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2025.04.25

助成金申請の代行サービスを利用することは違法行為?業者選びの注意点も

「助成金を活用して事業資金を確保したいけれど、申請の手続きが複雑で時間がかかる」「条件を満たしているのかよくわからない」、といった悩みを抱える経営者や個人事業主の方は少なくありません。

そこで検討されるのが、助成金申請の代行サービスです。この記事では、助成金申請の代行サービスが合法か違法かという点や、依頼するメリット・デメリット、適切な業者の選び方など、申請代行に関する重要なポイントを解説します。

助成金申請の代行サービスとは

助成金申請の代行とは、社会保険労務士(社労士)などの専門家が、企業や個人事業主に代わって助成金の申請手続きを行うサービスです。

助成金制度は種類が多く、申請書類や手続きも複雑です。さらに、一つの助成金でも、業種や企業規模によって適用条件が異なるケースが多々あります。

このような複雑な申請手続きを、専門知識をもった代行業者に委託することで、スムーズに、かつ高い確率で助成金を受給できる可能性が高まります。

助成金申請の代行サービスでは、通常以下のような流れで手続きが進められます。

まず初めに、無料相談や診断を通じて、企業が受給可能な助成金の種類を調査します。次に、必要書類の準備や申請書の作成を代行業者が行います。

申請後は、行政からの問い合わせ対応や、追加書類の提出などもサポートしてくれます。最終的に、助成金受給までの全プロセスをサポートするのが一般的なサービス内容です。

企業側は必要な情報や基本書類を提供するだけで、面倒な手続きはほとんど代行業者が担当してくれるため、業務効率化にもつながります。

助成金申請の代行は誰でもできるのか

助成金申請代行は、法律で定められた特定の資格を持つ人のみが行える業務です。

社会保険労務士法第27条によれば、社会保険労務士(社労士)の資格を持つ者だけが、他人の求めに応じて、報酬を得て助成金などの申請書類の作成や提出代行を行うことができます。

つまり、社労士以外の人が報酬を得て助成金申請の代行を行うことは、法律違反となるのです。

社労士以外の代行への罰則

社会保険労務士の資格を持たない人が助成金申請を代行することは、社会保険労務士法違反となります。これは単なるルール違反ではなく、法律違反であり、罰則が設けられている重大な問題です。

社会保険労務士法第27条の2では、無資格者が社労士業務を行った場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられることが規定されています。

さらに、違法な代行業者に依頼した場合、申請自体が無効になるリスクや、虚偽申請とみなされて助成金返還を求められるケースもあるため、代行業者の資格を必ず確認することが重要です。

合法的に代行できる専門家

助成金申請を合法的に代行できるのは、次に挙げるような専門家です。

第一に、社会保険労務士(社労士)が挙げられます。社労士は、助成金申請を含む労務関連手続きの専門家であり、最も一般的な代行者です。

また、弁護士も法律上、社労士業務を行うことが認められています。ただし、助成金申請を専門とする弁護士は比較的少数です。

公認会計士や税理士は、一部の税務関連助成金については相談に乗ることがありますが、原則として労働関係助成金の申請代行はできません。もし依頼する場合は、社労士と提携しているかを確認しましょう。

助成金申請代行のメリット

助成金申請の代行サービスを利用することで、事業者にはさまざまなメリットがあります。効率的な資金調達を実現するために、これらのメリットを理解しておきましょう。

時間と手間の大幅な削減

助成金申請は、非常に時間と労力がかかるプロセスです。申請書類の作成や必要書類の収集、さらには行政とのやり取りなど、多くの作業が必要となります。

代行サービスを利用すれば、これらの煩雑な作業のほとんどを専門家に任せることができるため、経営者や担当者は本来の業務に集中することができます。

特に中小企業や個人事業主の場合、人的リソースが限られているため、業務時間の効率化は非常に大きなメリットといえるでしょう。

また、申請期限がある助成金も多いため、時間をかけずにスムーズに申請できることも重要なポイントです。

採択率・受給額の向上

助成金申請の専門家は、助成金制度に関する深い知識と豊富な経験をもっています。そのため、申請書類の作成においても、採択されやすい表現や内容を心得ています。

さらに、一つの事業に対して複数の助成金が適用できる可能性も見逃さず、受給できる助成金の総額を最大化する提案も可能です。

実際に、多くの代行業者が「自分で申請するより高い採択率」をアピールポイントとしており、特に競争率の高い助成金では、専門家のノウハウが採択の決め手になることも少なくありません。

助成金制度の最新情報が入手可能

助成金制度は頻繁に改正され、新設・廃止されるものも多くあります。最新の制度改正や申請要件の変更を常に把握することは、一般の企業にとっては容易ではありません。

社労士などの専門家は、こうした最新情報を常にアップデートしており、その時々で最適な助成金を提案してくれます。

特に、コロナ禍のような緊急時に設けられる特例措置や新設助成金などは、情報収集の早さが受給の成否を分けることもあります。専門家のネットワークを通じて、いち早く有益な情報を入手できる点も大きなメリットです。

助成金申請代行のデメリット

助成金申請の代行サービスには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットやリスクも存在します。サービスを利用する前に、これらのデメリットについても十分に理解しておくことが重要です。

費用がかかる

助成金申請代行サービスを利用する最大のデメリットは、費用がかかることです。代行サービスの料金体系は業者によって異なりますが、一般的には「着手金(固定報酬)」と「成功報酬」の組み合わせが多くあります。

これらの費用は、助成金の申請が不採択となった場合や、受給額が少額だった場合でも、一部は支払う必要があります。特に、着手金は返金されないケースが多いため、費用対効果を事前に検討することが重要です。

また、複数の助成金を申請する場合、その数に応じて費用が増加する可能性もあります。

不採択でも返金されない場合が多い

助成金の申請が不採択となった場合でも、多くの代行サービスでは着手金は返金されません。これは、申請結果に関わらず、申請書類の作成や提出などの業務にコストがかかるためです。

特に採択が難しい助成金や、競争率の高い助成金の場合、不採択のリスクは決して低くありません。そのため、不採択となる場合を想定した予算計画が必要です。

一部の代行業者では、「採択されなければ全額返金」といったサービスを提供している場合もありますが、そのような業者は比較的少数であり、料金設定が高めになっていることも多いものです。

情報セキュリティのリスクが伴う

助成金申請には、企業の財務状況や従業員情報など、多くの機密情報が必要となります。これらの情報を外部の代行業者に提供することには、一定のセキュリティリスクが伴います。

特に、個人情報保護法の観点からも、従業員の個人情報を第三者に提供する際には、適切な管理体制をもつ業者を選定することが重要です。

信頼性の低い業者に依頼した場合、情報漏洩のリスクだけでなく、提供した情報が別の目的に使用される可能性もあります。そのため、情報管理体制の充実度合も業者選びの重要なポイントとなります。

助成金申請の代行サービスの費用相場

助成金申請代行サービスの費用は、業者によって大きく異なります。しかし、一般的な費用相場を知っておくことは大切で、適切な価格であるかどうかの判断材料になります。

料金体系は主に「着手金(固定報酬)」と「成功報酬」の組み合わせが多いですが、業者によっては月額顧問料に含める場合や、成功報酬のみの場合もあります。

着手金の相場

助成金申請代行サービスの着手金は、一般的に3万円から8万円程度が相場です。この金額は助成金の種類や複雑さ、必要書類の量などによって変動します。

例えば、人材育成に関する助成金や雇用関連の助成金は、比較的申請が簡単なため、着手金は低めに設定されていることが多いものです。一方、設備投資や研究開発に関する助成金は申請書類が複雑で量も多いため、着手金が高くなる傾向があります。

また、同時に複数の助成金を申請する場合は、セット割引を適用している業者もあります。そのため、複数助成金を同時に申請することを検討してもよいでしょう。

成功報酬の相場

成功報酬は、助成金の受給が決定した後に支払う報酬で、一般的には受給額の10%から25%程度が相場です。助成金の種類や金額によって変動することが多くあります。

例えば、数十万円程度の小規模な助成金では、成功報酬率が高め(20%前後)に設定されていることが多く、数百万円以上の大型助成金では成功報酬率が低め(10%前後)に設定されていることが一般的です。

また、成功報酬に上限金額を設けている業者もあります。例えば、「受給額の20%(上限50万円まで)」といった形式です。特に、高額な助成金を申請する場合は、成功報酬の上限設定を確認することで、コスト管理がしやすくなります。

料金体系の種類

助成金申請代行サービスの料金体系は多様です。

最も一般的な「着手金+成功報酬」型は、申請時と受給時の両方で費用が発生します。初期費用が必要ですが、成功報酬率は比較的抑えられていることが多くみられます。

「成功報酬のみ」型は、助成金が支給された場合のみ費用が発生するため、初期投資なしで利用できます。ただし、成功報酬率は高めに設定されていることが一般的です。

「月額顧問料に含む」型は、社労士事務所などと顧問契約を結んでいる場合に適用されることが多いものです。月々一定額を支払うことで、年間を通じて複数の助成金申請をサポートしてもらえます。頻繁に助成金を活用する企業には、コスト効率のよい選択肢となります。

助成金申請の代行業者を選ぶ際のポイント

助成金申請の代行業者を選ぶ際には、いくつかの重要な点を確認する必要があります。

社労士資格の確認

助成金申請代行を依頼する際に最も重要なことは、その業者が社会保険労務士(社労士)の資格を持っているかどうかを確認することです。無資格者による代行は違法のため、必ず確認しましょう。

社労士資格の確認方法としては、まず業者のウェブサイトで「社会保険労務士」または「社労士」の記載があるか確認します。また、社労士の氏名と登録番号が記載されているかもチェックポイントです。

さらに確実を期すためには、全国社会保険労務士会連合会のウェブサイトで、開業社労士や社労士法人の検索が可能です。依頼前に、社労士資格の有無を必ず確認することで、違法な業者とのトラブルを避けることができます。

料金体系の透明性

信頼できる代行業者の条件として、料金体系の透明性は非常に重要です。料金に関する情報が明確に提示されているかどうかは、業者の信頼性を測る一つの基準となります。

良質な業者は、着手金や成功報酬の金額や計算方法、支払いのタイミングなどを明確に説明してくれます。また、追加で費用が発生する可能性がある場合も、あらかじめ説明があるはずです。

反対に、料金に関する説明があいまいだったり、見積もりを渋ったりする業者は要注意です。特に、「絶対に採択される」「業界最安値」などの誇大な表現を用いる業者には注意が必要です。契約前に料金の詳細を文書で確認することをおすすめします。

実績や評判の調査

助成金申請代行業者の実績や評判を調査することは、信頼できる業者を選ぶために重要なステップです。特に、助成金は種類によって申請の難易度や必要な専門知識が異なるため、その分野での実績があるかどうかを確認するべきです。

実績の確認方法としては、業者のウェブサイトで掲載されている実績事例や受給実績数をチェックします。また、対応可能な助成金の種類も確認しておくとよいでしょう。

評判の調査方法としては、口コミサイトやSNSでの評価を参考にする方法があります。また、可能であれば既存顧客の紹介や、実際の相談実績を聞いてみるのも効果的です。複数のツールから評判を確認することで、より正確な判断ができます。

不正業者の見分け方

残念ながら、助成金申請代行の分野には、不正な業者も存在します。これらの業者に依頼してしまうと、法的リスクを負うだけでなく、余計な費用の負担や情報漏洩などのトラブルに発展する可能性があります。

不正業者の特徴としては、社労士資格の有無を明確にしていない、過度に高額な成功報酬を要求する、「確実に採択される」などの誇大な宣伝文句を使用するなどが挙げられます。

また、契約内容を書面で提示しない、詳細な説明を避ける、過度に急かすなども怪しい兆候です。特に注意すべきは、「助成金申請アドバイザー」「助成金コンサルタント」などの曖昧な肩書きのみで社労士資格について触れていない業者です。契約前に必ず資格と詳細条件を確認する習慣をつけましょう。

助成金申請代行に関するよくある質問

助成金申請の代行サービスについて、多くの経営者や個人事業主が疑問をもっています。ここでは、よくある質問とその回答を紹介します。

個人事業主も申請代行を利用できる?

個人事業主も、助成金申請の代行サービスを利用することができます。実際に、多くの助成金は個人事業主も対象としており、法人と同様に申請することが可能です。

ただし、助成金の種類によっては、従業員を雇用していることが条件となる場合もあります。例えば、雇用関連の助成金は、従業員がいることが前提となっていることが多いものです。

一方で、個人事業主向けの助成金も数多く存在します。例えば、創業関連の助成金や、IT導入補助金などは、比較的個人事業主でも申請しやすい助成金です。個人事業主専門の代行業者を選ぶことで、より適切なサポートを受けられる可能性があります。

助成金は返済が必要?税金はかかる?

助成金は、基本的に返済不要です。これは融資やローンとは異なり、条件を満たして受給した場合は返済する必要がないためです。ただし、申請内容に虚偽があった場合や、受給後に条件を満たさなくなった場合には、返還を求められることがあります。

税金については、助成金は原則として課税対象となります。法人の場合は法人税、個人事業主の場合は所得税の対象となります。

ただし、助成金の種類によっては非課税となるものも存在します。例えば、一部の災害復興関連の助成金などは、非課税措置が適用されることがあります。税務上の取扱いを事前に確認することで、適切な経理処理を行うことができます。

複数の助成金を同時に申請できる?

複数の助成金を同時に申請することは可能です。ただし、助成金の種類や組み合わせによっては制限がある場合があります。

例えば、同じ目的や対象経費に対して、複数の助成金を受給することはできないケースが多くみられます。これは、「二重助成の禁止」と呼ばれる原則に基づいています。

一方で、異なる目的や対象経費であれば、複数の助成金を組み合わせて申請することが可能です。例えば、設備投資に関する助成金と、人材育成に関する助成金を同時に申請するようなケースです。助成金の組み合わせ戦略を検討することで、受給できる総額を最大化できる可能性があります。

まとめ

助成金申請の代行サービスは、社会保険労務士のみが合法的に行える業務であり、無資格者による代行は違法行為となります。代行サービスの利用には、時間と手間の削減や採択率向上などのメリットがある一方で、費用の負担が大きくなることや不採択時のリスクといったデメリットも存在します。

代行業者を選ぶ際は、社労士資格の有無を必ず確認し、料金体系の透明性や実績・評判も重視するようにしましょう。また、個人事業主も助成金を活用できるため、事業規模に関わらず検討に値します。良い業者を選び、十分な事前確認を行うことで、助成金を効果的に活用し、事業の成長につなげることができます。

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