やより有利な条件での融資が期待できます。メインバンク以外にも、地方銀行や信用金庫などと関係を築いておくと良いでしょう。

ただし、借入先が増えすぎるとかえって返済負担が重くなるリスクもあるので注意しましょう。

専門家のアドバイスの活用

事業計画の作成や財務分析など、融資審査に向けた準備は専門的な知識が求められます。税理士や中小企業診断士、経営コンサルタントなどの専門家に相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

第三者の視点から事業の課題を指摘してもらい、より説得力のある事業計画を作り上げることができるでしょう。また、金融機関との交渉の際にも心強い味方となってくれます。

返済計画の綿密な立案

無理のない返済計画を立てることは、融資審査を通過するために不可欠です。キャッシュフローを正確に見積もり、返済期間や金額を現実的に設定しましょう。

また、想定外の事態に備えて、売上減少時のシミュレーションも行っておくと良いです。銀行としても、返済の確実性が高い計画であると判断されれば、融資に前向きになってくれるはずです。

まとめ

本記事では、法人が銀行から融資を受ける方法について詳しく解説してきました。

融資を受けるためには、事業計画書や財務諸表など必要書類を整え、担保や保証人の有無も重要なポイントになります。審査では、定量的な財務の健全性だけでなく、定性的な事業の将来性や経営者の資質も評価されます。

銀行融資の際は、基準を良く把握し、十分な準備の下で審査に臨みましょう。

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監修者 三坂大作
監修者 三坂大作

略歴
1961年 横浜市生まれ
1985年 東京大学法学部卒業
1985年 三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
1985年 同行 表参道支店:法人融資担当
1989年 同行 ニューヨーク支店:コーポレートファインス非日系 取引担当
1992年 三菱銀行退社 
同年 株式会社プラネス設立代表取締役就任
2021年 ヒューマントラスト株式会社 取締役就任

貸金業務取扱主任者を保有。
大手金融機関の法人担当を国内外で担当した後、お客様企業の経営戦略を中心としたコンサルティング事業を推進。
2021年にヒューマントラスト株式会社の統括責任者 取締役に就任。
上場企業・中小企業含めて300社以上、30年以上の支援実績がある法人企業向け融資のプロフェッショナル。
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