2025.05.08
法人・企業向きの資金調達の方法8選!規模、スピード別のおすすめも紹介
事業を拡大したり運転資金を確保したりするため、資金調達が必要になる場面があります。しかし、実際に資金調達を進めようとすると、金融機関との交渉や複雑な申請書類の作成が求められるため、自社の担当者だけでは対応が難しい場合もあります。このような場合、税理士や資金調達コンサルタントなどの専門家に支援を依頼する方法があります。
ただし、実際に専門家へ依頼するとなると、「どの程度の費用がかかるのか」「成功報酬の相場はどれくらいなのか」といった点が気になる経営者も多いでしょう。
本記事では、法人・企業が活用できる8つの資金調達方法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。中小企業からスタートアップまで、企業規模別のおすすめ方法や、調達スピードに応じた選び方も紹介しています。
法人・企業向きの資金調達方法8選
企業が成長するためには、適切なタイミングで必要な資金を調達することが重要です。ここでは、法人や企業が活用できる代表的な資金調達方法8つを紹介します。
金融機関からの融資
金融機関からの融資は、最も一般的な資金調達方法の一つです。銀行や信用金庫などの金融機関から事業資金を借り入れる方法で、返済義務があるものの、経営権に影響を与えないという特徴があります。
融資の種類としては、一定期間にわたって返済していく証書借入、当座預金口座の残高以上の資金を引き出せる当座借越、信用保証協会の保証付きで融資を受ける信用保証協会付融資などがあります。金融機関からの融資は、事業計画の実現性と返済能力が重視されるため、しっかりとした事業計画書や財務資料の準備が必要です。
金融機関からの融資は、比較的低金利で大きな金額を調達できるメリットがありますが、審査が厳しく、時間がかかる場合が多いというデメリットもあります。
ビジネスローン
ビジネスローンは、ノンバンクや貸金業者が提供する事業者向けの融資商品です。中小企業やスタートアップなど、銀行融資を受けにくい企業でも利用しやすい資金調達手段となっています。
ビジネスローンの最大の特徴は、審査のスピードが速く、最短即日で融資を受けられる点です。必要書類も銀行融資に比べて少なく、手続きが簡略化されていることが多いため、急な資金需要に対応できます。
一方で、金利は銀行融資より高めに設定されていることが多く、長期的な大型資金調達には向いていません。事業拡大の初期資金や一時的な運転資金の確保など、比較的小規模で迅速な資金調達に適しています。
社債発行
社債発行は、企業が債券を発行して投資家から資金を調達する方法です。多くの投資家から広く資金を集める公募債と、特定の投資家を対象とした私募債があります。
社債は、経営権に影響を与えずに大規模な資金調達が可能な点が大きなメリットです。特に、中堅・大企業にとっては、金融機関からの融資に依存せず、資金調達手段を多様化できる重要な選択肢となります。
社債発行には一定の信用力が求められるため、業績が安定している企業に向いています。また、発行にはさまざまな手続きや費用が発生するため、小規模な資金調達には適していません。さらに、満期時には元本を一括返済する必要があるため、返済計画をしっかり立てておくことが重要です。
株式発行
株式発行(エクイティファイナンス)は、会社の株式を発行することで投資家から資金を調達する方法です。新規株式公開(IPO)や既存株主向けの第三者割当増資、公募増資などの形態があります。
株式発行の最大の特徴は、調達した資金に返済義務がない点です。融資と違って、返済期限や利息の支払いがないため、長期的な視点での事業投資に活用できます。
しかし、株式を発行すると株主が増えることになり、経営に対する発言権が分散します。場合によっては、経営の自由度が制限されるリスクもあります。また、株主に対して配当や株主総会での説明責任など、さまざまな義務が生じることも考慮する必要があります。
株式発行は、高い成長性を持つ企業や、事業拡大のための大規模な資金を必要とする企業に適した資金調達方法といえます。
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資
ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家からの出資は、主にスタートアップ企業や成長段階の企業が活用する資金調達方法です。高い成長可能性を持つ企業に対して、資金提供を行うという特徴があります。
この方法の最大のメリットは、資金調達だけでなく経営支援も受けられる点です。VCやエンジェル投資家は、豊富なビジネス経験やネットワークを持っており、事業戦略の策定や人材紹介、業界ネットワークの提供など、多方面からサポートを受けられます。
一方で、高い成長性や革新的なビジネスモデルが求められるため、すべての企業が活用できるわけではありません。また、出資の見返りとして株式を取得するため、経営権の一部を手放すことになります。将来的なイグジット(株式公開や企業売却)を視野に入れた経営が求められる点も特徴です。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から小口の資金を集める方法です。プロジェクトや事業内容をオンラインプラットフォームで公開し、共感した支援者から資金を調達します。
クラウドファンディングには、返済不要の寄付型、リターン(商品やサービス)を提供する購入型、投資として株式や社債を取得する投資型などがあります。マーケティングと資金調達を同時に行える点が、大きな特徴です。
新商品開発やサービス立ち上げの際に顧客の反応を直接確認できるため、市場調査にもなります。また、支援者がファンとなって、事業の応援団になってくれることも期待できます。
ただし、目標金額に達しないと資金調達ができないケースや、プラットフォーム手数料がかかるといったデメリットもあります。また、成功のためには、魅力的なプロジェクト内容と効果的なプロモーション戦略が不可欠です。
ファクタリング
ファクタリングは、企業が保有する売掛金(未回収の債権)を専門業者に売却して、早期に現金化する方法です。通常の債権回収を待たずに資金を得られるため、キャッシュフローの改善に効果的です。
最大の特徴は、審査から入金までのスピードが非常に速い点です。最短で即日から数日程度で資金化が可能なため、緊急の資金需要に対応できます。また、融資ではないため負債として計上されず、財務状況への影響が少ないという利点もあります。
ファクタリングには、売掛先企業に債権譲渡の通知をする3社間ファクタリングと、通知せずに行う2社間ファクタリングがあります。手数料(売掛金額の数%~十数%)が発生するため、資金調達コストとしては比較的高めですが、急な資金需要や一時的な資金繰り改善には有効な手段です。
補助金・助成金
補助金・助成金は、国や地方自治体、各種団体が特定の政策目的を達成するために企業に交付する資金です。他の資金調達方法と大きく異なり、返済不要の資金を得られる点が最大の特徴です。
補助金・助成金は、事業の新規性や社会的意義、地域経済への貢献度などが審査され、条件に合致すれば支給されます。研究開発や設備投資、雇用創出、環境対策など、さまざまな分野で交付されています。
ただし、申請から採択、資金交付までに時間がかかるケースが多く、即時的な資金調達には向いていません。また、使途が限定されていることが多く、運転資金などには使えないことがあります。申請には、綿密な事業計画の作成や細かい書類作成が必要で、採択率も高くないため、専門家のサポートを受けることが望ましいでしょう。
法人・企業の規模別おすすめの資金調達方法
企業の規模によって、最適な資金調達方法は異なります。ここでは、中小・中堅企業向けとベンチャー・スタートアップ向けに分けて、おすすめの資金調達方法を紹介します。
中小・中堅企業におすすめの資金調達方法
中小・中堅企業は、一定の事業実績や信用力を持っていることが多いため、さまざまな資金調達手段を活用できます。最もポピュラーなのは、金融機関からの融資です。
特に、地方銀行や信用金庫は中小企業向けの融資に積極的で、長期的な関係構築を重視した融資判断をしてくれることがあります。信用保証協会の保証付き融資も、担保や保証人の負担を軽減できるため有効な選択肢です。
短期的な資金需要に対しては、ビジネスローンやファクタリングが有効です。審査から融資実行までのスピードが速く、急な資金需要に対応できます。特に、ファクタリングは既存の売掛金を活用するため、新たな返済負担が生じない点がメリットです。
また、設備投資や新規事業展開などの特定目的には、補助金・助成金の活用も検討すべきです。返済不要の資金を得られるため、財務負担を抑えながら事業拡大を図ることができます。
ベンチャー企業・スタートアップにおすすめの資金調達方法
創業間もないベンチャー企業やスタートアップは、事業実績や担保が少ないため、従来型の銀行融資を受けるのが難しいケースが多いものです。そのため、事業の成長性や将来性を評価してもらえる資金調達方法が有効です。
ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家からの出資は、高い成長可能性を持つ革新的ビジネスモデルを評価して投資する方法です。資金調達だけでなく、経営ノウハウやビジネスネットワークの提供も受けられるため、急成長を目指す企業に適しています。
クラウドファンディングも、実績が少ない段階であっても商品やサービスのコンセプトに共感してもらえれば資金調達が可能です。特に、製品開発型のスタートアップには、市場の反応を測る機会にもなるため効果的です。
公的機関の創業支援融資も検討すべき選択肢です。日本政策金融公庫の新創業融資制度は、創業間もない企業でも無担保・無保証人で融資を受けられる可能性があります。また、創業に関連する補助金・助成金も積極的に活用すべきでしょう。
スピード別おすすめの資金調達方法
資金調達の緊急性によって、選ぶべき方法は大きく異なります。ここでは、即日~数日で調達したい場合と、じっくり準備して中長期的に調達したい場合に分けて、適した方法を紹介します。
迅速な資金調達が必要な場合
急な資金需要が発生した場合、審査から資金化までのスピードが重要な判断基準となります。もっとも迅速な資金調達方法の一つが、ファクタリングによる売掛金の早期現金化です。
ファクタリングは、既に発生している売掛債権を売却するため、新たな与信判断が比較的簡易で、最短即日~数日での資金化が可能です。特に、取引先の信用力が高い売掛金であれば、有利な条件で現金化できる可能性が高まります。
ビジネスローンも、迅速な資金調達手段として有効です。ノンバンクや貸金業者が提供するビジネスローンは、銀行融資に比べて審査時間が短く、最短で即日融資を受けられるケースもあります。必要書類も少なく、オンラインで手続きが完結するサービスも増えています。
すでに銀行と取引がある場合は、当座借越や既存の融資枠の活用も検討すべきです。事前に融資枠を設定しておけば、必要なときに迅速に資金を引き出すことが可能です。
中長期的な資金調達を考える場合
設備投資や新規事業展開など、計画的に進める事業には、じっくりと準備して最適な条件で資金調達を行うことが重要です。中長期的な視点では、資金調達コストと返済負担のバランスを考慮した選択が必要です。
銀行からの証書借入は、長期的な設備投資や事業拡大に適した資金調達方法です。融資期間を長く設定できるため、月々の返済負担を抑えることができます。また、金利も比較的低いため、長期的な資金調達コストを抑えられます。
成長段階にある企業であれば、株式発行やベンチャーキャピタルからの出資も検討すべきです。返済義務がなく、成長のための資金として活用できます。ただし、株主への説明責任や経営への関与が生じることは、考慮する必要があります。
社債発行も、一定の信用力がある企業には有効な選択肢です。銀行融資に依存せず、資金調達手段を多様化できるメリットがあります。特に私募債であれば、取引先や関係者を対象に発行することで、関係強化にもつながります。
また、事業内容によっては、補助金・助成金の活用も検討すべきです。採択までに時間はかかりますが、返済不要の資金を調達できるため、財務基盤を強化しながら事業拡大を進められます。
資金調達成功のポイント
資金調達を成功させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、資金調達を検討する際の基本的な考え方と、成功のために押さえるべきポイントを解説します。
目的に合った方法を選ぶ
資金調達を成功させるための第一歩は、資金使途と調達方法のマッチングです。資金の使い道によって、最適な調達方法は大きく異なります。
設備投資など長期的な投資には、返済期間が長く設定できる銀行融資や社債発行が適しています。投資から収益化までに時間がかかる案件であれば、当初の返済負担が軽い方法を選ぶべきです。
運転資金の調達には、柔軟に借入と返済ができる当座借越や短期借入が有効です。季節的な資金需要など一時的なものであれば、ビジネスローンやファクタリングも選択肢となります。
新規事業や研究開発など、リスクが高く収益化までに時間がかかるプロジェクトには、返済義務のない出資や補助金が適しています。事業の成長段階や特性を考慮しながら、最適な資金調達方法を選択することが重要です。
事業計画や返済計画を具体化する
資金調達の説得力を高めるためには、具体的で実現可能な事業計画の作成が不可欠です。特に融資や出資を受ける場合、数値に基づいた説得力のある事業計画が審査のカギとなります。
事業計画では、市場分析や競合状況、自社の強みなどを明確に示し、なぜその事業が成功するのかを論理的に説明する必要があります。売上予測や費用計画も根拠を持って作成することが重要です。
融資を受ける場合は、返済計画も具体的に示すことが求められます。事業から得られる収益で、無理なく返済できることを示せれば、融資の可能性は高まります。返済原資や返済期間、返済方法などを明確にし、リスク要因とその対策も含めて説明できるようにしておきましょう。
財務状況の改善
資金調達をスムーズに行うためには、企業の財務状況と信用力を高めておくことが重要です。特に銀行融資を受ける場合、財務諸表の健全性が審査の重要な判断材料となります。
自己資本比率や流動比率、債務償還年数などの財務指標を改善することで、企業の安全性や返済能力をアピールできます。利益剰余金の蓄積や不要資産の売却、経費削減などを通じて財務体質を強化しておくことが大切です。
また、取引金融機関との関係構築も重要です。日頃から財務状況や事業計画を共有し、コミュニケーションを密にしておくことで、資金調達の際にスムーズな対応が期待できます。経営者自身の個人信用も企業の信用力に影響するため、個人の借入状況や信用情報も適切に管理しておくべきです。
資金調達方法の比較表
各資金調達方法の特徴を簡単に比較できるよう、資金規模、調達スピード、返済義務、経営関与の観点から整理しました。自社に最適な資金調達方法を選ぶ際の参考にしてください。
方法 | 資金規模 | 調達スピード | 返済義務 | 経営関与 |
---|---|---|---|---|
銀行融資 | 大~中 | 中~遅 | あり | なし |
ビジネスローン | 中~小 | 速 | あり | なし |
社債発行 | 大~中 | 中~遅 | あり | なし |
株式発行 | 大~中 | 遅 | なし | あり |
VC・エンジェル投資家 | 大~中 | 遅 | なし | あり |
クラウドファンディング | 中~小 | 中 | 一部あり | 一部あり |
ファクタリング | 中~小 | 速 | なし | なし |
補助金・助成金 | 中~小 | 遅 | なし | なし |
上記の比較表を参考に、企業の状況や資金調達の目的に合わせて最適な方法を選択しましょう。資金規模や調達スピード、返済義務の有無、経営への影響など、さまざまな要素を総合的に判断することが重要です。
また、複数の資金調達方法を組み合わせることで、リスクを分散しながら必要な資金を確保する戦略も有効です。たとえば、中核となる事業資金は銀行融資で調達し、リスクの高い新規事業には、VC出資を活用するといった使い分けが考えられます。
まとめ
企業の成長と存続には、適切なタイミングで最適な資金調達方法を選択することが不可欠です。金融機関からの融資、ビジネスローン、社債発行、株式発行、ベンチャーキャピタル、クラウドファンディング、ファクタリング、補助金・助成金など、それぞれに特徴があり、企業の状況や目的に応じて使い分けることが重要です。
資金調達を成功させるためには、資金使途に合った調達方法の選択、具体的な事業計画と返済計画の策定、財務状況の改善と信用力の向上が欠かせません。資金調達は一回限りのものではなく、企業の成長に合わせて継続的に行うものです。信頼関係を構築しながら、長期的な視点で資金調達戦略を考えることをおすすめします。
最短即日の無担保無保証融資!HTファイナンスのビジネスローン
企業の資金調達においては、スピードや審査の柔軟性と同時に、担保や保証人が不要かどうかも重要なポイントとなります。特に、急な資金需要が生じた場合や、銀行融資を利用しにくい状況では、無担保無保証で迅速に利用できるビジネスローンが効果的です。
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