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決算書の適正性を高めるポイントを徹底解説!信頼される財務資料の作成術

決算書は、金融機関や取引先にとって企業の信頼性や財務状況を判断する重要な資料です。

しかし、「粉飾決算ではないか」と疑われたり、不本意な評価を受けたりするケースも少なくありません。

本記事では、決算書の適正性を確保し、金融機関や取引先からの信頼を得るための具体的なポイントを解説します。

決算書の適正性を確保するために

決算書の下方修正を避けるための基本的な留意点

金融機関の審査担当者は、会社が提出する決算書を保守的に評価することがあります。

これにより、業績や業況が下方修正され、金融支援が否決される場合も少なくありません。

こうした下方修正を回避し、正当な評価を得るためには、事前準備が欠かせません。

 

まずは、決算書の基本的な数値推移を確認し、異常値と見なされる可能性のある項目について説明資料を作成することが重要です。

この取り組みにより、審査担当者が誤解を抱くリスクを減らせます。

 

金融機関から「粉飾」と疑われないためのポイント

金融機関の審査担当者は、決算書の異常値を分析する際に、過去の決算書や同業他社の標準数値との比較を行います。

 

このプロセスで、以下のような異常値が「粉飾」と疑われる可能性があります:

 ・粗利の急激な増加

 ・棚卸資産の異常な増加

 ・売上債権回転期間の長期化

 ・売上債権と支払債務の収支ズレ

 

これらの数値変動の背景には、取引条件や事業内容の変更が影響している場合があります。

そのため、決算期変更や新規事業開始などによる影響を説明する資料を準備することで、誤解を避けられるでしょう。

 

比較分析の重要性

過去決算との比較による異常値の発見と対応

過去決算との比較は、異常値を迅速に特定するための重要な手法です。

表計算ソフトを活用し、過去のデータと比較することで、どの勘定科目に大きな変動があるかを把握します。

 

例えば、棚卸資産の急増が見られた場合、その理由を特定し、臨時在庫の発生背景を明示することで説明の信頼性を高めます。

 

同業他社比較を活用した財務数値の確認

同業他社との比較も重要な分析手法です。

「経営自己診断システム」などの無料ツールを利用し、自社の財務数値を同業他社の中央値や上位値と比較することで、異常値を特定できます。

このようなデータを用いて、自社の財務体質の健全性をアピールすることが効果的です。

 

決算書に関する具体的な説明ポイント

売上債権、支払債務、在庫、減価償却費、貸倒引当金の留意点

決算書の主要項目には、以下のような留意点があります:

 ・売上債権:決算直前のスポット売上や回収期間延長の説明が必要

 ・支払債務:支払期間短縮や未計上の要因を明示

 ・在庫:大口契約や臨時在庫の発生背景を詳細に記載

 ・減価償却費:法定限度額での計上を遵守

 ・貸倒引当金:法定繰入率に基づいた適正な計上

 

審査担当者が注目する重要勘定科目への対応策

審査担当者が特に注目する勘定科目については、事前に適切な説明資料を準備し、質問への対応力を高める必要があります。

不良在庫や架空在庫の疑いを晴らすために、実棚精査や販売契約書の提示も重要です。

 

適正性を示すための制度の活用

会計参与と書面添付制度の活用メリット

会計参与を設置することで、決算書の信頼性が向上します。

さらに、税理士法に基づく「書面添付制度」を活用すれば、税務申告の適正性を金融機関に示せます。

これにより、金利減免などの恩恵を受ける可能性も広がります。

 

中小会計要領チェックリストの利便性

中小企業向けの会計ルールに基づくチェックリストは、規則への準拠状況を簡便に確認する手段です。

このリストを添付することで、決算書の適正性をより手軽に証明できます。

 

税理士・公認会計士の役割と選定の重要性

専門家の選定基準と事業実態に合った打ち合わせの必要性

決算書の適正性を確保するためには、税理士や公認会計士との連携が不可欠です。

特に複数の事業を展開している場合や複雑な取引条件がある場合には、専門家との綿密な打ち合わせを行い、実態に即した正確な決算書を作成することが重要です。

 

まとめ

本記事では、決算書の適正性を確保するための基本的なポイントから、比較分析の重要性、具体的な説明ポイント、さらに適正性を示すための制度や専門家の選定の重要性について詳しく解説しました。

これらの取り組みは、企業の信頼性を高め、金融機関や取引先との関係を良好に保つために不可欠です。

 

しかしながら、これらの対策を全て適切に実行するためには、専門知識や分析力が求められ、自社だけで対応するのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

 

そんな企業様のために、HTファイナンスはお力になります。

HTファイナンスでは、決算書や財務内容の適正化について専門的なアドバイスを提供し、企業が金融機関からの評価を向上させるための支援を行っています。

 

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監修者 三坂大作
筆者 三坂大作

略歴
1961年 横浜市生まれ
1985年 東京大学法学部卒業
1985年 三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
1985年 同行 表参道支店:法人融資担当
1989年 同行 ニューヨーク支店:コーポレートファインス非日系 取引担当
1992年 三菱銀行退社 株式会社プラネス設立代表取締役就任
2021年 ヒューマントラスト株式会社 取締役就任

貸金業務取扱主任者を保有。
大手金融機関の法人担当を国内外で担当した後、お客様企業の経営戦略を中心としたコンサルティング事業を推進。
2021年にヒューマントラスト株式会社の統括責任者 取締役に就任。
上場企業・中小企業含めて300社以上、30年以上の支援実績がある法人企業向け融資のプロフェッショナル。
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