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ファクタリングの契約書で必ず確認すべき項目を解説!トラブルに巻き込まれないための注意点も

ファクタリングは、中小企業の資金調達手段としてよく利用されていますが、その契約内容を十分理解しないまま契約してしまうと、思わぬトラブルに発展することがあります。とはいっても、特に初めて利用する事業者にとって、契約書の細かな条項を正確に理解することは容易ではありません。

本記事では、ファクタリング契約で必ず確認すべき重要ポイントから、実際に起きたトラブル事例とその対処法まで、実務に役立つ情報を解説します。適切な契約書の確認方法を身につけることで、ファクタリングを安全に活用し、事業の資金繰りを改善するための具体的なノウハウをご紹介します。さらに、悪質な業者から自社を守るためのチェックリストも併せてお伝えします。

ファクタリング契約書の基本構成と種類

ファクタリングの契約書には、取引形態によって複数の種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社が締結しようとしている契約の種類を把握しましょう。

基本的な契約書の構成要素

一般的なファクタリング契約書には、以下のような項目で構成されています。

  • 契約当事者の情報(会社名、住所、代表者名など)
  • 契約の目的と対象となる債権の特定
  • 譲渡する債権の金額と支払条件
  • 手数料や諸費用の計算方法と支払い条件
  • 債権譲渡の通知方法
  • 契約期間と解除条件
  • 守秘義務条項
  • 紛争解決方法

これらの要素が明確に記載されていない契約書は、後々トラブルの原因になる可能性が高くなります。必要な要素が漏れなく記載されているか確認することが重要です。

2社間・3社間による契約書の違い

ファクタリングには、主に2社間と3社間の形態があり、それぞれで契約書の内容が異なります。

契約形態 特徴 契約書の特徴
2社間ファクタリング 売掛先に通知せず、資金調達企業がファクタリング会社から債権回収業務を委託される形 債権譲渡契約書に加え、業務委託契約書が必要
3社間ファクタリング 売掛先にも通知し、支払いは売掛先からファクタリング会社へ直接行われる 債権譲渡通知書が必須で、三者の関係性が明確に規定される

2社間ファクタリングでは、債権譲渡後も資金調達企業が売掛金の回収業務を行う必要があるため、業務委託契約書の内容も重要になります。一方、3社間ファクタリングでは、債権譲渡通知の方法や売掛先への対応が、契約書で明確に規定されているか確認する必要があります。

ファクタリング契約書で必ず確認すべき項目

ファクタリングの契約書には、必ず確認しておくべき重要な項目があります。これらの項目をしっかりチェックすることで、知らないうちに不利な条件で契約してしまうことや、後でトラブルに発展することを避けることができます。

債権譲渡通知に関する規定

債権譲渡通知は、売掛先に対して債権の譲渡を知らせる手続きです。この通知方法や時期について、契約書に明記されているか確認しましょう。

2社間ファクタリングの場合、原則として売掛先への通知は不要です。しかし、契約書に通知が必要と記載されている場合は、要注意です。通知の有無を確認することで、知らずのうちに取引先との関係に悪影響が及ぶ、ということがないようにしましょう。

3社間ファクタリングでは、売掛先への通知が必須条件となります。この場合、通知方法や通知するタイミング、通知文書の内容などが適切であるかどうか確認しましょう。

債権譲渡登記に関する規定

債権譲渡登記は、債権譲渡の事実を法務局に登記する手続きです。債権譲渡登記について、契約書では以下のポイントを確認しましょう。

  • 債権譲渡登記が必要かどうか
  • 登記費用の負担者(通常はファクタリング利用者負担)
  • 登記の時期と方法
  • 契約終了後の登記抹消手続きの責任者

特に、登記費用は数万円程度かかることもあるため、誰が負担するのかは事前に必ず確認しておくべきです。また、契約終了後の登記抹消手続きを忘れないようにしましょう。抹消を忘れると、将来的に別の金融機関から融資を受ける際に、支障をきたす可能性があります。

手数料や諸費用の規定

ファクタリングにおける手数料や諸費用の内訳も、必ず確認しておきましょう。

  • 手数料率(売掛金額に対する割合)
  • 審査手数料の有無と金額
  • 事務手数料や振込手数料などの追加費用
  • 契約途中解約時の違約金や返金規定

手数料率が、相場(通常5%〜15%程度)と比較して極端に高い場合は注意が必要です。また、把握できていない手数料がないか細かくチェックしましょう。全ての費用を合計した実質的な負担額を計算し、メリットのある取引かどうかを判断することが大切です。

特に、「審査手数料」と称して前金を要求する業者は、悪質なケースが多いので警戒しましょう。正規のファクタリング会社では、基本的に前払いの手数料は発生しません。

償還請求権(リコース・ノンリコース)の規定

償還請求権とは、売掛先が支払不能になった場合に、ファクタリング会社が資金調達企業に対して債権の買戻しを求める権利です。

ファクタリングは、原則としてノンリコース(償還請求権なし)です。つまり、売掛先の倒産などによる支払不能リスクは、ファクタリング会社が負担します。

もし契約書にリコース(償還請求権あり)の規定がある場合は、闇金まがいの違法業者である可能性が高くなります。つまり、リコース条項の有無を必ず確認することで、違法な高金利融資に巻き込まれるリスクを回避できます。

ただし、債権の存在自体が虚偽だった場合など、詐欺的行為があった場合に限り、償還請求が認められるケースもあります。

担保・保証人に関する規定

正規のファクタリングでは、原則として担保や保証人は不要です。なぜなら、ファクタリングは売掛債権そのものを売却する取引であり、融資ではないためです。

契約書に担保設定や保証人を求める条項がある場合は、それは実質的な融資契約である可能性が高く、悪質な業者である疑いがあります。担保・保証人の要求がないか確認することで、違法な金融業者との取引を避けることができます。

特に、以下のような条項は要注意です。

  • 不動産や動産への担保権設定
  • 代表者の連帯保証
  • 第三者の保証人要求
  • 預金や有価証券の担保提供

このような担保・保証に関する条項が含まれている場合は、契約締結に慎重になりましょう。

報告義務の範囲の規定

契約書には、資金調達企業がファクタリング会社に対して行うべき報告義務が規定されていることがあります。特に売掛先の状況変化について、どの程度の報告義務があるのか確認しましょう。

  • 売掛先の支払能力に影響する情報の報告義務
  • 売掛先との取引状況の報告頻度
  • 財務諸表など経営情報の提出義務

報告義務が過度に広範囲だったり、頻度が高すぎたりする場合は、業務負担が大きくなる可能性があります。報告義務の範囲と負担を事前に把握することで、契約後のトラブルを防ぐことができます。

損害賠償・違約金の規定

契約違反時の損害賠償や違約金について、不当に高額または広範囲な設定がないか確認することが重要です。

具体的には以下のポイントに注意しましょう。

  • 違約金の計算方法と上限額
  • 損害賠償の発生条件
  • 約定遅延損害金の利率(年率20%を超える場合は違法の可能性)

損害賠償額が実際の損害と比較し著しく釣り合わない場合、その条項は無効となる可能性があります。こういった過大な違約金に警戒することで、不当な負担から身を守ることができます。

また、軽微な義務違反で重い違約金が課されたりする場合も、悪質な業者の特徴です。違約金条項が合理的な範囲内にあるか、弁護士などの専門家に確認することも検討しましょう。

契約解除の条件と手続き

契約解除の条件と手続きについて、明確に規定されているか確認しましょう。

  • 契約解除ができる条件
  • 解除通知の方法と期間
  • 解除時の清算方法
  • 解除によって発生する費用負担

契約解除権が、一方的にファクタリング会社のみに認められている場合や、解除条件が不明確な場合は注意が必要です。公平な契約解除条件が設定されているか確認することが大切です。

また、解除後の債権回収方法や、既に支払った手数料の返還有無についても確認しておきましょう。特に、契約期間の途中で解除する場合の手続きが明確にされていないと、後々トラブルの元になります。

契約期間と自動更新の有無

契約期間と更新方法について、以下の点を確認しましょう。

  • 契約の有効期間
  • 自動更新の有無とその条件
  • 更新を望まない場合の通知期限と方法

自動更新条項がある場合、更新を希望しない場合の通知期限を見落とすと、意図せず契約が継続してしまう可能性があります。契約更新の条件を把握しておくことで、不要な契約継続を防げます。

特に、複数回のファクタリングを予定している場合、自動更新条項が有利に働くこともありますが、その場合でも更新時の条件変更の可能性について確認しておくべきです。

2社間ファクタリングにおいて必要な業務委託契約書

2社間ファクタリングでは、債権譲渡契約書に加えて業務委託契約書も必要になります。この契約書の内容も慎重に確認しなければなりません。

業務委託契約書の内容

2社間ファクタリングの業務委託契約書には、以下のような内容が含まれています。

  • 委託される回収業務の具体的な内容と範囲
  • 回収した資金の送金方法と期限
  • 回収業務に関する報告義務
  • 業務委託料の有無と計算方法

2社間ファクタリングは、売掛金の回収を利用者がファクタリング会社から委託される形であるため、その責任範囲が明確に規定されているか確認することが重要です。

業務委託契約における注意点

業務委託契約書を確認する際の注意点は以下の通りです。

  • 回収した売掛金の送金期限(通常は入金確認後すぐに送金)
  • 売掛金が回収できなかった場合の責任の所在
  • 委託業務を怠った場合のペナルティ
  • 売掛先の倒産時の対応方法

特に、売掛金を回収した後の送金期限は重要です。入金確認後すぐに送金するよう規定されていることが一般的ですが、これが不当に遅い場合は注意が必要です。送金期限を確認しておくことで、資金が滞留するリスクを避けられます。

また、売掛先からの支払いが遅延した場合や支払いがなかった場合の対応についても、明確に規定されているか確認しましょう。これらが曖昧だと、後々責任の押し付け合いになる可能性があります。

ファクタリング契約書に不審な点がある場合の対応方法

契約書の内容に不審な点や不明点がある場合、早期に適切な対応をとらなければなりません。適切な対応で悪質な契約を回避し、ファクタリング取引を安全に行えるようにしましょう。

不明点を質問し説明を求める

契約書の内容で不明な点があれば、遠慮せずにファクタリング会社に質問しましょう。

  • 具体的な条項を指摘して質問する
  • 専門用語については平易なことばでの説明を求める
  • 口頭での説明だけでなく、書面での回答を求める
  • 複数の担当者に確認して説明に一貫性があるか確かめる

質問に対して明確な回答が得られない、または質問すること自体を嫌がる業者は要注意です。疑問点は必ず解消してから契約することが重要です。

特に手数料の計算方法や、リコース条項の有無など重要事項については、できるだけ書面での回答を求めましょう。

契約条件の交渉

契約書の内容が不利だと感じた場合は、交渉して修正を依頼することも検討しましょう。

  • 不利な条件を具体的に指摘し、修正案を提案する
  • 業界の標準的な条件と比較して交渉材料とする
  • 複数のファクタリング会社から見積もりを取り、比較交渉する
  • 修正に応じない場合は、契約を見送る決断も必要

契約条件は必ずしも固定ではなく、交渉の余地があることが多いものです。不利な条件は交渉で変更できないか試みることが大切です。

専門家への相談

契約内容に不安がある場合は、専門家(弁護士や税理士など)に相談することも考えましょう。

  • 契約書の法律上の問題点を指摘してもらう
  • 業界標準と比較して妥当かどうかを確認する
  • 税務面の影響や会計処理方法についてアドバイスを受ける
  • 悪質業者の可能性があれば、消費者センターなどへの相談も検討

特に高額な債権を譲渡する場合や、契約内容が複雑な場合は、専門家のチェックを受けることをお勧めします。

契約締結後の動き

ファクタリング契約を締結した後も、その後の状況に応じて適切な手続きを行う必要があります。

入金の確認

契約締結後、最も重要なのは、契約条件通りに入金が行われるかの確認です。

  • 契約書に記載された金額が正確に入金されているか
  • 入金のタイミングが契約通りか
  • 手数料や諸費用が契約書通りの金額か
  • 想定外の控除がないか

入金額が契約書に記載された金額と異なる場合は、すぐにファクタリング会社に問い合わせましょう。入金内容を必ず確認することが重要です。

特に初回取引では、契約条件通りの実行がなされるか注意深く確認することで、以降の取引の信頼性を判断する1つの基準になります。

売掛金回収後の対応(2社間ファクタリングの場合)

2社間ファクタリングの場合、売掛先から入金があった後の対応が特に大切です。

  • 売掛金が入金されたら、契約書に定められた期間内にファクタリング会社へ送金する
  • 送金の際は、契約書に記載された方法(振込先口座など)を確認する
  • 送金後は必ず入金確認を取る
  • 送金記録や受領書は必ず保管する

売掛金を回収したにもかかわらず、ファクタリング会社への送金が遅れてしまうことは契約違反になり、ペナルティの対象となる可能性があります。そのため、回収資金は速やかに送金することが重要です。

また、送金後は必ず相手方に入金確認を取り、トラブル防止のために記録を残しておきましょう。

契約終了時の手続き

契約が終了する際には、以下の手続きと確認が必要です。

  • 債権譲渡登記をした場合は、登記抹消手続きを確認
  • 契約終了を証明する書類の受領
  • 残債務や追加費用がないことの確認
  • 次回取引のための条件確認や評価

特に債権譲渡登記をした場合、その抹消手続きは非常に重要です。抹消されないと、将来的に他の金融機関との取引に支障をきたす可能性があります。そのため、登記抹消を必ず確認することを忘れないようにしましょう。

また、契約終了時に「終了証明書」や「清算証明書」などの書類を受け取っておくと、後日のトラブル防止に役立ちます。

まとめ

ファクタリング契約書には、手数料やリコースの有無など確認すべき項目が多く存在します。

ファクタリングを活用する際は、契約内容を詳細に確認し、不明な点があれば必ず質問するようにしましょう。複数業者に見積もりを取り、条件を比較するのも有効な手段です。後のトラブル防止のために、手間はかかりますが、契約内容の確認は行いましょう。

信頼できるファクタリング会社は、契約内容を明確に説明し、質問にも誠実に対応してくれます。そういったファクタリングサービスをみつけ、資金繰りの改善につなげましょう。

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監修者 三坂大作
監修者紹介
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役
三坂 大作(ミサカ ダイサク)

経歴
1985年 東京大学法学部卒業
1985年 三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
1989年 同行ニューヨーク支店勤務
1992年 三菱銀行退社、資金調達の専門家として独立
資格・認定
経営革新等支援機関:認定支援機関ID:1078130011
ヒューマントラスト株式会社:資格者 三坂大作
貸金業登録番号:東京都知事(1)第31997号
ヒューマントラスト株式会社:事業名 HTファイナンス
貸金業務取扱主任者:資格者 三坂大作
資金調達の専門家として企業の成長を支援
資金調達の専門家として長年にわたり企業の成長をサポートしてきました。東京大学法学部を卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、国内業務を経験した後、1989年にニューヨーク支店へ赴任し、国際金融業務に従事。これまで培ってきた金融知識とグローバルな視点を活かし、経営者の力になることを使命として1992年に独立。以来、資金調達や財務戦略のプロフェッショナルとして、多くの企業の財務基盤強化を支援しています。 現在は、ヒューマントラスト株式会社の統括責任者・取締役として、企業の資金調達、ファイナンス事業、個人事業主向けファクタリング、経営コンサルティングなど、多岐にわたる事業を展開。特に、経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や資金調達のアドバイスを提供しています。また、東京都知事からの貸金業登録(登録番号:東京都知事(1)第31997号)を受け、適正な金融サービスの提供にも力を注いでいます。
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