2025.05.15
ファクタリングとビジネスローンを比較!ケース別のおすすめについても解説
資金調達の主要な方法として、ファクタリングとビジネスローンがあります。どちらも事業資金を確保できる手段ですが、仕組みや特徴は大きく異なります。
この記事では、ファクタリングとビジネスローンの基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、どのような状況で選ぶべきかまで詳しく解説します。資金調達方法によって、会社の財務状況や信用情報への影響も変わってくるため、自社に最適な選択をするための判断の参考にしてください。
ファクタリングとビジネスローンの比較
資金調達を検討する際、まずはファクタリングとビジネスローンの根本的な違いを理解することが重要です。両者は、全く異なる仕組みで企業に資金を提供します。
仕組みにおける比較
ファクタリングは、企業が保有する売掛金(まだ回収していない債権)をファクタリング会社に売却して現金化する方法です。つまり、将来入ってくる予定のお金を先に受け取る仕組みです。
このプロセスでは、売掛金という資産を現金という別の資産に変換するだけなので、借入金ではなく、負債として計上されない点が大きな特徴です。返済義務がないため、バランスシートの健全性を保ったまま資金調達ができます。
一方、ビジネスローンは、金融機関や貸金業者から資金を借り入れる方法です。これは典型的な借入金であり、利息とともに返済する義務が生じます。財務諸表上では負債として計上され、返済が完了するまで借入金として残り続けます。
審査基準の比較
ファクタリングとビジネスローンでは、審査で重視されるポイントも大きく異なります。この違いを理解することで、自社の状況に合った選択ができるようになります。
ファクタリングの審査では、主に売掛先(第三債務者)の信用力が重視されます。なぜなら、ファクタリング会社は、売掛金の回収可能性に基づいて取引を判断するからです。自社の財務状況よりも、売掛先の支払能力や信頼性が審査の中心となります。
売掛先が大手企業や公的機関であれば有利になる傾向があり、中小企業でも安定した取引実績があれば対応してもらいやすくなります。
対照的に、ビジネスローンでは申込企業自体の信用力や財務状況が審査の中心となります。売上や利益の状況、事業の安定性、返済能力などが重点的に評価されます。創業間もない企業や財務状況が芳しくない場合は、審査が厳しくなる傾向があります。
資金調達のスピードの比較
資金繰りに困っている場合、調達までのスピードも重要な判断材料となります。ファクタリングとビジネスローンでは、資金を手にするまでの期間に違いがあります。
ファクタリングは、一般的に迅速な資金調達が可能です。売掛先の信用力さえ確認できれば、最短即日から数日程度で資金化できるケースが多くあります。緊急の資金需要がある場合には、特に有効な選択肢となります。
一方、ビジネスローンは、金融機関や貸金業者によって対応が異なります。ノンバンクのビジネスローンであれば、即日から数日で融資が可能なケースもありますが、銀行融資の場合は、審査に1週間から10日程度かかることが一般的です。
特に銀行融資では、決算書や事業計画書などさまざまな書類提出を求められることが多く、準備に時間がかかる場合もあります。ただし、銀行との取引実績がある場合は、比較的スムーズに進むこともあります。
ファクタリングを利用するメリット
ファクタリングには独自のメリットがあり、特定の状況下では非常に効果的な資金調達手段となります。ここでは、ファクタリングの主なメリットと活用方法について詳しく見ていきましょう。
負債が増加しない
ファクタリングの最大の特徴は、負債を増やさない資金調達方法である点です。通常の借入とは異なり、売掛金という資産を現金化するだけなので、バランスシート上で負債が増加しません。
これにより、財務健全性を維持したまま資金を確保できるというメリットがあります。特に、銀行からの融資枠を温存しておきたい場合や、負債比率を悪化させたくない場合に有効です。
また、決算期に向けて財務状況を改善したい場合にも活用できます。負債を増やさずに手元資金を増やせるため、流動比率などの財務指標を改善することが可能です。
自社の信用状況に左右されづらい
ファクタリングは自社の業績や信用状況よりも、売掛先の信用力が重視される資金調達方法です。そのため、創業間もない企業や一時的に業績が悪化している企業でも、信用力の高い取引先への売掛金があれば資金調達が可能です。
例えば、大手企業や官公庁との取引がある中小企業は、自社の財務状況が芳しくなくても、その売掛金を活用して資金を調達できる可能性が高まります。赤字決算が続いていることや、金融機関からの借入が難しい状況でも選択肢となりえます。
特に季節変動の大きいビジネスや、プロジェクトベースで大きな資金が必要になるビジネスモデルに適しています。売上が発生するタイミングと、入金のタイミングのギャップを埋める手段として効果的です。
スピーディーな資金調達が可能
ファクタリングのもう一つの大きなメリットは、審査から資金化までのスピードの速さです。銀行融資などと比較して、手続きが簡略化されており短期間で資金化できることが多くあります。
多くのファクタリング会社では、売掛先の信用情報を確認した上で、最短即日〜数日程度での資金化に対応しています。急な支払いや予想外の出費に対応するための緊急資金調達手段として、非常に有効です。
必要書類も比較的少なく、主に売掛金の証明(請求書や契約書など)と会社の基本情報程度で対応できるケースが多いため、準備の負担も小さいでしょう。オンラインで完結するサービスも増えているため、忙しい経営者にとって時間的コストを抑えられる点も魅力です。
ファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリングには多くのメリットがある一方で、いくつかの注意点やデメリットも存在します。実際に利用する前に、これらのポイントをしっかり理解しておくことが重要です。
手数料が高め
ファクタリングの最大のデメリットとして、手数料が比較的高額になる傾向にある点が挙げられます。ビジネスローンの金利と比較すると、コスト面では不利な場合が多くあります。
一般的にファクタリングの手数料は、売掛金額に対して2%〜10%程度となりますが、取引規模や売掛先の信用度、資金化までの期間によって大きく変動します。特に、売掛先の信用力が低い場合や、資金化を急ぐ場合は手数料率が高くなる傾向があります。
例えば、100万円の売掛金を5%の手数料でファクタリングした場合、実際に受け取れる金額は95万円となります。年率に換算すると非常に高い金利となる可能性があるため、コスト意識を持って利用することが重要です。
調達額は売掛金の範囲内に限定される
ファクタリングでは、原則として現在保有している売掛金の金額までしか資金調達ができません。これは、将来の事業拡大や大型投資のための資金調達には限界があることを意味します。
例えば、1000万円の設備投資をしたいが、現在の売掛金は300万円しかない場合、ファクタリングだけでは必要資金を確保できません。継続的な成長のための投資資金や、売掛金を超える運転資金が必要な場合は、ビジネスローンなど他の資金調達方法と組み合わせる必要があります。
また、売掛先が少数の場合や、季節変動が大きいビジネスでは、安定した資金調達が難しくなる可能性もあります。恒常的な資金需要がある場合は、ファクタリングだけに頼らない資金調達計画を立てることが重要です。
売掛先との関係に影響する可能性がある
ファクタリングには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」があり、特に3社間ファクタリングでは、売掛先に通知と承認が必要となります。これにより、取引先に資金繰りの厳しさを知られるリスクが生じる場合があります。
また、売掛先の中には債権譲渡禁止の特約を設けている企業もあり、そのような場合はファクタリングが利用できないか、売掛先の同意が必要となります。大企業や官公庁との取引では、この制限に直面することが多いでしょう。
さらに、ファクタリング後の入金は指定口座に直接行われることになるため、通常の取引フローが変わることに売掛先が不便を感じるケースもあります。長期的な取引関係を維持するためには、事前の丁寧な説明や調整が必要になることがあります。
ビジネスローンのメリット
ビジネスローンは、多くの企業にとって主要な資金調達手段の一つです。ファクタリングとは異なる特性を持ち、特定の状況では非常に有効な選択肢となります。ここでは、ビジネスローンの主なメリットと活用シーンを詳しく見ていきましょう。
大きな金額の調達が可能
ビジネスローンの最大の強みの一つは、売掛金などの現有資産に縛られず、必要な資金を調達できる点です。事業の成長性や返済能力に応じた融資が受けられるため、大型の設備投資や事業拡大に必要な資金を確保できます。
例えば、新店舗の出店や生産設備の導入、大規模なシステム開発など、まとまった資金が必要な場合に適しています。特に長期的な視点での事業投資には、計画的な返済が可能なビジネスローンが適していることが多くあります。
また、融資実績を積み重ねることで、金融機関との関係が強化され、将来的により有利な条件での融資を受けられる可能性も高まります。事業の成長とともに融資枠を拡大していくことも可能です。
資金使途の自由度が高い
ビジネスローンは、資金の使途に関して、比較的自由度が高いという特徴があります。運転資金から設備投資まで幅広い目的に活用できるため、企業のさまざまなニーズに対応できます。
例えば、季節変動に備えた運転資金の確保、人材採用・育成費用、広告宣伝費、研究開発費など、事業運営のあらゆる側面に活用可能です。成長戦略の実行や、競争力強化のための投資など、将来を見据えた資金需要にも対応できます。
一部のビジネスローンでは、特定の用途に限定されるケースもありますが、多くの金融商品では柔軟な資金活用が認められています。このため、経営戦略に合わせた資金計画を立てやすいという利点があります。
ファクタリングより調達コストを抑えやすい
一般的に、ビジネスローンはファクタリングと比較して調達コストが低く抑えられる傾向があります。年率換算での金利負担が明確で計画的なため、長期的な資金調達では有利になることが多くあります。
例えば、ビジネスローンの金利は、年率1.5%〜15%程度であることが多いのに対し、ファクタリングの手数料を年率換算すると、それを大きく上回るケースも少なくありません。特に長期間の資金需要がある場合は、この金利差が総コストに大きく影響します。
また、銀行からの融資であれば、信用保証協会の保証付き融資や制度融資など、さらに低金利の選択肢も存在します。事業の安定性や成長性が高く評価されれば、より有利な条件での借入が可能になるでしょう。
ビジネスローンを利用する際の注意点
ビジネスローンには多くのメリットがある一方で、いくつかの重要なリスクや注意点も存在します。これらを十分に理解した上で利用することが、健全な財務管理につながります。
十分な返済管理が必要
ビジネスローンの最大の注意点は、借入金には必ず返済義務が伴うという点です。将来のキャッシュフローに継続的な負担がかかるため、慎重な返済計画が必要になります。
特に、業績の変動が大きい業種や季節性のあるビジネスでは、一定額の返済が毎月発生することで、資金繰りが圧迫されるリスクがあります。売上が減少した場合でも返済義務は継続するため、余裕をもった返済計画を立てることが重要です。
また、複数の金融機関から借入を行っている場合、返済のタイミングが重なると、一時的に大きな資金流出が発生する可能性もあります。返済スケジュールを分散させるなど、計画的な借入・返済管理が求められます。
借入が信用情報に記録される
ビジネスローンを利用すると、その借入情報は企業の信用情報として記録されます。これにより、将来的な資金調達に影響を与える可能性があることを理解しておく必要があります。
特に返済遅延や債務不履行があった場合、その情報は長期間にわたって信用情報に残り、その後の融資審査において不利に働くことがあります。金融機関は企業の借入状況を総合的に判断するため、過剰な借入は新たな融資の障害となることも考えられます。
また、取引先や投資家、信用調査機関などが企業の財務状況を評価する際にも、借入状況は重要な判断材料となります。過度な借入依存は、企業の信用力低下につながる可能性があるため、適切なバランスを保つことが大切です。
自社の信用状況が審査に影響する
ビジネスローンは、基本的に申込企業自身の信用力や財務状況が審査の中心となります。そのため、業績不振時や創業間もない段階では審査が厳しくなる傾向があります。
特に銀行融資では、決算書の内容や事業計画の実現可能性、経営者の資質など多角的な審査が行われます。赤字決算が続いている場合や、自己資本比率が低い場合などは、審査通過のハードルが高くなることを覚悟しておく必要があります。
また、担保や保証人を求められるケースも多く、これらを用意できない場合は融資が受けられないこともあります。無担保・無保証のビジネスローンも増えていますが、その場合は金利が高くなったり、融資額が制限されたりすることが一般的です。
ケース別のおすすめ
ビジネスの状況や目的によって、最適な資金調達方法は異なります。ここでは具体的なケースに応じて、ファクタリングとビジネスローンのどちらが適しているかを解説します。
緊急の資金需要が発生した場合
急な支払いが発生したり、予想外の出費に迫られたりした場合、資金調達のスピードが重要になります。このような緊急時には、審査から資金化までが早いファクタリングが有利なケースが多いでしょう。
例えば、大口取引先からの入金が遅れているが、仕入先への支払期限が迫っている場合、ファクタリングを利用すれば、売掛金を即座に現金化して支払いに充てることができます。特に、銀行の融資審査を待つ時間的余裕がない場合に効果的です。
また、突発的なトラブル対応や緊急の設備修繕など、予期せぬ支出が必要になった場合も、手持ちの売掛金があれば、ファクタリングで迅速に資金を確保できます。ただし、コストが高めになる点は考慮する必要があります。
事業拡大や設備投資のための調達をする場合
新規事業の立ち上げや設備投資など、中長期的な成長のための資金調達の場合は、一般的に計画的な返済が可能なビジネスローンが適していることが多くあります。
例えば、新店舗の出店や生産設備の導入、システム開発などの大型投資では、売掛金以上の資金が必要になることが一般的です。ビジネスローンであれば、必要な金額を一括で調達し、投資から得られる収益で計画的に返済していくことが可能です。
また、投資の性質上、資金回収までに時間がかかるプロジェクトでは、返済期間を長く設定できるビジネスローンの方が、資金繰りへの負担が少なくなります。金利負担も、長期的に見ればファクタリングよりも低くなる可能性が高いでしょう。
財務状況に問題がある場合
赤字決算が続いていたり、債務超過に陥っていたりする場合など、財務状況に問題がある企業では、銀行融資などの審査通過が難しくなります。このような状況では、売掛先の信用力を活かせるファクタリングが有効な選択肢となります。
例えば、業績は一時的に悪化しているものの、大手企業や官公庁など信用度の高い取引先からの売掛金がある場合、ファクタリングであれば資金調達できる可能性が高まります。自社の信用力よりも売掛先の支払能力が重視されるためです。
また、銀行からの借入枠を使い切っている場合や、追加融資が困難な状況でも、ファクタリングは別の選択肢として検討できます。負債として計上されないため、財務指標をさらに悪化させることなく資金調達が可能です。
まとめ
ファクタリングとビジネスローンは、それぞれ異なる特徴を持つ資金調達方法です。ファクタリングは、売掛金を活用した迅速な資金化が可能で、負債を増やさないメリットがありますが、コストが高めになる傾向があります。一方、ビジネスローンは、大きな金額の調達が可能で長期的なコストが抑えられますが、返済義務が生じ、自社の信用状況が大きく影響します。
資金調達方法を選ぶ際は、資金の用途や緊急性、自社の財務状況、将来の返済能力などを総合的に判断することが重要です。場合によっては両方を併用し、短期・長期のニーズに応じて使い分けることで、より効果的な資金調達が可能になります。まずは自社の状況を冷静に分析し、必要に応じて金融の専門家に相談することも検討してみてください。
最短即日の無担保無保証融資!HTファイナンスのビジネスローン
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