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事業融資手数料の相場はいくら?融資方法別の目安を解説

事業資金を融資する際に気がかりなのが、資金調達コストです。資金調達コストとして最も代表的なのが、金利です。しかし、融資を受ける際には金利だけでなく、手数料についても把握しておく必要があります。

融資方法によって手数料は大きく異なり、公的金融機関では比較的低めに設定されている一方、ノンバンクでは高額になるケースもあります。また、同じ金融機関でも企業の信用力や担保の有無によって変動することがあります。

本記事では、日本政策金融公庫や信用保証協会付き融資、銀行融資、ノンバンクなど、融資方法別の手数料相場を詳しく解説します。

事業融資手数料とは

事業融資において、手数料とは、融資を受ける際に金利とは別に支払う必要のある費用のことです。この手数料は、借入金額に対して一定の割合で計算されることが一般的です。

事業融資手数料の種類

事業融資における手数料には、主に以下のような種類があります。まず、融資実行時に一度だけ発生する事務手数料があります。これは、融資契約の締結や審査などの事務作業に対する対価として支払うものです。

次に、信用保証協会を利用する場合に発生する保証料があります。これは、借入金の返済が滞った際に、信用保証協会が金融機関に対して代位弁済を行うための保険料的な性質を持っています。

さらに、借入期間中に継続して発生する管理手数料や、繰上返済時に発生する手数料などもあります。融資契約前に全ての手数料を確認することが重要です。

金利と手数料の違い

金利と手数料は共に融資コストですが、その性質は大きく異なります。金利は借入残高に対して発生し、返済が進むにつれて支払う金利額は減少していきます。

一方、手数料は多くの場合、融資実行時に一括で支払うケースが多く、借入金額に対して一定割合で計算されます。また、保証料のように借入期間全体に対して前払いで支払うケースもあります。

金利と手数料を合わせた総コストを「実質年率」と呼ぶこともあり、真の借入コストを把握するためには両方を考慮することが必要です。特に短期の借入では、手数料の影響が相対的に大きくなるため注意が必要です。

公的融資における事業融資手数料の相場

公的融資は、民間金融機関と比較して金利が低く設定されているだけでなく、手数料面でも優遇されている場合が多いのが特徴です。

日本政策金融公庫の事業融資手数料の相場

日本政策金融公庫の融資では、借入額の年0.5〜2.0%程度の手数料が発生することが一般的です。この手数料率は、事業の安定性や担保の有無、返済期間などの条件によって変動します。

例えば、1,000万円を借り入れる場合、手数料は5万円〜20万円程度となります。比較的低めの手数料設定となっているため、資金繰りに悩む中小企業にとって利用しやすい融資方法といえるでしょう。

日本政策金融公庫の特徴として、創業融資や特定の政策目的に沿った融資では、手数料が減免されるケースもあります。また、手数料体系が明確で分かりやすいことも、中小企業経営者に安心感を与えています。目的に合った融資制度を選択することで、手数料負担を軽減できる可能性があります。

日本政策金融公庫のHPはこちらから

信用保証協会付き融資の保証料の相場

信用保証協会付き融資では、借入額の0.2〜2.2%程度の保証料が発生します。この保証料は、信用保証協会が金融機関に対して保証を行うための費用です。

保証料率は企業の経営状況や財務内容、担保の有無などによって9段階に分けられており、経営状況が良好な企業ほど低い保証料率が適用されます。例えば、1,000万円を借り入れる場合、保証料は2万円〜22万円程度となります。

保証料は、借入期間全体に対して前払いで支払うため、長期の融資になればなるほど総額は大きくなります。しかし、一部の自治体では保証料補助制度を設けており、保証料の一部または全額を補助してくれるケースもあります。地域の補助制度を確認することで、保証料負担を軽減できる可能性があります。

自治体の制度融資における手数料の相場

自治体の制度融資は、地方公共団体と地域の金融機関が連携して行う融資制度です。手数料相場は自治体によって異なりますが、一般的に信用保証協会付き融資と同様の保証料が発生します。

制度融資の大きな特徴は、自治体による利子補給や保証料補助が受けられる場合があることです。例えば、東京都の制度融資では、一部の融資メニューで信用保証料の全額または一部を補助しています。

また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者向けの特別融資など、緊急時には手数料が大幅に軽減されるケースもあります。自治体ごとに制度内容は異なるため、最新の情報を直接確認することが重要です。

民間金融機関の事業融資手数料の相場

民間金融機関の融資は、公的融資と比較して審査のスピードや柔軟性が高い一方で、手数料面では相対的に高めに設定されていることが多い傾向にあります。

メガバンクの事業融資手数料の相場

メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など)の融資手数料は、明確な公表がされていないケースが多く、融資額や企業との取引状況、資金使途などによって個別に設定されることが一般的です。

一般的な目安としては、借入額の0.5〜3.0%程度の手数料が発生することが多いとされています。例えば、1億円の融資を受ける場合、手数料は50万円〜300万円程度となる可能性があります。

メガバンクは、大口融資や複雑な融資スキームを得意としており、その分手数料が高めに設定される傾向にあります。しかし、取引実績や預金残高などの取引状況によって手数料が優遇されることもあるため、普段からの関係構築が手数料交渉に有利に働きます。

地方銀行・信用金庫の手数料の相場

地方銀行や信用金庫の融資手数料は、メガバンクと比較して若干低めに設定されていることが多く、借入額の0.3〜2.0%程度が一般的な相場といわれています。

地域密着型の金融機関であるため、地元企業との関係性を重視する傾向があり、長期的な取引関係がある企業に対しては、手数料を優遇するケースも見られます。また、地域経済活性化を目的とした独自の融資商品では、手数料が低く抑えられていることもあります。

信用金庫は、特に中小企業や個人事業主との距離が近く、柔軟な対応が可能なケースが多いため、具体的な相談を通じて手数料の交渉ができる可能性があります。金融機関との信頼関係を構築することが、有利な条件を引き出す鍵となります。

シンジケートローンの手数料の相場

シンジケートローンは、複数の金融機関が協調して大口の融資を行う方式で、主に大企業や中堅企業が利用します。手数料相場は借入額の1〜5%程度と幅広く、数百万円から数千万円単位の手数料が発生するケースも珍しくありません。

シンジケートローンの手数料は、複雑な構造を持っており、アレンジメントフィー(幹事銀行への手数料)、エージェントフィー(管理銀行への手数料)、コミットメントフィー(未使用枠に対する手数料)など、複数の手数料が発生します。

手数料は、契約交渉や金融機関との取引実績によって大きく変動するため、幹事銀行との入念な事前調整が重要です。また、シンジケートローンは大規模な資金調達に適していますが、手数料の総額も大きくなるため、コスト効率を十分に検討する必要があります。

ノンバンク融資の事業融資手数料の相場

ノンバンク融資は、銀行などの金融機関からの借入が難しい企業にとって重要な資金調達手段ですが、その分コストも高くなる傾向があります。

消費者金融・事業者向けノンバンクの手数料の相場

消費者金融やビジネスローン専門のノンバンクでは、手数料が明示的に表示されないケースが多く、金利に含まれる形で、実質的に高い手数料が設定されていることがあります。実質的な手数料としては、借入額の3.1〜18%相当と非常に幅広い設定になっています。

例えば、500万円の融資を受ける場合、実質的な手数料コストは15万円〜90万円程度となる可能性があります。ただし、これらのコストは金利に含まれる形で徴収されることが多いため、明確な「手数料」として認識しづらい点に注意が必要です。

ノンバンクの最大の特徴は、銀行よりも審査基準が緩く、迅速に融資を受けられることです。資金繰りに切迫している場合には有効な選択肢となりますが、総コストを正確に把握することが極めて重要です。

ノンバンク融資の手数料が高い理由

ノンバンク融資の手数料や金利が高い理由は、主に以下の3つに集約されます。第一に、銀行よりも信用リスクの高い企業に融資を行うため、その分リスクプレミアムが上乗せされます。第二に、審査の迅速性や柔軟性に対する付加価値があります。そして第三に、銀行と比較して資金調達コストが高いことも要因です。

ノンバンク融資が適している状況は、緊急の資金需要がある場合や、銀行融資の審査条件を満たせない場合です。例えば、事業拡大のチャンスを逃したくない場合や、一時的な資金ショートを回避したい場合などが挙げられます。

ただし、高コストであることを十分に認識し、返済計画を慎重に立てることが不可欠です。また、ノンバンク融資は短期的な資金調達に活用し、中長期的には銀行融資など低コストの資金調達方法に切り替えていく戦略も検討すべきでしょう。

事業融資手数料を比較する際のポイント

事業融資の手数料は、金融機関や融資方法によって大きく異なります。手数料の比較には、いくつかの重要なポイントを押さえることが必要です。

実質年率と総返済額での比較

融資を比較する際は、表面上の金利だけでなく、手数料を含めた実質年率で判断することが重要です。実質年率とは、金利に加えて各種手数料も含めた実質的なコスト率を年率で表したものです。

例えば、年利3%の融資と年利2.5%の融資があった場合、一見すると後者の方が有利に見えます。しかし、前者は手数料が借入額の0.5%で、後者は2%だとすると、実質的なコストは逆転する可能性があります。

また、総返済額も重要な判断材料です。融資期間中に支払う元金、利息、手数料の総額を比較することで、どの融資が本当に有利かを判断できます。複数の融資条件を総合的に比較することで、自社に最適な融資を選択できます。

手数料の支払いのタイミングの考慮

手数料の支払いタイミングは融資によって異なり、資金繰りに大きな影響を与えることがあります。主な支払いタイミングには、融資実行時の一括支払い、分割払い、借入期間中の定期的な支払いなどがあります。

融資実行時に一括で手数料を支払う場合、実際に手元に入る資金は、借入額から手数料を差し引いた金額になります。例えば、1,000万円の融資で手数料が50万円の場合、実際に使える資金は950万円となります。必要資金を正確に計算する際は、この点を考慮する必要があります。

資金繰りに余裕がない場合は、手数料の分割払いや後払いが可能な融資を選ぶことも一つの戦略です。自社の資金繰り計画に合わせた支払い条件を交渉することで、資金効率を高めることができます。

追加費用の有無の確認

融資契約時に明示されている手数料以外にも、さまざまな追加費用が発生する可能性があります。以下は、融資を検討する際に確認すべき主な追加費用です。

まず、繰上返済手数料は、融資を契約期間より早く返済する場合に発生することがあります。金融機関にとっては予定していた利息収入が減るため、その補填として徴収されるケースが多くあります。

次に、遅延損害金は、返済が遅れた場合に発生する追加費用です。通常の金利よりも高い金利が設定されており、返済計画の遅延は大きなコスト増につながります。

また、担保設定費用として、不動産担保融資では、登記費用や評価費用が必要になることがあります。さらに、融資期間中の管理手数料や、融資条件変更時の手数料なども確認が必要です。契約書の細部まで確認することで、想定外の費用発生を防ぐことができます。

事業融資手数料に関するよくある質問

事業融資の手数料について、よく寄せられる疑問や質問に答えていきます。実務的な観点から、具体的な事例も交えて解説します。

手数料の交渉は可能なのか

結論からいえば、事業融資の手数料は交渉可能な場合が多いでしょう。特に民間金融機関との取引では、取引実績や企業の信用力、融資額の大きさなどによって交渉の余地が生まれます。

交渉が成功しやすいケースとしては、メインバンクとして長期間取引がある場合、預金や決済などの取引ボリュームが大きい場合、複数の金融機関から融資の打診がある場合などが挙げられます。

交渉の際は、自社の財務状況や事業計画を明確に説明し、返済能力の高さをアピールすることが重要です。また、他の金融機関からの提案内容を伝えることで、競争原理を働かせる方法も効果的です。具体的な数字を示して交渉することで、成功率が高まります。

手数料が高い融資の見極め方

手数料が高すぎる融資を見極めるためには、いくつかのチェックポイントがあります。まず、業界標準と比較して明らかに高い手数料を提示されている場合は、注意が必要です。前述の融資方法別の相場を参考に、大きく逸脱していないか確認しましょう。

また、手数料の説明が不明瞭で、契約書に細かい文字で記載されているケースも要注意です。特に、契約時の手数料だけでなく、融資期間中に発生するさまざまな手数料(管理手数料、条件変更手数料など)の総額を計算すると、想定以上に高コストになることがあります。

さらに、金利が異常に低く設定されている一方で手数料が高い場合も、総コストで判断すると不利になるケースがあります。総返済額でのコスト比較を行うことで、真の融資コストを見極めることができます。

手数料の税務上の取り扱いについて

事業融資の手数料は、税務上どのように処理すべきかという疑問も多く寄せられます。基本的に、融資手数料は事業のために支出した費用として、経費計上が可能です。

ただし、手数料の種類によって処理方法が異なります。融資実行時に一括で支払う事務手数料や契約手数料は、支払った事業年度の経費として計上できます。一方、保証料のように融資期間全体に対して支払う手数料は、前払費用として処理し、融資期間にわたって按分して計上するのが一般的です。

また、不動産担保融資の際の登記費用は、融資金額に応じて資産計上が必要なケースもあります。税務処理は、会計基準や税法の改正によって変更される可能性もあるため、税理士に相談して適切な処理を行うことをおすすめします。

まとめ

事業融資手数料の相場は、融資方法によって大きく異なります。公的金融機関では借入額の0.5〜2.0%程度、信用保証協会付き融資では0.2〜2.2%程度、民間金融機関では0.3〜5.0%程度、ノンバンクでは3.1〜18%相当と、幅広い設定があることが分かりました。

手数料を抑えるためには、金融機関との関係構築、事業計画・資金計画の精度向上、公的支援制度の活用が効果的です。また、融資を検討する際は、表面上の金利だけでなく手数料を含めた実質コストで比較し、支払いタイミングや追加費用の有無も確認することが重要です。資金調達を成功させるためには、自社の状況に最適な融資方法を選択し、事前に十分な準備と情報収集を行いましょう。

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監修者 三坂大作
筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
・1985年:東京大学法学部卒業
・1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行 表参道支店:法人融資担当
・1989年:同行 ニューヨーク支店勤務 非日系企業向けコーポレートファイナンスを担当
・1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。

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