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スタートアップ・ベンチャー企業でもファクタリングを利用できる?注意すべきポイントも解説

スタートアップやベンチャーの経営者にとって、早期の資金調達は、事業拡大やイノベーション促進に直結する重要なテーマです。銀行融資や投資家からの出資など多様な手段がありますが、審査期間が長く条件も厳しいケースが少なくありません。そこで検討するべきなのが、売掛債権を活用して現金化するファクタリングです。

本記事では、スタートアップやベンチャーの資金戦略として、ファクタリングを検討する際に役立つ基礎知識やメリット、注意点などを詳しく解説します。

CONTENTS

ファクタリングとベンチャー・スタートアップの相性

ここでは、ファクタリングとは何か、そしてベンチャーの事業環境とどのように関連してくるのかを整理します。

ファクタリングとは

ファクタリングとは、企業がもつまだ支払いが行われていない売掛金を、ファクタリング会社に売却する形で資金化する方法です。金融機関からの融資とは異なり、担保や保証人を用意しなくても、素早く現金を得られることが大きな特徴といえます。

スタートアップやベンチャーが利用する際は売掛先の信用力が審査のポイントになるため、自社だけでなく取引先との関係もみられる点を押さえましょう。

スタートアップやベンチャーの資金繰りとの相性

創業から間もない企業は、事業が軌道に乗るまで十分なキャッシュフローを確保するのが難しいことがあります。売掛先からの入金サイクルが長い場合など、次の成長投資を行う前に、資金がショートしてしまうケースに注意が必要です。

そのようなとき、ファクタリングを活用することで資金繰りを安定化できる可能性があります。融資と違って負債を増やさず、売掛金を迅速に現金化するため、キャッシュフローを保ちやすいのも魅力です。

利用できる業種や対象となる売掛債権

ファクタリングは、さまざまな業種で利用されています。ITやものづくりのスタートアップだけでなく、Webサービスやコンサルティングを手がけるベンチャー企業でも、売掛金があれば利用が可能です。業種に指定はほぼなく、月間の売掛金規模や取引先名が重要視されることが多いといえます。

また、継続的な売掛債権ほど資金調達の安定性が高まる点も理解しておくとよいでしょう。単発ではなく複数月連続での売上があると、より容易な審査が期待できます。

ファクタリングの種類

ファクタリングの種類を選ぶ際は、スタートアップやベンチャーの場合、スピード重視か費用負担の少なさ重視かによって選択肢が変わってきます。

2社間ファクタリング

2社間のファクタリングでは、自社とファクタリング会社の2者のみが関わります。取引先に通知を行わず、売掛債権を早期に買い取ってもらう仕組みです。スピーディに資金確保ができるので、緊急で資金を必要とするケースで活躍します。

売掛先への連絡が不要であるため、取引先との関係を円滑に保ちやすいことも大きなメリットです。手間が少ない分、手数料がやや高くなる傾向にはありますが、時間を優先する場面では最適な手法といえます。

3社間ファクタリング

3社間のファクタリングは、自社、ファクタリング会社、そして売掛先(第三債務者)の3者が登場します。売掛先の承諾が必要になるため手続きが増えますが、2社間ファクタリングと比較して手数料が低めに設定されることが多いのが特徴です。

手続き面でやや煩雑ではあるものの、結果的にコストを抑えて資金調達したい場合に有効です。売掛先との協力を得られる相手であれば、導入を検討してみる価値があります。

ファクタリングをベンチャー・スタートアップが利用するメリット

ファクタリングは、時間と資金に追われがちな若い企業にとって、非常に有用な資金調達方法です。

即時入金によるキャッシュフロー改善

売掛金の入金が数か月先になると、資金繰りに苦労する場面が出てきます。ファクタリングは、そのタイムラグを埋める手段として重宝され、事業拡大や新規プロジェクトへの投資などを加速させる効果が期待できます。

なお、最短で当日や翌日までに入金されるケースもあるため、急な出費や予期せぬ経費にも柔軟に対応できます。決済サイトを待たずに資金を確保し、財務状況を安定させるには最適です。

返済負担や担保の心配が少ない

通常の融資では返済と利息が必要で、さらに担保や保証人が必須となることも多く、リスクが大きく感じられます。一方、ファクタリングでは、売掛債権を売却して資金を調達するかたちとなるため、負債を増やすことがありません。

そのうえ、担保や保証人を用意する手間がないのも魅力です。スタートアップやベンチャーがもつ大切な資産を守りながら、資金を用意できる点は大きなメリットといえるでしょう。

財務指標や株式の希薄化への影響が少ない

スタートアップでは、投資家からの出資も資金調達の有力な手段ですが、出資を受けると経営権が希薄化するデメリットがあります。ファクタリングはあくまで売掛金の現金化なので、株式の分散や経営決定権の変化はありません。

また、財務諸表上の負債が増えないため、バランスシートを健全に維持しやすい利点もあります。出資などとの組み合わせで財務戦略を柔軟に設計できます。

ファクタリングを利用するデメリット

ファクタリングにはメリットが多い一方で、注意点も存在します。

手数料負担が高くなる場合がある

ファクタリング会社に支払う手数料は、売掛金額の数パーセントから数十パーセントに及ぶことがあります。金利計算ではなく手数料という形ですが、融資を受けるよりも総支払い額が高くなるケースも否めません。

特に、年利に換算すると高率になるファクタリングを利用する際は、資金調達コストとしてしっかり検討することが大切です。目先の資金確保だけでなく、総合的な費用対効果を見極めましょう。

売掛先の信用力に依存しやすい

ファクタリングでは売掛債権そのものを買い取ってもらうため、最終的に支払いを行う売掛先が信用力のある企業かどうかが重要視されます。もし売掛先の経営状態が悪化したり、支払いに問題が生じたりすると、ファクタリングの利用が難しくなるか、手数料が大幅に上がる恐れもあります。

したがって、安定した取引先を複数もつことがファクタリング審査のカギとなります。売掛先との契約内容や、取引実績を見直しておくことが必要です。

十分な売掛実績が必要になる

スタートアップやベンチャーでも利用は可能ですが、創業初期で売掛金自体が少なかったり、取引先からの入金履歴がまだ乏しかったりすると、ファクタリング会社がリスクを回避するため利用できないケースも考えられます。

このため、ある程度の売掛実績を積み上げることが重要です。売上規模を大きくするだけでなく、安定的な入金サイクルがあると高評価につながるでしょう。

ファクタリング以外の資金調達方法との併用

ベンチャー企業としては、ファクタリング以外にも、多様な資金調達手段を検討することが大切です。ここでは、それらと併用するときの考え方を紹介します。

エクイティファイナンスとの組み合わせ

投資家からの出資、いわゆるエクイティによる資金調達は、事業拡大期のスタートアップにとって有力な手段です。しかし出資比率が増えると、経営権や株式の希薄化が進みます。そこで、部分的にファクタリングを併用することで、出資額をなるべく抑えつつキャッシュを確保する選択肢が生まれます。

たとえば、事業の成長速度を落とさずに経営者の持ち分を確保できる点は、創業者や主要メンバーにとって魅力的でしょう。柔軟なファイナンス戦略を組み立てる際には、検討してみる価値があります。

デットファイナンスとの住み分け

銀行融資やビジネスローンなどのデットファイナンスは、比較的金利が低く長期にわたって返済していく形が一般的です。一方で審査に時間がかかり、手続きも煩雑になることが多々あります。また、担保提供や保証人が必要となる場合もあるでしょう。

このような背景から、急ぎの資金ニーズはファクタリングで補う一方、長期にわたる事業計画の資金は、デットファイナンスでカバーするように住み分けをすると効果的です。

ファクタリングの申請から入金までの主な流れ

ここでは、実際にファクタリングを利用する際の大まかな流れを解説します。手続き自体は融資に比べて簡素化されているケースが多いですが、事前の準備も欠かせません。

主なステップ

申請から入金までには、以下のようなステップが一般的です。先に概要を把握しておくことで、スムーズに手続きを進められます。

  • ファクタリング会社に問い合わせまたはオンラインで申込
  • 必要書類(売掛金の明細、決算書など)の提出
  • 見積もり提示と契約内容の確認
  • ファクタリング契約の締結
  • 入金手続きと送金

多くのファクタリング会社が短期間で審査を行い、即日や翌日には資金が振り込まれるケースもあります。しかし、書類の不備があると時間がかかるため、必要資料を整えておくことが重要です。

オンライン申請が可能なサービス

近年は、Webサイト上で申込から必要書類のアップロード、審査結果の通知までを完結できるサービスが増えています。移動や対面での打合せが不要になるため、忙しい経営者にも大変便利でしょう。

たとえば、PayTodayのように最短30分で入金する例もあるため、急な資金不足でも安心感があります。オンラインファクタリングを活用する際は、各サービスの手数料や審査基準を比較検討しましょう。

ファクタリングを導入するときの注意点

実際に導入を検討する前に、下準備やリスク管理は欠かせません。ここでは、事前に確認しておきたい注意点をまとめます。

ファクタリング会社の選定

まずは、信頼できるファクタリング会社を選ぶことが大切です。実績や口コミ、契約条件、サポート体制などを総合的にチェックし、安心して任せられるパートナーを見極めましょう。

安易に手数料だけをみるのではなく、契約時の透明性やフォロー体制も見極めることが、トラブルを防ぐポイントです。契約書や料金設定が不明瞭な業者は、避けたほうが無難でしょう。

資金ソースの多角化を意識する

ファクタリングは便利な手段ですが、あくまで売掛債権が資金ソースになるため、継続的に大きな売掛がなければ、有効活用が難しい面もあります。開発投資や大規模な人員拡充など、高額の資金調達が必要な場合は、他の手法を組み合わせるなど多角化を意識しましょう。

特に、長期的な成長費用には別の調達手段を検討することも視野に入れ、ファクタリングをうまく位置付けることが重要です。

導入シナリオ別のファクタリング活用例

ファクタリングは、単に資金不足を解消するだけでなく、新規プロジェクトをスタートさせるタイミングや、大口の案件を取るときにも役立ちます。ここでは、いくつかのシナリオをみてみましょう。

短期の資金不足解消

たとえば、人件費や仕入れ費用など、月末になって資金繰りが逼迫するケースは少なくありません。そのような急な資金不足を乗り切るためにファクタリングを使用すれば、事業活動を止めることなく継続できます。

この際、2社間ファクタリングで素早く資金を確保するのも一つの手です。売掛先への通知を避けたいデリケートな状況でも、問題なく対応できます。

大型案件受注後の先行費用の確保

大きな案件を受注し、設備投資や開発案件に先行費用が必要になる場合もあります。売掛金が発生してから入金されるまでに時間がかかると、運転資金に余裕がなくなるかもしれません。

そこで、売掛金をファクタリングで先に現金化することで、大きなチャンスを逃さずに済みます。3社間ファクタリングで手数料を抑えながら、売掛先の協力を得るケースも考えられます。

ファクタリング利用時に注意すべきコスト

ファクタリングを活用するベンチャーにとって、手数料や諸費用は必ず確認すべきポイントです。具体的な費用構造とその捉え方を解説します。

ファクタリング手数料と実質金利の認識

ファクタリングでは、あくまで債権の売却としての手数料が発生しますが、その手数料率は、10%を超えることも珍しくありません。もし、ビジネスローンを組む場合の金利と比較すると、割高に感じられる場面もあります。

したがって、どれだけコストがかかるかを年利ベースで把握することが欠かせません。あまりにも高い場合には、融資など別の方法と比較した上で判断すべきでしょう。

サービス利用料やその他の付随費用

ファクタリング会社によっては、契約事務手数料や振込手数料、登記費用など、売掛債権の買取以外の費用が発生することもあります。見かけの手数料率が低くても、トータルコストでは他社より高くなるケースもあり得るため、注意が必要です。

この点で契約前に費用構造をしっかり確認することが、予期せぬ出費を防ぐコツといえるでしょう。複数のファクタリング会社から見積もりを取り、総合的に判断するのがおすすめです。

ベンチャー・スタートアップのファクタリング導入により得られる効果

実際にファクタリングを導入した企業は、どのような成果を得ているのでしょうか。ここでは、スタートアップやベンチャーでの利用が増えている背景と、主な成功パターンを確認します。

事業拡大のスピードアップ

利用例としては、クラウドサービスを扱うIT系ベンチャーが、急速に事業を拡大するための資金を確保したケースが挙げられます。短期間で成長するITサービスでは、開発コストやマーケティング費用が先行しがちですが、売掛債権をファクタリングで現金化することで資金を一気に注入できます。

こうしたファクタリングの即時性を活かした投資が、競合他社との差別化や拡大フェーズの加速につながるのです。タイミングを逃さずに資金を確保できる点が、大きなメリットといえます。

資金難による経営リスクの回避

ベンチャー企業は、売上や利益が安定しにくく、資金繰りの悪化から倒産の危機に瀕することもあります。そこで、確実に見込める売掛金を早期に手にすることで、設備投資や人件費を賄い、事業を継続させるケースも存在します。

実際に事業継続のための緊急措置としてファクタリングを活用し、倒産の危機を乗り越えた例も少なくありません。一定の安定性を得ることができれば、次の融資や出資を受けやすくなる効果も期待できます。

まとめ

ファクタリングは、売掛債権を素早く現金化し、担保や保証人なしで資金を確保できる方法として、スタートアップやベンチャーにとって魅力的な選択肢といえます。メリットやデメリットを理解しながら、事業に合った活用方法を見極めることが重要です。

即時入金によるキャッシュフロー改善から、大型案件の先行投資まで、さまざまなシーンで役立つだけでなく、株式の希薄化を防ぐ点や財務指標に影響しにくい利点も見逃せません。コスト面に注意しつつ、ほかの資金調達手段ともバランスを取りながら利用する必要があります。最終的には、ファクタリング会社の比較や、綿密なシミュレーションが成功へのカギとなるでしょう。

自社に合ったファクタリングサービスをみつけ、安定的な資金繰りと事業成長を目指していきましょう。

また、ファクタリングのご利用前に、ビジネスローンのご利用を検討されてはいかがでしょうか?

最短即日融資!HTファイナンスのビジネスローン

急な受注や支払いが重なって、早急な資金調達が必要になったときに便利なのがビジネスローンです。
HTファイナンスでは、二期目以降の法人様を対象に、スピードと柔軟性を重視した独自の審査体制を整え、より早く経営者の皆様へ資金をご提供できるよう努めています。
必要書類もシンプルなので、準備に時間をかけることなくお申し込みいただけます。
また、オンラインやお電話でのやり取りを中心に契約まで進められるので、来店の手間を軽減できるのもポイントです。
事業拡大のチャンスを逃さないために、まずは一度HTファイナンスの借入枠診断をお試しください。

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監修者 三坂大作
監修者紹介
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役
三坂 大作(ミサカ ダイサク)

経歴
1985年 東京大学法学部卒業
1985年 三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
1989年 同行ニューヨーク支店勤務
1992年 三菱銀行退社、資金調達の専門家として独立
資格・認定
経営革新等支援機関:認定支援機関ID:1078130011
ヒューマントラスト株式会社:資格者 三坂大作
貸金業登録番号:東京都知事(1)第31997号
ヒューマントラスト株式会社:事業名 HTファイナンス
貸金業務取扱主任者:資格者 三坂大作
資金調達の専門家として企業の成長を支援
資金調達の専門家として長年にわたり企業の成長をサポートしてきました。東京大学法学部を卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、国内業務を経験した後、1989年にニューヨーク支店へ赴任し、国際金融業務に従事。これまで培ってきた金融知識とグローバルな視点を活かし、経営者の力になることを使命として1992年に独立。以来、資金調達や財務戦略のプロフェッショナルとして、多くの企業の財務基盤強化を支援しています。 現在は、ヒューマントラスト株式会社の統括責任者・取締役として、企業の資金調達、ファイナンス事業、個人事業主向けファクタリング、経営コンサルティングなど、多岐にわたる事業を展開。特に、経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や資金調達のアドバイスを提供しています。また、東京都知事からの貸金業登録(登録番号:東京都知事(1)第31997号)を受け、適正な金融サービスの提供にも力を注いでいます。
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