2025.05.23
【2025年度最新】助成金・補助金まとめ!申請時に注意すべき点も紹介
企業が経営を続けていく中では、事業の拡大や新規事業への進出、設備投資など、さまざまな目的で資金が必要になることがあります。しかし、すべての費用を自己資金や融資だけでまかなうことは負担が大きいでしょう。こうしたときに役立つ制度として、国や自治体が提供している助成金や補助金があります。
2025年度は、コロナ禍からの経済回復、中小企業支援の強化、DXの推進といった政策目標に沿って、多くの助成金・補助金が設けられています。
本記事では、2025年度に利用できる主な助成金・補助金制度について幅広く取り上げ、申請方法や締切日、申請時の注意点などを詳しく解説します。また、採択される可能性を高めるためのポイントについても整理し、経営者の方々が自社に合った制度を選択し、円滑に申請できるように必要な情報をまとめて紹介します。
2025年度の助成金・補助金の詳細
ここでは、2025年度に利用できる主要な助成金・補助金について、対象者や金額、申請条件などの詳細情報を解説します。
経営革新・設備投資向けの補助金
経営革新や設備投資を支援する補助金は、中小企業の競争力強化に直結する重要な制度です。2025年度も充実した支援内容となっています。
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援します。
項目 | 内容 |
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対象者 | 中小企業、小規模事業者、特定非営利活動法人 |
補助上限額 | 一般型:4,000万円、グローバル展開型:5,000万円 |
補助率 | 中小企業:1/2、小規模事業者:2/3(賃上げ要件で上乗せあり) |
申請締切 | 2025年5月、8月、11月、2026年2月(予定) |
特記事項 | DX枠、グリーン枠など複数の特別枠あり |
事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の事業再構築を支援する補助金です。
項目 | 内容 |
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対象者 | 中小企業、中堅企業 |
補助上限額 | 通常枠:8,000万円、大規模枠:1億円 |
補助率 | 中小企業:2/3(大規模枠は1/2)、中堅企業:1/2(大規模枠は1/3) |
申請締切 | 2025年6月、10月、2026年2月(予定) |
特記事項 | 社会課題解決枠、地域資源活用枠など複数の特別枠あり |
中小企業新事業進出補助金は、2025年度に新設された大型補助金で、新市場への参入や新規事業展開を目指す中小企業を支援します。
項目 | 内容 |
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対象者 | 中小企業(創業5年以上) |
補助上限額 | 通常枠:9,000万円、特別枠:1億2,000万円 |
補助率 | 1/2(賃上げ率5%以上で2/3に増額) |
申請締切 | 2025年7月、12月(予定) |
特記事項 | 成長率4%以上の事業計画が必須、最低賃金引上げ必須 |
IT導入・デジタル化推進支援の補助金
デジタル化の推進は、中小企業の生産性向上において重要なテーマとなっています。2025年度は、IT導入やDX推進を支援する制度が充実しています。
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が、自社の課題やニーズに合わせたITツールを導入する経費の一部を補助する制度です。2025年度は特に、セキュリティ対策とクラウドサービス導入に注力しています。
項目 | 内容 |
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対象者 | 中小企業、小規模事業者 |
補助上限額 | 通常枠:450万円、DX枠:3,500万円 |
補助率 | 通常枠:1/2、セキュリティ枠:3/4、インボイス対応枠:4/5 |
申請締切 | 2025年5月~2026年1月(複数回) |
特記事項 | IT導入支援事業者が登録したツールのみが対象 |
デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制も、企業のデジタル化を推進する重要な制度です。この制度は、直接的な補助金ではなく税制優遇措置ですが、DX関連投資において大きな効果を発揮します。
企業のデジタル化を推進するための設備投資やソフトウェア導入に対して、最大5%の税額控除または30%の特別償却を選択できる制度です。2025年度は、AI・IoT・クラウド関連投資への適用範囲が拡大され、データ連携基盤整備も対象に追加されました。
中小企業生産性革命推進事業では、中小企業のデジタル化・DX化を支援する総合的な枠組みが提供されています。IT導入補助金に加え、デジタル化診断やDX人材育成支援も含まれており、企業の成長ステージに合わせた支援が受けられます。
創業・小規模事業者向けの補助金
創業間もない企業や、小規模事業者向けの補助金も充実しています。経営基盤が弱い事業者でも活用しやすい制度が用意されています。
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度です。比較的申請しやすく、採択率も高いため、補助金初心者にもおすすめの制度となっています。
項目 | 内容 |
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対象者 | 小規模事業者 |
補助上限額 | 通常枠:200万円、特別枠:最大5,500万円 |
補助率 | 2/3(賃上げ枠は3/4) |
申請締切 | 2025年6月、10月、2026年2月(予定) |
特記事項 | 商工会・商工会議所の支援を受けて作成した経営計画に基づく取組が対象 |
創業支援補助金(創業スタートアップ支援事業)は、新たに創業する事業者や第二創業を行う事業者を支援する制度です。2025年度は、補助上限額が引き上げられ、ポストコロナを見据えた新しいビジネスモデルの創出を後押ししています。
項目 | 内容 |
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対象者 | 創業予定者、創業後5年未満の個人事業主・法人 |
補助上限額 | 通常枠:300万円、社会課題解決枠:500万円 |
補助率 | 2/3 |
申請締切 | 2025年5月、9月、2026年1月(予定) |
特記事項 | 地域経済活性化枠、イノベーション創出枠など複数の特別枠あり |
地域・業種特化型小規模事業者応援補助金は、地域の特性や特定業種の課題に対応した取組を支援する制度です。地方自治体との連携により実施され、地域資源の活用や地域課題の解決に取り組む小規模事業者を支援します。
雇用・人材育成関連の助成金
人材確保や育成、働き方改革の推進に関連する助成金も多数用意されています。特に、人手不足への対応や、多様な働き方の実現を支援する制度が充実しています。
業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資などにかかった費用の一部を助成する制度です。
項目 | 内容 |
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対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
助成上限額 | 30万円~650万円(賃金引上げ額に応じて変動) |
助成率 | 3/4~9/10(企業規模と賃金引上げ幅に応じて変動) |
申請期間 | 2025年4月~2026年3月(予算がなくなり次第終了) |
特記事項 | 賃金引上げと生産性向上の両方が要件 |
キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するための取組を支援する制度です。正社員化や処遇改善、人材育成などの取組に対して助成が行われます。
特に注目すべきは、2025年度から高度人材育成コースが新設された点です。AI・IoTなどの先端技術に関する教育訓練を実施した場合に、通常よりも高い助成率が適用されます。
両立支援等助成金は、仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主を支援する制度です。育児や介護と仕事の両立を図るための職場環境整備や、男性の育児休業取得促進などに取り組む企業を助成します。
65歳超雇用推進助成金は、高年齢者の雇用促進を図る事業主を支援する制度です。65歳以上への定年引上げや継続雇用制度の導入、高年齢者向けの職場環境整備などに取り組む企業を助成します。
研究開発や環境・社会課題解決向けの助成金
研究開発や環境対策、社会課題解決に取り組む事業者向けの助成金も充実しています。イノベーション創出や、持続可能な社会の実現を支援する制度が強化されています。
科学研究費助成事業(科研費)は、大学等の研究者が行う学術研究を幅広く支援する競争的資金です。2025年度の募集要領では、若手研究者支援の拡充やオープンサイエンスの推進などが重点項目となっています。
帝京大学先端総合研究機構研究助成金は、産学連携の研究開発を支援する助成金です。企業と大学等の研究機関が共同で行う、先進的な研究開発プロジェクトに対して助成を行います。2025年度は特に、ヘルスケア分野とAI分野の研究開発に重点が置かれています。
インキュベーション助成金、チーム研究助成金などの研究開発分野の助成金も充実しています。革新的な技術開発や、新しい価値創造に取り組む研究チームを支援する制度で、産学連携や異業種連携による研究開発を促進します。
地球環境基金(環境再生保全機構)は、環境保全活動を行うNGO・NPOへの助成を行う制度です。地域の環境保全活動や環境教育、国際的な環境問題への取組など、幅広い活動を支援します。
NGO・NPO環境保全活動支援助成金は、環境保全活動を行う民間団体を支援する制度です。地域の自然環境保全や資源循環、環境教育など、持続可能な社会の実現に貢献する活動を幅広く支援します。
助成金・補助金の申請の流れ
助成金・補助金を効果的に活用するためには、申請方法や流れを正確に理解しておくことが重要です。
申請前の準備
助成金・補助金の申請を成功させるためには、事前の準備が極めて重要です。計画立案から申請書類の準備まで、しっかりとした準備を行いましょう。
まず、自社の経営課題や目標を明確にすることが第一歩です。「何のために補助金を活用するのか」という目的を明確にし、それに適した補助金制度を探すことが重要です。目的が不明確なまま補助金を探すのではなく、経営戦略や事業計画に基づいて、必要な補助金を選定するアプローチが望ましいでしょう。
次に、自社が申請資格を満たしているかを確認します。業種や従業員数、資本金などの基本的な要件に加え、賃上げ要件や売上高成長率などの特定条件も確認が必要です。特に2025年度は、賃上げ要件が厳格化している補助金が多いため、自社の賃金計画との整合性を確認しましょう。
事業計画書の作成も重要なステップです。多くの補助金では、具体的な事業計画の提出が求められます。計画書には、現状分析、課題、目標、実施内容、スケジュール、期待される効果などを具体的に記載します。数値目標を含めた客観的な指標を設定することで、説得力が増します。
資金計画の検討も必須です。補助金は基本的に後払いであるため、事業実施に必要な資金を、一時的に自己負担する必要があります。また、補助対象外の経費も発生するため、全体の資金計画を立てておくことが重要です。
申請から採択までの流れ
補助金の申請から採択、実施、完了までの一般的な流れを理解しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
申請書類の作成は、補助金獲得のための最も重要なステップです。公募要領を熟読し、提出書類の形式や記載内容を正確に理解しましょう。多くの補助金では、事業計画書や収支計画書、企業概要などの提出が求められます。書類作成には十分な時間をかけ、第三者の視点からもチェックを受けることをおすすめします。
申請書提出後は、審査期間に入ります。審査期間は、補助金によって異なりますが、概ね1~3ヶ月程度かかることが一般的です。この間に、追加資料の提出や質問への回答を求められることもあるため、連絡がとれる状態を維持しておくことが重要です。
採択通知を受けたら、交付申請の手続きに移ります。採択されただけでは補助金が確定したわけではなく、改めて交付申請を行い、交付決定を受ける必要があります。交付決定後に発生した経費のみが補助対象となるため、交付決定前の発注や契約には注意が必要です。
事業実施中は、経理処理や証憑書類の保管を適切に行うことが重要です。発注書、契約書、納品書、請求書、支払いの証拠書類など、すべての取引に関する書類を保管しておきましょう。また、計画変更が必要な場合は、事前に事務局へ相談し、必要な手続きを行うことが重要です。
事業完了後は、実績報告書の作成と提出を行います。実施内容、達成した成果、経費の実績などを報告し、確定検査を受けます。検査に合格すれば、補助金の額が確定し、支払いが行われます。
申請時に注意すべき点
助成金・補助金の採択率を高めるためには、申請時の注意点と審査のポイントを理解しておくことが重要です。
申請書の作成で注意すべき点
申請書は、審査員に自社の事業計画を伝えるための重要なツールです。説得力のある申請書を作成するためのポイントを解説します。
まず、事業計画の論理性と一貫性を確保することが重要です。現状分析から課題抽出、解決策、期待される効果まで、論理的につながりのある説明を心がけましょう。特に、なぜその事業が必要なのか、どのような社会的意義があるのかを明確に示すことが重要です。
数値目標の設定も重要なポイントです。売上増加率、利益率向上、生産性向上率など、具体的な数値目標を設定し、その達成方法を明示しましょう。特に、定量的な効果と算出根拠の明示が審査で高く評価されます。
差別化ポイントの明確化も不可欠です。同業他社や類似サービスとの違い、自社ならではの強みや独自技術を具体的に記載しましょう。市場調査データや特許情報などの客観的な資料を用いて説明することで、説得力が増します。
実施体制と実現可能性の説明も重要です。事業を遂行するための組織体制、人材、設備、スケジュールなどを具体的に示しましょう。過去の類似事業の実績や、外部協力者との連携体制なども記載することで、実現可能性をアピールできます。
補助事業完了後の展開についても言及しましょう。補助事業は、単なる一時的な取組ではなく、その後の事業展開にどうつながるかという視点が重要です。中長期的な事業計画や波及効果について具体的に記載することで、持続性をアピールできます。
審査の際に注意すべきポイント
政策目的との整合性は、審査で最も重要なポイントの一つです。各補助金には、特定の政策目的があり、その目的に沿った事業計画であることが求められます。2025年度は特に、賃上げ、カーボンニュートラル、DX推進などの政策テーマが重視されているため、これらの要素を事業計画に盛り込むことが有効です。
市場性と収益性の説明も重要です。開発する製品・サービスの市場規模、成長性、競合状況などを具体的に分析し、その中での自社のポジショニングを明確にしましょう。また、事業の収益モデルと収支計画を具体的に示し、持続可能なビジネスモデルであることをアピールします。
革新性・独創性のアピールも効果的です。従来にない新しい技術やビジネスモデル、課題解決アプローチなど、事業の革新的な側面を強調しましょう。特に、社会課題の解決につながるイノベーションは高く評価される傾向があります。
具体的な波及効果の提示も重要です。補助事業が自社だけでなく、地域経済や産業全体、社会にどのような好影響をもたらすかを具体的に記載しましょう。雇用創出効果、地域活性化への貢献、環境負荷低減効果など、幅広い波及効果を示すことが有効です。
実績と信頼性のアピールも忘れずに行いましょう。過去の類似事業の実績や成果、特許や表彰歴などの客観的な評価、業界での知名度や信頼性など、自社の強みとなる要素を適切にアピールすることで、事業遂行能力への信頼を高めることができます。
採択後の実施・報告における注意点
採択された後も、適切な事業実施と報告が重要です。採択後に注意すべきポイントについて解説します。
経費の執行管理は特に重要です。補助対象経費は、交付決定日以降に発注・契約・支払いが行われたものに限定されます。交付決定前に発注・契約した経費は対象外となるため、タイミングに注意が必要です。また、経費の支払いは原則として銀行振込とし、現金払いやクレジットカード払いについては事前に事務局に確認しましょう。
計画変更が必要な場合の手続きも把握しておく必要があります。事業計画や経費配分に大きな変更が生じた場合は、事前に変更申請が必要です。軽微な変更であっても、事務局への報告や相談を怠らないようにしましょう。特に、補助対象経費の20%を超える流用は、原則として変更申請が必要です。
経理処理と証憑書類の管理も重要なポイントです。発注書、契約書、納品書、請求書、支払証明など、すべての取引に関する証憑書類を、適切に保管する必要があります。これらの書類は、補助事業完了後も一定期間(通常5年間)保管する義務があります。また、補助事業用の帳簿を作成し、他の事業との経理を明確に区分することが求められます。
実績報告書の作成と提出も重要なステップです。補助事業完了後、所定の期間内(通常30日以内)に実績報告書を提出する必要があります。実績報告書には、事業の実施内容、達成した成果、経費の実績などを詳細に記載します。提出後は確定検査が行われ、適正に執行されたと認められれば補助金の額が確定し、支払いが行われます。
成果の公表と波及効果の最大化も忘れてはなりません。多くの補助金では、事業の成果を公表することが求められます。また、補助事業で得られた成果を積極的に活用し、事業の発展や社会への貢献につなげることが重要です。成功事例として紹介されることで、企業の知名度向上や新たなビジネスチャンスの創出にもつながります。
まとめ
2025年度の助成金・補助金制度は、企業の成長と経済活性化を支援する充実した内容となっています。本記事では、新設された中小企業新事業進出補助金や中小企業成長加速化補助金、継続するものづくり補助金、事業再構築補助金などの詳細と申請のポイントを解説しました。
助成金・補助金の申請においては、自社の経営戦略に基づいた事業計画の策定と、説得力のある申請書の作成が採択の鍵となります。申請時の注意点や審査で重視されるポイントを押さえ、計画的に準備を進めることが重要です。また、複数の助成金・補助金を組み合わせたり、専門家のサポートを受けたりすることで、より効果的な活用が可能になります。
助成金・補助金を、一時的な資金調達手段ではなく、持続的な成長につながるレバレッジとして戦略的に活用してください。適切な計画とリスク管理を行いながら、企業の成長と競争力強化に役立てましょう。
最短即日の無担保無保証融資!HTファイナンスのビジネスローン
助成金・補助金は、後払いが原則であるため、事業資金としてすぐに活用することはできません。事業計画を実行するための即時的な資金調達や、助成金・補助金の採択までのつなぎ資金が必要な場合は、無担保無保証の融資サービスの活用も検討してみてはいかがでしょうか。HTファイナンスのビジネスローンは、無担保無保証で利用でき、またスピーディーな審査を特徴としています。
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