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2025.06.16

不動産担保ローンを完済した後の対応は?必要書類や具体的な流れを紹介

不動産担保ローンの返済を終えて、完済の通知を受け取ったとしても、手続きがすべて完了したわけではありません。ローンを完済したとしても、不動産に設定されている抵当権は、自動的に消えるわけではありません。抵当権が残ったままだと、将来的に不動産を売却したり相続したりする際に、問題が生じることがあります。

完済後には、「抵当権抹消登記」という手続きを行う必要がありますが、初めて行う場合は何をすればよいのか、どのような書類が必要で、どの程度の費用がかかるのかなど、わかりにくい点が多いでしょう。

この記事では、不動産担保ローン完済後に必要な、抵当権抹消登記の手続き方法や必要書類、費用などについて詳しく解説します。自分で手続きする方法と、専門家に依頼する場合の違いも明確にし、スムーズに抵当権抹消を完了させるためのポイントをお伝えします。

不動産担保ローンを完済した後の抵当権抹消登記

不動産担保ローンを完済しても、自動的に抵当権が消えるわけではありません。

抵当権抹消登記とは

不動産担保ローンを組む際、金融機関は、融資の担保として不動産に抵当権を設定します。この抵当権は、ローンを完済しただけでは自動的に消えることはありません。

完済後も登記上に抵当権が残ったままだと、法的には、金融機関が依然としてその不動産に対して権利を持っている状態が続きます。このため、抵当権抹消登記を行って初めて完全な所有権を取り戻すことができるのです。

抵当権が残ったままだと、将来的に不動産を売却する際に、買主から不信感を持たれたり、新たに融資を受ける際に障害となったりする可能性があります。また、相続が発生した場合にも手続きが複雑になってしまいます。

抵当権抹消登記を行わず放置するリスク

抵当権抹消登記を行わずに放置してしまうと、さまざまなリスクが生じます。例えば、不動産の売却を検討した際、抵当権が残っていると、買主から取引を躊躇される原因となります。

また、金融機関が合併や統廃合された場合、後から抵当権抹消の手続きを行おうとしても、権利者の特定が困難になり、手続きが複雑化する可能性があります。特に古い抵当権の場合、金融機関の変遷によって手続きが非常に煩雑になることも少なくありません。

さらに、相続が発生した場合、抵当権が残ったままだと相続手続きも複雑になり、相続人に余計な負担をかけることになります。これらのリスクを回避するためにも、ローン完済後は速やかに抵当権抹消登記を行うことが重要です。

不動産担保ローン完済時に金融機関から受け取る書類(抹消書類)

ローン完済時に金融機関から受け取る書類(抹消書類)は、抵当権抹消登記の手続きに必要不可欠です。

不動産担保ローンを完済すると、金融機関から次のような抹消書類が送付されます。これらは、抵当権抹消登記に必要な重要書類です。

まず、最も重要な書類が、「抵当権抹消登記に必要な書類」と明記された封筒に入っている「登記承諾書」または「抵当権抹消書類」です。この書類は、金融機関がローンの完済を認め、抵当権を消すことに同意する証明となります。

また、「弁済証書」または「完済証明書」も送付されます。これは、ローンを完全に支払い終えたことを証明する書類です。これらの書類は再発行が煩雑なため、受け取ったらすぐに内容を確認して大切に保管することが重要です。

金融機関によっては、「委任状」も送付されます。これは、抵当権抹消登記の手続きを依頼者に委任する書類で、金融機関の代表者印が押されています。

不動産担保ローン完済後の抵当権抹消登記に必要な書類

抵当権抹消登記を行うためには、いくつかの必要書類を準備する必要があります。

金融機関から受け取る書類

抵当権抹消登記に必要な書類の中で、金融機関から受け取るものは、次のような書類(抹消書類)です。

まず、「登記承諾書」または「抵当権抹消承諾書」は、ローンの債権者である金融機関が、抵当権を抹消することに同意した証明書です。この書類には、金融機関の代表者印が押印されており、法務局に提出する際の重要な証拠となります。

次に、「委任状」は、抵当権抹消の登記申請を申請者に委任する書類です。金融機関の印鑑が押された委任状は正確に保管し、手続き時にそのまま提出できるようにすることが重要です。

さらに、金融機関の「登記事項証明書」または「資格証明書」も必要となります。これは、委任状に署名捺印した人が金融機関を代表する権限を持っていることを証明する書類です。通常は金融機関が用意してくれますが、場合によっては自分で取得する必要があります。

自分で用意する書類

抵当権抹消登記を行うために、自分で用意する必要がある書類もあります。

「抵当権抹消登記申請書」は、法務局に提出する正式な申請書です。法務局のウェブサイトからダウンロードするか、法務局の窓口で入手することができます。記入例を参考にしながら、不動産の所在地や登記の目的など必要事項を正確に記入することが重要です。

また、「本人確認書類」として、運転免許証やパスポートなどの身分証明書のコピーも必要です。法務局に直接出向いて手続きする場合は、原本の提示が求められますが、郵送の場合はコピーを同封します。

さらに、不動産の「登記識別情報」または「登記済証」も必要です。これは、不動産の所有権を証明する書類で、不動産を購入した際に受け取ったものです。紛失した場合は、事前に法務局で本人確認の上、登記識別情報通知を請求する必要があります。

不動産担保ローン完済後の抵当権抹消登記の手続き方法

抵当権抹消登記の手続き方法には、自分で行う方法と専門家に依頼する方法があります。まずは、自分で行う場合の手順を見ていきましょう。

自分で手続きする場合の具体的な流れ

抵当権抹消登記を自分で行う場合、以下のような手順で進めます。

まず、必要書類をすべて揃えます。金融機関から受け取った書類と、自分で用意する書類(抵当権抹消登記申請書、本人確認書類、登記識別情報など)を準備します。

次に、抵当権抹消登記申請書に必要事項を記入します。不動産の表示や登記の目的などを正確に記載し、申請書に記載漏れや誤りがないかを複数回確認することが重要です。

書類が揃ったら、不動産の所在地を管轄する法務局に申請します。窓口に直接持参するか、郵送で申請することができますが、初めての場合は窓口での申請が安心です。窓口での申請時には、登録免許税(1筆につき1,000円)を収入印紙で納付します。

申請後、法務局で審査が行われ、問題がなければ1週間から10日程度で登記が完了します。登記完了後、希望すれば登記完了証明書(1通600円)を取得することができます。

専門家に依頼するメリット

抵当権抹消登記の手続きを、司法書士などの専門家に依頼する場合、いくつかのメリットがあります。

最大のメリットは、専門的な知識を持つプロに依頼することで、書類の不備や記入ミスによる手続きの遅延リスクを大幅に減らせる点です。特に、複数の不動産に抵当権が設定されている場合や、複雑な権利関係がある場合は、専門家の知識が役立ちます。

また、自分で手続きする場合、法務局への往復や窓口での待ち時間など、時間的コストがかかりますが、専門家に依頼すれば、自分の時間を節約することができます。忙しい方や遠方に住んでいる方にとっては、大きな利点です。

さらに、専門家は手続きの進捗状況を管理し、必要に応じて金融機関との連絡も行ってくれます。何か問題が発生した場合でも、適切に対応してもらえる安心感があります。

不動産担保ローン完済後の抵当権抹消登記にかかる費用

抵当権抹消登記には、いくつかの費用がかかります。自分で手続きする場合と専門家に依頼する場合で費用が異なるため、それぞれについて確認しておきましょう。

自分で手続きする場合の費用

自分で抵当権抹消登記の手続きを行う場合、主な費用は以下の通りです。

まず、登録免許税として、1不動産(1筆)につき1,000円がかかります。これは、法務局に納める税金で、収入印紙で支払います。複数の不動産に抵当権が設定されている場合は、不動産の数だけ登録免許税がかかります。

また、登記完了後に登記完了証明書を取得する場合は、1通につき600円の費用がかかります。この証明書は、手続き完了の証拠として取得しておくと安心です。

その他、法務局までの交通費や、郵送で申請する場合は郵送料などの実費がかかります。自分で手続きする場合の総費用は、基本的に数千円程度に抑えられるのが大きなメリットです。

専門家に依頼する場合の費用

司法書士などの専門家に抵当権抹消登記を依頼する場合、報酬と実費がかかります。

司法書士の報酬は、一般的に1件あたり15,000円〜20,000円程度が相場です。ただし、複数の不動産がある場合や、状況が複雑な場合は追加料金がかかることがあります。

報酬以外にも、登録免許税(1不動産につき1,000円)や登記完了証明書の費用(1通600円)、司法書士への交通費や郵送料などの実費も、依頼者が負担することになります。

専門家に依頼する場合は、依頼前に見積もりを取得して費用を確認しておくことが重要です。司法書士によって料金体系が異なることもあるため、複数の事務所に問い合わせて比較検討するとよいでしょう。

不動産担保ローン完済後の抵当権抹消登記申請書の書き方

抵当権抹消登記申請書は、手続きの中心となる重要な書類です。

申請書のフォーマット

抵当権抹消登記申請書は、法務局のウェブサイトからダウンロードするか、法務局窓口で入手することができます。基本的なフォーマットは全国共通ですが、記入方法に不安がある場合は、法務局の窓口で相談することも可能です。

申請書には、「登記の目的」「原因」「登記義務者」「登記権利者」「添付書類」などの欄があります。「登記の目的」欄には「抵当権抹消」と記入し、「原因」欄には「弁済」と記入するのが一般的です。

申請書の記入例や記入方法の詳細は法務局のウェブサイトで確認できるため、初めて記入する方は参考にすると安心です。特に、不動産の表示や登記番号などは、登記簿謄本や権利証を見ながら正確に転記することが重要です。

記入時の注意点

抵当権抹消登記申請書を記入する際には、いくつかの注意点があります。

まず、不動産の表示は登記簿と完全に一致させることが重要です。住所表記や地番、家屋番号などに誤りがあると、手続きがスムーズに進まない可能性があります。

また、登記義務者(抵当権者である金融機関)の名称や住所も正確に記入する必要があります。特に、金融機関が合併や名称変更をしている場合は注意が必要で、現在の正式名称と住所を確認してから記入することが大切です。

さらに、申請書に添付する書類を正確に記載することも重要です。登記承諾書や委任状、資格証明書など、添付する書類をすべて記載漏れなく記入しましょう。

記入に自信がない場合は、記入例を参考にしたり、法務局の窓口で相談したりすることをおすすめします。一度記入したら、誤字脱字や記入漏れがないか、複数回確認することが大切です。

不動産担保ローン完済後の抵当権抹消登記でよくあるトラブル

抵当権抹消登記の手続きにおいて、いくつかのトラブルが発生することがあります。

必要書類の紛失や不足

抵当権抹消登記に必要な書類を紛失してしまった場合は、次のような対応をとりましょう。

金融機関から受け取った「登記承諾書」や「委任状」を紛失した場合は、まず金融機関に連絡して再発行を依頼します。ただし、再発行には時間と手数料がかかる場合があるため、受け取った書類は大切に保管することが重要です。

「登記識別情報」または「登記済証」を紛失した場合は、法務局で本人確認を行った上で「登記識別情報の通知」を請求することができます。この場合、本人確認書類を持参して法務局窓口に行く必要があります。

また、金融機関の「登記事項証明書」や「資格証明書」が不足している場合は、金融機関に連絡して追加で発行してもらうか、自分で法務局にて取得する必要があります。

金融機関の統廃合や名称変更

金融機関の統廃合や名称変更が行われていると、抵当権抹消登記の手続きが複雑になることがあります。

例えば、抵当権を設定した当時の金融機関が現在は別の金融機関に統合されている場合、登記上の抵当権者と現在の金融機関の名称が異なります。このような場合は、金融機関の合併や商号変更の履歴を証明する書類が必要になることがあります。

金融機関の担当者と相談し、必要な書類(商業登記簿謄本や法人の登記事項証明書など)を揃えることが重要です。場合によっては、金融機関側で対応書類を用意してくれることもあります。

特に古い抵当権や、すでに統廃合された金融機関が関わる場合は、手続きが複雑になることが予想されます。このような場合は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

不動産担保ローン完済後の抵当権抹消登記の完了確認方法

抵当権抹消登記が正しく完了したかどうかを確認することは、非常に重要です。確認方法について解説します。

登記完了証明書の取得

抵当権抹消登記が完了したことを証明する「登記完了証明書」は、法務局で取得することができます。

登記完了証明書を取得するには、登記申請時に「登記完了証明書交付申請書」を提出するか、登記完了後に改めて法務局窓口で申請します。費用は1通あたり600円で、収入印紙で支払います。

登記完了証明書は抵当権が確実に抹消されたことの証拠となるため、取得しておくことを強く推奨します。将来的に不動産を売却する際や、何らかのトラブルが発生した際に役立つことがあります。

また、登記完了証明書の交付申請は、法務局のウェブサイトからオンラインで行うこともできます。オンライン申請の場合は、電子署名が必要となりますが、窓口に行く手間を省くことができます。

登記情報の確認

抵当権抹消登記が完了したことを確認するもう一つの方法は、不動産の登記情報を取得して確認することです。

法務局窓口や登記情報提供サービス(有料)を利用して、不動産の全部事項証明書(登記簿謄本)を取得します。全部事項証明書の権利部(乙区)を確認し、抵当権に関する記載に「抹消」と表示されていれば、抵当権抹消登記が完了しています。

登記完了証明書や全部事項証明書は、重要書類として大切に保管することが重要です。特に不動産に関する書類は、将来的に不動産の売却や相続が発生した際に必要になることがあります。

また、抵当権抹消登記に関連する書類(金融機関からの完済証明書や登記申請書のコピーなど)も、一緒に保管しておくとよいでしょう。書類は、湿気や直射日光を避け、できれば耐火金庫や安全な場所に保管することをおすすめします。

まとめ

不動産担保ローンを完済しても、抵当権は自動的には消えないため、抵当権抹消登記の手続きが必要です。この手続きを行わないと、将来的に不動産売却や相続の際にトラブルを招く可能性があります。

抵当権抹消登記の手続きは、必要書類を揃えて法務局に申請するという流れですが、書類の取得や申請書の作成に不安がある場合は、司法書士などの専門家に相談するのも一つの選択肢です。ローン完済後は、速やかに抵当権抹消登記を行い、大切な不動産の完全な所有権を確保しましょう。

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監修者 三坂大作
筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
・1985年:東京大学法学部卒業
・1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
 表参道支店:法人融資担当
・1989年:同行 ニューヨーク支店勤務
 非日系企業向けコーポレートファイナンスを担当
・1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。



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