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2025.03.04

創業融資の期間は?いつまで受けられるのか、申請から資金調達までの流れを紹介

創業期に資金不足が生じると、ビジネスの継続や事業の拡大に深刻な影響を及ぼす可能性が高くなります。そこで検討したいのが、創業融資をはじめとした公的な制度を活用する方法です。多様な制度が整備されているため、自社の状況に合ったものを見極めることが重要になります。

この記事では、創業融資を利用できる期間や申請のポイント、そして融資実行までの流れを丁寧に解説していきます。

創業融資を受けられる期間

創業融資には、公的機関や銀行などが提供するさまざまな制度が存在します。多くの制度では、創業後まもない時期に申請することで融資を受けやすくなりますが、具体的な対象期間は制度ごとに異なります。

法人の場合

法人としてビジネスを興すときは、設立日から計算される第1期とその後の第2期が区切りになります。法人の第1期は、設立日から初回の決算日までであり、第2期は初回決算日からさらに1年間が対象期間です。つまり、実質的には、設立からおよそ2年程度が創業期として扱われるケースが多くあります。

対象期間を正しく把握するためにも、登記手続きと決算期をいつに設定するかを早期に検討しておくことが重要です。創業融資を受ける計画がある場合は、期限を逆算して必要書類の準備を進めると、スムーズに申し込みに臨めるでしょう。

個人事業主の場合

個人事業主の場合は、開業届を提出した日から年末までが第1期扱いとなり、翌年1月1日から12月31日までが第2期です。すなわち、1年目は開業日によって期間の長さが変動する点に注意してください。開業月が1月であれば、第1期がほぼ1年という長さになります。

基本的には、開業日から2期目が終了するまでを創業期として設定している融資制度が多いですが、その適用範囲は制度ごとに細かく異なります。早めの情報収集を行い、自身がどの時期に当てはまるのかを確認することが欠かせません。

各制度の対象期間

新創業融資制度や新規開業資金といった、代表的な制度では「創業前から創業直後の2期目終了まで」あるいは「創業後7年以内」といったかたちで期間を定めています。たとえば、新創業融資制度の場合は、対象が創業前または創業後2期目終了までとされ、無担保・無保証人で融資が受けられる点が特徴です。

一方、新規開業資金や生活衛生新企業育成資金では、創業後7年以内が目安とされるため、比較的長い期間にわたり支援を受けられる可能性があります。ただし、制度ごとの要件をよく確認し、事業計画と照らし合わせることが欠かせません。

創業融資に申し込むタイミング

創業融資に最適なタイミングを知っておくことで、手続きを無駄なく進められるようになります。ここでは、創業前から創業後にかけて、どのタイミングで申し込むと良いかをみていきましょう。

創業前の申し込み

事業を始める前に融資を受ける場合は、創業の2~3ヶ月前を目安に準備を始めると、スケジュールに余裕が生まれやすくなります。なぜなら、融資検討のために用意が必要な書類は多岐にわたり、事業計画や資金の使途を詳細に説明するための創業計画書も作成する必要があるからです。

創業前の申し込みによって早期に資金を確保できると、開業準備の段階で資金不足に陥るリスクを下げられます。特に、初期コストを賄う必要がある場合は、開業届提出前後を上手に使い、融資手続きを余裕をもって行いましょう。

創業後の申し込み

すでに事業を始めている人の場合、創業融資の期間が2期目終了までに設定されていることが多いです。創業後3ヶ月以内に申し込みを行うと、事業計画と実際の初期売上との兼ね合いを示しやすく、審査において優位にはたらく可能性があります。

また、創業後にある程度売上が見込めている場合は、融資額を大きく設定できる場合もあります。しかし、早期の資金調達を逃すと、資金繰りが厳しくなるリスクが高まるため、慎重なスケジュール管理が欠かせません。

主な融資制度

創業融資には複数の制度があり、それぞれ特徴や条件が異なります。事業内容や事業規模に合わせて、最適な制度を検討することが大切です。2024年3月をもって日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は廃止され、現在では「新規開業資金」をはじめとした制度が中心的な選択肢となっています。以下では、代表的な融資制度を紹介します。

新創業融資制度(2024年3月に廃止)

従来は、創業前から創業後2期目終了までを対象とし、自己資金要件を満たせば、無担保・無保証人での利用も検討できるというメリットがありました。しかし、2024年3月をもって当制度は廃止され、同様の役割を担う「新規開業資金」へ一本化されています。
今後は、新規開業資金を活用するかたちで融資を受けるケースが一般的になるため、制度内容や適用条件をしっかり確認しておきましょう。

新規開業資金

新規開業資金は、創業後7年以内の比較的長い期間を対象とし、設備資金・運転資金の両面でサポートを受けられる制度です。かつては自己資金要件を満たさなければ利用が難しい場面もありましたが、現在はその要件は形式的に撤廃されています。とはいえ、一定の自己資金が創業支援の実質的な審査項目に入っているようですので、審査を通るためには、一定以上の自己資金を準備することをお薦めます。このように創業支援融資は、新創業融資制度の廃止にあわせて拡充され、無担保・無保証人で申し込めるケースや、返済期間の延長・利率の引き下げといった利用者に有利な変更が加えられています。

  • 設備資金: 店舗内装や機器購入など、初期投資に関連する費用
  • 運転資金: 仕入れ代金や人件費など、日常的な経営活動を維持するための費用

従来よりも長期返済が可能になったことで、創業初期のキャッシュフローを安定させやすい点が大きな魅力です。自己資金要件も事実上撤廃されているため、まとまった貯蓄がなくても申し込みを検討しやすくなっています。ただし、融資上限額や実際の審査内容は、事業計画書や信用状況によって変動するため、正確かつ緻密な計画と書類準備が欠かせません。

生活衛生新企業育成資金

生活衛生新企業育成資金は、飲食店や理美容業、クリーニング業など、生活衛生関連の事業を対象にしたものです。同じく創業後7年以内が一つの目安となっており、事業の必要性や社会的価値が重視されることがあります。

特に、衛生面での設備投資が求められる飲食業や医療・福祉関連事業の場合、専門性の高い計画書を作成する必要があるでしょう。公的機関による融資であるため、社会貢献要素や公共性をアピールすることも大切です。

申請から資金調達までの流れ

創業融資を実際に申し込み、資金調達を完了するまでにはいくつかのステップがあります。

申し込み

最初に行うのは、希望する創業融資を提供する機関に対する申し込みです。申し込みにあたっては、公庫や金融機関のホームページをチェックし、必要な書類を事前に確認しておきましょう。一般的な必要書類としては、創業計画書や収支予測表などが挙げられます。

書類を整える際には、審査担当者が理解しやすい構成を意識しましょう。事業の強みや将来性を分かりやすく記述し、数字に裏付けのある計画を示すことで、面談時の説明も明確に行えます。

面談から審査

申し込み書類が受理されると、担当者との面談日程が組まれることが一般的です。申し込みから面談までは、およそ3日から1週間程度かかるケースが多いので、早めに準備を進めておきましょう。面談では、事業ビジョンの具体性や返済能力が重点的にチェックされます。

面談は社長自身が中心となって対応しなくてはいけません。ですので、面談に向けてあらかじめ想定問答を用意し、経営への熱意を明確に伝えることが大切です。また、自己資金の内訳や事業経験の有無など、担当者から細かく質問されることもあるので、正確に答えられるようにしておきましょう。

内定連絡から契約書類の発行

面談から約1週間~10日後、融資審査の結果として内定連絡が入ることがあります。内定連絡を受け取った後は、契約書類の作成や、署名手続きを進める段階に移行します。なお、内定連絡から契約書類が手元に到着するまでに、5日~10日程度かかることが一般的です。

融資条件を再確認し、内容に問題がなければ速やかに手続きを完了します。融資額や返済期間、金利など、契約条件をしっかり理解しておかないと、後々の返済計画に支障をきたす可能性があるため、十分に検討しましょう。

融資実行まで

書類に署名・捺印した後は、金融機関側で最終的な手続きが行われ、融資が実行されます。契約書類発行から融資実行までは、約1週間~2週間かかることが多く、申し込みから最終的な振り込みまでの全体期間は、3週間~1ヶ月ほどと考えておきましょう。

スケジュールに余裕をもって計画を組むことで、運転資金に不安なく実際の事業をスタート・継続できます。想定外のトラブルが発生する場合もあるため、余裕をもって手続きを進めるのが望ましい方法です。

審査を通過するための注意点

融資審査をクリアするには、事業計画だけでなく経営者の意欲や信用情報など、さまざまな要素が評価されます。したがって、社長自身のことばで事業内容や事業の見通しを説明できることが極めて重要です。

自己資金の確保

融資を行う側は、自己資金がしっかり確保されているかを重視します。自己資金なしでは、資金繰りが立ち行かなくなるリスクが高いと判断されることが多いためです。事業へどの程度自己資金を投入しているかは、経営者の本気度を見る指標にもなります。

自己資金を十分に用意することで、審査通過率を高めるだけでなく、当初の運営を安定的に進められる利点もあります。まずは小規模でも貯蓄を積み重ねておき、事業に回せる余力をつくっておくようにしましょう。

創業計画書の作成

審査で重視される創業計画書には、事業のコンセプトや商品・サービスの特徴、顧客ターゲット、収支計画などを具体的に記載します。ここで重要なのは、計画が実現可能かつ根拠のある数字になっていることです。

収支予測においては、売上の成長見込みやコスト削減策などを示し、投資回収の見通しを明確にしておくと説得力が増します。客観的なデータや業界動向を引用しながら、事業の強みとリスクに適切に対処する内容を完成させましょう。

再申請に備える

もし審査に通らなかった場合でも、再申請が認められているケースは多くあります。ただし、再申請までに一定期間を要する場合があり、その間に事業計画や財務状況を再構築しなければいけないことがあります。

融資結果を振り返ることで、どこに問題があったのか分析し、改善策を講じることが大切です。再申請を成功させるためには、経営者自身の考え方の見直しや、専門家のアドバイスを得ることも視野に入れてみましょう。

創業融資を獲得するためのポイント

創業融資や助成金などの公的制度は公募期間や審査期間が存在するため、理想的なタイミングで資金を獲得するには早めに動かなければなりません。十分な時間を確保して書類作成や手続きを進めることが、審査を通過しやすくするため大切になります。

書類準備を早めに始める

開業前から融資を利用する場合は、少なくとも事業開始の2~3ヶ月前には書類の準備を始めると安心です。開業後の申請でも、早めに動くことで資本が底をつく前に資金を確保でき、事業継続を安定させられます。

計画的に情報を整理し、スケジュールを立て終わったら、必要書類をチェックリスト化して不備がないかを確認するようにしましょう。

不安が多い場合は専門家に相談する

税理士や行政書士、中小企業診断士といった専門家に相談することで、書類作成や審査対策のノウハウを得られます。非公開の要件や最新の情報をいち早くキャッチし、申請の完成度を高める手助けをしてくれるでしょう。

専門家の力を借りることで、融資獲得の可能性を大幅に引き上げるだけでなく、返済計画や節税方法など、経営の基盤づくりでもアドバイスを得られます。

複数の制度を事前に比較する

代表的な創業融資の制度を一つだけ調べて申し込むのではなく、複数の制度を横断的に比較してみるのがおすすめです。融資限度額や返済期間、金利優遇の有無など、制度ごとに差があります。

比較する過程で、他により適した選択肢が見つかる可能性もあるので、視野を広げることが大切です。そのうえで、自社の状況や将来の計画に合ったベストな組み合わせを見出せれば、長期的な事業発展が見込めます。

まとめ

ここまで、創業融資の期間や申請手続きの流れ、審査を通過するためのポイントなどを解説しました。創業融資を受けるためには、申し込みや審査に向けて早めに情報を集めて正しいステップを踏むことが重要です。

ぜひ本記事を参考に、創業融資の申し込みを検討してみてください。

創業期に資金不足が生じると、ビジネスの継続や事業の拡大に深刻な影響を及ぼす可能性が高くなります。そこで検討したいのが、創業融資をはじめとした公的な制度を活用する方法です。多様な制度が整備されているため、自社の状況に合ったものを見極めることが重要になります。

この記事では、創業融資を利用できる期間や申請のポイント、そして融資実行までの流れを丁寧に解説していきます。

創業融資を受けられる期間

創業融資には、公的機関や銀行などが提供するさまざまな制度が存在します。多くの制度では、創業後まもない時期に申請することで融資を受けやすくなりますが、具体的な対象期間は制度ごとに異なります。

法人の場合

法人としてビジネスを興すときは、設立日から計算される第1期とその後の第2期が区切りになります。法人の第1期は、設立日から初回の決算日までであり、第2期は初回決算日からさらに1年間が対象期間です。つまり、実質的には、設立からおよそ2年程度が創業期として扱われるケースが多くあります。

対象期間を正しく把握するためにも、登記手続きと決算期をいつに設定するかを早期に検討しておくことが重要です。創業融資を受ける計画がある場合は、期限を逆算して必要書類の準備を進めると、スムーズに申し込みに臨めるでしょう。

個人事業主の場合

個人事業主の場合は、開業届を提出した日から年末までが第1期扱いとなり、翌年1月1日から12月31日までが第2期です。すなわち、1年目は開業日によって期間の長さが変動する点に注意してください。開業月が1月であれば、第1期がほぼ1年という長さになります。

基本的には、開業日から2期目が終了するまでを創業期として設定している融資制度が多いですが、その適用範囲は制度ごとに細かく異なります。早めの情報収集を行い、自身がどの時期に当てはまるのかを確認することが欠かせません。

各制度の対象期間

新創業融資制度や新規開業資金といった、代表的な制度では「創業前から創業直後の2期目終了まで」あるいは「創業後7年以内」といったかたちで期間を定めています。たとえば、新創業融資制度の場合は、対象が創業前または創業後2期目終了までとされ、無担保・無保証人で融資が受けられる点が特徴です。

一方、新規開業資金や生活衛生新企業育成資金では、創業後7年以内が目安とされるため、比較的長い期間にわたり支援を受けられる可能性があります。ただし、制度ごとの要件をよく確認し、事業計画と照らし合わせることが欠かせません。

創業融資に申し込むタイミング

創業融資に最適なタイミングを知っておくことで、手続きを無駄なく進められるようになります。ここでは、創業前から創業後にかけて、どのタイミングで申し込むと良いかをみていきましょう。

創業前の申し込み

事業を始める前に融資を受ける場合は、創業の2~3ヶ月前を目安に準備を始めると、スケジュールに余裕が生まれやすくなります。なぜなら、融資検討のために用意が必要な書類は多岐にわたり、事業計画や資金の使途を詳細に説明するための創業計画書も作成する必要があるからです。

創業前の申し込みによって早期に資金を確保できると、開業準備の段階で資金不足に陥るリスクを下げられます。特に、初期コストを賄う必要がある場合は、開業届提出前後を上手に使い、融資手続きを余裕をもって行いましょう。

創業後の申し込み

すでに事業を始めている人の場合、創業融資の期間が2期目終了までに設定されていることが多いです。創業後3ヶ月以内に申し込みを行うと、事業計画と実際の初期売上との兼ね合いを示しやすく、審査において優位にはたらく可能性があります。

また、創業後にある程度売上が見込めている場合は、融資額を大きく設定できる場合もあります。しかし、早期の資金調達を逃すと、資金繰りが厳しくなるリスクが高まるため、慎重なスケジュール管理が欠かせません。

主な融資制度

創業融資には複数の制度があり、それぞれ特徴や条件が異なります。事業内容や事業規模に合わせて、最適な制度を検討することが大切です。2024年3月をもって日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は廃止され、現在では「新規開業資金」をはじめとした制度が中心的な選択肢となっています。以下では、代表的な融資制度を紹介します。

新創業融資制度(2024年3月に廃止)

従来は、創業前から創業後2期目終了までを対象とし、自己資金要件を満たせば、無担保・無保証人での利用も検討できるというメリットがありました。しかし、2024年3月をもって当制度は廃止され、同様の役割を担う「新規開業資金」へ一本化されています。
今後は、新規開業資金を活用するかたちで融資を受けるケースが一般的になるため、制度内容や適用条件をしっかり確認しておきましょう。

新規開業資金

新規開業資金は、創業後7年以内の比較的長い期間を対象とし、設備資金・運転資金の両面でサポートを受けられる制度です。かつては自己資金要件を満たさなければ利用が難しい場面もありましたが、現在はその要件は形式的に撤廃されています。とはいえ、一定の自己資金が創業支援の実質的な審査項目に入っているようですので、審査を通るためには、一定以上の自己資金を準備することをお薦めます。このように創業支援融資は、新創業融資制度の廃止にあわせて拡充され、無担保・無保証人で申し込めるケースや、返済期間の延長・利率の引き下げといった利用者に有利な変更が加えられています。

  • 設備資金: 店舗内装や機器購入など、初期投資に関連する費用
  • 運転資金: 仕入れ代金や人件費など、日常的な経営活動を維持するための費用

従来よりも長期返済が可能になったことで、創業初期のキャッシュフローを安定させやすい点が大きな魅力です。自己資金要件も事実上撤廃されているため、まとまった貯蓄がなくても申し込みを検討しやすくなっています。ただし、融資上限額や実際の審査内容は、事業計画書や信用状況によって変動するため、正確かつ緻密な計画と書類準備が欠かせません。

生活衛生新企業育成資金

生活衛生新企業育成資金は、飲食店や理美容業、クリーニング業など、生活衛生関連の事業を対象にしたものです。同じく創業後7年以内が一つの目安となっており、事業の必要性や社会的価値が重視されることがあります。

特に、衛生面での設備投資が求められる飲食業や医療・福祉関連事業の場合、専門性の高い計画書を作成する必要があるでしょう。公的機関による融資であるため、社会貢献要素や公共性をアピールすることも大切です。

申請から資金調達までの流れ

創業融資を実際に申し込み、資金調達を完了するまでにはいくつかのステップがあります。

申し込み

最初に行うのは、希望する創業融資を提供する機関に対する申し込みです。申し込みにあたっては、公庫や金融機関のホームページをチェックし、必要な書類を事前に確認しておきましょう。一般的な必要書類としては、創業計画書や収支予測表などが挙げられます。

書類を整える際には、審査担当者が理解しやすい構成を意識しましょう。事業の強みや将来性を分かりやすく記述し、数字に裏付けのある計画を示すことで、面談時の説明も明確に行えます。

面談から審査

申し込み書類が受理されると、担当者との面談日程が組まれることが一般的です。申し込みから面談までは、およそ3日から1週間程度かかるケースが多いので、早めに準備を進めておきましょう。面談では、事業ビジョンの具体性や返済能力が重点的にチェックされます。

面談は社長自身が中心となって対応しなくてはいけません。ですので、面談に向けてあらかじめ想定問答を用意し、経営への熱意を明確に伝えることが大切です。また、自己資金の内訳や事業経験の有無など、担当者から細かく質問されることもあるので、正確に答えられるようにしておきましょう。

内定連絡から契約書類の発行

面談から約1週間~10日後、融資審査の結果として内定連絡が入ることがあります。内定連絡を受け取った後は、契約書類の作成や、署名手続きを進める段階に移行します。なお、内定連絡から契約書類が手元に到着するまでに、5日~10日程度かかることが一般的です。

融資条件を再確認し、内容に問題がなければ速やかに手続きを完了します。融資額や返済期間、金利など、契約条件をしっかり理解しておかないと、後々の返済計画に支障をきたす可能性があるため、十分に検討しましょう。

融資実行まで

書類に署名・捺印した後は、金融機関側で最終的な手続きが行われ、融資が実行されます。契約書類発行から融資実行までは、約1週間~2週間かかることが多く、申し込みから最終的な振り込みまでの全体期間は、3週間~1ヶ月ほどと考えておきましょう。

スケジュールに余裕をもって計画を組むことで、運転資金に不安なく実際の事業をスタート・継続できます。想定外のトラブルが発生する場合もあるため、余裕をもって手続きを進めるのが望ましい方法です。

審査を通過するための注意点

融資審査をクリアするには、事業計画だけでなく経営者の意欲や信用情報など、さまざまな要素が評価されます。したがって、社長自身のことばで事業内容や事業の見通しを説明できることが極めて重要です。

自己資金の確保

融資を行う側は、自己資金がしっかり確保されているかを重視します。自己資金なしでは、資金繰りが立ち行かなくなるリスクが高いと判断されることが多いためです。事業へどの程度自己資金を投入しているかは、経営者の本気度を見る指標にもなります。

自己資金を十分に用意することで、審査通過率を高めるだけでなく、当初の運営を安定的に進められる利点もあります。まずは小規模でも貯蓄を積み重ねておき、事業に回せる余力をつくっておくようにしましょう。

創業計画書の作成

審査で重視される創業計画書には、事業のコンセプトや商品・サービスの特徴、顧客ターゲット、収支計画などを具体的に記載します。ここで重要なのは、計画が実現可能かつ根拠のある数字になっていることです。

収支予測においては、売上の成長見込みやコスト削減策などを示し、投資回収の見通しを明確にしておくと説得力が増します。客観的なデータや業界動向を引用しながら、事業の強みとリスクに適切に対処する内容を完成させましょう。

再申請に備える

もし審査に通らなかった場合でも、再申請が認められているケースは多くあります。ただし、再申請までに一定期間を要する場合があり、その間に事業計画や財務状況を再構築しなければいけないことがあります。

融資結果を振り返ることで、どこに問題があったのか分析し、改善策を講じることが大切です。再申請を成功させるためには、経営者自身の考え方の見直しや、専門家のアドバイスを得ることも視野に入れてみましょう。

創業融資を獲得するためのポイント

創業融資や助成金などの公的制度は公募期間や審査期間が存在するため、理想的なタイミングで資金を獲得するには早めに動かなければなりません。十分な時間を確保して書類作成や手続きを進めることが、審査を通過しやすくするため大切になります。

書類準備を早めに始める

開業前から融資を利用する場合は、少なくとも事業開始の2~3ヶ月前には書類の準備を始めると安心です。開業後の申請でも、早めに動くことで資本が底をつく前に資金を確保でき、事業継続を安定させられます。

計画的に情報を整理し、スケジュールを立て終わったら、必要書類をチェックリスト化して不備がないかを確認するようにしましょう。

不安が多い場合は専門家に相談する

税理士や行政書士、中小企業診断士といった専門家に相談することで、書類作成や審査対策のノウハウを得られます。非公開の要件や最新の情報をいち早くキャッチし、申請の完成度を高める手助けをしてくれるでしょう。

専門家の力を借りることで、融資獲得の可能性を大幅に引き上げるだけでなく、返済計画や節税方法など、経営の基盤づくりでもアドバイスを得られます。

複数の制度を事前に比較する

代表的な創業融資の制度を一つだけ調べて申し込むのではなく、複数の制度を横断的に比較してみるのがおすすめです。融資限度額や返済期間、金利優遇の有無など、制度ごとに差があります。

比較する過程で、他により適した選択肢が見つかる可能性もあるので、視野を広げることが大切です。そのうえで、自社の状況や将来の計画に合ったベストな組み合わせを見出せれば、長期的な事業発展が見込めます。

まとめ

ここまで、創業融資の期間や申請手続きの流れ、審査を通過するためのポイントなどを解説しました。創業融資を受けるためには、申し込みや審査に向けて早めに情報を集めて正しいステップを踏むことが重要です。

ぜひ本記事を参考に、創業融資の申し込みを検討してみてください。

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監修者 三坂大作
監修者 三坂大作

略歴
1961年 横浜市生まれ
1985年 東京大学法学部卒業
1985年 三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
1985年 同行 表参道支店:法人融資担当
1989年 同行 ニューヨーク支店:コーポレートファインス非日系 取引担当
1992年 三菱銀行退社
資格
貸金業務取扱主任者(第F231000801号)
経営革新等支援機関認定者
東京大学法学部を卒業後、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入社。
法人融資の専門家として、国内での金融業務に従事し、特にコーポレートファイナンス分野において豊富な経験を誇る。
同行に関して、表参道支店では法人融資を担当し、その後ニューヨーク支店にて非日系企業向けのコーポレートファイナンス業務に従事。
法人向け融資の分野における確かな卓越した知見を踏まえ、企業の成長戦略策定、戦略、資金調達支援において成果を上げてきました。
金融・経営戦略の専門家として、企業の持続的な成長を支える実務的なアドバイスを提供し続けています。
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