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2025.05.21

助成金・補助金は入金までに時間がかかる?他の資金調達方法と比較!

事業を運営していく上で、資金調達は常に頭を悩ませる課題ではないでしょうか。特に、中小企業やスタートアップにとって、助成金や補助金は魅力的な資金源として広く知られています。返済不要なうえ、事業拡大や新規プロジェクトの推進に活用できるからです。

しかし、多くの経営者が気づかないのは、助成金・補助金は、申請から実際に資金が手元に届くまでに想像以上の時間がかかるという現実です。半年から2年程度を要するケースも少なくありません。緊急の資金調達が必要な場合、この長い待ち時間は、事業継続に大きな影響を与えかねません。

本記事では、助成金・補助金の支給までにかかる時間の実態と、より迅速に資金を調達できる代替手段について詳しく解説します。銀行融資、ファクタリング、クラウドファンディングなど、状況に応じた最適な資金調達方法を知ることで、自社のビジネスの資金繰りを改善するヒントが得られるでしょう。

助成金・補助金の支給までの時間

多くの経営者が魅力を感じる助成金・補助金ですが、その実態について詳しく理解しておく必要があります。

助成金・補助金の基本的な仕組み

助成金・補助金は、国や自治体、各種団体が、特定の政策目的を達成するために企業に提供する資金です。事業拡大や雇用創出、技術開発、環境対策など、さまざまな目的に応じた制度が存在します。

これらの制度の最大の魅力は、原則として返済不要な点です。融資とは異なり、事業が成功しても失敗しても返済する必要がありません。ただし、使途は申請時の計画に沿ったものに限定されるため、自由度は低いといえます。

助成金は、定められた支給に関わる形式基準をクリアすれば受領することが可能ですが、多くの補助金は公募形式で、審査を経て採択されることで受給資格を得られます。一般的に、事業計画書や収支計画書などの提出が求められ、審査では事業の新規性や実現可能性、社会的意義などが評価されます。

補助金の申請前に制度の要件を十分に理解することが重要です。制度によって、対象となる事業者の規模や業種、プロジェクトの内容に制限があるケースが多いためです。

支給までの所要期間

助成金・補助金は、申請から支給までに複数のステップがあり、各段階で一定の時間を要します。典型的な流れは、以下の通りです。

補助金の場合、まず、公募開始から申請書類の提出までに、1〜2ヶ月程度の準備期間があります。この間に、事業計画の策定や必要書類の収集を行います。申請後、審査期間として1〜3ヶ月程度がかかるのが一般的です。

採択された場合、交付決定通知が発行されますが、この時点でもまだ資金は支給されません。実際に事業を実施し、完了報告書や経費の証憑書類を提出した後、確定検査を経て初めて助成金・補助金が支給されるのです。

この一連のプロセスを経ると、申請から実際の入金までに半年〜2年程度かかることも珍しくありません。特に、大型の補助金ほど審査が厳格で、時間を要する傾向にあります。

長期的な視点で資金計画を立てることが、成功の鍵となります。短期的な資金需要に対応するものとして、助成金・補助金を位置づけるのは適切ではないでしょう。

支給までの立て替えと資金繰りへの影響

補助金の大きな特徴として、その多くが後払い方式である点が挙げられます。つまり、事業者はまず自己資金で対象となる事業を実施し、後から経費の一部または全部が補填される仕組みなのです。

例えば、1,000万円の設備投資に対して500万円の補助金が交付される場合、まずは1,000万円を全額自己負担で支出し、事業完了後に500万円が戻ってくることになります。この立て替え期間が半年以上になることも珍しくありません。

この仕組みは、特に資金繰りが厳しい中小企業やスタートアップにとって、大きな負担となります。設備投資や研究開発、マーケティング活動などの大型支出を長期間立て替える必要があるため、日常の運転資金を圧迫するリスクがあるのです。

立て替え期間中の資金繰り計画を十分に検討することが、極めて重要です。補助金の交付決定を受けたとしても、立て替え期間中に資金ショートしてしまっては本末転倒です。

支給を待たずに資金調達する方法

補助金の支給を待つ間も、事業は進めなければなりません。ここでは、より迅速に資金調達できる方法を見ていきましょう。

金融機関からの融資

金融機関からの融資は、資金調達の王道ともいえる方法です。助成金・補助金と比較すると、審査から融資実行までの期間が短いのが大きな特徴です。

一般的な銀行融資の場合、申込みから融資実行まで1〜2ヶ月程度で完了することが多いでしょう。また、取引実績のある銀行であれば、さらに短期間での融資も可能です。融資の金額は、企業の信用力や担保の有無、事業計画の内容によって数百万円から数千万円程度が一般的です。

金融機関からの融資は、使途の自由度が比較的高く、運転資金や設備資金など、企業のニーズに合わせた資金調達が可能です。一方で、返済義務があるため、キャッシュフロー計画に基づいた返済計画の策定が重要となります。

事業計画を具体的に説明できる準備をすることが、融資獲得のポイントです。金融機関は、貸出金の回収可能性を最も重視するため、返済原資となる収益の見通しを明確に示すことが求められます。

日本政策金融公庫など公的融資

日本政策金融公庫をはじめとする公的金融機関からの融資は、民間銀行と比較して中小企業にとって利用しやすい制度です。金利が低く設定されていることや、創業間もない企業でも融資を受けやすいという特徴があります。

日本政策金融公庫の場合、融資までの期間は通常1ヶ月程度です。特に、創業融資や小規模事業者向けの融資メニューが充実しており、担保や保証人が不要なケースもあります。融資限度額は制度によって異なりますが、数百万円から数千万円が一般的です。

また、自治体による制度融資も選択肢の一つです。地域の信用保証協会と連携した融資制度で、地元の金融機関を通じて申し込むことができます。金利優遇や信用保証料の補助などのメリットがあります。

これには、公的融資制度の情報を積極的に収集することが重要です。国や自治体のウェブサイト、商工会議所などの支援機関で、最新の融資制度について情報を得ることができます。

ファクタリング

ファクタリングは、企業が保有する売掛金を、金融機関や専門業者に売却して早期に現金化する方法です。売掛金の支払期日を待たずに資金を調達できるため、資金繰りが逼迫している状況での即効性が高い手段となります。

ファクタリングの大きな特徴は、融資と異なり返済義務がないことです。売掛金という資産を売却する取引であるため、負債として計上されません。また、審査から資金化までのスピードが非常に速く、即日~数日で資金調達が可能なケースも多いものです。

ただし、この手法は、手数料が比較的高く設定されており、売掛金の額面から5~20%程度が差し引かれるのが一般的です。取引先によっては、売掛先に通知するタイプのファクタリングを好まないケースもありますが、最近では、売掛先に知られない形での契約も増えてきています。

取引条件を複数社で比較検討することが賢明です。ファクタリング業者によって、手数料率や契約条件は大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取得して比較することで、より有利な条件で資金調達が可能になります。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットを通じて、不特定多数の人から資金を集める方法です。製品開発や新規事業立ち上げなど、明確なプロジェクトを持つ企業にとって、有効な資金調達手段となります。

クラウドファンディングには、寄付型、購入型、投資型など複数の形態があります。特に購入型は、製品やサービスの先行予約として資金を集めるため、マーケティングと資金調達を同時に行える点が魅力です。

一般的なクラウドファンディングのキャンペーン期間は30~60日程度で、成功した場合は、終了後すぐに資金を受け取ることができます。ただし、目標金額に達しなければ一切資金を得られない「All or Nothing」方式を採用しているプラットフォームも多いため、リスクも考慮する必要があります。

魅力的なストーリーと適切なリターン設計が成功の鍵となります。単なる資金調達手段としてではなく、プロジェクトの意義や魅力を伝え、支援者にとって価値のあるリターンを提供することで、目標達成の可能性が高まります。

ベンチャーキャピタルや投資家からの出資

高い成長性を持つスタートアップ企業にとって、ベンチャーキャピタル(VC)や個人投資家からの出資は、大規模な資金調達を実現する手段です。株式を譲渡する代わりに、資金を得るエクイティファイナンスの一形態です。

VCからの出資は、一般的に数千万円から数億円規模と、他の資金調達方法と比較して調達額が大きいのが特徴です。また、単なる資金提供だけでなく、経営支援やネットワーク提供など、非資金的な支援も受けられることが多いでしょう。

出資による資金調達は、返済義務がないため、キャッシュフローへの負担が少ないという利点があります。一方で、株式の一部を譲渡することになるため、経営の自由度が制限される可能性や、将来的な株式売却時に影響を受けるといった点を考慮する必要があります。

投資家との交渉から資金調達完了までには、通常1~6ヶ月程度の期間を要します。事業計画の精査やデューデリジェンス(詳細な企業調査)などのプロセスがあるためです。

強固なビジネスモデルと明確な成長戦略を準備することが重要です。投資家は、将来の高いリターンを期待しているため、市場の成長性や競争優位性、収益化の道筋を、説得力をもって説明できることが求められます。

資金調達方法の比較

各資金調達方法には、特徴やメリット・デメリットがあります。ここでは、比較を通じて、状況に応じた最適な選択方法を解説します。

調達期間の違いによる選択基準

資金調達において、いつまでに資金が必要かという時間的制約は、非常に重要な要素です。各調達方法によって、必要な期間は大きく異なります。

最も迅速に資金調達できるのはファクタリングで、早ければ即日から数日で資金化が可能です。次いで、取引実績のある金融機関からの融資が1週間~1ヶ月程度、政策金融公庫などの公的融資が約1ヶ月、クラウドファンディングが1~3ヶ月、ベンチャーキャピタルや投資家からの出資が1~6ヶ月となります。

一方、助成金・補助金は、半年~2年程度と最も時間がかかるため、急ぎの資金需要には適していません。設備投資や人材採用など、計画的に進めるプロジェクトの資金として検討するのが望ましいでしょう。

資金が必要なタイミングから逆算して計画を立てることが肝要です。急な資金需要に対しては融資やファクタリングを、中長期的な大型投資には助成金・補助金や出資を組み合わせるなど、時間軸を考慮した戦略的な資金調達が求められます。

返済義務の有無

資金調達方法を選ぶ際、返済義務の有無は、重要な判断基準となります。返済義務の有無によって、キャッシュフローや経営の自由度に大きな差が生じるためです。

銀行融資や公的融資は返済義務があるため、将来のキャッシュフローから定期的に返済原資を確保する必要があります。これは、安定した収益構造がある企業には適していますが、収益の変動が大きい企業にとっては、負担となる可能性があります。

一方、助成金・補助金、クラウドファンディング(購入型・寄付型)、ファクタリング、ベンチャーキャピタルや投資家からの出資は、原則として返済義務がありません。特に、助成金・補助金は何の見返りもなく支給されるため、最も負担が少ない資金といえるでしょう。

ただし、出資の場合は、株式の一部を譲渡することになるため、経営の意思決定に投資家の意向が反映される可能性があります。また、クラウドファンディングの購入型では、リターンとして商品やサービスを提供する義務が生じます。

キャッシュフロー予測に基づいた判断をすることが重要です。将来の売上や利益を現実的に予測し、返済負担が経営を圧迫しないかを慎重に検討した上で、適切な資金調達方法を選択しましょう。

調達難易度と金額の関係性

資金調達の難易度は、調達金額が大きくなるほど一般的に高くなる傾向があります。また、企業の成長段階や業種によっても、適した調達方法と金額が異なります。

小規模な資金需要(数十万~数百万円程度)であれば、銀行の当座貸越や小口融資、ファクタリングなどが比較的容易に調達できるでしょう。中規模な資金需要(数百万~数千万円)には、銀行融資や政策金融公庫からの借入、クラウドファンディングなどが適しています。

大規模な資金調達(数千万円以上)になると、ベンチャーキャピタルや投資家からの出資、大型の助成金・補助金などが主な選択肢となりますが、審査や交渉のハードルは高くなります。特にベンチャーキャピタルからの出資は、高い成長性と明確な出口戦略(IPOや事業売却など)が求められるため、一般的な中小企業にとっては難しい選択肢かもしれません。

事業規模と成長フェーズに合った調達方法を選択することが、成功の秘訣です。創業間もない企業が巨額の銀行融資を目指すよりも、小規模な公的融資からスタートし、実績を積み上げながら段階的に調達規模を拡大していく方が、現実的な戦略といえるでしょう。

調達方法の詳細比較表

各資金調達方法の特徴を一覧で比較することで、自社に最適な手段を選ぶ際の参考になります。以下は、主要な資金調達方法の比較表です。

調達方法 調達期間 返済義務 難易度 金額目安
助成金・補助金 半年〜2年 中〜高 数十万〜数千万円
銀行融資 1〜2ヶ月 数百万〜数千万円
公的融資 約1ヶ月 数百万〜数千万円
ファクタリング 即日〜数日 売掛金の範囲内
クラウドファンディング 1〜3ヶ月 数十万〜数千万円
投資家・VC 1〜6ヶ月 数千万〜数億円

この表からわかるように、資金調達の緊急性が高い場合は、ファクタリングが最も迅速であり、大規模な資金を調達したい場合は、ベンチャーキャピタルからの出資が適しています。また、返済負担を避けたい場合は、助成金・補助金が理想的ですが、時間がかかるというデメリットがあります。

複数の調達方法を組み合わせて活用することも効果的な戦略です。例えば、助成金・補助金の申請と並行して、つなぎ融資としてファクタリングや銀行融資を利用するなど、それぞれの特性を活かした資金調達計画を立てましょう。

まとめ

本記事では、助成金・補助金が支給されるまでに時間がかかる実態と、その間の資金調達方法について詳しく解説してきました。助成金・補助金は、返済不要という大きなメリットがある一方で、申請から支給まで半年〜2年かかることもあり、緊急の資金需要には適していません。

資金調達方法は一つではなく、銀行融資、公的融資、ファクタリング、クラウドファンディング、投資家からの出資など、状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。特に、資金が急を要する場合は、ファクタリングや既存取引のある金融機関からの融資が、現実的な選択肢となります。また、複数の資金調達手段を持ち、資金繰り計画を常に更新することで、資金ショートのリスクを低減できるでしょう。

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