2025.06.06
ビジネスローンが通らない理由とは?落ちてしまう原因や対策方法について紹介
ビジネスローンを利用して、事業の拡大や資金繰りの改善を目指しているものの、審査に通らないということがありまする。資金計画や事業計画をしっかり整えていても、融資を受けられなければ、事業を前に進めることはできません。
ビジネスローンの審査に通らない理由には、財務状況が良くないことや信用情報に問題があること、事業計画に不備があることなどが考えられます。審査に落ちてしまった場合も、これらの原因を正しく把握し、それに応じた対策をとることで、次回の審査に通る可能性を高めることができます。
本記事では、ビジネスローンが通らない主な理由と、それぞれの状況に応じた具体的な対策方法を解説します。また、通常の金融機関での借入が難しい場合の代替手段についても紹介していますので、資金調達を検討している方はぜひ参考にしてください。
ビジネスローンの審査に落ちる主な理由
ビジネスローンの審査に通らない理由を理解することは、今後の対策を立てる上で非常に重要です。金融機関がどのような観点から審査を行い、どのような点を重視しているのかを理解しましょう。
財務状況が悪い
ビジネスローンの審査において、最も重視されるのが企業の財務状況です。特に、赤字決算が続いている場合や債務超過に陥っている企業は、融資を受けることが難しくなります。
連続して赤字決算を出している企業は、返済能力に疑問符が付くため、金融機関は融資に慎重になります。特に3期連続の赤字決算は、融資審査における大きなマイナス要因となるでしょう。
また、債務超過の状態、つまり負債が資産を上回っている状況では、企業の存続そのものが危ぶまれるため、新たな融資を受けることはさらに困難になります。債務超過は、企業の信用力を大きく損なう要因となります。
さらに、売上高に対して既存の借入金額が多すぎる場合も、新規融資を受けるのは難しくなります。金融機関は返済能力を重視しているため、借入金の返済負担が大きすぎると判断すれば、融資を断るケースが多いでしょう。
信用情報に問題がある
企業の信用情報は、ビジネスローンの審査において、非常に重要な判断材料となります。信用情報に問題があると、いくら事業計画が優れていても、融資を受けることは難しくなります。
過去に借入金の返済が遅れたり、延滞したりした履歴がある場合、金融機関はその企業の返済能力や返済意欲に疑問を持ちます。特に、複数回の延滞や長期間の延滞がある場合は、審査における重大な障害となるでしょう。
また、経営者自身のクレジットカードの支払い遅延や個人的な借入の延滞なども、企業の信用情報に悪影響を及ぼします。金融機関は、経営者個人の信用情報も確認するため、経営者自身の信用情報にも注意が必要です。
さらに、取引先や仕入先への支払い遅延、手形・小切手の不渡りなどの情報も、信用情報機関に記録されていることがあります。こうした情報は、金融機関の審査においてマイナス評価となります。
事業実績が不足している
創業間もない企業やスタートアップ企業は、事業実績の不足からビジネスローンの審査に通りにくい傾向があります。金融機関は融資の判断材料として、過去の事業実績を重視するからです。
一般的に、創業から3年未満の企業は、ビジネスモデルの実証期間として見られることが多く、特に民間金融機関からの融資獲得は困難です。事業の継続性や安定性が証明されていないため、リスク評価が高くなりがちです。
また、事業実績があっても売上が低迷している場合や、業績の変動が激しい場合も審査に通りにくくなります。金融機関は安定した返済能力を重視するため、売上や利益が安定していない企業への融資には慎重になります。
さらに、特定の取引先に依存しているなど、事業基盤が脆弱と判断される場合も、融資を受けることが難しくなることがあります。取引先の分散化や事業の多角化が進んでいない企業は、リスクが高いと判断されやすいものです。
事業計画書の内容が不十分
ビジネスローンを申請する際には、事業計画書の提出が求められることがほとんどです。この事業計画書の内容が不十分であると、審査に通らない大きな原因となります。
事業計画書に具体性や根拠が乏しい場合、金融機関はその計画の実現可能性に疑問を持ちます。特に、売上予測や利益計画に具体的な根拠がない場合、計画の信頼性が大きく損なわれます。
また、資金使途が明確でない場合も、審査に悪影響を与えます。借入金をどのような目的で、どのように使用するのかが明確に示されていないと、金融機関は融資の必要性や効果を判断できません。
さらに、返済計画が現実的でない場合も問題です。過大な売上予測に基づいた返済計画や、現在の収益状況と大きくかけ離れた返済計画は、金融機関に不信感を与えます。返済計画は、企業の実績や業界水準に照らして、現実的である必要があります。
借入希望額が大きすぎる
企業の返済能力に見合わない借入希望額を申請することも、ビジネスローンの審査に通らない原因となります。金融機関は企業の返済能力を慎重に評価し、それに見合った融資額を決定します。
企業の売上規模や利益水準に対して借入希望額が大きすぎる場合、金融機関は返済リスクが高いと判断します。一般的に、年間売上高の30%以上の借入は慎重に判断される傾向があります。
また、既存の借入金が多い状態で新たな借入を希望する場合も、総借入額が返済能力を超えると判断されれば融資は難しくなります。金融機関は、債務償還年数(借入金÷年間キャッシュフロー)を重視し、この数値が高すぎると審査に通りにくくなります。
さらに、資金使途に対して借入希望額が過大である場合も問題です。例えば、設備投資の必要額よりも明らかに多い融資を申請するなど、資金使途と借入額に整合性がない場合は、審査において疑問視されます。
税金の未納がある
税金の滞納や未納は、ビジネスローンの審査において非常に重大な問題となります。税金の納付状況は、企業の財務規律や経営姿勢を示す重要な指標と考えられているからです。
法人税や消費税、固定資産税などの税金を滞納している企業は、資金繰りが悪化している可能性が高いと判断されます。税金の未納は、企業の財務管理能力に問題があるとみなされることが多いでしょう。
特に消費税の未納は、本来預かっている税金を自社の運転資金に流用していることを意味するため、金融機関の審査において非常に悪い印象を与えます。消費税の滞納は、資金繰りの悪化を示す明確なサインとされています。
また、税金の未納があると、その企業の資産に対して、差押えなどの法的処置が取られるリスクもあります。こうしたリスクも、金融機関が融資を躊躇する要因となります。税金の納付状況は、融資審査において必ず確認される項目の一つです。
ビジネスローンの審査に通過するための対策
ビジネスローンの審査に落ちてしまった場合、次に申し込む際には、対策をとることが重要です。
財務状況の改善
財務状況の改善は、ビジネスローンの審査通過率を高めるための最も重要な対策の一つです。赤字決算や債務超過の状態を改善することで、金融機関からの評価は大きく変わります。
まずは、売上の向上を図ることが重要です。新規顧客の開拓や既存顧客へのアップセル、新商品・サービスの開発などを通じて、売上拡大に積極的に取り組むことが必要です。売上が増加すれば、財務状況の改善に直結します。
同時に、コスト削減も重要な取り組みです。不要な経費の見直しや業務効率化による人件費の適正化、仕入先の見直しによる原価低減など、さまざまな角度からコスト構造を見直しましょう。短期間で効果が出やすいのは、コスト削減の取り組みです。
また、資産の効率化も財務改善に効果的です。遊休資産の売却や在庫の適正化、売掛金回収の早期化などにより、キャッシュフローを改善することができます。特に、売掛金の回収サイトを短縮することは、資金繰りの改善に直接的な効果があります。
さらに、自己資本の増強も有効な対策です。経営者からの増資や新たな出資者の募集により、財務基盤を強化することができます。債務超過の状態を解消するためには、自己資本の増強が最も確実な方法となります。
信用情報の回復
信用情報に問題がある場合、その回復に努めることが審査通過への近道となります。信用情報の回復には時間がかかりますが、着実に取り組むことが重要です。
まず、現在延滞中の借入や支払いがある場合は、早急に解消することが必要です。延滞が続くほど信用情報への悪影響は大きくなるため、延滞の早期解消を最優先で進めましょう。
返済が困難な場合は、金融機関に相談して、返済条件の変更を申し出ることも選択肢の一つです。一方的に延滞するよりも、金融機関と協議して返済計画を見直す方が、信頼関係を維持できます。多くの金融機関は、経営が苦しい企業に対しても、誠実に相談すれば柔軟に対応してくれることがあります。
また、自社の信用情報を定期的に確認することも重要です。CICやJICCなどの信用情報機関に登録されている情報を確認し、誤った情報があれば訂正を依頼しましょう。信用情報は、一定期間が経過すると削除されることもあるため、情報の更新状況を把握しておくことが大切です。
さらに、新たな延滞を発生させないよう、支払い管理を徹底することも重要です。取引先への支払いや公共料金、税金などの支払いを計画的に行い、延滞を防止しましょう。延滞を防止することで、信用情報の悪化を食い止めることができます。
※信用情報機関について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
『CICやJICCやKSCの違いは?信用情報機関の種類や開示方法まで徹底解説!』
充実した事業計画書の作成
ビジネスローンの審査では、事業計画書の内容が重要な判断材料となります。説得力のある事業計画書を作成することで、審査通過の可能性を高めることができます。
事業計画書には、まず市場分析と競合分析を詳細に記載することが重要です。自社が属する市場の規模や成長性、競合他社の状況などを客観的なデータに基づいて分析し、自社の市場ポジションを明確に示すことが必要です。
次に、具体的な売上予測と利益計画を示しましょう。売上予測には、過去の実績や市場動向に基づいた根拠を示し、楽観的すぎない現実的な数字を提示することが重要です。同様に、利益計画にも根拠となる原価率や経費率の分析結果を盛り込みましょう。
また、資金使途を具体的かつ明確に記載することも重要です。借入金をどのような目的で、どのように使用するのか、そしてその資金使用によってどのような効果が期待できるのかを詳細に説明しましょう。設備投資の場合は、投資回収計画も含めると説得力が増します。
さらに、返済計画については、現在の財務状況や今後の売上・利益予測に基づいた、現実的な計画を立てることが重要です。月々の返済額が、企業のキャッシュフローに対して無理のない水準であることを示すことで、金融機関の安心感を高めることができます。
適正な借入希望額の設定
ビジネスローンの審査では、企業の返済能力に見合った借入希望額を設定することが重要です。過大な融資額を申請すると、審査に通りにくくなる原因となります。
適正な借入希望額を設定するためには、まず自社の返済能力を客観的に評価することが必要です。現在の売上高や利益水準、キャッシュフローなどを分析し、無理なく返済できる金額を見極めることが重要です。
一般的に、年間のキャッシュフロー(税引後利益+減価償却費)の3〜5倍程度が、企業が借入可能な目安とされています。また、年間売上高の30%程度までが借入の上限とされることも多くあります。こうした指標を参考に、適正な借入額を算出しましょう。
また、資金使途と借入希望額の整合性も重要です。設備投資の場合は見積書や導入計画、運転資金の場合は資金繰り表などの根拠資料を用意し、借入希望額が過大ではないことを示す必要があります。
さらに、現在の借入状況も考慮する必要があります。既存の借入金が多い場合は、新規借入の可能額は限られます。債務償還年数(借入金÷年間キャッシュフロー)が7年を超えると、金融機関は融資に慎重になる傾向があります。
税金の未納の解消
税金の未納は、ビジネスローンの審査において大きなマイナス要因となります。審査通過率を高めるためには、税金の未納状況を解消することが必要不可欠です。
まず、未納の税金がある場合は、可能な限り早期に納付することが最優先です。資金が不足している場合でも、税金の納付を優先的に行う意識が重要です。税金の納付状況は、企業の財務管理能力を示す重要な指標と考えられています。
一度に全額を納付することが難しい場合は、税務署や自治体に相談して分割納付の申請を行うことができます。分割納付の申請が認められれば、無理のない金額で計画的に納付することが可能になります。ただし、分割納付中であっても、金融機関の審査では慎重な判断がなされることがあります。
また、税金の未納が生じる原因を根本的に解決することも重要です。資金繰りの計画を見直し、税金の納付時期に十分な資金を確保できるよう、計画的な資金管理を行いましょう。特に消費税は、売上時に預かっている税金であるという認識を持ち、別途積み立てておくことが望ましいものです。
審査に通らない場合の代替となる融資手段
通常のビジネスローンの審査に通らない場合でも、他の融資手段や資金調達方法を検討することができます。
ファクタリング
ファクタリングは、売掛金を早期に現金化する資金調達方法で、ビジネスローンの審査に通らない企業にとって有効な代替手段となり得ます。ローンとは異なり、返済義務が生じないというメリットがあります。
ファクタリングの基本的な仕組みは、自社が保有する売掛金を専門業者(ファクター)に売却し、その対価として売掛金額から手数料を差し引いた金額を受け取るというものです。通常の入金サイクルを待たずに、資金を前倒しで調達できるため、資金繰りの改善に効果的です。
ファクタリングには、大きく分けて2つの種類があります。一つは「2社間ファクタリング」で、自社とファクター間の取引で完結します。もう一つは「3社間ファクタリング」で、取引先にファクタリングの利用を通知し、取引先はファクターに直接支払いを行います。
ファクタリングを利用する際の注意点としては、手数料が比較的高いことが挙げられます。一般的に、売掛金額の5%~20%程度の手数料が発生するため、コストパフォーマンスを考慮して利用する必要があります。また、取引先の信用力によっては利用できない場合もあります。
ファクタリングを効果的に活用するためには、複数のファクタリング会社から見積もりを取り、手数料を比較することが重要です。また、取引先からの入金が確実な売掛金を選んで利用することで、より有利な条件でファクタリングを利用できる可能性が高まります。
政府系金融機関の融資
民間金融機関からの融資が難しい場合、政府系金融機関の利用を検討することも有効な選択肢です。政府系金融機関は、民間金融機関と比較して、審査基準がやや緩やかな傾向があります。
日本政策金融公庫は、中小企業向けの融資制度を多数用意しており、特に「新創業融資制度」や「小規模事業者向け融資」は、創業間もない企業や小規模事業者に適した融資制度となっています。また、赤字決算の企業でも、事業計画の内容次第では融資を受けられる可能性があります。
商工組合中央金庫も中小企業向けの融資を行っており、特に業界団体や組合に加入している企業は利用しやすい傾向があります。また、地方自治体が運営する制度融資も、地元企業の支援を目的としているため、比較的審査が通りやすいケースがあります。
政府系金融機関を利用する際のポイントは、事業計画書の充実です。民間金融機関と同様に、具体的で現実的な事業計画を提示することが重要です。特に、資金使途の明確化や返済計画の妥当性を丁寧に説明することで、審査通過の可能性が高まります。
また、政府系金融機関は各種の相談窓口を設けていることが多いため、事前に相談して融資の可能性や必要書類などの情報を得ることをおすすめします。中小企業診断士や融資担当者のアドバイスを受けながら申請準備を進めることで、審査通過の確率を高めることができます。
補助金・助成金
補助金や助成金は、返済不要の資金としてビジネスローンの代替手段となり得ます。特に設備投資や新事業展開、研究開発などを目的とする場合は、関連する補助金や助成金の活用を検討する価値があります。
中小企業庁が実施する「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」、「IT導入補助金」などは、中小企業が利用できる代表的な補助金です。これらの補助金は、事業の革新性や地域経済への貢献度などが評価されるため、自社の取り組みを効果的にアピールすることが重要です。
また、地方自治体や各種財団も、独自の補助金・助成金制度を設けていることが多いため、地元の商工会議所や産業支援センターなどに相談すると、自社に合った制度を紹介してもらえる可能性があります。
補助金・助成金を活用する際の注意点としては、申請から採択、資金交付までに時間がかかることが挙げられます。多くの場合、交付決定後の支出に対して後払いされる形式となるため、その間の資金繰りを考慮する必要があります。
また、補助金・助成金の申請には、事業計画書の作成や必要書類の準備など、一定の労力が必要です。申請書類の作成に不慣れな場合は、中小企業診断士や専門のコンサルタントに相談することも検討しましょう。申請のプロセスや審査基準を理解することで、採択される可能性を高めることができます。
まとめ
ビジネスローンの審査に落ちる理由は多岐にわたりますが、財務状況の悪さ、信用情報の問題、事業実績の不足、事業計画の不備などが主な原因となります。これらの問題点を把握し、適切な対策を講じることで、次回の審査では通過できる可能性が高まります。
審査通過率を高めるためには、財務改善や信用情報の回復、充実した事業計画書の作成など、自社の弱点に合わせた対策が必要です。また、通常のビジネスローンが難しい場合は、ファクタリングや政府系金融機関の利用、補助金・助成金の活用など、代替手段も検討しましょう。資金調達の選択肢を広げ、事業の成長に必要な資金を確保することが重要です。
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