2025.07.02
代償分割で不動産担保ローンは利用できる?相続時の利用方法や手続きの流れを解説
相続財産(遺産)の中に不動産が多く含まれている場合、その遺産分割方法が課題となることがあります。特に、一人の相続人が不動産を引き継ぎ、他の相続人には代償金を支払う「代償分割」を検討する場合、手元に十分な資金がないために分割が難しくなるケースも少なくありません。
このような状況において、不動産担保ローンを利用する方法があります。不動産担保ローンを活用すると、相続した不動産を担保として資金調達が可能となり、代償分割を円滑に進めることができます。
この記事では、代償分割で不動産担保ローンを利用する具体的な方法をはじめ、手続きの流れや注意するポイントを詳しく説明します。また、相続税の申告期限や金融機関の選び方など、実務面で役立つ情報についても取り上げています。
代償分割とは
代償分割は、相続財産を分割する方法の一つです。
代償分割の仕組み
代償分割とは、特定の相続人が相続財産(不動産など)を取得する代わりに、その価値に見合った金銭(代償金)を他の相続人に支払う方法です。例えば、3000万円の不動産と1000万円の預金がある場合、長男が不動産を相続し、次男に2000万円の代償金を支払うといった形です。
この方法は、不動産などの、分割が困難な財産がある場合に特に有効です。不動産を物理的に分割したり、共有名義にしたりすることなく、一人の相続人が単独で所有権を取得できます。
代償分割は遺産の価値を公平に分配することができるため、将来的な相続トラブルを防止する効果もあります。特に、事業用不動産や居住用不動産など、一体として維持したい財産がある場合に最適な方法といえるでしょう。
不動産中心の相続における課題
相続財産の多くが不動産で占められている場合、いくつかの課題が生じます。まず、不動産は簡単に分割できないという物理的な特性があります。また、共有名義にすると、将来的な管理や処分の際に全員の同意が必要となり、意見の相違によるトラブルが発生しやすくなります。
さらに、不動産の価値が高額である場合、それに見合う現金資産がなければ、公平な分割が難しくなります。例えば、5000万円の実家と500万円の預金がある場合、単純に分けることが困難です。
こうした状況で、一人の相続人が不動産を単独で相続したいと考えても、他の相続人に支払うべき代償金の準備ができないことが多くあります。特に、事業を継続するための不動産や先祖代々の土地など、売却したくない場合には深刻な問題となります。
代償分割のメリット
代償分割には、相続人全員にとっていくつかの重要なメリットがあります。まず、不動産などの分割困難な財産を一人が取得しつつも、価値的には公平な分配が実現できます。
不動産を取得する相続人にとっては、共有名義にせず単独所有できるため、将来的な管理や処分が自由になります。不動産を活用した事業継続や居住の継続も可能です。
代償金を受け取る相続人にとっては、管理や維持にコストがかかる不動産ではなく、自由に使える現金を得られるメリットがあります。特に、遠方に住んでいたりすることや、不動産の管理に関わりたくない相続人には好都合です。
また、共有名義による将来的なトラブルを回避できるため、相続後の家族関係を良好に保つという大きなメリットもあります。争いを避け、円満な相続を実現するための有効な手段といえるでしょう。
代償分割で直面する資金不足の問題
代償分割は理想的な方法ですが、実行する際には、資金面での課題が生じることがほとんどです。その具体的な課題を見ていきましょう。
代償金支払いにおける現金の不足
代償分割を選択した場合、不動産を取得する相続人は、他の相続人に代償金を支払う必要があります。しかし、多くの場合、この支払いに必要な現金を十分に用意できないという問題に直面します。特に、不動産の価値が高額であればあるほど、代償金も高額になるため、資金調達が大きな課題となります。
例えば、相続財産として市場価値1億円の不動産があり、法定相続分が均等な3人の相続人がいる場合、1人が不動産を取得するためには、他の2人に各3,333万円、合計約6,666万円の代償金を支払う必要があります。これだけの現金を手元に用意している人は、多くありません。
代償金は原則として現金での一括払いが求められます。分割払いを認めてもらえる場合もありますが、それには他の相続人全員の同意が必要です。また、分割払いの場合は、利息や支払い遅延のリスクも考慮しなければなりません。
相続トラブルへの発展
代償金の支払いが滞ると、相続トラブルに発展するリスクが高まります。当初は円満に合意した代償分割も、支払いが実現しなければ遺産分割協議のやり直しを求められたり、法的措置を取られたりする可能性があります。
そのため、不動産を相続する相続人は、確実に代償金を支払える現実的な資金計画を立てることが重要です。自己資金だけでは不足する場合、どのような方法で資金を調達するかを事前に検討しておく必要があります。
特に、相続税の申告・納付期限は、被相続人の死亡を知った日から10か月以内と定められていますので、この期間内に、遺産分割と資金調達を含めた計画を立てる必要があります。時間的制約もある中で、確実な資金調達方法を確保することが、円満な相続に向けて大切になります。
代償分割で不動産担保ローンを利用する方法
代償分割における資金調達方法として、不動産担保ローンは最も有効な選択肢の一つです。その仕組みと活用法を解説します。
不動産担保ローンの仕組み
不動産担保ローンとは、不動産を担保として金融機関から資金を借り入れる方法です。相続する不動産の評価額に応じて、その一定割合(通常は評価額の50~80%程度)を融資してもらえます。
このローンでは、不動産に抵当権が設定されます。抵当権とは、借入金の返済が滞った場合に、不動産を売却して債権を回収できる権利を金融機関に与えるものです。つまり、不動産は担保となるものの、通常通り使用・収益することができます。
代償分割での不動産担保ローン活用は段階的に進める必要があります。まず、遺産分割協議で代償分割と金額について合意し、その後で相続する不動産の所有権を取得し、それを担保にローンを組むという流れになります。
不動産担保ローンを活用するメリット
代償分割で不動産担保ローンを活用する最大のメリットは、相続する不動産を手放すことなく、必要な代償金を調達できる点です。事業用不動産や思い入れのある実家など、売却したくない不動産を相続する際に特に有効です。
また、不動産担保ローンは、一般的に無担保ローンと比較して低金利で借入できるメリットがあります。担保があることで金融機関のリスクが低減されるため、金利面で有利になります。さらに、高額な借入が可能で、返済期間も長めに設定できるため、月々の返済負担を抑えることができます。
このローンは、銀行やノンバンクなど多様な金融機関が提供しているため、自分の状況に合った条件の商品を選ぶことができます。特に事業者の場合は、事業用資金として借入することで、事業収入から返済できる計画を立てやすくなります。
不動産担保ローンを活用するデメリット
不動産担保ローンには、注意すべき点もあります。最も重要なのは、返済が滞ると担保不動産を失うリスクがあることです。せっかく相続した不動産であっても、返済不能となれば競売にかけられる可能性があります。
また、融資実行までに時間がかかる点も留意が必要です。不動産の評価や審査、抵当権設定などの手続きに、通常1~2か月程度を要します。相続の期限が迫っている場合は、この時間的制約を考慮する必要があります。
さらに、抵当権設定費用や手数料、保証料など、借入にあたって追加コストが発生します。これらの費用も含めて、総合的な資金計画を立てる必要があります。
年齢や収入状況によっては、審査が厳しくなることもあります。特に、高齢者や安定収入のない方は、審査基準を満たせない可能性も考慮しておくべきでしょう。
代償分割での不動産担保ローンの利用手順
代償分割で不動産担保ローンを利用する際の具体的な手順を、時系列に沿って解説します。
遺産分割協議から代償分割の合意形成まで
不動産担保ローンを利用する前に、まず相続人全員で遺産分割協議を行い、代償分割について合意する必要があります。この協議では、誰がどの財産を相続するか、代償金はいくらにするかなどを決定します。
協議の際は、不動産の評価額を適正に算出することが重要です。相続税評価額、固定資産税評価額、市場価格など、複数の評価方法がありますが、相続人間で合意できる評価方法を選びましょう。必要に応じて、不動産鑑定士による評価を依頼することも検討すべきです。
遺産分割協議書には詳細な合意内容を記載することが大切です。特に、不動産の特定、代償金の金額、支払い方法や期限などを明確にしておきましょう。この協議書は、後のローン申請時にも必要となる重要書類です。
不動産の評価から相続登記まで
代償分割の合意後、不動産を相続する相続人は、その不動産の所有権移転登記(相続登記)を行う必要があります。これは、不動産担保ローンを組む前提条件となります。金融機関が、担保となる不動産の所有者が申込者本人であることを確認するためです。
相続登記には、遺産分割協議書のほか、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などが必要です。また、相続する不動産の固定資産評価証明書や登記事項証明書も準備します。
相続登記の手続きは、一般的に司法書士に依頼することが多いですが、自分で行うことも可能です。ただし、書類の取得や手続きに時間がかかるため、早めに着手することをおすすめします。
ローン申込から審査まで
相続登記が完了したら、不動産担保ローンの申込みを行います。申込先は、銀行、信用金庫、ノンバンクなど、さまざまな選択肢があります。それぞれ審査基準や金利、融資条件が異なるため、複数の金融機関に相談して比較検討することをおすすめします。
申込時には、本人確認書類、収入証明書(源泉徴収票、確定申告書など)、勤務先証明、資産証明書類などが必要です。事業者の場合は、事業計画書や直近の決算書なども求められます。また、担保となる不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書、遺産分割協議書なども提出します。
金融機関は、申込者の返済能力(収入状況や信用情報など)と担保不動産の評価を総合的に審査します。審査期間は金融機関によって異なりますが、一般的に2週間から1ヶ月程度かかります。
ローン契約と代償金支払いの実行
審査に通過すると、ローン契約の締結と抵当権設定の手続きを行います。契約時には、金利、返済期間、返済方法などの条件を最終確認します。
抵当権設定には、司法書士への依頼が必要で、登録免許税や司法書士報酬などの費用が発生します。抵当権設定登記が完了すると、融資が実行されます。融資金は通常、申込者の口座に振り込まれます。
融資を受けた後は、遺産分割協議書に基づいて、速やかに他の相続人へ代償金を支払います。支払いの際は、後々のトラブル防止のため、領収書を取得するか振込記録を保管しておくことが重要です。
代償金の支払いが完了したら、相続手続きとしては一段落ですが、その後はローンの返済計画に沿って、確実に返済を続けることが大切です。返済が滞ると担保不動産を失うリスクがあることを、常に念頭に置いておきましょう。
代償分割で不動産担保ローンを利用する際の注意点
代償分割で不動産担保ローンを利用する際は、いくつかの重要な注意点があります。スムーズな相続手続きのために、これらを事前に理解しておきましょう。
相続税申告期限を考慮した計画立案
相続税の申告・納付期限は、被相続人の死亡を知った日から10か月以内と法律で定められています。この期限内に遺産分割協議を終え、必要に応じて不動産担保ローンの手続きも完了させる必要があります。
ローンの申込みから融資実行までには、通常1~2か月程度かかるため、相続発生後、早い段階で資金計画を立てることが重要です。特に相続税が発生する場合は、代償金の支払いと相続税の納付を両方考慮した計画が必要になります。
期限内に遺産分割が完了しない場合の対応策も検討する必要があります。例えば、相続税の申告期限までに遺産分割が終わらない場合は、法定相続分で一旦申告し、後日更正請求をする方法もあります。そのため、税理士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
金融機関選びのポイント
不動産担保ローンを提供する金融機関は多様で、それぞれ特徴があります。銀行は、一般的に金利が低めですが、審査基準が厳しい傾向にあります。一方、ノンバンクは審査がやや柔軟な場合がありますが、金利が高めになることが多いでしょう。
金融機関を選ぶ際のポイントとしては、金利条件(固定金利か変動金利か、金利水準など)、融資可能額(担保評価の何割まで融資してくれるか)、返済期間の柔軟性、繰上返済の条件、手数料などが挙げられます。
自分の状況に最適な金融機関を選ぶためには、複数の金融機関に相談して条件を比較することが大切です。また、普段から取引がある金融機関であれば、より有利な条件で融資を受けられる可能性もあります。
返済計画と事業継続を両立させるコツ
不動産担保ローンを利用する場合、確実に返済できる計画を立てることが最も重要です。特に、事業用不動産を相続する場合は、事業収入と返済負担のバランスを慎重に検討する必要があります。
返済計画を立てる際は、無理のない返済額設定が基本です。月々の返済額は、安定的な収入の3分の1程度に抑えるのが一般的な目安とされています。また、将来的な収入変動(事業の浮き沈みや退職など)も考慮した計画が必要です。
金利変動リスクにも注意が必要です。変動金利を選んだ場合、将来金利が上昇すると、返済負担が増える可能性があります。固定金利と変動金利のメリット・デメリットを理解した上で選択しましょう。
返済が難しくなった場合の対策も、事前に考えておくことが重要です。リスケジュール(返済条件の変更)の可能性や、最悪の場合の担保不動産の売却なども視野に入れておくべきでしょう。
専門家への相談と書類準備のポイント
代償分割と不動産担保ローンの利用は、法律・税務・金融に関する専門的な知識が必要な手続きです。円滑に進めるためには、弁護士、税理士、司法書士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
特に、相続税が発生する可能性がある場合は、税理士への相談が不可欠です。また、遺産分割協議が複雑な場合や相続人間で意見の相違がある場合は、弁護士のサポートを受けることで、将来的なトラブルを防止できます。
専門家に相談する際は、必要書類を事前に準備しておくとスムーズです。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式、相続人全員の戸籍謄本・住民票・印鑑証明書、不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書、被相続人の預貯金通帳や証券口座の明細、借入がある場合はその返済予定表なども用意しておきましょう。
代償分割における不動産担保ローン活用の実例
実際のケースを通じて、代償分割と不動産担保ローンの活用方法をより具体的に理解しましょう。
事業用不動産の相続事例
父親が経営していた会社と、その事業用不動産(評価額8,000万円)、預金2,000万円を残して他界。相続人は長男(会社を継ぐ)と次男の2人で、法定相続分は均等です。
長男は、会社と事業用不動産を継続して事業を行いたいと考えています。しかし、次男への代償金として3,000万円(不動産4,000万円+預金1,000万円の法定相続分)が必要となり、資金不足に悩んでいました。
そこで長男は、相続する事業用不動産を担保に不動産担保ローンを利用することにしました。銀行から不動産評価額の60%にあたる4,800万円を借入可能と言われ、そこから3,000万円を借入れて次男への代償金に充てました。
事業収益を返済原資として長期返済計画を立てることで、事業継続と借入返済の両立が可能になりました。長男は、事業用不動産を維持したまま事業を継続でき、次男も公平な相続を受けられたため、兄弟間のトラブルも避けられました。
居住用不動産の相続事例
母親が居住用不動産(評価額6,000万円)と預金1,000万円を残して他界。相続人は、長女(実家に同居していた)と次女(別居)の2人です。
長女は、実家に住み続けたいと考えていましたが、次女への代償金として3,500万円(不動産と預金の合計7,000万円の半分)が必要でした。長女の貯蓄は1,000万円程度で、残りの2,500万円が不足していました。
長女は、実家を担保に不動産担保ローンを組むことにしました。金融機関の審査で、長女の安定した収入が評価され、必要額である2,500万円の融資が承認されました。15年の返済計画で、月々の返済額は収入の20%程度に収まりました。
この結果、長女は慣れ親しんだ実家に住み続けることができ、次女も公平な相続分を受け取ることができました。また、不動産を共有名義にしなかったことで、将来的な管理や処分に関するトラブルも防止できました。
複数の不動産がある場合の相続事例
父親が自宅(評価額5,000万円)、賃貸マンション(評価額1億円)、別荘(評価額3,000万円)、預金2,000万円を残して他界。相続人は長男、次男、長女の3人です。
遺産分割協議の結果、長男が賃貸マンションを、次男が自宅を、長女が別荘と預金を相続することになりました。しかし、財産価値に差があるため、価値の調整が必要になりました。
財産の総額は2億円で、1人当たりの相続分は約6,667万円です。長男の相続する賃貸マンションは1億円で相続分を3,333万円超過、次男の自宅は5,000万円で相続分を1,667万円下回り、長女の別荘と預金は5,000万円で相続分を1,667万円下回ります。
調整のため、長男は次男と長女にそれぞれ1,667万円ずつ、合計3,334万円の代償金を支払うことになりました。長男は賃貸マンションの家賃収入がありましたが、まとまった現金がなかったため、相続する賃貸マンションを担保に、不動産担保ローンを利用しました。
賃貸マンションの家賃収入を返済原資とする計画を立て、20年の長期返済で月々の負担を抑えることができました。この結果、3人とも希望する不動産を取得しつつ、価値の公平な分配を実現できました。
代償分割と不動産担保ローンについてよくある質問
代償分割と不動産担保ローンについて、相続人からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
代償分割と不動産担保ローンの基本的な疑問
Q:代償分割は必ず相続人全員の合意が必要ですか?
A:はい。代償分割を含む遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。一人でも反対する相続人がいると成立しません。そのため、事前に十分な話し合いを行い、全員が納得できる分割方法を検討することが重要です。
Q:遺言で代償分割を指定することはできますか?
A:遺言で特定の相続人に不動産を相続させ、その代わりに他の相続人へ代償金を支払うよう指定することは可能です。ただし、遺留分を侵害する内容の場合、他の相続人から遺留分侵害額請求をされる可能性があるため注意が必要です。
Q:不動産担保ローンの金利はどれくらいですか?
A:金利は金融機関や商品によって異なりますが、一般的に銀行の場合、変動金利で年1.0~3.0%程度、固定金利で年2.0~4.0%程度が多いでしょう。ノンバンクの場合は、やや高めの設定になることが一般的です。また、借入期間や担保評価、借主の信用状況などによっても金利は変動します。
手続きに関する疑問
Q:代償分割の手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?
A:相続人間の合意形成から代償金支払いまでの期間は、ケースによって大きく異なります。単純なケースで1~3か月程度、複雑なケースや不動産担保ローンを利用する場合は、3~6か月程度かかることが多くあります。早めに準備を始めることをおすすめします。
Q:不動産担保ローンの審査で重視されるポイントは何ですか?
A:審査では、主に以下の点が重視されます。①借主の返済能力(年齢、職業、年収、他の借入状況など)、②担保不動産の評価(立地、築年数、市場価値など)、③返済計画の妥当性(返済期間、月々の返済額と収入のバランスなど)。特に、安定した収入があるかどうかが重要なポイントです。
Q:代償金の支払いを分割で行うことは可能ですか?
A:相続人全員の合意があれば、代償金を分割で支払うことも可能です。その場合、支払い条件(金額、期日、遅延時の対応など)を、遺産分割協議書に明確に記載しておくことが重要です。ただし、分割払いは将来的なトラブルのリスクもあるため、可能であれば一括払いが望ましいでしょう。
リスク対策に関する疑問
Q:不動産担保ローンの返済が困難になった場合はどうなりますか?
A:返済が困難になった場合、まずは金融機関に相談し、返済条件の変更(リスケジュール)を検討することが重要です。それでも返済が不可能な場合、最終的には担保不動産が競売にかけられるリスクがあります。そのため、返済能力を十分に考慮した借入計画を立てることが大切です。
Q:代償分割後に不動産の価値が大きく変動した場合、遺産分割のやり直しはできますか?
A:原則として、一度合意した遺産分割協議は、詐欺や脅迫などの特殊な事情がない限り、やり直すことはできません。不動産価値の単なる変動は、やり直しの理由としては認められないことが多いものです。そのため、遺産分割協議時には、将来的な価値変動も考慮した上で合意することが重要です。
Q:代償金の支払いが滞った場合、どのような対応が可能ですか?
A:代償金の支払いが滞った場合、代償金を受け取る側は、支払い義務者に対して催告を行い、それでも支払われない場合は、民事調停や訴訟などの法的手段を取ることができます。遺産分割協議書が公正証書で作成されている場合は、より強制力のある債権回収手段を取ることも可能です。
まとめ
代償分割は、不動産などの分割困難な財産を一人の相続人が取得しつつ、他の相続人に公平な価値を現金で支払う有効な相続方法です。しかし、代償金の支払いに必要な資金の調達が課題となることが多いため、不動産担保ローンの活用が重要な選択肢となります。
不動産担保ローンを利用する際は、相続登記から融資実行、代償金支払いまでの手続きを理解し、計画的に進めることが大切です。また、返済計画の妥当性や相続税申告期限、専門家への相談など、さまざまな点に注意を払う必要があります。円滑な相続を実現するためには、早い段階から情報収集と準備を始め、相続人全員が納得できる解決策を見つけることが何よりも重要です。
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相続税の申告期限が迫っている場合や、代償分割のための資金調達を急ぐ必要がある場合には、銀行融資では手続きに時間がかかり間に合わないことがあります。そのような場面では、無担保・無保証でスピーディーな融資が受けられるHTファイナンスのビジネスローンが役立ちます。迅速な審査と最短即日の資金調達により、相続手続きを円滑に進めることが可能になります。
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