• TOP
  • 新着情報
  • 銀行融資を法人が受けるときの金利相場は?低くするためのポイントも解説

2025.06.11

銀行融資を法人が受けるときの金利相場は?低くするためのポイントも解説

法人として銀行から融資を受ける際、もっとも気にすることの一つが、金利です。融資額が大きくなるほど、わずかな金利差が返済総額に大きな影響を与えることがあります。

本記事では、法人による銀行融資の金利相場を、金融機関別に詳しく解説します。また、金利の計算方法や上限規制についても触れ、金利を低く抑えるための具体的な方法や交渉のポイントも紹介します。

日本政策金融公庫などの公的金融機関と民間銀行の違いも比較しているので、自社に最適な資金調達先を選ぶ際の参考にしていただけます。

法人向け銀行融資の金利相場

民間銀行の融資金利は、企業の信用力や担保の有無、融資期間などによって変動します。一般的な金利相場は、以下の通りです。

短期融資(1年以内)の場合、年率0.5%~2.0%が相場となっています。一方、長期融資(1年以上)になると、年率1.0%~3.0%程度が一般的です。ただし、企業の業績や財務状況によっては、これよりも高くなる場合もあります。

都市銀行と地方銀行で比較すると、都市銀行のほうがやや低金利傾向にありますが、地方銀行でも地域密着型の関係構築ができていれば、競争力のある金利を提示してくれることが多いものです。

融資実行までのスピードと金利のバランスを考慮することも重要です。急ぎの資金調達では、やや金利が高くなっても、融資実行の早い金融機関を選ぶケースもあります。

銀行融資の金利を決める要素

銀行が法人向け融資の金利を決定する際には、さまざまな要素を総合的に判断しています。どのような要素が金利に影響するのか、詳しく見ていきましょう。

企業の信用力と財務状況

融資金利を決める最も重要な要素は、企業の信用力です。銀行は、企業の財務諸表を詳細に分析し、返済能力を判断します。

黒字決算が継続している企業は、赤字企業と比較して低金利での融資を受けやすくなります。特に直近3期連続の黒字決算は、安定した経営状態の証明として高く評価されます。また、売上高の安定的な成長も重要な判断材料となります。

自己資本比率も重要な指標の一つです。自己資本比率が高ければ高いほど、企業の財務基盤が安定していると判断され、金利の優遇につながりやすくなります。一般的に自己資本比率30%以上あれば融資条件で有利に働くことが多いでしょう。

また、過去の借入返済実績も大きく影響します。約定通りに返済を続けてきた実績があれば、銀行からの信頼度が高まり、次回の融資時に金利優遇を受けられる可能性が高まります。

担保と保証人の有無

融資に担保や保証人が付くかどうかも、金利を大きく左右する要素です。銀行にとって担保があることは、貸し倒れリスクを軽減する大きな要因となります。

不動産担保を設定した場合、無担保融資と比較して0.5%~1.5%程度金利が下がるケースが多くあります。特に、都心部の優良物件を担保とする場合は、より大きな金利優遇が期待できます。

第三者保証人をつける場合も同様に、金利優遇の対象となります。特に、資産力のある第三者による保証は大きな信用補完となるため、金利優遇幅が大きくなる傾向にあります。

近年では、個人保証に依存しない融資も増えていますが、担保や保証人がある場合とない場合では、依然として金利差が存在します。資金調達コストを抑えたい場合は、担保提供の可能性も検討する価値があるでしょう。

借入期間と返済方法

融資の借入期間も、金利に大きく影響します。一般的に、借入期間が長くなるほど金利は高くなる傾向にあります。

短期融資(1年以内)は、長期融資と比較して0.5%~1.0%程度金利が低くなるケースが多くあります。これは、期間が短いほど、銀行にとってのリスクが低くなるためです。ただし、短期融資は、一度に返済する金額が大きくなるため、資金繰りへの影響も考慮する必要があります。

返済方法については、元金均等返済よりも元利均等返済の方が、若干金利が低くなる傾向にあります。また、返済頻度を月次にすることで金利優遇を受けられるケースもあります。返済負担と金利のバランスを考慮し、最適な返済方法を選択しましょう。

業種や市場動向による金利変動

業種によっても融資金利は異なります。銀行は、業種ごとのリスク評価を行っており、安定した業績が見込める業種は、金利優遇の対象となりやすいものです。

例えば、製造業や卸売業などの在庫や、売掛金といった資産を持つ業種は、サービス業などの無形資産中心の業種と比較して、低金利での融資を受けやすい傾向があります。また、成長産業は、新規参入や市場縮小のリスクが低いと判断され、金利優遇されることもあります。

市場金利の動向も重要な要素です。日銀の金融政策や景気動向によって市場金利が変動すると、銀行の貸出金利にも影響します。市場金利の上昇局面では借入のタイミングを慎重に検討することが重要です。

金利計算の仕組み

銀行融資の利息計算方法や、法律上の金利規制について理解することで、適正な金利での融資を受けられるかどうかの判断ができるようになります。

銀行融資の金利計算方法

銀行融資における利息は、借入額、金利、借入期間に基づいて計算されます。基本的な計算式は、以下の通りです。

利息=借入額×年率金利×借入期間

例えば、1,000万円を年率2.0%で1年間借りた場合、利息は1,000万円×2.0%×1年=20万円となります。ただし、実際の返済では、元金と利息を毎月分割して支払うことが一般的です。

分割返済の場合、元金返済が進むにつれて残高が減少するため、利息負担も徐々に減っていきます。特に、元金均等返済方式を選択すると、初期の返済負担は大きいものの総返済額を抑えられるメリットがあります。

また、銀行によって利息の計算方法に細かな違いがあります。例えば、1年を365日とするか360日とするか、日割り計算の方法などに差があるため、契約前に確認しておくことが重要です。

利息制限法に基づく金利上限

銀行融資を含むすべての金銭貸借取引には、利息制限法による金利上限が設定されています。この上限を超える金利での貸付は法律違反となり、超過分は無効となります。

利息制限法では、借入金額(元本)に応じて上限金利が定められています。元本が100万円以上の場合は年15%、10万円以上100万円未満の場合は年18%、10万円未満の場合は年20%が上限となっています。

法人向け銀行融資の場合、融資額が大きいため、基本的には年15%が上限となります。もしこの上限を超える金利を提示された場合は、法的に問題がある可能性が高いため注意が必要です。

なお、銀行による法人向け融資の実際の金利は、上記の上限を大きく下回る水準で設定されるのが一般的です。上限近くの金利が適用されるのは、非常にリスクの高い貸付や消費者金融などの小口融資に限られます。

固定金利と変動金利の違い

融資の金利タイプは、大きく分けて固定金利と変動金利の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社に適した金利タイプを選択することが重要です。

固定金利は、融資契約時に決定した金利が、返済完了まで変わらないタイプです。金利上昇リスクを回避できる安心感がある一方、契約時点では、変動金利よりも0.2%~0.5%程度高く設定されることが一般的です。

変動金利は、市場金利の変動に応じて適用金利が変わるタイプです。一般的に、半年ごとに見直しが行われ、短期プライムレートなどを基準に変動します。初期金利は固定金利より低く設定されることが多いですが、将来の金利上昇リスクを考慮した上で選択する必要があります。

経営計画の確実性を重視するなら固定金利、当初の返済負担を抑えたいなら変動金利が適しているでしょう。また、融資期間が5年を超えるような長期融資では、途中で固定金利から変動金利へ、あるいはその逆への切り替えが可能な商品もあります。

金利を低くするためのポイント

銀行融資の金利を少しでも低く抑えることができれば、長期的な返済負担が大きく軽減されます。ここでは、実践的な金利引き下げのポイントをご紹介します。

財務状況の改善

銀行融資の金利を低くするためには、まず自社の財務状況を改善することが最も効果的です。具体的な改善策として、以下のポイントがあります。

まず、黒字決算を継続することが重要です。一時的な経費削減だけでなく、持続的な利益体質を作ることで、信用力が高まります。特に、3期連続の黒字決算は銀行審査で高評価につながるため、計画的な経営が求められます。

次に、自己資本比率の向上も効果的です。自己資本比率が低い場合は、利益の内部留保や増資によって改善を図りましょう。自己資本比率30%以上を目指すことで、金利優遇を受けやすくなります。

また、債務超過の解消も重要なポイントです。債務超過状態では、基本的に銀行からの融資は難しく、仮に融資を受けられたとしても高金利となります。利益蓄積や役員借入金の資本組入れなどで債務超過を解消し、財務基盤を強化しましょう。

担保や保証の活用

担保や保証人を設定することで、銀行のリスクを軽減し、低金利での融資を受けられる可能性が高まります。

不動産担保は、最も一般的で効果的な担保です。自社所有の不動産だけでなく、代表者や役員所有の不動産を担保として提供することも可能です。不動産担保を設定することで、無担保融資と比較して0.5%~1.5%程度の金利優遇が期待できます。

保証協会保証付き融資も金利を抑える方法の一つです。信用保証協会の保証を受けることで、銀行のリスクが軽減され、比較的低金利での融資が可能になります。ただし、保証料が別途必要となるため、トータルコストでの比較が必要です。

自社で有価証券や売掛債権などの資産を保有している場合は、これらを担保として活用することも検討できます。特に大口の売掛金がある場合、売掛債権担保融資制度を利用することで、低金利での資金調達が可能になる場合があります。

事業計画書の作成や提案力の強化

銀行融資の審査では、財務状況だけでなく、将来の事業計画も重要な評価ポイントとなります。説得力のある事業計画書を作成し、提案力を強化することで、低金利融資を獲得しやすくなります。

事業計画書では、市場分析や競合分析に基づいた具体的な売上予測と利益計画を示すことが重要です。根拠のない楽観的な計画ではなく、データに基づいた現実的な計画を提示することで信頼性が高まるでしょう。

また、融資金の使途と返済計画を明確に説明することも重要です。資金使途がどのように売上や利益拡大につながるのか、そしてどのように返済していくのかを具体的に示すことで、銀行の不安を払拭できます。

プレゼンテーション能力も見逃せないポイントです。数字だけでなく、経営者の熱意や事業への確信が伝わることで、審査担当者の印象が変わることも少なくありません。面談の際は、自信を持って説明できるよう準備しておきましょう。

複数銀行の比較や金利交渉

より低い金利で融資を受けるためには、複数の金融機関から見積もりを取り、条件を比較することが効果的です。

メインバンク以外にも取引銀行を増やしておくことで、融資条件の比較が可能になります。各銀行の提示条件を比較し、競争原理を活用して金利引き下げ交渉を行うことが重要です。

金利交渉を行う際は、他行からの融資条件を具体的に示すことが効果的です。例えば、「A銀行からは1.5%で融資を受けられる提案をいただいていますが、御行ではどうでしょうか」といった交渉方法です。ただし、過度にしつこい交渉は関係性を損なう可能性があるため、節度を持って行いましょう。

また、金利だけでなく、融資手数料や事務手数料なども含めたトータルコストで比較することが重要です。表面金利は低くても、各種手数料が高ければ、実質的なコストは高くなってしまいます。

民間銀行と公的金融機関の金利の観点からの選び方

資金調達先として、民間銀行と公的金融機関のどちらを選ぶべきか、金利の観点からそれぞれの特徴と最適な活用方法を解説します。

公的金融機関のメリット

公的金融機関である日本政策金融公庫などには、民間銀行にはないさまざまなメリットがあります。

日本政策金融公庫のHPはこちらから

最大のメリットは、民間銀行と比較して、低金利で融資を受けられる可能性が高い点です。特に、創業間もない企業や成長途上の中小企業にとって、創業融資や新事業支援などの特別貸付制度は大きな魅力となります。

また、民間銀行では審査が通りにくい創業間もない企業や赤字企業でも、事業計画の内容次第では融資を受けられる可能性があります。事業の将来性を重視した審査を行うため、財務状況だけで判断されることが少ないのも特徴です。

さらに、融資と合わせて経営アドバイスも受けられる点も、公的金融機関の強みです。日本政策金融公庫には、経営のプロが多数在籍しており、事業計画の策定から経営改善までサポートを受けられます。

公的金融機関のデメリット

公的金融機関にもいくつかのデメリットがあり、これらを理解した上で活用することが重要です。

まず、融資額が民間銀行と比較して限定的な場合があります。大規模な設備投資や多額の運転資金が必要な場合、公的金融機関だけでは資金が足りないケースもあるため、民間銀行との併用を検討する必要があるでしょう。

また、審査期間が民間銀行より長くなる傾向があります。申込から融資実行まで、通常1ヶ月程度かかることが多く、急ぎの資金需要には対応しづらい面があります。そのため、計画的な資金調達が必要です。

さらに、審査基準が厳格な面もあります。特に資金使途については、具体的な事業計画との整合性が求められ、不明確な使途や赤字補填目的などでは融資が受けにくい傾向にあります。

民間銀行のメリット

民間銀行での融資には、公的金融機関にはない独自のメリットがあります。

最大のメリットは、融資のスピードと融資額の大きさです。民間銀行は審査から融資実行までのスピードが速く、緊急の資金需要にも対応しやすい特徴があります。また、企業の信用力や担保力に応じて、大口の融資にも対応可能です。

また、メインバンクとしての関係を構築することで、融資以外のさまざまなサービスを受けられることも魅力です。ビジネスマッチングや海外展開支援、M&Aアドバイスなど、銀行の持つネットワークやノウハウを活用できます。

さらに、融資条件の柔軟性も民間銀行の強みです。返済期間や返済方法、金利タイプなど、企業のニーズに合わせた条件設定が可能な場合が多く、資金繰り計画に合わせた借入ができます。

民間銀行のデメリット

民間銀行での融資にはいくつかのデメリットもあり、これらを理解して対策を講じることが重要です。

最大のデメリットは、審査基準の厳しさです。特に、財務状況や担保の有無が重視され、創業間もない企業や赤字企業は融資を受けにくい傾向にあります。公的金融機関と比較して、事業の将来性よりも現在の返済能力を重視する傾向があります。

また、経済情勢や銀行の融資姿勢によって、対応が変わりやすい点も注意が必要です。景気後退期には融資姿勢が慎重になり、それまで問題なく融資を受けられていた企業でも突然融資が厳しくなることもあります。

さらに、担保や保証人の要求も、民間銀行のデメリットの一つです。特に信用力の低い企業に対しては、不動産担保や代表者保証などが求められることが多く、これらを用意できない場合は融資が受けられないか、高金利となる可能性があります。

まとめ

法人向け銀行融資の金利相場は、民間銀行で短期0.5%~2.0%、長期1.0%~3.0%程度が標準的な水準です。金利を低く抑えるためには、財務状況の改善、担保や保証人の提供、説得力のある事業計画書の作成、そして複数銀行からの相見積もり取得が効果的です。

融資を検討する際は、自社の資金需要に合わせて民間銀行と公的金融機関を使い分け、金利だけでなく融資スピードや条件の柔軟性も考慮しましょう。今後の金利上昇が予測される中、計画的な資金調達と既存借入の見直しを進めることで、金利負担を最小限に抑えた経営が可能になります。

最短即日の無担保無保証融資!HTファイナンスのビジネスローン

事業資金融資というと銀行融資が一般的ですが、今すぐに資金調達が必要な方には、HTファイナンスのビジネスローンがおすすめです。銀行融資と比較して審査スピードが格段に速く、最短即日での融資実行が可能なため、急な資金需要にも柔軟に対応できます。また無担保無保証で融資を受けられるため、担保準備や保証人依頼の手間がありません。

HTファイナンスは、東大法学部出身で三菱銀行での実務経験を持つ三坂大作が統括責任者として、企業の資金調達と経営戦略の支援に取り組んでいます。

銀行実務とコンサルティングで培った経験を活かし、無担保無保証の融資やファクタリング、財務改善など、お客様の経営課題に合わせた最適な解決策をご提案しています。また、スピーディーで柔軟な審査体制により、成長に必要な資金を迅速にお届けできます。

お申し込みに必要な書類は最小限に抑え、オンラインやお電話でのやり取りを中心に進めていますので、経営者の皆様の負担を大きく減らすことができます。

事業拡大のチャンスを逃さないためにも、まずはお気軽にHTファイナンスにご相談ください。

まずは借入枠診断からお申込み

 

監修者 三坂大作
筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
・1985年:東京大学法学部卒業
・1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行 表参道支店:法人融資担当
・1989年:同行 ニューヨーク支店勤務 非日系企業向けコーポレートファイナンスを担当
・1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。

前へ

銀行融資の利息はどのくらい?金利からの計算方法や種類別の違いについても紹介

一覧へ戻る