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キッチンカー開業に役立つ補助金は?申請方法と気を付けるべきポイントを紹介

キッチンカーでの開業を検討している方にとって、初期費用の負担は大きな悩みでしょう。車両の購入や改装、調理設備の導入など、開業にあたっては相当の資金が必要です。しかし、国や自治体が提供する補助金や助成金を活用することで、この必要資金を補いながらキッチンカーを開業することが可能です。

本記事では、キッチンカービジネスを始める際に申請できる補助金の種類、申請方法、活用するためのポイントを詳しく解説します。また、実際に補助金を利用して成功した事例も紹介しますので、これからキッチンカーでの独立を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

キッチンカー開業に活用できる補助金制度

キッチンカー開業にあたって利用できる補助金制度は、何個かあります。それぞれの補助金には対象者や補助額、対象経費などに違いがあるため、自分の事業に合った制度を選ぶことが重要です。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、個人事業主や小規模事業者の販路開拓や業務効率化などの取り組みを支援する制度です。キッチンカー事業者にとって、特に活用しやすい補助金の一つとなっています。

対象となるのは、常時使用する従業員が、商業・サービス業では5人以下、製造業・その他の業種では20人以下の事業者です。最大250万円まで補助が受けられるため、キッチンカーの開業時の大きな支援となります。

補助率は経費の2/3となっており、対象経費には車両改造費(車両購入費は対象外)、広告宣伝費、販促品制作費(チラシ、看板、ウェブサイト等)が含まれます。ただし、車両本体の購入費用は対象外となっているため、注意が必要です。

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者等が取り組む、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する制度です。

対象者は、国内中小企業やNPO法人で、補助率は1/2~2/3、補助額は最大3,000万円となっています。キッチンカー事業における、調理設備や内装改装費などが対象経費となります。革新的な調理方法や特殊な設備を導入する場合に有効な補助金です。

例えば、従来の調理方法よりも効率的に調理できる特殊な調理機器や、エネルギー効率の高い設備の導入などが補助対象となる可能性があります。ただし、この補助金も車両購入費は対象外となっています。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、コロナ禍の影響を受けて新しい事業や業態への転換を図る事業者を支援する制度です。飲食店から業態転換して、キッチンカー事業を始める場合などに活用できます。

対象者は業態転換を図る既存事業者で、補助率は1/2~3/4、補助額は最大1億円(事業規模・枠による)となっています。調理設備費、広告宣伝費、外注費などが対象経費となりますが、車両購入費は原則対象外です。

事業再構築補助金は、既存の飲食店がキッチンカー事業に参入する場合に特に有効な補助金であり、通常枠から低感染リスク型ビジネス枠まで、複数の申請枠があります。自社の状況に合った枠を選択することが重要です。

中小企業新事業進出促進事業(令和7年度新設)

令和7年度から新設された中小企業新事業進出促進事業は、中小企業の新市場・新事業進出を支援する制度です。キッチンカービジネスを新たに展開する企業にとって、活用できる可能性があります。

補助率は1/2、補助額は最大7,000万円(特例あり)となっており、調理設備や内装工事費、広告宣伝費などが対象経費となります。新たな市場を開拓するキッチンカー事業に適した補助金といえるでしょう。

補助金申請の流れ

補助金の申請は手続きが複雑で、審査も厳しいケースが多いため、しっかりとした準備と戦略が必要です。

書類作成

補助金申請において、書類の内容は審査結果を大きく左右します。特に、事業計画書は申請の核となる重要な書類です。

事業計画書では、市場分析、収支計画、成長戦略などを明確に示す必要があります。具体的な数字と根拠を示すことで説得力が増します。例えば、「地域の人口構成や競合店の状況から、1日の平均客数を○○人と見込み、客単価○○円で月商○○万円を計画」といった具体的な記述が効果的です。

また、補助金の活用目的と地域や顧客層への具体的貢献をアピールすることも重要です。単に「売上を増やしたい」ではなく、「地域の食文化を活性化させる」「地元食材の消費促進に貢献する」など、社会的意義を含めた目的を示すとよいでしょう。

その後の流れ

補助金の申請から交付までには、一定の流れとスケジュールがあります。計画的に進めることで、スムーズな申請と交付が可能になります。

一般的な申請の流れとしては、まず申請の2~3ヶ月前から書類準備を始めます。早めの準備が成功の鍵となります。特に、事業計画書は何度も見直しと修正を行うことが多いため、十分な時間を確保しましょう。

申請書提出は、締切の1ヶ月前までに行うことをおすすめします。提出直前になって書類の不備がみつかることもあるため、余裕をもったスケジュールを組むことが重要です。

申請後は審査・面接が行われ、これには約1~2ヶ月かかります。審査通過後、採択結果通知を受け取り、契約締結へと進みます。

最終的には事業実施後に報告書を提出し、補助金が交付されます。なお、補助金交付後も一定期間の経過報告が必要となる場合がありますので、その点も計画に含めておきましょう。

  1. 書類準備(申請2~3ヶ月前)
  2. 申請書提出(締切1ヶ月前まで推奨)
  3. 審査・面接(約1~2ヶ月)
  4. 採択結果通知、契約締結
  5. 事業実施
  6. 報告書提出
  7. 補助金交付
  8. 経過報告(必要に応じて)

補助金申請時のポイント

補助金を申請する際は、不備のない書類を期限内に提出することや、必要に応じて専門家に相談しながら手続きを行うことが重要になります。

正確な書類を期限内に提出する

提出期限は必ず守るようにしましょう。多くの場合、期限に遅れた申請は即座に失格となり、そこまでの努力がすべて無駄になる可能性があります。そのため、余裕をもったスケジュール管理が極めて重要となります。

理想的なのは、申請締切の少なくとも1ヶ月以上前から準備を開始することです。それによって、必要な書類の収集、内容の確認、最終的な調整に十分な時間を確保できます。

さらに、書類間の正しさや一貫性(計画書、見積書、資金計画書)を必ず確認し、不備や矛盾点は事前に修正しておくことが重要です。複数回のチェックを行うことをおすすめします。

補助金の対象を把握しておく

補助金を申請する際は、その対象範囲を明確に把握することが非常に重要です。補助金には、それぞれ異なる支援対象や条件がありますので、何が対象となり、何が対象外となるのかを事前に調べておくことが必要です。これにより、無駄な申請を避け、最も適した補助金を選んで申請することができます。

特にキッチンカー事業においては、車両購入費用が多くの補助金で対象外となっていることに注意が必要です。改装費用は対象となることが多いものですが、車両そのものの購入費用は自己資金や融資で賄う計画を立てましょう。

専門家へ適宜相談する

補助金申請は、専門知識が必要な分野です。初めて申請する場合は、特に、専門家のサポートを受けることで成功率を高めることができます。

行政書士、中小企業診断士、税理士などの専門家に相談することで申請書類の精度を上げられます。彼らは多くの申請サポート経験をもっているため、審査のポイントを熟知しています。

専門家への相談費用は発生しますが、数百万円の補助金獲得につながる可能性を考えると、十分に投資する価値があるといえるでしょう。また、商工会議所や商工会では、無料または低額で相談できるサービスもあるため、積極的に活用することをおすすめします。

キッチンカー開業の補助金申請に必要な書類

補助金申請には多くの書類が必要となり、またスケジュール管理も重要です。ここでは、キッチンカー事業者が補助金申請を行う際に準備すべき書類と、申請から交付までの一般的なスケジュールを解説します。

一般的に必要な書類

補助金申請に必要な書類は、補助金の種類によって異なりますが、一般的に以下のような書類が求められます。早めに準備を進めることが重要です。

まず、事業計画書が必要です。これには事業目的、市場分析、収支計画などを詳細に記載します。事業計画書は審査の中心となる重要書類ですので、十分な時間をかけて作成しましょう。

また、見積書・契約書(車両改造・設備等)も必要です。複数の業者から見積もりを取得し、適正価格であることを示すとよいでしょう。

その他必要になる可能性のある書類

その他に必要な書類としては、法人の場合は登記簿謄本、資金計画書、各種許認可書類(食品衛生許可等)などがあります。これらの書類は、入手に時間がかかることもあるため、余裕をもって準備することをおすすめします。

必要書類 概要 準備期間の目安
事業計画書 事業目的、市場分析、収支計画等 2~4週間
見積書・契約書 車両改造・設備等の費用明細 1~2週間
登記簿謄本 法人の場合のみ 1週間程度
資金計画書 資金調達方法の詳細 1~2週間
許認可書類 食品衛生許可等 2~4週間

キッチンカー開業に必要な費用

キッチンカーの開業には、相当の初期投資が必要です。一般的な開業費用や、それに対して補助金をどのように活用できるかは、事前に検討すべきでしょう。

開業時にかかる費用

キッチンカーを開業する際には、様々な費用がかかります。主な項目とその概算を把握しておくことが重要です。

最も大きな費用となるのが車両購入・改装費用で、通常300〜500万円程度かかります。車両のタイプや改装の程度によって大きく変動するため、事前に複数の専門業者から見積もりを取ることをおすすめします。

次に、調理設備・器具購入費が、50〜300万円程度必要です。提供するメニューによって必要な設備は異なりますが、多機能な調理器具を選ぶことで効率的な運営が可能になります。

その他、営業許可取得費(2万円程度)、食品衛生責任者取得費(1万円程度)、販促費用(チラシ、看板等:10~100万円)なども必要となります。これらを合計すると、キッチンカー開業には、概ね400~900万円程度の初期投資が必要と考えられます。

費用項目 概算金額 補助金対象可否
車両購入費 200~300万円 多くの場合対象外
車両改装費 100~200万円 対象となることが多い
調理設備・器具 50~300万円 対象となることが多い
営業許可取得費 2万円程度 対象外が多い
食品衛生責任者取得費 1万円程度 対象外が多い
販促費用 10~100万円 対象となることが多い

複数の資金調達手段を組み合わせる

キッチンカー開業にあたっては、自己資金、補助金、融資などをバランスよく組み合わせることが重要です。それぞれの特性を理解し、最適な資金調達計画を立てましょう。

一般的には、初期費用の30~50%を自己資金、残りを補助金・融資で調達するのが理想的とされています。自己資金の割合が高いほど審査に有利になる傾向があります。

補助金は返済不要なので非常に有利な資金源ですが、申請から交付までに時間がかかるため、短期的な資金需要には対応できません。また、前述の通り車両購入費は対象外となることが多いため、この部分は自己資金や融資で賄う必要があります。

融資は、日本政策金融公庫の新創業融資制度や自治体の制度融資などを活用することで、比較的低金利で資金を調達できる可能性があります。キッチンカー事業は移動販売という特性上、担保となる不動産がなくても事業計画次第で融資を受けられるケースもあります。

キッチンカー開業で補助金を申請する際のよくある質問

キッチンカー事業のための補助金申請において、多くの方が抱える疑問に答えます。実際の申請を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

車両購入費用は補助対象になりますか?

キッチンカーの開業における最大の費用である車両購入費については、多くの方が補助金の対象になるか気になるところです。

結論からいうと、ほとんどの補助金制度において、車両購入費そのものは原則として補助対象外となっています。これは小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金のいずれにも当てはまります。

ただし、すでに保有している車両や別途購入した車両の改造費用(内装工事や調理設備の設置など)は、補助対象となるケースが多くあります。車両購入費は自己資金や融資で賄い、その他の費用を補助金でカバーするという計画を立てることをおすすめします。

補助金は事前に受け取れますか?

補助金の交付タイミングについても、よく質問が寄せられます。補助金は、基本的に事業完了後の交付となるのでしょうか。

多くの補助金制度では、原則として事業完了後の精算払いとなっています。つまり、まず自己資金で事業を実施し、完了報告後に補助金が交付される仕組みです。

ただし、一部の補助金では、概算払い(一部前払い)制度を設けているケースもあります。これは、資金繰りが厳しい事業者向けの措置ですが、適用条件が厳しく、手続きも複雑なことが多いものです。

計画段階では、補助金は事業完了後に受け取るものと想定し、それまでの資金繰りを十分に検討しておくことが重要です。つなぎ融資の活用なども視野に入れておくとよいでしょう。

採択されやすい申請書の書き方はありますか?

補助金申請で最も重要なのは申請書、特に事業計画書の内容です。採択率を高めるためのポイントをご紹介します。

地域社会への貢献や独自性を明確に示すことが重要です。単なる売上向上や利益確保だけでなく、地域の課題解決やニーズへの対応など、社会的意義のある事業計画を示しましょう。

例えば、地元食材の活用による地域経済活性化、移動販売による買い物弱者支援、地域イベントへの積極参加による地域交流の促進など、キッチンカーだからこそできる地域貢献の仕方を具体的に記載すると効果的です。

また、数値目標を具体的に設定することも重要です。「売上を増やす」ではなく「初年度月商○○万円、2年目に○○万円」など、具体的な数値目標とそれを達成するための施策を明記しましょう。さらに、それらの数値の根拠(市場規模、競合状況、自社の強みなど)も併せて説明すると、説得力が増します。

まとめ

キッチンカー事業を始める際、補助金の活用は初期費用の負担を軽減する大きな助けとなります。本記事でご紹介した内容を踏まえ、最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

キッチンカーの開業に活用できる主な補助金としては、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金などがあります。それぞれ対象者や補助率、対象経費が異なるため、自身の事業計画に合った制度を選ぶことが重要です。

本記事を参考に、最適な補助金をみつけ、キッチンカーの開業に活用しましょう。補助金の情報は常に更新されるため、最新情報をこまめにチェックすることも心がけましょう。

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監修者 三坂大作
監修者紹介
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役
三坂 大作(ミサカ ダイサク)

経歴
1985年 東京大学法学部卒業
1985年 三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
1989年 同行ニューヨーク支店勤務
1992年 三菱銀行退社、資金調達の専門家として独立
資格・認定
経営革新等支援機関:認定支援機関ID:1078130011
ヒューマントラスト株式会社:資格者 三坂大作
貸金業登録番号:東京都知事(1)第31997号
ヒューマントラスト株式会社:事業名 HTファイナンス
貸金業務取扱主任者:資格者 三坂大作
資金調達の専門家として企業の成長を支援
資金調達の専門家として長年にわたり企業の成長をサポートしてきました。東京大学法学部を卒業後、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、国内業務を経験した後、1989年にニューヨーク支店へ赴任し、国際金融業務に従事。これまで培ってきた金融知識とグローバルな視点を活かし、経営者の力になることを使命として1992年に独立。以来、資金調達や財務戦略のプロフェッショナルとして、多くの企業の財務基盤強化を支援しています。 現在は、ヒューマントラスト株式会社の統括責任者・取締役として、企業の資金調達、ファイナンス事業、個人事業主向けファクタリング、経営コンサルティングなど、多岐にわたる事業を展開。特に、経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や資金調達のアドバイスを提供しています。また、東京都知事からの貸金業登録(登録番号:東京都知事(1)第31997号)を受け、適正な金融サービスの提供にも力を注いでいます。
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