2025.05.12
ビジネスローンで審査落ちする事業者の共通点は?通るための具体的な対処法も伝授
経営者として、事業資金の調達は常に重要な課題ですが、ビジネスローンの審査に落ちると資金計画全体が狂ってしまいます。
どうして審査に通らなかったのか、ビジネスローン会社からその理由が明確に伝えられることはほとんどありません。しかし、ビジネスローンの審査落ちには、一定の傾向があります。
本記事では、ビジネスローンの審査に落ちやすい事業者の特徴と、審査通過率を上げるための具体的な対策を解説します。財務状況の改善方法から申込書類の正しい準備まで、実践的なアドバイスを提供します。審査に不安がある方も、これから申し込みを検討している方も、ぜひ参考にしてください。
ビジネスローン審査落ちの主な原因5つ
ビジネスローンの審査では、さまざまな観点から企業と経営者の返済能力が評価されます。審査落ちする場合、多くは明確なパターンに当てはまっています。
事業の財務状況が芳しくない
ビジネスローンの審査において、最も重視されるのが企業の財務状況です。金融機関にとって、融資の返済能力を判断する最も客観的な材料となります。
直近数年の決算書で赤字が続いている場合、金融機関はその企業の返済能力に疑問を抱きます。特に、営業利益段階で赤字であると、事業本体の収益性自体に問題があると判断されるため、収益構造の改善が急務となります。改善に向けて具体的な施策や計画を立て、それを金融機関に明確に伝えることができれば、審査上プラスに働く可能性があります。
また、債務超過の状態も審査において大きなマイナス要因となります。負債が資産を上回っている状態では、追加の融資を受けても返済できるか不安視されます。特に、複数年にわたって債務超過が続いている場合は、その傾向がさらに強まります。
税金の滞納も、審査において致命的な問題です。税金は最優先で支払うべき債務であり、これが滞っていると、資金繰りが極めて厳しい状態と判断されてしまいます。融資の審査前には、必ず税金の支払い状況を確認し、滞納があれば早急に解消する必要があります。
経営者の信用情報に問題がある
ビジネスローン、特に中小企業向けの融資では、法人の信用だけでなく経営者個人の信用情報も審査項目となります。
経営者が、過去にクレジットカードやローンの支払いを延滞した履歴がある場合、その情報は信用情報機関に記録されています。このような履歴があると、経営者としての信用力が大きく損なわれることになります。一度失われた信用を取り戻すには、長い時間がかかるため、日頃から個人の支払い管理を徹底し、延滞を避けることが重要です。
また、複数の金融機関に同時に融資を申し込むことも、審査においてマイナス要因となります。資金繰りが逼迫しているとみなされ、返済能力を疑問視される原因になります。
個人の借入件数が多い場合も要注意です。多重債務状態と判断され、追加の返済負担に耐えられるかどうか懸念されます。特に、個人の借入総額が年収の3分の1を超えると、返済能力に疑問符がつけられやすくなるため、借入状況の整理を検討すべきでしょう。
事業歴が浅すぎる
創業間もない企業は、ビジネスローンの審査において、特に厳しい評価を受けることが多いものです。一般的に、創業から1年未満の企業は、審査通過が難しいといわれています。
創業間もない企業は、事業の安定性や継続性を証明する実績が少なく、金融機関からすれば融資リスクが高い対象となります。創業期は、特に資金需要が高い時期ですが、実績が乏しいことから融資を受けにくい状況に陥りがちです。そのため、売上の推移や今後の見通しを具体的な数字やデータで示し、将来的な成長の可能性を金融機関にアピールすることが大切になります。
また、業界や事業モデルによっては、安定するまでに3年以上かかるケースもあります。金融機関は、少なくとも2期分の決算書を見て事業の安定性を判断することが多いため、創業間もない企業は不利な立場に置かれます。
創業期に資金調達を検討する場合は、一般的なビジネスローンよりも、創業融資や公的融資制度を活用する方が、審査通過の可能性が高くなります。
申し込み書類に不備がある
審査落ちの原因として意外と多いのが、申込書類の不備や不足です。必要書類が揃っていなかったり、記入ミスがあったりすると、審査担当者に悪い印象を与えるだけでなく、審査のスピードも遅くなります。
特に、決算書や確定申告書は重要な審査資料です。これらに不整合や明らかな誤りがあると、企業の財務管理能力自体を疑問視される原因になります。正確で整合性のある書類提出は、審査通過の基本条件です。数字の根拠が明確に分かるように、書類の内容を十分に確認したうえで提出すると、審査担当者に与える印象も良くなります。
また、事業計画書や資金使途の説明が曖昧だと、融資の必要性や返済計画の妥当性を評価できず、審査が通りにくくなります。融資を受ける目的や返済計画を具体的に示し、根拠となる数字やデータを明確に記載することが重要です。
提出書類は金融機関によって異なりますが、一般的には決算書(3期分)、確定申告書、会社の登記簿謄本、代表者の身分証明書などが必要です。事前に必要書類を確認し、漏れなく準備しましょう。
事業内容に不安要素がある
金融機関は、業界動向や将来性も考慮して融資判断を行います。衰退産業や社会的信用度の低い業種は、審査が厳しくなる傾向にあります。
また、事業内容が不明確であったり、収益モデルが曖昧だったりすると、金融機関は返済原資の安定性に疑問を抱きます。明確なビジネスモデルの提示が、審査通過には不可欠です。
特に、新規事業への投資目的での融資申請は、リスクが高いと判断されがちです。実績のない事業への投資は、返済の確実性が低いとみなされるためです。
同業他社との差別化ポイントや競争優位性が示せない場合も、事業の継続性や成長性に疑問を持たれることがあります。自社の強みや市場での位置づけを明確に説明できるようにしておくことが重要です。
ビジネスローンの審査に通るための対処法
ビジネスローンの審査に落ちる原因を理解したところで、次は具体的な対策を見ていきましょう。事前の準備と適切な対応で、審査通過率を大幅に高めることができます。
財務状況の改善
ビジネスローンの審査を通すためには、財務状況の改善が最も効果的です。まずは、赤字体質からの脱却を目指しましょう。不採算事業の見直しやコスト削減によって、利益体質への転換を図ることが重要です。
債務超過の状態にある場合は、増資や資産の見直しを検討します。遊休資産の売却や経営者からの資金投入によって、バランスシートの改善を図りましょう。
税金の滞納がある場合は、審査申し込み前に必ず完納しておくことが必須です。納税証明書を取得して、滞納がないことを証明できるようにしましょう。税金の分割納付中の場合でも、その事実を隠さず申告することが大切です。
また、売上高や利益の改善傾向を示すことができれば、たとえ過去に赤字があっても審査通過の可能性は高まります。直近の月次決算で業績回復の兆しがあれば、その資料も提出しましょう。
代表の信用情報を改善する
法人の代表の信用情報に問題がある場合、まずは信用情報機関に登録されている自分の情報を確認することから始めましょう。CICやJICCなどの信用情報機関に開示請求を行うことで、現在の信用状況を把握できます。
延滞中の借入がある場合は、すぐに返済して延滞状態を解消することが先決です。延滞情報は、完済後も一定期間(通常5年間)記録に残りますが、返済姿勢の改善を示すことは重要です。
複数社へのローン申し込みは避け、申し込みは1社に絞りましょう。短期間に複数社へ申し込むと、多重申込として信用情報に記録され、審査において不利になります。
また、個人的な借入を整理することも重要です。返済が滞りなく行われている場合でも、借入件数が多すぎると返済能力に疑問を持たれます。可能であれば、おまとめローンなどで借入先を整理することも検討しましょう。
客観的な根拠に基づいた計画
創業間もない企業が、ビジネスローンの審査に通りにくいのは事実ですが、いくつかの対策を講じることで、融資を受けられる可能性は高まります。まずは、創業計画の具体性と実現可能性を示す資料づくりに力を入れましょう。
市場分析、競合調査、収支シミュレーションなど、事業の成功可能性を示す客観的なデータを揃えることが重要です。特に過去の実績が少ない分、将来の見通しを論理的に説明できる資料が必要です。
創業者自身の経験やスキルも、重要なアピールポイントです。業界での勤務経験や専門知識、実績などを具体的に示すことで、事業の成功可能性をアピールできます。
また、創業期は一般的な金融機関よりも、日本政策金融公庫などの政府系金融機関や創業支援に積極的な地域金融機関を選ぶと、審査通過の可能性が高まります。創業融資の実績が多い金融機関を選ぶことも大切です。
申し込み書類の準備
ビジネスローンの審査では、提出書類の完成度が重要です。すべての書類に不備や矛盾がないか、提出前の徹底確認が必要です。
決算書は直近3期分を用意し、数字の整合性を確認しましょう。貸借対照表と損益計算書の数字が一致しているか、前年度からの繰越金額に誤りがないかなど、細部まで確認することが大切です。
資金使途計画書は、具体的かつ現実的な内容にしましょう。融資金の使い道と、それによって得られる効果を明確に示すことが重要です。特に設備投資の場合は、見積書や投資回収計画などの裏付け資料も準備します。
返済計画書では、無理のない返済スケジュールを提示しましょう。月々の返済額が手元資金の状況や将来の収益予測と照らして、現実的であることを示すことが重要です。
書類作成に不安がある場合は、税理士や中小企業診断士などの専門家にアドバイスを求めることも検討しましょう。専門家の目を通すことで、審査担当者が重視するポイントを押さえた書類作成が可能になります。
事業の将来性のアピール
審査担当者は、単に現在の財務状況だけでなく、事業の将来性や成長可能性も評価します。業界の成長性や自社の市場シェア、競争優位性などを具体的なデータとともに示すことが重要です。
特に、業績が伸び悩んでいる場合は、その原因分析と改善策を明確に説明できることが必要です。現状認識と改善への具体策を示すことで、経営者としての能力と意欲をアピールできます。
また、安定した取引先の存在や長期契約の獲得など、将来の安定収入につながる要素があれば積極的に示しましょう。大手企業との取引実績や継続的な発注が見込める顧客基盤は、返済能力の裏付けとして評価されます。
事業計画では、過度に楽観的な予測は避け、現実的かつ堅実な成長計画を示すことが信頼につながります。仮に高い成長を見込む場合でも、その根拠を客観的なデータで裏付けることが重要です。
ビジネスローンの審査の申し込み前にするべき確認
ビジネスローンの審査に申し込む前に、準備状況を最終確認するためのチェックリストを用意しました。これらの項目を事前に確認することで、審査通過率を高めることができます。
財務関連の確認
申し込み前に、財務状況に関する重要なポイントを確認しましょう。まず、決算書の内容を精査し、直近3期分の財務状況を把握することが大切です。できれば黒字決算であることが望ましいですが、業績改善の流れを示せることも重要です。
資金繰り表は、最低でも今後1年間の予測を作成しましょう。月ごとの収支予測とキャッシュフローの状況を詳細に示すことで、返済能力の裏付けとなります。
税金の納付状況も確認が必要です。法人税や消費税、固定資産税などの滞納がないことを確認し、納税証明書を取得しておきましょう。税金の滞納は、融資審査において大きなマイナスとなります。
また、既存の借入状況も整理しておきましょう。借入先、借入金額、返済条件、残高などを一覧にして、全体の債務状況を把握しておくことが重要です。返済状況に問題がないことも確認しておきましょう。
信用情報の確認
経営者の信用情報は、審査において重要な判断材料となります。申し込み前に、自身の信用情報を開示請求して内容を確認しておくことをおすすめします。
延滞や債務整理などの金融事故履歴がないか確認し、問題があれば事前に解消しておきましょう。特に、直近の返済状況は重要視されるポイントです。
クレジットカードやローンの支払い状況も確認しましょう。直近の支払いに遅延がないことを確認し、返済能力に疑問を持たれないようにすることが大切です。
また、短期間に複数の金融機関に融資の申し込みをしていないかも確認しましょう。多重申込みは信用情報に記録され、審査においてマイナス要因となります。
審査担当者とのコミュニケーションの取り方の確認
ビジネスローンの審査では、担当者とのコミュニケーションも重要です。事前に面談や質疑応答の準備をしておくことで、好印象を与え、審査通過の可能性を高めることができます。
まず、自社の事業内容や強み、市場での位置づけなどを簡潔に説明できるようにしておきましょう。自社の事業価値を明確に伝えることが大切です。
融資の必要性とその効果についても、具体的に説明できるようにしておきましょう。なぜ今融資が必要なのか、それによってどのような効果が見込めるのかを論理的に説明できることが重要です。
また、過去の業績が芳しくない場合は、その原因と改善策を正直に説明できるようにしておきましょう。問題を隠すのではなく、それを認識したうえで対策を講じていることをアピールすることが信頼につながります。
質問への回答は具体的かつ簡潔にし、誠実さを心がけましょう。不明点があれば「わからない」と正直に答え、後日回答するという姿勢も重要です。
まとめ
ビジネスローンで審査落ちしてしまうのにはさまざまな理由がありますが、多くの場合、原因を正しく把握し、適切な対策をとることで通過できる可能性は確実に上がります。重要なのは、審査落ちの理由を冷静に分析し、具体的な改善策を一つずつ丁寧に実行することです。
財務状況の改善、経営者の信用情報の見直し、申込書類の質の向上など、自社が取り組めることから着実に進めていくことが大切です。また、一つの金融機関にこだわりすぎず、自社の状況に最適な資金調達方法を柔軟に検討するようにしましょう。資金調達はあくまで事業成長のための手段であり、それ自体が目的ではありません。常に長期的な視点を持ち、事業の将来的な安定性や収益性を意識して、継続可能な資金計画を立てることを念頭に置くようにしましょう。
最短即日の無担保無保証融資!HTファイナンスのビジネスローン
ビジネスローンの審査に不安がある経営者の方も、HTファイナンスなら柔軟な審査基準で企業の成長を支援します。通常の金融機関では難しいケースでも、事業の将来性や経営者の熱意を重視した審査を行い、無担保無保証で迅速な資金提供が可能です。
HTファイナンスは、東大法学部出身で三菱銀行での実務経験を持つ三坂大作が統括責任者として、企業の資金調達と経営戦略の支援に取り組んでいます。
銀行実務とコンサルティングで培った経験を活かし、無担保無保証の融資やファクタリング、財務改善など、お客様の経営課題に合わせた最適な解決策をご提案しています。また、スピーディーで柔軟な審査体制により、成長に必要な資金を迅速にお届けできます。
お申し込みに必要な書類は最小限に抑え、オンラインやお電話でのやり取りを中心に進めていますので、経営者の皆様の負担を大きく減らすことができます。
事業拡大のチャンスを逃さないためにも、まずはお気軽にHTファイナンスにご相談ください。