2025.02.27
フランチャイズで銀行融資は可能?資金調達のポイントを解説
フランチャイズに加盟して事業を立ち上げたいと考えるとき、銀行融資が受けられるかどうかは多くの方が気になるでしょう。事業を拡大するためにはまとまった資金が必要ですが、審査を通過するための要件や準備内容は複雑に感じられがちです。
この記事では、フランチャイズで銀行融資を検討するうえで押さえておきたい基本や必要書類、審査のポイントなどを詳しく解説します。
フランチャイズと銀行融資の基本
フランチャイズの仕組みと銀行融資について、フランチャイズ展開を考える個人事業主が知っておくべき基本をみていきます。
フランチャイズとは
フランチャイズとは、本部に当たる企業から商標や技術、ノウハウなどを提供してもらい、加盟者がそのブランドを活用して店舗や事業を運営する形態を指します。加盟者はロイヤリティを本部に支払うことで、知名度や研修、広告宣伝などの恩恵を得られます。
こうしたフランチャイズ方式は、個人事業主でも一定の支援を受けられる点が魅力です。しかし、加盟金や開業費用、店舗設備資金など、まとまった資金が必要になります。あらかじめ十分な現金を手元に用意できないことが多いため、銀行融資などの外部資金の活用が重要な役割を担うことになります。
銀行融資の種類
銀行融資には大きく分けて保証協会保証付融資とプロパー融資の2種類があります。保証付融資は信用保証協会が間に入るため、一定の基準をクリアできると銀行側のリスクが減り、比較的審査に通りやすくなるのが特長です。一方、保証協会に対する保証料が必要になります。
プロパー融資は、信用保証協会などの外部保証なしで、銀行が直接融資を判断する方式です。この場合は審査基準が厳しく、実績や信用度を総合的に評価されますが、保証料は発生しません。返済期間や金利条件なども銀行との交渉次第で変わるため、自己資金とのバランスを見極めながら検討することが大切です。
フランチャイズを立ち上げる際に、どちらの融資を選ぶべきかは、事業計画や自己資金の額、フランチャイズ本部の推奨などによって変わってきます。特に自己資金が少ない場合、保証付融資のほうが借りられる可能性が高まることもあります。しかし、その場合も保証協会とのやりとりや保証料の負担があるため、全体的な費用負担をよく考慮する必要があります。
フランチャイズで銀行融資を検討する際の注意点
フランチャイズに加盟したいという思いを強く抱いていても、資金調達がうまく進まずに断念してしまうケースは少なくありません。銀行融資を検討するときには、事業計画の完成度や自身の返済能力を示す明確な根拠を求められるため、事前準備が非常に重要です。
たとえば、フランチャイズ本部が用意する事業モデルは、加盟者にとっては大きな後ろ盾ですが、銀行は必ずしもそれだけで判断しません。自身の経営手腕や業界経験、経理体制、収入の見込みを裏づける資料が必要となります。机上の空論ではなく、どこまで現実的な数値と根拠を示せるかがカギです。
また、銀行融資の検討と平行して、補助金や助成金といった返済不要の外部資金の対象になるかも確認しておくと良いでしょう。フランチャイズの業種や地域によっては、公的制度を活用できる場合があります。自己資金を補強しながら銀行融資に臨めば、必要とする融資額を抑えられ、審査を通過しやすくなります。
フランチャイズ本部との連携
資金調達をスムーズに進めるには、フランチャイズ本部との連携が大切です。本部は加盟者の資金調達をサポートするため、銀行とのパイプをもっていることが多くあります。そのような本部であれば、銀行融資の相談をしやすくなるでしょう。
ただし、実際に銀行がお金を貸す対象は加盟者個人のため、事業を運営するオーナー自身が信用を得られる資料を準備する必要があります。本部にどの程度サポートしてもらえるかを確認しつつ、自分自身も融資条件をしっかり把握することを心がけてください。
こうした連携によって、銀行側の審査担当者は、フランチャイズ本部がどのような業績を上げているのか、加盟者はどのようなサポートを受けられるのかを検討項目にします。加盟者の経営が安定する環境が整っているかどうかが、融資可否の重要な評価材料になるのです。
銀行融資を受けるための必要書類
銀行融資を受ける際の必要書類は、フランチャイズかどうかに関係なく、ほぼ共通する部分があります。ただし、フランチャイズ特有の契約書やロイヤリティの計画などを追加で確認される場合もあるため、事前のチェックが大切です。
提出書類のポイント
銀行融資の申請で基本となるのは、運転免許証やパスポートのような本⼈確認書類、印鑑証明書、そして事業計画書などの事業関連書類です。フランチャイズの場合は、契約書のコピーなども見せるよう求められるケースがあります。
事業計画書には、売上と経費の見通し、競合との差別化、収益を向上させる方策などを明記し、数字を用いて具体的に示すことが効果的です。さらに、返済のシミュレーションを詳細に記載することで、銀行が安心して融資を検討しやすくなります。
また、過去の確定申告状況や青色申告決算書、収支内訳書なども求められる場合があります。安定した収入の証明や信用力の確認が銀行にとっては必須であるからです。
審査でチェックされる項目
銀行は融資審査を行う際、返済能力を最重視します。具体的には、毎月の売上から必要経費を差し引いて、返済に回せる金額が十分にあるかを事業計画書で確認し、その根拠となる市場調査や経理資料を細かく検証します。もし計画が不十分と見なされれば、融資金額が減額されるか、審査が却下されることもありえます。
加えて、オーナーの経験や人物像も重視されます。経験豊富なオーナーであれば、フランチャイズ本部の協力と掛け合わせて、安定的な経営が期待できると判断されやすいものです。一方、業界未経験者には、本部の研修やサポート体制がどの程度ロスを補えるか、具体的な説明が必要になることがあります。
信用情報も見逃せない項目です。過去にクレジットカードやローンで延滞実績があると、審査に影響が及ぶ可能性が高くなります。自分が分からなくても信用情報機関に記録が残っていることがあります。よって、審査に入る前に確認できる場合は、自身の個人信用情報を信用情報機関にチェックしてみるべきでしょう。
融資が下りるまでの流れ
銀行融資の流れは、大まかに銀行選定→書類提出・面談→審査→融資決定というステップを踏みます。フランチャイズの場合、この流れに本部との打ち合わせや書類の補足説明が加わり、やや複雑になることがあります。
最初の銀行選定では、金利や融資方針だけでなく、これまでの取引実績や相性も重要です。メインバンクや地域金融機関など、取引が多いところはこちらの事情を深く理解してくれるため、面談時に話を進めやすくなる可能性があります。
書類提出後は、銀行側で審査が行われます。保証付融資の場合は信用保証協会とのやりとりが加わるため、1~1.5か月かかることがあります。一方でプロパー融資の場合は3週間~1か月ほどで決定が下りることが多くあります。いずれにせよ、事業開始時期から逆算して早めに準備することが欠かせません。
審査の過程では、追加書類の提出や担当者からのヒアリングなどが行われる場合があります。質問にはできる限り正確に、かつ誠実に対応しましょう。特に自己資金の使途やフランチャイズ本部の情報について不明瞭な部分があると、審査が長引く原因になりかねません。
最終的に融資が下りると、融資実行日の日程や金利の確定、返済スケジュールなどが正式に通知されます。その後の資金管理や経営方針が融資担当者の評価につながるため、実行後も計画書どおりの経営を心がけることが、今後の追加融資や別の資金調達でも有利になるポイントです。
銀行融資のメリット
銀行融資をうまく活用できれば、フランチャイズ加盟のハードルを下げられます。自己資金だけでは難しい開業や運転資金を確保し、より安定的な経営基盤を築けることが大きな利点です。
資金調達の安定
銀行からの融資を受けられると、事業計画の前提となる資金がほぼ確保されます。融資金額の目安は自己資金の約2~3倍とされることが多く、たとえば自己資金300万円なら最大600~900万円程度が上限になる可能性があります。無理のない範囲で融資額が設定されるため、返済計画さえしっかり組んでおけば、融資実行後の資金繰りで大きく乱れることは少ないでしょう。
フランチャイズ本部とのやりとりでも、銀行融資が決まっている、または審査が通りそうだという事実は大きな安心材料となります。本部側も安定した資金をもとにした開業支援ができ、店舗オープン後のサポートに力を注ぎやすくなるためです。
銀行融資を利用する際は計画性が重視されるため、融資が通った時点である程度の信頼性が銀行側から認められているとも捉えられます。これは、飲食店や小売店など集客競争が激しい業種のフランチャイズにとっては大きな強みです。
信用力の向上
銀行が融資を行う際には、事業計画や返済能力を厳しくチェックします。その審査をクリアすることは、金融機関からの信用を得ることにもつながるでしょう。金融機関から信用があるとみなされると、将来的に追加融資や拡張資金が必要になった際も相談しやすくなります。
加えて、銀行の目から見て信用があるということは、他の取引先やビジネスパートナーからも同様に評価される可能性が高いものです。いわば、銀行融資が決定した段階で第三者機関が一定の太鼓判を押してくれているような状態であり、初期段階から信頼性を得やすいという効果があります。
フランチャイズ本部や仕入先などとも契約しやすくなるのはもちろん、他に新規オプションを検討する際に金融面での交渉を進めやすいメリットもあります。
銀行融資を受ける際の注意点
銀行融資は多くのメリットをもたらす一方、融資を受けるからこそ生じる返済リスクや保証制度に関わる制約も存在します。
返済負担
銀行融資を利用すると、当然ながら借りた資金を返していく義務が生じます。返済スケジュールが自分の予想より厳しく感じられる時期もあるでしょう。もし売上が計画を下回った場合、返済に追われて事業運営に支障をきたすリスクが考えられます。
そうしたリスクを軽減するには、開業前に十分なシミュレーションを行うことが欠かせません。売上が落ち込んでも一定期間は返済できるだけの運転資金を、融資金や自己資金の中に組み込んでおく工夫が必要です。
フランチャイズ本部が支援を行うケースはありますが、基本的には返済責任はオーナー個人に帰属します。ただし、経営が難しくなった場合でも銀行側に早めに相談すれば、返済期間の見直しや融資条件の再交渉などを検討できる余地があります。融資を受けたらゴールではなく、常にキャッシュフローを管理する姿勢が欠かせません。
担保や保証の問題
保証付融資では、信用保証協会が一定の保証を提供してくれますが、保証料が発生するため、実際に利用できる資金が削られる形になる場合があります。プロパー融資では保証料がかからないものの、銀行がリスクを全面的に負うため審査基準は厳しくなります。
また、融資の種類や金額によっては、不動産などの担保を要求されることも考えられます。担保になりうる物件をもっていない場合、融資額そのものが制限されたり、連帯保証人を立てる必要が出てくる可能性もあるでしょう。
フランチャイズ開業のためにどうしても多額の設備資金が必要なときは、すべてを銀行融資に頼るのではなく、多様な資金調達方法を組み合わせてリスクを分散することが望まれます。融資にともなう負担と恩恵を天秤にかけ、最善の策を練ることが重要です。
信用構築の大切さ
銀行融資や公的融資の可否にかかわらず、普段の銀行取引実績を積み重ねて信用を構築していくことは重要です。日常的にメイン口座として利用したり、決算報告や取引明細を整えたりしておけば、将来的に追加融資を受けたいときや、他の金融商品を利用したいときにスムーズにつながるでしょう。
信用を得るには、遅延や延滞のない借り入れ履歴、安定した口座残高、そして適切な事業内容の説明が基本となります。フランチャイズでの経験を積みながらも、長期的な視点で金融機関との良好な関係づくりを続けることが、今後の成長に結びつきます。
まとめ
ここまで、フランチャイズで銀行融資を受ける際に大切な基本や書類、審査のポイントについてご説明しました。融資の検討には、事前準備と豊富な情報収集が欠かせません。
ご自身の事業規模やスケジュールに合った資金調達方法を見極め、最適なタイミングで行動してみてください。無理のない融資計画を立てることで、フランチャイズ事業はより成功へと近づくことでしょう。
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