• TOP
  • 新着情報
  • おまとめローンとは?メリットとリスクを詳しく解説

おまとめローンとは?メリットとリスクを詳しく解説

事業資金の調達に悩む経営者のみなさん。複数の借入先から資金を調達し、返済管理に苦慮されていませんか?おまとめローンは、そんなお悩みを解決に導く強力な金融商品です。

この記事では、おまとめローンの基本情報から、メリット・デメリット、賢く利用するためのポイントまで、詳しく解説します。おまとめローンを正しく理解し、資金調達と返済管理の悩みを解消することで、事業の安定的な発展につながることでしょう。

おまとめローンとは

おまとめローンとは複数の借入先からの債務を一本化する金融商品のことを指します。

ここでは、おまとめローンの目的から種類、利用状況について詳しく解説していきます。

おまとめローンの目的

おまとめローンの主な目的は、返済負担の軽減と管理の簡素化にあります。

具体的には、複数の金融機関から借りている借金を、一つの金融機関でまとめて借り換えることで、返済先を一本化し、金利を低減させることができます。これにより、月々の返済額を削減し、返済管理を簡素化することが可能となります。

また、おまとめローンは、利息制限法により、100万円以上の融資は年15.0%以下に制限されています。(100万円未満は18.0%以下)これにより、高金利の借金を低金利のおまとめローンに借り換えることで、利息負担を大幅に軽減できる可能性があります。

おまとめローンの種類

おまとめローンには、主に2つの種類があります。一つは、貸金業法に基づく返済専用ローンで、もう一つは、銀行の借り換え特化型返済専用ローンです。

貸金業法に基づく返済専用ローンは、貸金業者が提供するおまとめローンで、貸金業法の規制に従って運営されています。一方、銀行の借り換え特化型返済専用ローンは、銀行が提供するおまとめローンで、銀行法の規制に従って運営されています。

両者の主な違いは、金利と審査基準にあります。一般的に、銀行の借り換え特化型返済専用ローンの方が、金利が低く、審査基準が厳しい傾向にあります。一方、貸金業法に基づく返済専用ローンは、金利が比較的高めですが、審査基準が緩やかな場合があります。

おまとめローンの利用状況

おまとめローンは、近年、多くの人に利用されています。全国銀行協会の調査(2022年)によると、銀行カードローン利用者の24.4%がおまとめローンの利用経験があり、利用または検討経験者は53.1%に上ります。

この数字は、おまとめローンが、借金を抱える人にとって、重要な選択肢の一つになっていることを示しています。特に、複数の借金を抱え、返済に困難を感じている人にとって、おまとめローンは、返済負担を軽減し、財務状況を改善するための有効な手段となり得ます。

ただし、おまとめローンは、万能な解決策ではありません。適切に利用するためには、自身の財務状況を正確に把握し、返済計画を綿密に立てる必要があります。また、おまとめローンのメリットとデメリットを十分に理解し、慎重に判断することが求められます。

おまとめローンの仕組み

おまとめローンには、貸金業法に基づく返済専用ローンと、銀行の借り換え特化型返済専用ローンの2種類があります。ここでは、おまとめローンがどのような仕組みで返済負担を軽減するのか、詳しく見ていきましょう。

返済負担軽減のメカニズム

おまとめローンは、主に3つの方法で返済負担を軽減します。金利の低減、返済先の一本化、そして月々の返済額の調整です。これらのメカニズムについて、順に解説していきます。

金利の低減

おまとめローンの大きなメリットの1つが、金利の低減です。複数の借入先から借りている場合、それぞれの金利が異なることがあります。おまとめローンを利用することで、より低い金利で借り換えることが可能となります。

特に、利息制限法により、100万円以上の融資は年15.0%以下に制限されています。このため、高金利の借り入れをおまとめローンで借り換えることで、大幅な金利の低減が期待できるでしょう。

返済先の一本化

複数の借入先に対して返済を行っていると、管理が複雑になり、返済漏れのリスクも高まります。おまとめローンを利用することで、返済先を一本化できます。

これにより、返済管理がシンプルになり、返済漏れのリスクを減らすことができます。また、借入状況を把握しやすくなるため、財務管理がより容易になるといえます。

月々の返済額の調整

おまとめローンでは、返済期間を延長することで、月々の返済額を調整することが可能です。これにより、毎月の返済負担を軽減できます。

ただし、返済期間を延長すると、総返済額が増加する可能性があることに注意が必要です。返済シミュレーションを行い、長期的な返済計画を立てることが重要でしょう。

以上のように、おまとめローンは金利の低減、返済先の一本化、月々の返済額の調整という3つのメカニズムで返済負担を軽減します。ただし、おまとめローンにもデメリットや注意点があるため、慎重に検討する必要があります。

おまとめローンのメリット

おまとめローンには、返済負担を軽減するための様々なメリットがあります。ここでは、そのメリットについて詳しく解説していきます。

返済管理を簡素化できる

おまとめローンの大きなメリットの一つが、返済管理の簡素化です。複数の借入先からの債務を一本化することで、返済先が一か所に集約されます。

これにより、毎月の返済日や返済額を把握しやすくなり、返済忘れのリスクを減らすことができます。また、借入先ごとに異なる返済条件を個別に管理する必要がなくなるため、返済管理にかかる手間や時間を大幅に削減できるでしょう。

金利の低減により利息負担が軽減する

おまとめローンのもう一つの大きなメリットが、金利の低減による利息負担の軽減です。一般的に、おまとめローンの金利は元の借入先よりも低く設定されています。

これは、貸金業法に基づく返済専用ローンや、銀行の借り換え特化型返済専用ローンなどの特別な金融商品だからこそ実現できるメリットといえます。金利の低減により、支払う利息の総額を抑えることができ、結果的に返済負担を軽減することにつながります。

月々の返済額削減につながる

おまとめローンを利用することで、月々の返済額を削減できる可能性があります。これは、借入期間を延長することで実現します。

例えば、元々の借入先では3年間で返済する予定だったものを、おまとめローンで5年間に延長することで、月々の返済額を抑えることができます。ただし、借入期間が長くなることで、支払う利息の総額が増える可能性があることには注意が必要です。

おまとめローンの注意点

おまとめローンには、いくつかの潜在的な課題やリスクがあります。これから、その詳細について順を追って見ていきましょう。

厳格な審査プロセス

おまとめローンを利用するためには、金融機関による厳しい審査を通過する必要があります。この審査では、借り手の信用力や返済能力が詳細に評価されます。

審査の基準は金融機関によって異なりますが、一般的に安定した収入健全な信用情報が求められます。過去の延滞や多重債務などの問題がある場合、審査に通過するのは困難かもしれません。

したがって、おまとめローンの利用を検討する際は、信用情報機関などで自身の信用状況を事前に確認し、必要に応じて改善に努めることが重要です。

リボ払い対象外の可能性

おまとめローンでは、リボ払いが適用されない場合があります。リボ払いとは、毎月の返済額を一定に保ちながら、支払期間を延長する支払方法です。

一部の金融機関では、おまとめローンをリボ払いの対象から除外しています。この場合、借り手は通常の分割払いで返済を行う必要があります。分割払いでは、毎月の返済額が高くなる傾向にあるため、返済負担が増す可能性があります。

追加費用の発生リスク

おまとめローンの利用には、追加費用が発生するリスクがあります。これらの費用は、ローンの条件や金融機関によって異なります。

主な追加費用として、事務手数料保証料などが挙げられます。これらの費用は、ローン実行時や返済期間中に発生する可能性があります。

また、既存の借入金を繰上返済する際に、繰上返済手数料が必要となる場合もあります。これらの追加費用は、おまとめローンのメリットを減殺する要因となります。

総量規制への影響

おまとめローンは、総量規制の対象となる可能性があります。総量規制とは、借り手の年収の3分の1を超える貸付けを禁止する規制です。

おまとめローンを利用して既存の借入金を一本化する場合、新たな借入金として扱われる可能性があるのです。その結果、総量規制の上限に達し、追加の借入れが制限されるおそれがあります。

おまとめローンの利用を検討する際は、自身の借入状況を総合的に評価し、総量規制への影響を考慮することが賢明です。必要に応じて、金融機関や専門家に相談し、適切なアドバイスを求めることをおすすめします。

返済総額増加の可能性

おまとめローンを利用すると、返済総額が増加する可能性があります。これは、ローンの返済期間が長期化するからです。

おまとめローンでは、返済期間を延長することで月々の返済額を減らすことができます。しかし、返済期間が長くなるほど、支払う利息の総額も増加します。

特に、高金利の借入金をおまとめローンで一本化する場合、金利の低減効果が限定的であれば、返済総額が増加するリスクがあります。

繰上返済時の手数料と解約の必要性

おまとめローンを繰上返済する際には、手数料が発生する場合があります。また、既存の借入金を解約する必要もあります。

繰上返済とは、契約期間より早くローンを完済することを指します。多くの金融機関では、繰上返済に手数料を設定しています。手数料の金額は、ローンの残高や返済方法によって異なります。

また、おまとめローンを利用する際は、既存の借入金を解約する必要があります。解約手続きを怠ると、二重に返済する事態となるため注意が必要です。

おまとめローンを賢く利用する方法

おまとめローンを利用する際は、様々な角度から慎重に検討し、リスクを管理することが重要です。ここでは、おまとめローンを効果的かつ安全に利用するための実践的なアドバイスをご紹介します。

返済シミュレーションを行う

おまとめローンの利用を検討する際は、まず返済シミュレーションを行うことが不可欠です。これにより、借入前後の返済条件を詳細に比較し、おまとめローンがもたらす具体的なメリットを把握することができます。

返済シミュレーションでは、現在の借入条件と、おまとめローン利用後の予想返済額を並べて比較します。金利の低減や返済期間の変更による月々の返済額の減少が期待できる一方で、総返済額が増加する可能性もあるため、長期的な視点で評価することが重要でしょう。

無理のない返済計画を立てる

おまとめローンの審査では、返済能力が厳しく評価されます。申込前に、現在の収入や支出を詳細に分析し、無理のない返済計画を立てることが肝心です。

また、将来の収入の変動リスクも考慮に入れておく必要があります。急な収入減少や予期せぬ出費に備えて、ある程度の余裕を持った返済計画を立てることが賢明といえます。

緻密な返済計画を考える

おまとめローンの返済は、長期にわたることが多いため、無理のない範囲で綿密な返済計画を立てることが欠かせません。単に月々の返済額を減らすだけでなく、トータルの返済額や返済期間を考慮した、現実的な計画を立てる必要があります。

返済計画を立てる際は、定期的な見直しを行い、状況の変化に応じて柔軟に調整していくことが重要です。また、余裕があれば繰上返済を行い、少しでも早く完済できるよう努力することも大切でしょう。

追加費用を確認する

おまとめローンの利用には、金利以外にも様々な追加費用が発生する可能性があります。事前に、これらの費用について詳細な情報を入手し、総合的なコストを把握しておくことが重要です。

具体的には、以下のような費用が発生する場合があります。

  • 事務手数料
  • 保証料
  • 印紙代
  • 繰上返済手数料

これらの費用は、金融機関によって異なるため、複数の選択肢を比較し、最も有利な条件を提示する金融機関を選ぶことが賢明でしょう。

自分の信用情報を事前に確認する

おまとめローンの審査では、信用情報が重要な判断材料となります。申込前に、自身の信用情報を確認し、問題点があれば改善に努めることが大切です。

信用情報は、信用情報機関から取得することができます。主要な信用情報機関としては、以下の3社が挙げられます。

  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

これらの機関から信用情報を取得し、誤りがないか確認しておくことが重要ですね。

他の金融オプションも検討する

おまとめローンは、借金問題の解決に有効な手段ですが、唯一の選択肢ではありません。状況によっては、他の金融オプションの方が適している場合もあります。

例えば、以下のような代替オプションが考えられます。

  • 日本政策金融公庫の個人向け国民生活事業(教育ローン、生活衛生改善貸付など)
  • クレジットカードのリボ払い(金利は高いが、少額の借り入れには便利)
  • 債務整理(任意整理、個人再生、自己破産など)

自身の状況に最も適した方法を選択す
るためには、専門家に相談し、アドバイスを求めることが賢明といえます。
弁護士や司法書士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家は、幅広い知識と経験を持っており、的確なアドバイスを提供してくれるでしょう。

まとめ

ここまでおまとめローンの基本から、メリット・デメリット、賢く利用するためのポイントまで、詳しく解説してきました。おまとめローンは、複数の借入先からの債務を一本化することで、返済負担の軽減と管理の簡素化を目的とした金融商品です。

おまとめローンを戦略的に活用するには、返済負担を総合的に理解し、長期的な財務健全性を維持しつつ、柔軟な金融戦略を採用することが重要です。ただし、おまとめローンは複雑な金融商品であり、個別の状況に応じた専門家のアドバイスが不可欠です。本記事を参考に、自社の財務状況に最適な解決策を見出していただければ幸いです。

融資のご相談とお申し込みはこちらから

 

監修者 三坂大作
監修者 三坂大作

略歴
1961年 横浜市生まれ
1985年 東京大学法学部卒業
1985年 三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
1985年 同行 表参道支店:法人融資担当
1989年 同行 ニューヨーク支店:コーポレートファインス非日系 取引担当
1992年 三菱銀行退社 株式会社プラネス設立代表取締役就任
2021年 ヒューマントラスト株式会社 取締役就任

貸金業務取扱主任者を保有。
大手金融機関の法人担当を国内外で担当した後、お客様企業の経営戦略を中心としたコンサルティング事業を推進。
2021年にヒューマントラスト株式会社の統括責任者 取締役に就任。
上場企業・中小企業含めて300社以上、30年以上の支援実績がある法人企業向け融資のプロフェッショナル。
前へ

倒産する会社に共通する資金繰りの特徴とは?現金と借り入れの重要性について

一覧へ戻る

事業資金融資を受けるには?審査の基準を徹底解剖!

次へ