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2025.06.03

借金があっても個人事業主になれる?開業する際の具体的な流れや対策を紹介

借金を抱えたまま、独立してビジネスを始めたいと考えている方がいるかもしれません。しかし、現在借金があることで、「個人事業主として開業できるのだろうか」、「開業資金はどう調達すればよいのか」、といった不安を感じている方は多いでしょう。

結論として、借金があっても個人事業主として開業することは可能です。ただし、借金の状況や返済状況が、開業時の融資審査や資金調達に影響を与える場合があります。

この記事では、借金がある状態でも個人事業主として開業する方法や、開業資金を調達するための具体的な方法について詳しく解説します。また、日本政策金融公庫などの公的融資を受けるためのポイントも紹介します。

借金があっても個人事業主になれる理由

借金があるからといって、個人事業主になれないわけではありません。まずは、その理由と基本的な考え方を理解しましょう。

個人事業主の開業に法的制限はない

個人事業主として開業すること自体には、法律上の制限がありません。開業届の提出は誰でも行うことができ、借金の有無はこのプロセスには影響しません。

個人事業主として開業する際の基本的な手続きは、税務署への開業届の提出です。この手続きにおいて、過去の借金や信用情報についての審査はありません。

開業届の提出は借金の有無に関わらず可能であり、これが提出できれば、法的には個人事業主としての活動を始めることができます。

住宅ローンや自動車ローンなどの影響

住宅ローンや自動車ローンなどの、目的が明確な借金は、個人事業主になる際の障壁にはなりにくいものです。これらは、生活基盤を整えるための借金と見なされる傾向があります。

住宅ローンは、長期的な返済計画が立てられており、毎月の返済額も明確です。自動車ローンも同様に、目的が明確で計画的な返済が行われていることが多いため、これらの借金があることで、必ずしも個人事業主としての活動が制限されるわけではありません。

むしろ、これらのローンを滞りなく返済している実績は、自身の信用力を示す一つの要素となりえます。計画的な返済履歴は融資審査でプラス評価されることがあるからです。

消費者金融からの借入がある場合の影響

消費者金融からの借入がある場合は、住宅ローンなどと比べて少し慎重な対応が必要です。消費者金融からの借入は、使途が自由であることから、事業資金の審査において詳しく確認される場合があります。

ただし、消費者金融からの借入があるというだけで、個人事業主になれないわけではありません。重要なのは、その借入の返済状況です。

返済が滞りなく行われており、総量規制(年収の3分の1以上の借入ができない制限)の範囲内であれば、返済能力があることを示す資料を準備することで、開業資金の融資審査においても対応可能です。

借金がある状態で個人事業主を開業する流れ

借金がある状態でも、個人事業主として開業することは可能です。ここでは、具体的な開業の流れを説明します。

現在の借金状況を把握する

個人事業主として開業する前には、まず自身の現在の借金状況を正確に把握することが重要です。借入先、借入額、毎月の返済額、残りの返済期間などを整理しましょう。

信用情報機関(CIC、JICC、全銀協)から自身の信用情報を取得して、公式に記録されている借金の状況を確認することも効果的です。この情報は、融資審査の際にも確認されるものなので、事前に内容を把握しておくことが大切です。

返済履歴や延滞状況も含めて詳細に確認し、もし延滞があればその原因と解決策を考えておきましょう。この情報は、後の融資申請時に説明が求められる可能性があります。

事業計画と収支計画の作成

借金がある状態で個人事業主として開業する場合、しっかりとした事業計画と収支計画の作成が非常に重要です。これらの計画は、融資審査の際に、審査担当者が自身のビジネスの実現可能性を判断する重要な材料となります。

事業計画には、提供するサービスや商品の内容、ターゲット顧客、マーケティング戦略、競合分析などを含めましょう。特に、自身のビジネスがどのように収益を生み出すのかを明確に示すことが重要です。

収支計画では、月々の売上予測、経費、そして既存の借金返済と事業資金の両立が可能であることを数字で明示することが求められます。現実的かつ具体的な数字を示すことで、融資担当者に返済能力をアピールできます。

開業届の提出や各種手続き

事業計画ができたら、開業の手続きを進めます。最初に行うべきは、税務署への開業届の提出です。これは、個人事業主としての活動開始を税務署に届け出るもので、開業日から1ヶ月以内に提出する必要があります。

また、事業内容によっては、許認可や資格が必要な場合もあります。例えば、飲食店であれば保健所への営業許可申請、建設業であれば建設業許可などが必要です。

さらに、青色申告をする場合は、開業から2ヶ月以内または最初の確定申告期限までに青色申告承認申請書を提出します。青色申告はさまざまな税制上の特典があるので、税制上の優遇措置を最大限に活用するためにも検討する価値があります。

創業融資の申請の準備

事業を軌道に乗せるためには、十分な開業資金が必要です。借金がある状態でも創業融資を受けることは可能ですが、しっかりとした準備が必要です。

日本政策金融公庫などの公的金融機関や銀行に創業融資を申請する際には、事業計画書や収支計画書のほか、借金の返済状況や今後の返済計画に関する資料も準備しましょう。

融資審査では、既存の借金の返済状況と新たな事業ローンの返済能力が問われます。返済能力を裏付ける具体的な根拠を示すことが融資獲得のカギとなります。また、自己資金をある程度用意しておくことも、審査におけるプラス材料となります。

借金がある人が創業融資を受けるためのポイント

借金がある状態でも創業融資を受ける可能性は十分にありますが、いくつか押さえておくべきポイントがあります。

信用情報と返済履歴

創業融資の審査では、自身の信用情報と返済履歴が重要な判断材料となります。過去の借金において、きちんと返済を続けていれば、それは信頼性の証明となります。

逆に、返済の延滞や滞納がある場合は、融資審査において不利になる可能性があります。特に、直近3年以内の延滞履歴は注意が必要です。

信用情報は信用情報機関に記録されており、金融機関はこれを確認します。もし過去に返済遅延などがあった場合は、その原因と対策を具体的に説明できるよう準備しておくことが重要です。単なる言い訳ではなく、問題解決のために取った措置と再発防止策を示すことができると良いでしょう。

自己資金の確保

創業融資を申請する際、一定の自己資金を用意しておくことは非常に重要です。日本政策金融公庫などの融資では、必要資金の10〜30%程度の自己資金があることが望ましいとされています。

自己資金は、自身が事業に対して本気で取り組む覚悟があることを示す重要な指標です。また、事業開始後の予期せぬ出費や当初の売上が計画通りに進まなかった場合の安全弁にもなります。

借金がある状態では、自己資金の確保が難しい場合もありますが、少額からでも自己資金を積み立てる努力を行い、その過程を事業計画に記載することで、自身の事業に対する真剣さをアピールできます。

返済能力のアピール

借金がある状態で創業融資を申請する場合、既存の借金返済と新たな融資の返済を両立できる返済能力があることをアピールする必要があります。

具体的な収支計画を提示することが、最も効果的です。月々の売上予測、経費、既存の借金返済額、そして新たな融資の返済額をすべて考慮した上で、十分な収益が見込めることを数字で示しましょう。

また、自身のスキルや経験が事業成功の鍵となることも強調すべきです。特に、これから始める事業に関連する職務経験や技術、資格などがあれば、それらを具体的に記載します。

予測される売上の根拠を具体的かつ現実的に提示することも重要です。市場調査データや類似ビジネスの実績、すでに獲得している顧客や契約などの情報があれば、それらを活用して説得力のある事業計画を作成しましょう。

開業後の借金返済に向けての動き

開業後の資金繰りと既存の借金返済を両立させることは、事業を継続するための重要な課題です。ここでは、具体的な対策を紹介します。

適切な売上・利益計画の立案

開業後の資金繰りを安定させるためには、現実的かつ具体的な売上・利益計画を立てることが重要です。特に借金がある場合は、返済額を考慮した上で必要な売上目標を設定する必要があります。

売上計画を立てる際には、業界の平均的な数値や類似ビジネスの事例を参考にしつつ、自身のビジネスモデルに合わせた現実的な予測を行いましょう。特に開業初期は、想定よりも売上が伸びないことを考慮して、余裕をもった計画を立てることが賢明です。

月次での売上と利益の管理を徹底し、計画と実績の差異を分析することで、早期に軌道修正できる体制を整えることが大切です。特に、固定費と変動費を明確に区分して管理することで、収益構造を把握しやすくなります。

経費削減や運転資金の効率的な管理

借金返済と事業運営を両立させるためには、経費の削減と運転資金の効率的な管理が不可欠です。特に開業初期は、必要最低限の経費で事業を進めることを心がけましょう。

固定費を最小限に抑えるためには、オフィスや店舗のコストを見直したり、必要な設備はリースやレンタルの活用を検討したりすることが有効です。また、初期段階では自分自身で行える業務は外注せず、人件費を抑えることも考えられます。

運転資金の管理においては、入金サイクルと支払いサイクルのバランスを整えることが重要です。売掛金の回収を早めたり、仕入れの支払いサイクルを調整したりすることで、資金繰りを改善できる場合があります。

資金繰り悪化時の想定

開業後に資金繰りが悪化した場合の対処法も、事前に考えておくことが重要です。特に借金を抱えている状態では、資金繰りの悪化が事業継続に直接影響する可能性があります。

資金繰りが悪化した際の最初の対応は、売上の増加策と経費削減策の両面から対策を講じることです。販売促進活動の強化や新規顧客の開拓など、売上増加のための施策と、不要な経費の見直しを同時に進めましょう。

また、既存の借金の返済条件の見直しを金融機関に相談することも一つの選択肢です。早期に金融機関に相談し誠実に対応することで、返済条件の変更や追加融資などの支援を受けられる可能性があります。

さらに、資金繰りを改善するための短期的な対策として、ファクタリング(売掛金の早期現金化)の活用や、取引先との支払い条件の交渉なども検討できます。

創業融資を断られた場合の代替策

借金がある状態で創業融資を申請したものの、断られてしまった場合でも、諦める必要はありません。

小規模からのスタート

創業融資が受けられない場合、事業規模を縮小して少ない資金でスタートする方法があります。最低限必要な設備や在庫だけで開業し、徐々に規模を拡大していく戦略です。

例えば、飲食店であれば、大きな店舗ではなくキッチンカーやデリバリー専門から始める、小売業であれば、実店舗ではなくネットショップから始めるなど、初期投資を大幅に抑える方法を検討できます。

最小限の設備で最大限の効果を生む事業設計を心がけ、顧客からの収入を再投資することで、少しずつ事業を成長させることが可能です。この方法は、借金返済の負担を考慮しても、無理なく事業を進められるメリットがあります。

副業からの段階的移行

いきなり本業として独立するのではなく、現在の仕事を続けながら副業として事業を始め、徐々に本業に移行していく方法も有効です。この方法なら、安定した収入を確保しながら事業基盤を固められます。

副業から始める場合は、まず小規模な案件や少数の顧客から始め、実績と信頼を積み上げていきましょう。収入が安定し、本業の収入と同等以上になった段階で独立を検討するのが理想的です。

この戦略の利点は、リスクを最小限に抑えながら実績を構築できる点です。特に借金がある場合は、返済を継続しながら事業の基盤を固められるため、安全に独立への道を進められます。

クラウドソーシングやシェアリングエコノミーの活用

大きな初期投資なしに始められるビジネスモデルとして、クラウドソーシングやシェアリングエコノミーの活用も検討できます。これらのプラットフォームを利用することで、少ない資金で事業を開始できます。

クラウドソーシングサイトを通じて、ライティングやデザイン、プログラミングなどのスキルを提供するフリーランスとして活動する方法があります。また、シェアリングエコノミーを活用して、自身の持つ資産(車、空間、スキルなど)を提供するサービスも考えられます。

これらのプラットフォームは、集客や決済システムが整備されているため、初期の営業活動や決済システムの構築にかかるコストを大幅に削減できます。また、実績を積むことで評価が高まり、より高単価の案件を受注できるようになるメリットもあります。

親族や知人からの資金調達

金融機関からの融資が難しい場合、親族や知人からの資金調達を検討する方法もあります。この場合、明確な事業計画と返済計画を示し、互いの信頼関係を損なわないような取り決めを行うことが重要です。

資金提供を依頼する際には、事業の内容や将来性、返済計画を具体的に説明し、リスクについても正直に伝えることが大切です。また、契約書を作成して金額、返済期間、金利(あれば)などの条件を明確にしておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

少額からでも事業を開始できる具体的な提案を示すことで、資金提供者の不安を和らげることができます。また、資金提供に対して、単なる返済だけでなく、事業における役割や利益の一部を提供するなどの方法も検討できます。

まとめ

借金があっても、個人事業主になることは十分に可能です。重要なのは、現在の借金状況を正確に把握し、返済計画と事業計画を具体的に立てることです。住宅ローンなどの目的が明確な借金は、返済履歴が良ければ、むしろ信用力の証明になる場合もあります。

創業融資を受けるためには、日本政策金融公庫などの公的金融機関の審査基準を理解し、返済能力を具体的な数字で示すことが重要です。自己資金の確保や事業規模の調整など、状況に応じた現実的な開業戦略を検討しましょう。融資が受けられない場合でも、小規模スタートや副業からの段階的移行など、さまざまな代替策があります。

借金があることを正直に伝えた上で具体的な計画を示すことで、融資を受けられる可能性も高まるでしょう。

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監修者 三坂大作
筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
・1985年:東京大学法学部卒業
・1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行
 表参道支店:法人融資担当
・1989年:同行 ニューヨーク支店勤務
 非日系企業向けコーポレートファイナンスを担当
・1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、
貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。



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