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2025.05.22

ノンバンク融資とは?銀行との違いと使い方ガイド

法人が急な資金ニーズに直面したとき、銀行融資では時間がかかりすぎる場合があります。そんなときに選択肢となるのが「ノンバンクの法人融資」。この記事では、ノンバンクの特徴、銀行との違い、審査の流れ、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。初めてノンバンクを検討する経営者の方にもわかりやすくまとめました。

ノンバンク法人融資の基本を知ろう

ノンバンクの法人融資とは?特徴と仕組みを解説

法人が事業資金を調達する方法として、銀行融資以外にも選択肢があることをご存じでしょうか。

その1つが「ノンバンク」による法人融資」です。

 

ノンバンクとは、預金や為替取引を行わず、融資業務を専門とする金融機関の総称です。

代表的な業種には、消費者金融会社、リース会社、信販会社などが含まれます。銀行とは異なり、貸金業法によって運営されています。

 

ノンバンクの法人融資は、「スピード」「柔軟性」「リスク対応力」の3点において、銀行にはない魅力を持っています。

 

特に、銀行の審査に通りづらい赤字決算の法人やスタートアップ企業でも、資金使途や担保によって融資が受けられるケースが多いのが大きな特徴です。

融資の流れは以下の通りです。

 

【法人がノンバンクで融資を受ける一般的な流れ】

ステップ

内容

1. 相談・申込み

電話やウェブサイトから申込み。希望額や資金用途をヒアリング。

2. 書類提出

決算書や登記簿謄本、事業計画書など必要書類を提出。

3. 審査

財務状況や担保の有無などをもとに審査を実施。

4. 契約・担保設定

融資条件に同意し契約締結。不動産担保ローンなどでは抵当権設定も行う。

5. 融資実行

指定口座に資金が振り込まれる。最短で即日融資が可能な場合もある。

 

ノンバンクの法人融資は、「銀行で断られた」ケースでも可能性があるため、経営の選択肢を広げる強力な資金調達手段となります。

銀行融資との違いは?比較で見えるノンバンクの強み

ノンバンクと銀行の法人向け融資には、明確な違いがあります。

それぞれの特徴を理解することで、状況に応じた賢い選択が可能になります。

 

以下に、ノンバンクと銀行融資の主な違いを比較した表をまとめました。

 

【ノンバンクと銀行の比較表】

項目

ノンバンク

銀行

法的根拠

貸金業法

銀行法

審査スピード

早い(即日〜数日)

遅い(1週間〜1か月)

金利

高め(5〜18%が目安)

低め(1〜3%程度)

審査基準

柔軟(赤字企業も対象)

厳格(黒字・実績重視)

担保条件

必須ではない場合も多い

基本的に担保または保証が必要

利用者層

中小企業・スタートアップ向け

安定企業・上場企業向け

総量規制

一部対象外(事業資金は除外される)

規制なし

 

ノンバンクの強みは、何と言っても「融資までのスピード」と「柔軟な審査体制」です。

 

例えば、銀行では評価されにくい特殊なビジネスモデルや、プロジェクト単位での資金ニーズにも対応してもらえるケースがあります。

 

一方で、銀行融資は低金利で返済負担が軽いため、長期資金や多額の資金調達には有利です。

ただし、審査に時間がかかり、赤字企業や新設法人では通過が難しいという課題もあります。

 

このように、ノンバンクと銀行はそれぞれにメリット・デメリットがあります。

緊急の資金調達が必要な場面や、銀行で融資が難しいときは、ノンバンクの法人融資を積極的に検討する価値があるでしょう。

ノンバンク法人融資のメリット・デメリット

ノンバンク融資の4つのメリット(スピード・柔軟性・審査通過率・多様な資金用途)

ノンバンクによる法人融資は、銀行融資とは異なる特徴を持ち、多くの企業にとって迅速かつ柔軟な資金調達の手段となっています。

 

特に、次の4つのポイントは、ノンバンク融資が評価される代表的なメリットです。

 

① 融資までのスピードが早い

ノンバンクの大きな利点の1つが審査から融資実行までのスピードです。

銀行の場合、融資実行までに1週間から1か月以上かかることもありますが、ノンバンクでは最短即日で資金が入金されるケースも少なくありません。

事業の急な資金ニーズに対して、スピード感をもって対応してくれる点は、経営上大きな強みです。

例えば、急な仕入れ費用や納税資金など、今すぐに現金が必要なシーンで非常に役立つ存在と言えるでしょう。

 

② 融資条件が柔軟で幅広い業態に対応

ノンバンクは、業種や財務状況にかかわらず柔軟な審査基準を設けている場合が多く、スタートアップや赤字企業でも相談可能です。

さらに、共有持分や借地権といった特殊な権利関係の不動産を担保にできるケースもあり、不動産業者などには特に心強い存在です。

銀行では断られてしまうような独自のビジネスモデルを展開している企業でも、ノンバンクであれば融資を受けられる可能性が高まります。

 

③ 銀行より審査が通りやすい傾向

一般的に、ノンバンクの審査は銀行よりもハードルが低いと言われています。

過去の業績や信用情報に加え、今後の事業計画や不動産担保の有無などを総合的に判断してくれるため、実績の少ない法人にもチャンスがあります。

また、ノンバンクでは、「スコアリングシステム」と呼ばれるデータベースによる審査方式を採用しているケースが多く、申込から回答までが迅速です。

 

④ 多様な資金用途に対応できる

ノンバンクの法人融資は、資金使途の制限が少ないのも特徴です。

銀行では、設備投資や運転資金など特定の目的に限定されることが多いですが、ノンバンクであれば、仕入れ資金・税金納付・つなぎ資金・広告費などにも柔軟に対応してくれます。

このように、自由度の高い資金使途が認められている点は、実務的にも大きなメリットとなるでしょう。

ノンバンク融資の3つのデメリット(高金利・リスクのある業者・信用情報への影響)

ノンバンクの法人融資には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。

特に以下の3つの注意点を理解しておくことで、後悔しない借入判断ができるようになります。

 

① 銀行融資より金利が高い

ノンバンクの法人融資は、銀行と比べて金利が高く設定されていることが一般的です。

目安としては、年利5%〜18%程度であり、銀行の2〜3%台と比較すると返済総額が増える傾向にあります。

そのため、長期で大口の借り入れを考えている法人にとっては、金利負担が大きなネックになる可能性があります。

あらかじめ返済シミュレーションを行い、資金繰りに無理のない返済計画を立てることが重要です。

 

② 一部に信頼性に欠ける業者が存在

ノンバンク業者の中には、過度な手数料や不明瞭な契約条件を提示してくる悪質な業者も存在しています。

特に、法外な金利を要求されたり、担保の過剰評価を受けた結果、後でトラブルになるケースも報告されています。

融資先を選ぶ際は、以下のような点をチェックしましょう。

 

【信頼できるノンバンクの見分け方】

 ・登録貸金業者であるか(貸金業登録番号の確認)
 ・日本貸金業協会の会員かどうか
 ・会社の所在地や電話番号が明記されているか
 ・過去の評判や口コミが適切か

これらの情報をもとに、信頼性の高い業者を見極めることがリスク回避のカギです。

 

③ 信用情報に履歴が残る可能性がある

ノンバンクでの借入は、信用情報機関に記録されるため、将来的に銀行融資などを申し込む際に影響することがあります。

例えば、ノンバンクの融資履歴が多い場合、銀行から「資金繰りが不安定」と判断される恐れも。

また、返済の遅延があれば、いわゆる「金融ブラック」として記録され、あらゆる借入審査で不利になる可能性もあります。

信用情報を意識しながら、あくまで一時的な資金調達手段としてノンバンクを活用する姿勢が大切です。

 

ノンバンクの法人融資は、メリットとデメリットを正しく理解したうえで使いこなすことで、経営の選択肢を大きく広げる優れた資金調達方法になります。

ノンバンク融資が向いている法人とは?

銀行の審査に落ちた・赤字・スタートアップ企業

銀行からの融資が受けられなかった経験を持つ法人経営者の方にとって、ノンバンクは資金調達の“もうひとつの選択肢”として非常に有効です。

銀行融資は審査が厳しく、実績や財務内容が重視されるため、以下のような法人は審査を通過できないことが珍しくありません。

 ・設立間もないスタートアップ企業
 ・財務状態が悪化している赤字法人
 ・借入残高が多く自己資本比率が低い企業

このような状況にある法人でも、ノンバンクであれば資金調達が可能なケースが多く存在します。

ノンバンクは、過去の実績よりも将来性や担保となる資産、資金の使途などを総合的に評価して審査を行う傾向があります。

 

また、銀行での断られたという情報があっても、ノンバンクの審査基準は異なるため、融資可能性がゼロになるわけではありません。

 

特に以下のようなケースでは、ノンバンクを利用することで資金調達が実現した事例が多数報告されています。

 

状況

ノンバンクでの対応例

設立1年未満のスタートアップ

売上実績が少なくても、将来性や事業計画に基づいて融資可

赤字決算が続いている法人

担保不動産の価値や今後の回復見込みを重視し、柔軟に審査

他行から借入拒否されている法人

借入理由や資金使途が明確であれば、セカンドオピニオンとして融資検討対象に

 

このように、「銀行で借りられなかったから終わり」ではなく、ノンバンクという選択肢を活用することで資金繰りの打開策が見えてくるのです。

 

ノンバンク融資は、一時的に資金が必要なフェーズや、成長に向けた先行投資を行いたい局面において、経営を支える強力な資金源となり得ます。

不動産業や特殊ビジネスモデルに対応可能なケース

銀行では対応が難しいとされる「権利関係が複雑な不動産を扱う事業者」や「業種特有の収益構造を持つビジネスモデル」においても、ノンバンクは柔軟な対応が可能です。

 

とりわけ不動産業界においては、以下のようなケースでノンバンクの法人融資が活用されています。

 ・共有持分や借地権などの不完全所有権を担保にしたい
 ・不動産の仕入れ資金が急ぎで必要
 ・再販までのつなぎ融資が必要

銀行の場合、これらの案件は担保評価が難しく、担保価値が不十分と見なされて融資不可となるケースが多いです。

 

しかし、ノンバンクであれば、共有持分や借地権に対しても担保設定が可能であり、評価ノウハウを持つ業者も存在します。

 

また、以下のような特殊ビジネスモデルを展開する企業も、ノンバンク融資の対象になりやすい傾向にあります。

 ・サブスクリプション型のサービス提供企業
 ・IT系スタートアップ
 ・プラットフォーム運営企業
 ・医療・介護報酬が収益源の法人

これらの業種は、現時点では黒字化していないものの、事業の将来性やスケーラビリティが高いという特徴を持っています。

 

ノンバンクは、そうした企業のビジネスモデルを理解したうえで、柔軟に審査を行う傾向があるため、資金調達の幅が広がるのです。

 

【ノンバンク融資が活用されやすい業種・特徴】

 ・不動産業(特に共有持分・借地権の活用)
 ・IT・スタートアップ企業(実績よりも将来性を評価)
 ・医療・介護事業者(診療報酬・介護報酬を収益源とする)
 ・一時的に赤字でも成長フェーズにある企業

銀行では一律の基準で融資を断られてしまうケースでも、ノンバンクであれば事業の特性に合わせた審査が可能です。

 

自社の状況や業種に不安がある場合でも、まずはノンバンクへの相談から始めることで、新たな資金調達の道が開ける可能性があります。

ノンバンク法人融資の審査と手続きの流れ

審査の3大ポイント(事業計画、財務状況、担保価値)

ノンバンクで法人融資を受ける際には、いくつかの審査項目が存在しますが、特に重視されるのが「事業計画」「財務状況」「担保価値」の3点です。

この3項目をしっかりと押さえておくことで、融資の通過率が大きく変わるため、事前の準備が何より重要です。

 

① 事業計画の信頼性と実現可能性

まず審査で最も注目されるのが事業計画の中身です。

特にスタートアップ企業や赤字決算の法人にとって、過去の実績が乏しい分、将来の収益見込みや成長性をどれだけ具体的に説明できるかが大きな評価軸となります。

以下のような内容を盛り込むと、審査通過の可能性が高まります。

 ・商品・サービスの独自性と市場ニーズ
 ・競合他社との比較と差別化ポイント
 ・数値ベースで示した収益計画とKPI(重要業績評価指標)
 ・資金使途とその効果(売上アップ・コスト削減など)

単なる希望的観測ではなく、客観的データや市場調査に基づいた計画であることが説得力を高めるカギです。

 

② 財務状況の健全性と資金繰りの安定性

次に見られるのは、財務諸表から読み取れる企業の健全性と資金繰りの安定度です。

ノンバンクは銀行ほど厳格ではありませんが、それでも以下の書類は基本的に提出が求められます。

 ・過去2~3期分の決算書(貸借対照表・損益計算書)
 ・最新の試算表
 ・納税証明書
 ・資金繰り表(必要に応じて)

赤字決算であっても、改善傾向が見られる場合や、売上高が右肩上がりで成長している場合には、融資対象となる可能性があります。

また、金融機関は「この融資をして本当に返済されるのか」を最も重要視しているため、返済可能性を数値で示せるかどうかが大きなポイントとなります。

 

③ 担保価値の評価と活用

不動産担保融資を中心に扱うノンバンクでは、担保に設定される資産の価値も非常に重要な審査要素です。

一般的には、次のような物件が担保として評価されます。

 ・所有権が明確な土地や建物
 ・共有持分・借地権(ノンバンクによっては評価可能)
 ・投資用不動産や事業用ビルなど収益性のある物件

ノンバンクは評価方法が柔軟で、銀行が担保しにくい不動産でも受け入れてくれるケースがあります。

ただし、融資額は不動産の査定額の7〜8割程度が上限となることが多いため、物件価値と希望額のバランスを考慮する必要があります。

担保があることで、審査通過率が上がるだけでなく、融資条件(金利や返済期間)も有利になる傾向があるため、活用できる不動産がある場合は積極的に提示しましょう。

申し込みから融資実行までのステップ(書類準備・契約・入金)

ノンバンクで法人融資を受ける流れは、銀行に比べてスピーディかつシンプルであることが特徴です。

ここでは、申し込みから融資実行までのステップを順にご紹介します。

 

ステップ①:事前相談・申し込み

まずは電話・メール・Webフォームから融資の相談・申し込みを行います。

この段階では、以下のような内容を伝えられるようにしておくとスムーズです。

 ・資金の使い道(仕入れ・つなぎ資金・人件費など)
 ・希望する融資金額と融資希望日
 ・担保の有無とその概要(住所・権利関係など)

この段階で仮審査を実施してくれる業者も多く、条件が合えば次のステップへ進みます。

 

ステップ②:必要書類の提出と本審査

仮承認が出たあとは、本審査に必要な書類を提出します。

代表的な書類は以下のとおりです。

 

書類名

備考

履歴事項全部証明書

商業登記簿謄本。法人の正式な登記情報を確認。

決算書(2期分以上)

貸借対照表・損益計算書のセットが必要。

試算表

最新の月次データ。業況変化を示す指標になる。

納税証明書

国税・地方税ともに最新分を用意する。

担保物件の登記簿謄本・評価書など

不動産を担保にする場合は、必須書類。

代表者の本人確認書類

運転免許証やパスポートなどの身分証。

 

ノンバンクでは来店不要で、郵送やオンライン提出に対応しているところも多く、遠方からの利用でも問題ありません。

 

ステップ③:契約手続き・担保設定

審査が完了すると、融資条件(融資額・金利・返済期間など)の提示が行われます。

条件に同意すれば、融資契約を締結し、担保設定が必要な場合には不動産に抵当権を設定する登記手続きが行われます。

この手続きも、ノンバンクによっては提携司法書士が対応するため、借主が煩雑な作業をする必要はほとんどありません。

 

ステップ④:融資実行(入金)

すべての手続きが完了すると、指定口座へ融資金が振り込まれます。

条件が整えば、申し込みから最短で当日中の入金も可能です。

通常でも1週間以内に融資実行されるケースが多く、急な資金ニーズにもしっかり対応できる体制が整っています。

 

ノンバンクでの法人融資は、スピーディーかつ柔軟な審査体制と、手続きの簡便さが魅力です。

重要なのは、事前準備をしっかりと行い、自社の信用力と計画性を正確に伝えること。

これらを押さえることで、ノンバンク融資の可能性は大きく広がるでしょう。

ノンバンクを選ぶ際の注意点と選び方

信頼できるノンバンクの見極め方(登録業者・口コミ・実績)

ノンバンクから法人融資を受ける際、最も重要なのは「信頼できる業者を選ぶこと」です。
近年では健全なノンバンクが増えている一方で、契約条件が不透明であったり、違法な高金利を課す悪質な業者も存在しています。

そのため、融資を受ける前に慎重な下調べと比較検討が必要不可欠です。

 

登録業者かどうかを必ず確認

まず最初に確認すべきなのが、貸金業者として正式に登録されているかどうかです。

正規のノンバンクは、金融庁または各都道府県の貸金業登録を受けて営業しています。

貸金業者には「登録番号」が付与されており、これは業者のWebサイトや契約書面に記載されているのが通常です。

番号の記載がない、または曖昧な場合は違法業者の可能性があるため注意が必要です。

日本貸金業協会に加盟している業者であれば、さらに安心感があります。

協会の公式サイトでは、会員業者の検索が可能なので、事前に確認しておきましょう。

 

実績と口コミを参考にする

続いて確認すべきなのが、実際の利用者の声や過去の実績です。

以下のようなポイントをチェックしましょう。

 ・法人融資の取扱実績が豊富か
 ・特定業種に強い実績を持っているか
 ・審査や入金対応が迅速か
 ・契約時のトラブルや過剰請求がないか

GoogleレビューやSNS、口コミサイトなどで、過去の利用者の声を参考にすると、表面ではわからない情報も見えてきます。

また、会社の所在地や連絡先が明確かどうか、電話番号に実際に繋がるかどうかも信頼性のチェックに有効です。

 

こんな業者には注意

以下に該当する業者は、悪質な可能性が高いため避けるべきです。

 

【注意すべきノンバンクの特徴】

 ・登録番号が記載されていない、または架空
 ・会社の所在地・電話番号が不明瞭
 ・契約書の内容が不明瞭で、金利や手数料が曖昧
 ・審査不要や即断即決を過度に強調している
 ・口コミが不自然に高評価で統一されている

ノンバンク選びに失敗すると、違法金利や強引な取り立てなど深刻なリスクを抱えることになります。

そのため、信頼性をしっかり見極めることが、安心して融資を受ける第一歩です。

 

融資条件で比較すべきポイント(金利・限度額・担保要件)

信頼性の確認が済んだら、次に行うべきは各ノンバンクの「融資条件の比較」です。

同じノンバンクでも、商品ごとに条件は異なるため、目的と返済能力に合ったプランを選ぶことが非常に重要になります。

 

金利は返済総額に大きく影響する

融資を受ける際、最も気になるのが「金利」です。

ノンバンクでは一般的に年利5〜18%程度の範囲で設定されており、これは銀行融資より高めです。

ここで重要なのが、「下限金利」だけを見るのではなく、自分が適用されるであろう「上限金利」で比較すること」です。

 

【金利比較の注意点】

 ・表示されている下限金利は、優良顧客向けであることが多い
 ・実際の金利は審査結果により決定される
 ・返済期間が長いほど利息負担が増加する

金利が高すぎると、事業のキャッシュフローに悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重な検討が必要です。

 

限度額と融資スピードも重要な比較軸

資金調達を急いでいる法人にとっては、「限度額」と「入金までのスピード」も比較すべきポイントです。

 

以下の点を事前に確認しておきましょう。

 ・自社の希望額が限度額内に収まるか
 ・融資実行までにかかる平均日数はどれくらいか
 ・審査完了後、当日または翌日の入金が可能か

限度額は、数百万円から1億円までと業者によって大きく異なるため、資金ニーズに合致するかが判断基準となります。

 

担保や保証人の有無もチェックポイント

ノンバンク融資の中には、「無担保・無保証人」で利用できる商品もあれば、「不動産担保」が必要なタイプもあります。

 

【担保要件の確認ポイント】

項目

内容

担保の有無

無担保ならば審査は早いが、金利が高くなる傾向にある

担保物件

所有権のある不動産が必要。借地や共有持分でも可能な場合あり

保証人の有無

代表者の連帯保証が一般的だが、第三者保証は稀

 

不動産を担保にできる場合は、金利や融資額で有利になるケースが多いため、可能であれば担保付き商品も視野に入れましょう。

 

ノンバンク選びは、「信頼性の確認」と「融資条件の比較」という2つの軸を中心に進めることで、最適な資金調達先を見つけやすくなります。

焦って選ばず、複数社を比較して自社に合ったノンバンクを見つけることが、賢い融資の第一歩です。

ノンバンク法人融資の事例とおすすめ業者

即日融資・つなぎ資金に成功したケーススタディ

ノンバンクによる法人融資の大きな強みは、スピードと柔軟性のある審査体制にあります。

とくに「すぐに資金が必要」「銀行では間に合わない」といった状況において、ノンバンクの即日融資やつなぎ融資が経営を救う切り札となるケースが多く存在します。

ここでは、実際にノンバンクを活用して短期間で資金調達に成功した具体的な事例をご紹介します。

 

事例①:不動産仕入れのつなぎ資金で即日融資

【業種】不動産買取再販業
【所在地】東京都
【借入額】2,000万円
【融資スピード】申し込み当日に実行

 

不動産業を営むA社は、共有持分物件の仕入れに向けた急な資金ニーズに直面していました。

銀行にはすでに借入枠があり、追加融資が困難だったため、不動産担保型のノンバンク融資を検討。

担保物件は借地権付きの一戸建てでしたが、ノンバンク業者は権利関係を適切に評価し、即日で2,000万円の融資を実行しました。

これにより、仕入れのチャンスを逃さずに済み、利益確定後の短期返済もスムーズに完了できます。

「スピード重視の資金調達において、ノンバンクの存在は非常に心強かった」とA社の代表は語ります。

 

事例②:赤字決算でも融資可決、事業継続に成功

【業種】飲食業
【所在地】大阪府
【借入額】500万円
【融資スピード】審査から2営業日で入金

 

コロナ禍以降、業績が悪化し2期連続で赤字となっていたB社。

運転資金が底をつきかけ、従業員の給与や仕入れ代金の支払いが困難に。

複数の銀行に融資を申し込むも、赤字決算が理由でいずれも否決。

そこでノンバンクに相談したところ、事業再建計画と売上回復の見込みが評価され、無担保で500万円の融資が可決されました。

資金調達に成功したことで、従業員の雇用を守り、事業の立て直しに成功した好事例です。

 

このように、ノンバンクは「スピード重視」「柔軟な審査」「特殊な案件にも対応可能」という特性を活かし、数多くの法人の資金繰りを支えてきた実績があります。

状況に応じた適切な活用により、経営危機を回避し、事業を前向きに進めるための強力な選択肢となるでしょう。

実績あるノンバンク会社一覧(大手町フィナンシャル、アクトウィルなど)

ノンバンクで融資を受ける際、業者選びは最も重要なポイントのひとつです。

ここでは、法人向け融資において実績のある主要ノンバンク業者をご紹介します。

それぞれに特徴や得意分野があるため、自社の状況に合った業者を選ぶことが成功のカギとなります。

 

① 大手町フィナンシャル

項目

内容

対応エリア

全国対応

主な融資タイプ

不動産担保ローン、共有持分・借地権ローンなど

特徴

不動産に強く、特殊権利関係にも対応可能

融資スピード

最短即日対応、24時間以内の審査

審査の柔軟性

銀行否決案件でも積極対応

 

不動産業界に特化した法人への融資ノウハウが豊富で、特殊な物件も担保にできる柔軟さが強みです。

共有名義や底地、借地権など通常の金融機関では評価されづらい担保にも積極対応しているのが特徴です。

 

② アクトウィル株式会社

項目

内容

対応エリア

全国

主な融資タイプ

ビジネスローン(無担保)、不動産担保ローン

特徴

即日審査、低金利、最大1億円の大口融資可能

審査スピード

最短即日で入金

必要書類

決算書・本人確認書類など、書類提出も簡略化

 

赤字決算・スタートアップ企業への柔軟な対応が可能で、連帯保証のみで高額融資を受けられる点が魅力です。

また、事前相談はメール・電話で24時間対応しており、時間を選ばず利用しやすいのも大きな利点です。

 

その他の注目ノンバンク

会社名

特徴

ファンドワン

多様な担保に対応、最短40分で審査完了

デイリーキャッシング

無担保・即日対応可能、少額~大口融資まで柔軟に対応

オージェイ

不動産・売掛債権・車など幅広い担保に対応

 

それぞれの業者は、「スピード」「柔軟性」「高額融資」「担保の多様性」など異なる強みを持っています。

融資目的や事業の状況に応じて、最適なノンバンクを選ぶことが成功への近道です。

 

信頼性が高く実績のあるノンバンクを選べば、銀行では難しかった資金調達も現実的に可能となります。

事前に複数社を比較し、自社にとってベストなパートナーを見つけてください。

まとめ

本記事では、ノンバンクによる法人融資の特徴やメリット・デメリット、審査のポイントから業者選びのコツまでを詳しく解説してきました。

ノンバンク融資は、銀行では対応が難しいケースにも柔軟に対応できる点が魅力であり、即日融資やつなぎ資金が必要な法人にとっては非常に有効な資金調達手段です。

 

とはいえ、金利や審査基準、担保条件などは業者ごとに異なるため、どのノンバンクを選べば良いか判断に迷うこともあるかと思います。

そんな企業様に向けて、HTファイナンスは力になります。

 

HTファイナンスは、法人融資に特化したノウハウと30年の実績を活かし、お客様ごとの事業環境に最適な資金調達方法をご提案しています。

不動産担保ローンやビジネスローンをはじめ、さまざまな選択肢の中から最善の手段を見極め、スピーディかつ丁寧にサポートいたします。

 

資金調達にお悩みの法人様は、ぜひHTファイナンスにご相談くださいませ。

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監修者 三坂大作
筆者・監修者 ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役三坂 大作(ミサカ ダイサク)

略歴
・1985年:東京大学法学部卒業
・1985年:三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行 表参道支店:法人融資担当
・1989年:同行 ニューヨーク支店勤務 非日系企業向けコーポレートファイナンスを担当
・1992年:三菱銀行を退社、資金調達の専門家として独立
資格・登録情報
・経営革新等支援機関(認定支援機関ID:1078130011)
・貸金業務取扱主任者(資格者:三坂大作)
・貸金業登録:東京都知事(1)第31997号
・日本貸金業協会 会員番号:第006355号
専門分野と活動実績
企業の成長を資金面から支えるファイナンスの専門家として、30年以上にわたり中小企業の財務戦略・資金調達を支援。
国内外の法人融資・国際金融業務の経験を基に、経営者に寄り添った戦略的支援を展開。

現在の取り組み
ヒューマントラスト株式会社 統括責任者・取締役として、以下の事業を統括:
・法人向けビジネスローン事業「HTファイナンス」
・個人事業主向けファクタリングサービス
・資金調達および財務戦略に関する経営コンサルティング

経営革新等支援機関として、企業の持続的成長を実現するための財務戦略策定や金融支援を行い、 貸金業登録事業者として、適正かつ信頼性の高い金融サービスを提供しています。

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