2025.05.30
審査が甘いファクタリング会社の特徴とは?比較するポイントを紹介
ファクタリングは、売掛債権を早期資金化する有用な手段として注目を集めています。しかし、中には審査が厳しくなかなか資金調達できないケースもあります。本記事では、ファクタリングの基本から審査基準、そして審査が甘いファクタリング会社の特徴を比較し、利用者の体験談もご紹介します。資金調達の可能性を広げるポイントをぜひご確認ください。
※ファクタリングについて基礎から知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
『ファクタリングの仕組みとは?メリット・デメリットや利用の流れを解説』
ファクタリングとは
ファクタリングとは、自社が保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、早期資金化を図る方法です。まずは基本的な仕組みや代表的な契約形態を確認しておきましょう。
ファクタリングは、企業の持つ売掛債権を現金化するための仕組みとして、海外や日本国内で幅広く利用されています。売掛金の通常の支払いサイトが30日から60日程度かかる場合でも、ファクタリングを利用すれば早期に資金が得られるため、急な資金ニーズに対応しやすいというメリットがあります。また、企業の信用状況が悪くても、売掛先の信用力が重視される傾向にあるため、事業を拡大中の企業や赤字経営中の会社でも活用できる可能性が高いです。
一方で、ファクタリングには手数料が発生するため、資金化によって得られる金額は売掛債権の額面よりも低くなるのが一般的です。とはいえ、銀行融資や手形割引と比べて審査が早い場合が多く、さらに自社の負債として計上されずにキャッシュフローを改善できる利点があります。資金調達方法として複数の選択肢を持ちたい企業にとって、ファクタリングは柔軟性のある方法として注目を集めています。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングは、売掛先への通知なく契約を結ぶ方式で、ファクタリング会社と利用企業のみが関わります。そのため、売掛先に知られずに資金化を行いたい場合や、資金需要が非常に迫っている場合などに適している点が特徴です。反面、リスクが高いため手数料が高めに設定されることが多く、利用時には費用負担を考慮する必要があります。
なお2社間ファクタリングのメリットについては以下の記事で解説しています。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは、売掛先を含む3者間で契約する方法です。大きな特徴として、手数料率が比較的低めに抑えられることが挙げられます。ただし、売掛先にファクタリングの利用を承諾してもらう必要があり、契約までに時間がかかる場合もあるため、導入のハードルがやや高いと感じる企業も少なくありません。
なお3社間ファクタリングのメリットについては以下の記事で解説しています。
審査の甘さはケースバイケース
以上のように、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングのうち、審査が甘い(審査に通りやすい)方式は状況によって異なります。
多くの場合は2社間ファクタリングのほうが甘いでしょう。しかし、売掛先の信用力が高い、資金調達に時間をかけてよいといった場合には、3社間ファクタリングのほうが審査に通りやすい可能性があります。
ファクタリング会社の審査基準は画一的ではなく、売掛先の信用力や利用企業の業績などを総合的に判断します。たとえ利用企業が赤字決算であっても、売掛先が安定した取引実績を持ち、支払いリスクが低いと判断されれば審査が通りやすくなるケースもあります。一方で、売掛先に支払い遅延などのリスク要素がある場合は審査が厳しくなるなど、会社ごとに基準が変動することを覚えておきましょう。
ファクタリングの審査基準
ファクタリング会社は主に売掛先の信用力を重視するといわれます。ただし、ほかにも確認すべきポイントがあります。
ファクタリングの審査では、書類の不備がないか、売掛先との契約状況が明確かなどを確認するプロセスが含まれます。売掛先の財務状況や支払い能力が審査の主要な要素となりますが、利用企業自身の経営状態や信用情報がまったく考慮されないわけではありません。あくまで最も重視されるのは、売掛先から確実に売掛金を回収できるかどうかなのです。
また、企業の業種や取引実績が審査に影響する場合もあります。売掛先が公的機関や大企業であれば信用力が高いとみなされ、比較的審査が通りやすくなる傾向があるでしょう。逆に、売掛先が過去に支払いトラブルを起こした経歴がある場合や、経営状態が悪化している場合は審査が厳しくなる可能性があります。
ファクタリングの審査で重要視されないこと
ファクタリングは、銀行融資とは異なり、企業の自己資本比率や代表者の信用情報などを厳密にチェックしないケースが多いとされています。特に、赤字経営や税金の滞納があっても、売掛先の信用力が高ければ審査に通る可能性は十分にあります。そのため、他の資金調達手段では断られるような状況でも、ファクタリングなら利用できるケースがあるのです。
その理由を、3つのポイントからみていきましょう。
1.財務内容
まず、ファクタリング審査では利用会社の財務内容を重視しません。なぜならば、ファクタリングは流動資産である売掛金を売却するのであって、借入れとは根本的に異なるからです。
借入れには返済が伴うため、融資先の返済能力が重視されます。融資先の財務内容が良ければ、現預金や不動産などから返済が期待できるため、安心して融資できます。財務内容が悪い場合、返済を終える前に倒産する懸念もあるため、融資は困難です。
一方、ファクタリングは資産の売却であり、返済義務もありません。ファクタリング会社は利用会社から回収する必要がないため、利用会社の財務内容を重視する必要もないのです。
2.決算内容
ファクタリング審査では、利用会社の決算内容も重視しません。
融資の場合、決算書は融資判断を左右する影響力を持っています。事業で得た利益が返済原資になるため、業績が悪い会社や不安定な会社は貸し倒れリスクが高いと判断するのです。
ファクタリングは返済義務がないため、利用会社の業績は関係ありません。簡易的な審査のために決算書を提出するものの、ファクタリング審査への影響はごく軽微です。
3.負債状況
負債状況もほとんど影響がありません。
銀行融資の場合、債務超過や消費者金融からの借入れは大きな悪材料となります。これは、業績・財務に対する返済負担が過大となり、貸し倒れリスクが高まるためです。
返済義務のないファクタリングでは、負債状況もほとんど影響しません。債務超過でも、消費者金融からの借入れがあってもファクタリングならば利用可能です。
ファクタリングの審査基準は9つ
ファクタリング会社の審査基準としては、売掛先の企業規模や業種、取引の実績や売掛金の金額、支払期日までの期間、売掛先の信用情報、契約書類の完備状況など、複数の項目が挙げられます。それらを総合的に考慮したうえで、取引リスクを最小化できるかどうかが判断されます。特に売掛先の信用情報は審査の大きな要素になるため、日常的に売掛先の経営状況を確認しておくことも重要です。
利用会社の状況を重視しないファクタリング審査は、どのような基準で審査しているのでしょうか。ほとんどのファクタリング会社に共通する審査基準は、以下の9つです。
1.売掛金の内容
売掛金によって内容は様々です。例えば、
- 売掛先は小規模事業者か、中小企業か、大企業か
- 売掛金の支払い期日はどうなっているのか
- 利用会社と売掛先の関係はどうか
など、様々な要素によって異なります。詳しくは2~5の通りですが、売掛金の内容も審査に欠かせない要素です。
2.売掛先の信用力
ファクタリング審査で最も重要な基準は、売掛先の信用力です。
売掛金を買い取った後、売掛先が支払い期日に支払うことによって、ファクタリング会社は初めて利益を得ます。2社間ファクタリングならば「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」、3社間ファクタリングならば「売掛先→ファクタリング会社」の流れで売掛金を決済するのです。
2社間・3社間のいずれにおいても、売掛先が支払い不能に陥るとファクタリング会社は損失を被ります。したがって、売掛先の信用力はファクタリングの最大のポイントとなります。
このため、売掛先の業績・財務状況や規模などによって信用力を厳しくチェックします。
3.売掛金の支払い期日
売掛金の支払い期日も重要です。
ファクタリング会社は、売掛金を額面金額よりも割安に買い取り、支払い期日に満額を回収することで利益を得ています。支払い期日までの期間が長い場合、
- 回収までの期間が長期化するため、ファクタリング会社の資金繰り負担が高まる
- 回収までの間に、売掛先の経営が悪化するリスクが高まる
といった問題が生じます。
このため、ファクタリング審査では支払い期日が短い売掛金ほどローリスク、支払い期日が長い売掛金ほどハイリスクと考えます。
4.売掛先との取引期間
利用会社と売掛先の取引期間も重要です。
取引期間が長い場合、売掛先は利用会社に対して長期間にわたってトラブルを起こさず、取引を続けてきたことがわかります。そのような売掛金は、次回も滞りなく支払われる可能性が高いため、ファクタリング会社も安心して買い取ることができます。
5.売掛金の継続性
取引期間と同時に考慮されるのが、取引の安定性です。
利用会社と売掛先が安定的に取引を続けているならば、今後も安定的に売掛金が発生するでしょう。この売掛金を継続的にファクタリングしてもらうことによって、ファクタリング会社は安定的な収益を獲得できます。
したがって、継続性のある売掛金であれば、好条件で買い取って継続利用を促すファクタリング会社も多いです。このように、売掛金の継続性も審査に影響を与えます。
6.ファクタリング利用会社の信用力
ファクタリング利用会社の信用力も、全く審査されないわけではありません。
上記の通り、利用会社の経営状況が審査全体に与える影響は小さく、ほとんどの会社では問題ありません。しかし、場合によっては審査結果を左右します。
特に2社間ファクタリングでは、利用会社の信用力が重要です。上記の通り、2社間ファクタリングでは「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」の流れで売掛金を決済します。信用のない会社は、売掛先が支払った代金をファクタリング会社に振り込まず、利用会社自体で使い込んでしまうこともあります。
これは、ファクタリング会社にとって非常に大きなリスクです。このリスクを極力避けるためにも、利用会社に最低限の信用力があるかどうか、厳しく審査されます。
7.差し押さえなどの可能性
ファクタリング会社によって、利用会社の信用力の判断基準は異なります。しかし、例えば財務内容が極端に悪く、経営破綻寸前あるいは実質的に破綻しているといった場合には、ファクタリング審査に通らない可能性が出てきます。
なぜならば、そのような会社には差し押さえのリスクがあるからです。2社間ファクタリングで売掛金を買い取った後、支払い期日前に利用会社の経営が破綻すると、「売掛先→利用会社→ファクタリング会社」の流れで回収できなくなります。
債権を買い取っている以上、ファクタリング会社が回収不能に陥ることはありませんが、本来必要のない回収業務が必要となり、売掛先との交渉が難航する可能性もあるため、ファクタリング会社にとって欠かせない審査基準です。
8.ファクタリングの利用金額
ファクタリングの利用金額も審査基準のひとつです。
まず、利用会社の売上と比較して、ファクタリングする売掛金が過度に大きい場合、悪質な利用者でないことを厳しく審査します。利用金額が大きすぎる場合、
- 架空債権のファクタリングを依頼している
- 多額の売掛金をファクタリングしておき、後日売掛先が支払った代金をファクタリング会社に振り込まない
といった可能性が考えられるからです。
このため、利用会社の規模と利用金額のバランスが悪い場合、通常より厳しく審査する傾向があります。
9.売掛金の実在性
最後に、売掛金の実在性です。
3社間ファクタリングであれば、売掛先とファクタリング契約を交わすため、架空債権のリスクがほとんどありません。しかし、2社間ファクタリングの場合、架空債権のファクタリングも不可能ではありません。
架空債権を買い取ってしまうと、ファクタリング会社は売掛先への回収ができず、損失を被ります。これを避けるためにも、売掛金が実在するかどうかが重要な審査基準となります。
もっとも、請求書や納品書など、売掛金の成因資料によって、売掛金の存在は簡単に証明できます。普通に利用している限り、審査への影響は皆無です。
審査が甘いファクタリング会社の7つの特徴
上記の審査基準を踏まえて、特に審査が甘い会社を選ぶ際は、手数料や必要書類などのチェックポイントを見極める必要があります。典型的な7つの特徴をご紹介します。
ファクタリング会社のなかには、比較的審査を優遇しているところがあります。その背景には、リスクをある程度許容することで多くの顧客を獲得したいという意図もあるでしょう。ただし、審査が甘いからといってすべてが好条件とは限らず、手数料や契約形態などで不利になる場合もあるため、選定には注意が必要です。
特に即日入金を掲げるファクタリング会社では、審査速度を優先するあまり柔軟性を高くしているケースが多いです。一方で、必要書類の少なさや独立系の運営形態などは利用者にとって魅力的な要素であると同時に、会社側が手数料を高めに設定する理由にもなり得ます。これらの点を踏まえつつ、適切なバランスのもとで利用を検討することが大切です。
1.独立系ファクタリング会社
ファクタリング会社には、非独立系ファクタリングと独立系ファクタリングがあります。
大手金融機関の子会社とは異なり、独立系ファクタリング会社は独自の基準で審査を行いがちです。資金調達の自由度が高いため、企業の経営状態に関わらず柔軟に対応してくれるケースもあります。その一方、会社によってはリスクをカバーするために手数料を引き上げていることがあるため、契約条件をしっかりと確認しましょう。
非独立系ファクタリングとは、
- 銀行自体がファクタリング業務を行っているものや、銀行のグループ企業がファクタリング業務を行っているもの(銀行系ファクタリング)
- 消費者金融グループがファクタリング業務を行っているもの
など、ファクタリング業務を行う会社が独立ではないことを意味します。
これに対し、独立してファクタリング業務を行うファクタリング会社を「独立系ファクタリング」といいます。
非独立系のファクタリング会社は、審査が厳しい傾向があります。分かりやすいのが銀行系ファクタリングです。運営元が銀行であるだけに、リスク回避を重視する方針が色濃く表れ、厳格な基準のもとに審査が行われます。
これに比べて、独立系ファクタリング会社は審査が甘いです。中小規模のファクタリング会社がほとんどであり、審査にも柔軟性があります。リスク回避のために審査を厳しくするのではなく、リターンを高めることでリスクを積極的にとる方針のファクタリング会社が多いのも特徴です。
審査の甘いファクタリング会社を選ぶには、独立系ファクタリング会社を選ぶことが欠かせません。
2.資金化までが早い
即日入金や24時間以内の資金化をアピールするファクタリング会社は、審査プロセスを簡略化している場合が多いです。そのぶん審査の甘さが期待できますが、手数料が高めに設定されることが一般的です。緊急度が高い資金調達であっても、本当にその手数料を支払う価値があるかを冷静に判断する必要があります。
スピーディに対応するファクタリング会社は、審査が甘くなるのが普通です。厳しく審査するには調査や分析に時間がかかるため、ある程度審査を甘くしなければスピード対応はできません。
スピーディなファクタリング会社を選ぶことが、審査の甘いファクタリング会社を選ぶことにつながります。
3.必要書類が少ない
必要書類の点数も、ファクタリング会社によって異なります。
確定申告書や請求書、身分証明書など、最低限の書類だけで契約できるファクタリング会社も存在します。一見すると利用しやすいように見えますが、そのぶん契約内容の詳細が不透明になりやすく、高い手数料率で契約するリスクもあります。簡単に契約ができるからこそ、事前に必要な情報をしっかり収集しておくことが重要です。
これに対し、必要資料が少ないファクタリング会社では、審査項目が少ないと考えられます。そのため審査も甘いと考えて良いでしょう。
このように、必要書類には審査の姿勢が表れます。必要書類ができるだけ少ないファクタリング会社を選ぶことも大切です。
4.手数料が高め
ファクタリング会社ごとに、ファクタリング手数料の設定が異なります。
ファクタリング手数料は、ファクタリングに伴う資金調達コストにほかなりません。自社の資金繰り負担を考えると、手数料が安いファクタリング会社を選ぶのが基本です。
しかし、審査が甘いかどうかを基準にする場合、ファクタリング手数料の考え方は真逆となります。ファクタリング手数料が安い会社は審査が厳しく、ファクタリング手数料が高い会社は審査が甘い傾向にあります。
リスクとリターンのバランスが適正でなければ、事業はうまくいきません。これは、ファクタリング会社も同じことです。リスクの高いファクタリングではリターンを高める必要があり、リスクの低いファクタリングではリターンが低くても採算がとれます。
厳しく審査するのは、リスクを回避するためです。このため、厳しい審査を通過した売掛金は、ファクタリング手数料も安くなります。
短期間で資金を調達できる利便性と手数料の高さのバランスを考え、安易に契約するのではなく慎重に比較検討するようにしましょう。
逆に、甘い審査ではリスクを高く見積もる必要があります。採算を取るにはリターンを高めることが欠かせません。
このように、
- ファクタリング手数料が安い→審査が厳しい
- ファクタリング手数料が高い→審査が甘い
という関係が成り立ちます。
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5.債権譲渡登記が必要
債権譲渡登記とは、債権の譲渡によって権利関係が変わったことを記録するものです。売掛金(売掛債権)を売却するファクタリングは「債権譲渡取引」の一種です。ファクタリングの結果、債権者は利用会社からファクタリング会社に変わります。したがって、債権譲渡登記をするのが普通です。
実際には、ファクタリング会社によって対応が異なり、債権譲渡登記を不要とする会社もあります。しかし、審査が甘いファクタリング会社を選ぶためには、あえて債権譲渡登記が必要なファクタリング会社を選ぶことが重要です。
ファクタリング後に債権譲渡登記を行うことで、債権譲渡の事実を法的に裏付けることができます。これは、ファクタリングの利用会社が「譲渡していない」と主張し、売掛金の回収に協力しなかった場合には、ファクタリング会社は売掛金の回収ができず大きな損失が発生します。
そのようなトラブルを防ぐためには、法的措置をとることが可能な債権譲渡登記を行います。これによって回収時のリスクを避けることができ、取引全体のリスクが軽減されます。ということは、ファクタリング会社は審査時により多くのリスクを負うことも可能となるため甘い審査が期待できます。
6.来店不要
ファクタリング会社ごとに手続きが異なりますが、特に大きな違いが出るのは、来店の有無です。
ファクタリング契約時に、ファクタリング会社の営業所に来店を求められる場合があります。これは、契約時に十分な説明をすることや、面談によって利用会社の信用を測ることが目的です。
一方、オンラインで完結できるファクタリング会社は、書類や本人確認のやり取りがクラウド上やメールで行われるため、スピード重視のサービスが多いです。これにより審査が簡略化され、結果的に審査が甘くなる傾向も見られます。ただし、直接会わないことで説明不足や連絡の行き違いが起こりやすくなるため、契約前に疑問点は十分に解消しておきましょう。
7.個人事業主でも利用が可能
最後に、個人事業主が利用できるかどうかに注目してください。個人事業主にも対応しているファクタリング会社は、審査が甘いケースが多いです。
ファクタリング会社にとって、個人事業主は法人よりもリスクの高い相手です。個人事業主は個人としての性格が強く、法人の経営者ほど信用を重視しません。架空債権のファクタリングを依頼する、ファクタリング後に回収した売掛金を支払わないといったリスクも高めです。
法人だけでなく個人事業主もファクタリングの対象とする会社は、幅広い事業者の資金ニーズを取り込みたいという方針を持っています。結果として審査を通しやすく設定している傾向があるため、事業規模が小さい事業者にとっては大きな魅力です。とはいえ、利用時には将来のキャッシュフローを十分に考慮して返済計画を立てることが欠かせません。
このため、リスク回避を重視する(=審査が厳しい)ファクタリング会社では、個人事業主に対応していないことが一般的です。逆に、リスク許容度が高い(=審査が甘い)ファクタリング会社ほど、個人事業主やフリーランスにも対応しています。
したがって、個人事業主に対応していることも、審査が甘いファクタリング会社の特徴です。
ファクタリングの審査を通過するためのポイント
複数の業者を比較検討することだけでなく、審査を通過しやすくする工夫も重要です。以下のポイントを押さえておきましょう。
ファクタリング会社によって審査基準は異なるため、事前に自社の状況を整理しておくことが肝心です。具体的には、売掛金の取引相手の信用状況や支払いサイト、契約書類の内容を正確に把握し、必要に応じて追加資料を準備しておくとスムーズに手続きが進みやすくなります。また、審査が不安な場合は、問い合わせ時に自社の条件に合うかどうか相談してみるとよいでしょう。
審査に通過する確率をさらに高めるポイントは、以下の2つです。
審査が柔軟なファクタリング会社を選ぶ
審査が柔軟なファクタリング会社を選ぶことで、審査に通過する可能性は確実に高まります。
ここで難しいのは、多くのファクタリング会社が柔軟な審査を売りにしており、ファクタリング会社ごとの違いが分かりにくいことです。「審査の柔軟性」は内部の人だけが知っている情報ですから、利用会社が正確に見抜くことは難しいと考えてください。
しかし、ひとつだけ決定的なポイントがあります。
それは「審査するのは人間か、AIか」ということです。
最近、オンラインファクタリングを取り扱うファクタリング会社が増えています。そのようなファクタリング会社ではAI審査を導入しているケースも多いです。
AI審査には、スピーディに審査できるメリットがあります。しかし、AIは数字などのデータを用いて、あくまでも機械的な審査を行います。案件ごとに異なる対応をする柔軟性がありません。「様々な事情を考慮しながら、通常より甘く審査する」といったことは不可能です。
これに対し、人間によって審査する場合には数字だけではなく、数字に表れない要素も考慮します。AIよりも柔軟に審査できるため、ケースバイケースで甘い審査も可能です。
審査の甘さを重視するならば、AI審査は避けたほうが良いでしょう。
ファクタリング手数料・スピードから考える
審査が甘いファクタリング会社の特徴のうち、ファクタリング手数料とスピードは比較しやすい要素です。どちらも会社ごとに明確な設定があります。
必要書類の点数、来店の有無、債権譲渡登記の有無などは、設定が曖昧な場合があります。例えば、
- ホームページに記載されていない書類を要求される
- ホームページに「来店不要」と書いてあるが、「対面不要」の意味ではなく、利用会社への訪問と面談が必須である
- 債権譲渡登記は「応相談」とあり、会社ごとに対応が異なる
といったことがよくあります。実際に利用しなければ分からず、ホームページの情報だけでは比較が困難です。
しかし、ファクタリング手数料とスピードは明確です。ファクタリング手数料は、ファクタリング会社ごとに「5~15%」「10~20%」などの設定があります。ファクタリングスピードも「最短即日」「最短即日~3営業日まで」「平日〇時までの申し込みで原則として即日対応」といったように、ある程度の目安があります。
即日入金や短期間での資金化が必要な場合、どうしても手数料は高めになります。逆に、資金繰りをあらかじめ計画し余裕を持って申請することで、より低い手数料で契約できる可能性があります。スピードとコストの両面から最適なバランスを検討し、必要性に応じてファクタリング会社を選びましょう。
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『危険なファクタリング会社の見抜き方 トラブルを避けて安全な資金調達を実現
審査が甘いファクタリング会社を利用した体験談
実際に審査が甘いファクタリング会社を選んだ結果は、成功例・失敗例ともにさまざまです。審査落ちした場合の対策も含めてご紹介します。
成功・失敗の分かれ目は、急いで資金調達をするためにリスクをどこまで許容するかにかかっているケースが多いです。もちろん、ファクタリング会社の質や手数料率の違いも重要ですが、結果として事業にプラスになるかどうかは企業全体の資金計画や売掛先との関係性にも大きく左右されます。
成功例
ある企業では、急な受注拡大に伴う仕入れ資金が不足し、銀行融資の審査を待つ余裕がありませんでした。そこで審査が甘めと評判のファクタリング会社を利用したところ、即日資金化が叶い、仕入れのタイミングを逃さずにビジネスチャンスを生かすことができました。その後の売上も順調に伸びたため、結果的には手数料の負担を上回るリターンを得られた成功事例です。
失敗例
資金繰りに困っている中小企業が、手数料の高さもよく確認しないまま審査を通りやすいファクタリング会社と契約してしまったケースがあります。結果的に売掛金の大部分を手数料として差し引かれてしまい、実質的な資金不足を解消できずに倒産の危機を迎えました。短期的な対処に走ったために、中長期の視点を見落としてしまった失敗例といえるでしょう。
審査に落ちた時はどうする?
もし審査に落ちてしまった場合でも、ほかのファクタリング会社を検討することは可能です。会社によって審査基準やリスク許容度は異なるため、条件が合えば別の業者で資金化できることがあります。また、売掛先との契約条件の改善や、書類の不備がないかを再確認し、再申請に向けて準備を整えることも忘れないようにしましょう。
まとめ
本稿では、審査が甘いファクタリング会社の特徴や比較のポイントについて詳しく解説しました。審査が甘いファクタリング会社は、
- 既に審査に落ちた売掛金をファクタリングしたい
- 早急な資金調達が必要である
- ファクタリングを初めて利用するが、とりあえず審査が厳しいファクタリング会社は避けたい
といった場合に役立ちます。
ファクタリングは審査を含めて多角的に検討すべき資金調達方法です。最後に押さえておきたいポイントを整理します。
ファクタリングは、売掛先の信用状況に大きく依存する一方で、銀行融資よりも柔軟かつスピーディに資金調達できるメリットがあります。特に審査が甘いファクタリング会社は、急な資金需要に即応してくれますが、手数料負担や契約リスクは十分に理解しておくことが大切です。複数の業者を比較し、自社の資金環境に合った使い方を見極めることが成功の鍵となるでしょう。
審査の甘いファクタリング会社を活用すると同時に、資金繰りについて改善に役立てる視点も重要です。コンサルタントの無料相談なども利用し、ファクタリングの効果を高め、資金繰り改善に役立てていきましょう。
支援実績12,000社以上!ヒューマントラストの資金調達トータルサポート
ヒューマントラストは、これまで12,000社を超える法人・個人事業主様の資金調達を支援してきました。 ファクタリングやビジネスローン、銀行融資の調達支援などをワンストップでご提供しており、最短即日での現金化や融資にも対応しています。 とくに、売掛先へ通知しない2社間ファクタリングは、最短15分ほどで資金をご用意できるため、急な経営ニーズにも柔軟に対応可能です。 必要書類も最小限に抑え、オンラインやお電話でのお手続きを中心に進められますので、遠方にお住まいの方やお忙しい経営者の方でも気軽にご利用いただけます。 まずは専門スタッフが状況を丁寧にヒアリングし、それぞれに最適なプランをご提案いたしますので、資金繰りにお困りの際はぜひヒューマントラストまでご相談ください。