2025.04.18
事業者の方は必見!銀行の種類ごとの違いや賢い利用方法について解説
「事業資金を調達したいけど、どの銀行を選べばいいのだろう?」「メガバンクと地方銀行、信用金庫など、どれが自分の事業に合っているのか分からない」といった悩みを抱える経営者や個人事業主の方は少なくありません。銀行にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や得意分野が異なります。
この記事では、メガバンクから地方銀行、信用金庫、政府系金融機関まで、さまざまな銀行の種類とその特徴を解説します。さらに、事業のステージや目的に応じた最適な銀行の選び方や、活用方法についても詳しく紹介します。
銀行の種類による融資の違い
日本にはさまざまな種類の銀行があり、それぞれが異なる特性や強みをもっています。
都市銀行(メガバンク)
都市銀行、いわゆるメガバンクは、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などの大手銀行を指します。全国に支店網をもち、海外にも進出している大規模な金融機関で、広範なネットワークを活かしたサービスを提供しています。
メガバンクは、主に大企業向けの融資に強みをもっており、中小企業や個人事業主に対しては比較的厳しい審査基準を設けていることが多くあります。しかし、取引実績を積み重ねることで信用力の向上や事業拡大につながる可能性があり、成長するビジネスにとって有利に働くこともあります。
資金力が豊富なため大規模な融資も可能であり、国際的な取引や為替関連のサービスも充実しています。事業の拡大期や海外展開を視野に入れている場合に、メガバンクの強力なサポートを受けることができるため、検討する価値があるでしょう。
地方銀行
地方銀行は、特定の地域に根ざした金融機関で、第一地方銀行と第二地方銀行(旧相互銀行)に分類されます。地域の経済発展を支える、重要な役割を担っています。
地方銀行の大きな特徴は、地域密着型のサービス提供にあります。地元の中小企業や個人事業主に対して、メガバンクよりも柔軟な融資姿勢をもつことが多くあります。
地元の経済状況や業界事情に詳しいため、事業内容の理解度が高く、適切なアドバイスが受けられることもメリットです。ただし、銀行によって経営基盤に差があるため、取引前に財務状況などを確認しておくことが望ましいでしょう。
信用金庫・信用組合
信用金庫と信用組合は、協同組織金融機関と呼ばれる金融機関です。会員や組合員による相互扶助を基本理念としており、地域や業界に密着したサービスを提供しています。
これらの金融機関は、特に小規模企業や個人事業主への対応に強みがあります。少額融資や創業支援に積極的であり、地域経済の活性化に貢献しています。
信用金庫と信用組合の違いは、信用金庫が地域の中小企業や住民を対象としているのに対し、信用組合はさらに限定された同業種の事業者や特定の地域住民を対象としている点にあります。金利は都市銀行や地方銀行よりも若干高めに設定されていることが多いですが、きめ細かなサービスと融資の柔軟性が魅力です。
インターネット銀行と従来型銀行の比較
デジタル化が進む現代において、インターネット銀行(ネット銀行)の存在感が増しています。従来型の銀行と比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。
インターネット銀行のメリット
ネット銀行は、実店舗をもたないオンライン完結型の銀行です。住信SBIネット銀行、楽天銀行、ソニー銀行などが代表的な例として挙げられます。
ネット銀行の最大の特徴は、低コスト運営を活かした手数料の安さにあります。振込手数料や口座維持費が無料または低額であることが多く、経費削減を重視する事業者にとって大きなメリットとなります。
また、24時間365日取引が可能であり、店舗に行く時間を節約できる点も忙しい経営者や個人事業主には魅力的です。オンラインでの資金管理やレポート機能も充実しており、経理業務の効率化にも貢献します。
ただし、融資や専門的な金融相談については、対応が限られることがあるため、他の金融機関と併用することをおすすめします。日常的な資金管理や決済用としてネット銀行を活用し、融資や専門的なアドバイスは従来型の銀行を利用するといった使い分けが効果的です。
従来型銀行のメリット
従来型の銀行がもつ、実店舗ならではのメリットも見逃せません。特に複雑な資金調達や事業計画の相談においては、対面でのコミュニケーションが大きな価値をもちます。
担当者と直接会って話すことで、関係性の構築が容易になり、長期的な取引において有利に働くことがあります。また、緊急時の対応や特殊な取引においても、実店舗があることで安心感が違います。
特に創業間もない事業者や、事業拡大期において融資を検討している場合は、実店舗をもつ銀行との関係構築が重要です。事業の状況を詳しく説明し、将来性をアピールする機会を得られることで、融資の可能性が高まることもあります。
専門性の高い銀行の種類
一般的な銀行の他にも、特定の分野に特化した専門性の高い銀行があります。これらの銀行は、特定のニーズに応える独自のサービスを提供しています。
信託銀行
信託銀行は、三菱UFJ信託銀行や三井住友信託銀行などが代表的な金融機関です。通常の銀行業務に加えて、信託業務を行うことができる特殊な銀行で、個人から法人まで幅広いニーズに対応しています。
信託銀行の主なサービスには、資産管理や事業承継に関するものがあります。特に、事業承継や相続対策を検討している経営者にとって、貴重なアドバイスやサービスを受けることができ、専門的なサポートが期待できます。
また、不動産の管理や証券管理など、専門性の高い資産管理サービスも信託銀行の強みです。長期的な視点での資産形成や事業計画を考える際に、信託銀行のサービスを検討する価値があり、より効率的な資産運用が可能となります。
労働金庫(労金)
労働金庫(ろうきん)は、労働組合や生活協同組合などの会員団体とその構成員を対象とした協同組織金融機関です。主に、勤労者の生活向上を目的としており、金融サービスを通じて社会貢献をしています。
労働金庫は、一般的に個人向けローンに強みをもっていますが、会員団体に所属する個人事業主も利用できる場合があります。低金利の融資制度やきめ細かな相談サービスが特徴で、事業主にとっても非常に有利な選択肢となることが多いものです。
ただし、労働金庫の利用は、所属する組合や団体を通じてのみ可能なケースが多く、すべての個人事業主が利用できるわけではありません。自身が、該当する団体に所属しているかどうかを確認してみると良いでしょう。もし該当する場合は、利用方法や条件について詳細に確認することをおすすめします。
政府系金融機関
政府系金融機関には、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫や商工組合中央金庫などがあります。これらは国の政策に基づいて中小企業や個人事業主の支援を行う特殊な金融機関です。
日本政策金融公庫は、特に創業時の資金調達に強みをもっており、民間の金融機関では対応が難しい案件にも柔軟に対応してくれることがあります。創業融資や小規模事業者向けの融資制度が充実しています。
また、災害時の緊急融資や特定産業の育成を目的とした融資など、政策と関連した融資制度も多数用意されています。民間金融機関との協調融資も可能であり、複数の金融機関から資金調達を行う際に検討する価値があります。
事業規模・成長段階に応じた銀行の選び方
事業の規模や成長段階によって、最適な銀行は異なります。自社の状況に合わせた銀行選びのポイントをみていきましょう。
創業期に適した銀行
創業間もない企業や個人事業主にとって、資金調達は大きな課題です。この時期に適した銀行選びが、将来の事業発展に影響します。
創業期には、地域に密着した金融機関が適していることが多くあります。信用金庫や地方銀行は、地域経済の活性化を使命としており、地元の創業者を支援する姿勢が強い傾向にあります。
また、日本政策金融公庫の創業融資制度も、創業者には大きな味方となります。創業計画書さえしっかりしていれば、実績がなくても融資を受けられる可能性があるためです。
取引開始の際には、事業計画を丁寧に説明し、定期的なコミュニケーションを心がけましょう。信頼関係の構築が、将来的な融資の可能性を高めます。
成長期・安定期に適した銀行
事業が軌道に乗り始めた成長期や安定期には、より多様な銀行サービスを活用することが可能になります。この段階では、事業の拡大や効率化を支援してくれる銀行を選ぶことが重要です。
成長期には、運転資金や設備投資のための資金需要が高まります。地方銀行やメガバンクが提供する、事業拡大向けの融資制度を活用することで、計画的な事業展開が可能になります。
また、この時期には資金管理の効率化も重要になってきます。キャッシュマネジメントサービスや、売上金の自動回収サービスなど、業務効率化に貢献するサービスも検討しましょう。
複数の銀行と取引関係をもつことで、リスク分散や交渉力の向上にもつながります。ただし、あまりに多くの銀行と取引すると管理が煩雑になるため、2〜3行程度に絞ることが現実的です。
事業拡大・海外展開時に適した銀行
事業の大規模な拡大や海外展開を視野に入れる段階になると、より専門的なサービスや大規模な融資が必要になります。この時期に適した銀行選びのポイントをみていきましょう。
海外展開を計画している場合は、国際的なネットワークをもつメガバンクが適しています。海外送金や外貨取引、現地での口座開設支援など、国際業務に関するサポートが充実しているためです。
大規模な設備投資や買収・合併を計画している場合も、資金力のあるメガバンクや都市銀行が有利です。シンジケートローン(複数の銀行による協調融資)などの大型融資にも対応可能です。
ただし、メガバンクとの取引を始める際には、ある程度の事業実績や財務基盤が求められることが一般的です。取引開始前に自社の財務状況を整理し、説得力のある事業計画を準備しておくことが重要です。
銀行選びの判断基準
銀行を選ぶ際には、いくつかの重要な判断基準があります。自社のニーズに合った銀行を選ぶために、以下のポイントを検討しましょう。
金利・手数料の比較
銀行選びで重要な決め手の一つが、金利や手数料の条件です。これらは直接的にコストに影響するため、慎重に比較検討する必要があります。
融資の金利については、表面的な金利だけでなく、実質的な金利負担を確認することが重要です。事務手数料や保証料なども含めた総コストで比較しましょう。
また、口座維持手数料や振込手数料、ATM利用料なども忘れずに計算に入れましょう。特に取引頻度が高い業務については、手数料の差が積み重なると大きな差になることがあります。
金利や手数料は、交渉の余地がある場合もあります。特に取引実績が長い場合や、複数のサービスを利用している場合は、優遇条件を相談してみてもよいでしょう。
融資への対応力
銀行によって、融資に対する姿勢や審査基準は大きく異なります。自社の状況に合った融資対応力をもつ銀行を選ぶことが重要です。
融資審査では、財務状況はもちろん、事業の将来性や経営者の資質なども評価されます。特に、業界特性を理解している銀行を選ぶことで、適切な評価を受けられる可能性が高まります。
また、無担保・無保証での融資に対応可能かどうかも重要なポイントです。創業間もない企業や個人事業主の場合、担保となる資産が限られていることも多いため、このような融資制度があるかどうかを確認しておくとよいでしょう。
緊急時の対応力も重視すべき点です。急な資金需要が生じた際に、迅速に対応してくれる銀行があると安心です。平時からの関係構築が、緊急時の対応にも影響します。
付加サービスの充実度
銀行は融資や預金といった基本的なサービス以外にも、さまざまな付加サービスを提供しています。これらのサービスを上手に活用することで、事業の効率化や成長につなげることができます。
多くの銀行では、経営相談やセミナーなどの非金融サービスを提供しています。財務管理の改善や事業戦略の構築に役立つアドバイスが得られることがあります。
また、ビジネスマッチングサービスも注目すべきサービスです。銀行のネットワークを通じて、新たな取引先や提携先を紹介してもらえる可能性があります。特に地方銀行や信用金庫は、地域内のネットワークが強いため、地元での事業展開に役立ちます。
キャッシュマネジメントサービスや資金繰り管理ツールなど、業務効率化につながるデジタルサービスも充実してきています。これらのサービスを活用することで、経理業務の負担軽減や資金効率の向上が期待できます。
複数銀行の使い分けや併用のポイント
事業の成長に伴い、一つの銀行だけと取引するのではなく、複数の銀行と取引をもつケースが増えてきます。
メインバンクとサブバンクの使い分け
複数の銀行と取引がある場合、メインバンクとサブバンクを明確に位置づけることで効率的な銀行取引が可能になります。
メインバンクは主な資金調達先であり、最も密接な関係を構築すべき銀行です。財務状況の詳細な開示や経営方針の共有など、深い信頼関係を築くことで、緊急時の支援も期待できます。
一方、サブバンクはリスク分散や特定のサービス利用を目的とした補完的な役割を担います。例えば、海外取引に強い銀行、ネット決済に便利な銀行、特定の業界に強い銀行など、特色に応じた使い分けが効果的です。
ただし、あまりに多くの銀行と取引すると、管理コストが増大してしまいます。各銀行との取引目的を明確にし、必要最小限の関係に整理することは常に心がけましょう。
複数銀行との取引
複数の銀行との取引がある場合、それらを効率的に管理することが重要です。
まず、各銀行口座の役割を明確化することが大切です。例えば、売上入金用、仕入れ支払い用、税金支払い用など、目的別に口座を区分すると管理がしやすくなります。
また、銀行取引を一元管理できる会計ソフトやクラウドサービスの活用も効果的です。銀行APIと連携したサービスを利用することで、複数口座の残高や取引履歴を一括確認できるようになります。
定期的な取引銀行の見直しも忘れてはなりません。各銀行との取引状況や条件を年に一度は評価し、必要に応じて取引内容の調整や銀行の入れ替えを検討するようにしましょう。
まとめ
銀行は、事業で必要な資金の調達先の第一候補となるため、慎重に選ぶ必要があります。メガバンクから地方銀行、信用金庫、政策金融公庫、ノンバンクまで、それぞれに特徴と強みがあります。
創業期には地域密着型の金融機関や政策金融公庫、成長期にはサービスの充実した地方銀行やメガバンク、海外展開時には国際的なネットワークをもつメガバンクというように、事業の成長に合わせて付き合う銀行を変えるといった利用方法も考えられます。
自社の事業規模や成長段階、業種特性を踏まえたうえで最適なものを選びましょう。
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