2025.01.21
資金ショートしていても融資は受けられる?対応策と資金調達方法を紹介
資金ショートに陥った企業は少なくありません。売上は順調に伸びているのに、支払いに必要な資金が足りないという状況に直面している方もいるのではないでしょうか。この記事では、資金ショートの原因と対応策、そして資金ショート時に受けられる融資について解説します。
資金繰りの改善には早期の対応が肝心です。資金ショートの兆候に気づいたら、すぐに行動を起こしましょう。適切な対策を取ることで、資金ショートを乗り越え、事業の継続と発展につなげることができるはずです。
資金ショートとは
資金ショートとは、企業が必要な資金を調達できない状態のことを指します。具体的には、支払期日までに買掛金や借入金の返済資金が不足し、支払いができなくなる状況を意味します。
資金ショートは、一時的な資金不足から深刻な資金繰りの悪化まで、様々なレベルがあります。放置すれば、事業継続が困難になるだけでなく、最悪の場合は倒産に至ることもあるため、早期の対応が求められます。
ここでは、資金ショートが発生する原因から、その影響と黒字経営でも資金ショートしてしまう理由について詳しく解説していきます。
資金ショートが起こる原因
資金ショートが発生する主な原因は以下の通りです。
- 売上の減少や売掛金の回収遅延による資金流入の減少
- 在庫の過剰な積み上げや設備投資などによる資金流出の増加
- 借入金の返済や税金の支払いなど、定期的な資金流出への対応の失敗
- 急激な経済環境の変化や自然災害など、予期せぬ事態による資金繰りの悪化
資金ショートを防ぐには、日々の資金管理を徹底し、資金繰りを適切に把握することが重要です。そのためには、現金出納帳や資金繰り表を活用し、収支のバランスを常にチェックしておく必要があります。
資金ショートの影響
資金ショートが続くと、企業経営に深刻な影響を及ぼします。まず、支払いの遅延により、取引先からの信用を失うことになります。これにより、仕入れや外注が困難になり、事業活動が停滞してしまいます。
また、資金繰りの悪化は、従業員の給与の支払いにも影響します。給与の遅配や不払いが続けば、優秀な人材の流出につながり、企業の競争力が低下する恐れがあります。
さらに、資金ショートが長期化すると、事業継続自体が困難になります。資金繰りの改善策を講じても、すでに手遅れとなり、倒産を避けられないケースも少なくありません。
黒字経営でも資金ショートが起こる理由
資金ショートは、赤字経営の企業だけでなく、黒字経営の企業でも起こりえます。売上が順調に伸びていても、売掛金の回収が遅れたり、急な設備投資が必要になったりすると、一時的な資金不足に陥ることがあるのです。
特に、成長期の企業は、売上の増加に合わせて運転資金を増やす必要があるため、資金繰りに注意が必要です。黒字倒産を避けるためにも、日頃から資金管理を怠らず、資金調達の準備をしておくことが大切でしょう。
資金ショートを防ぐ日常の対策
企業が資金ショートに陥らないためには、日頃から資金の入出金を適切に管理し、早めの対策を講じることが重要です。ここでは資金ショートを防ぐための具体的な方法をいくつかご紹介します。
資金繰り表を作成する
資金ショートを防ぐ第一歩は、資金繰り表を作成し、現金の収支を正確に把握することです。資金繰り表とは、一定期間の資金の流れを予測した表のことで、これを作成することで、いつ頃資金が不足しそうかを事前に知ることができます。
具体的には、売掛金の回収予定日や買掛金の支払日、借入金の返済日などを一覧にまとめ、それぞれの金額を計上します。これにより、毎月の資金の過不足を明確にし、必要な対策を講じることができるのです。
回収サイクルを短縮する
売掛金の管理を徹底し、回収サイクルを短縮することも資金ショート防止に有効です。売掛金が長期間未回収のままだと、手元の資金が減少し、支払いに窮することになりかねません。
そのため、取引先ごとの与信管理を行い、支払い条件を見直すなどして、売掛金の早期回収に努めましょう。また、回収が遅れそうな場合は速やかに督促を行うなど、能動的な対応が求められます。
適切な支払サイトを設定する
支払サイトを適切に設定し、買掛金を管理することも大切です。支払サイトが短すぎると、手元の資金が不足しやすくなります。一方で長すぎると、取引先から信用を失いかねません。
自社の資金繰りに合わせて、最適な支払サイトを設定するようにしてください。また、買掛金の支払いが遅れないよう、計画的に資金を確保することを心がけましょう。
無駄な経費を削減する
最後に、無駄な経費を削減し、資金効率を高めることも重要なポイントです。経費の中には、事業に直接必要のないものも少なくありません。光熱費や通信費など、削減の余地があるものは積極的に見直しましょう。
また、遊休資産がある場合は処分を検討するなど、資金効率の向上にも注力してください。こうした地道な努力の積み重ねが、資金ショート防止につながっていくのです。
資金ショートを早期に発見するサイン
資金ショートは、黒字経営の企業でも直面する可能性のある深刻な問題です。早期に兆候を察知し、適切な対策を講じることが重要となります。
売掛金の回収遅延が増加する
売掛金の回収が遅れると、手元資金が不足し、支払いに困難をきたす恐れがあります。特に、大口取引先の支払いが遅延している場合は要注意です。
定期的に売掛金の回収状況を確認し、回収が遅れている先には早めに連絡を取るようにしましょう。必要に応じて、回収条件の見直しや、ファクタリングの利用も検討してください。売掛金の管理を徹底することが、資金ショート防止の第一歩といえます。
支払いに充てる現金が不足する
手元の現金が減少し、支払いに充てる資金が不足し始めたら、資金ショートの危険信号です。売上が順調でも、支払いに必要な現金が確保できなければ、経営は立ち行かなくなります。
資金繰り表を作成し、入金と出金のバランスを常に把握しておくことが大切です。支払いが先行する場合は、取引先に支払い条件の変更を相談したり、短期の融資を検討したりするなど、早めの手立てが必要でしょう。
金融機関からの借入が困難になる
資金繰りが悪化すると、金融機関からの新規借入や借換えが難しくなることがあります。借入の申し込みを断られたり、融資条件が厳しくなったりする場合は、金融機関から信用リスクが高いと判断された証拠です。
金融機関との関係を良好に保ち、定期的に経営状況を報告するなど、コミュニケーションを密にとることが重要です。また、複数の金融機関と取引をしておくことで、リスク分散を図ることもできるでしょう。
取引先からの不信の声が聞こえる
取引先から、支払いの遅延や、経営状況への懸念が聞こえてくるようであれば、信用不安が広がっている可能性があります。放置すれば、取引先との関係悪化や、新規取引の機会損失につながりかねません。
取引先との信頼関係を維持するためにも、取引先とは積極的にコミュニケーションをとり、誠実に対応することが肝心です。必要であれば、経営改善計画を示すなど、前向きな姿勢を示すことも効果的でしょう。取引先からの信頼は、企業の生命線といっても過言ではありません。
資金ショート時の対応策
資金ショートに陥った際、適切な対応策を速やかに実行することが重要です。ここでは、資金ショート時に取るべき具体的な対応策について説明します。
支払先へのリスケジュール依頼
資金ショートに陥った場合、まず取るべき対応策は、支払先への支払期日の延期依頼です。取引先との信頼関係を維持しつつ、支払いの猶予を求めることが肝心です。
支払先との交渉の際は、現在の資金繰りの状況と今後の見通しを正直に伝え、リスケジュールの必要性を丁寧に説明しましょう。一時的な資金不足であることを強調し、将来的には必ず支払う意思があることを伝えることが重要です。
金融機関からの融資
資金ショートを乗り越えるために、金融機関からの融資を検討することも一つの選択肢です。ただし、通常の融資審査では資金ショート中の企業への融資は難しいとされています。
そのため、金融機関との関係性を活かし、特別な融資プログラムや制度融資の利用を探ることが重要です。日本政策金融公庫や商工中金などの公的金融機関では、経営難に陥った中小企業向けの特別融資制度を用意していることがあります。
売掛金の早期回収
売掛金の回収サイクルを短縮することで、手元資金を増やすことができます。取引先に対して、早期の支払いを要請することを検討しましょう。
また、売掛金の一部を手形で受け取り、その手形を金融機関で割り引くことで、即座に資金化する方法もあります。ただし、手形割引には金利コストがかかるため、資金繰りへの影響を十分に検討する必要があります。
不要資産の売却や在庫の圧縮
保有する不動産や設備など、事業に不可欠でない資産がある場合は、売却を検討することで資金を捻出できます。また、在庫の圧縮により、キャッシュの流出を抑えることも重要です。
不要な在庫を処分することで、在庫維持コストを削減し、手元資金を増やすことができます。在庫管理の見直しを行い、適正な在庫水準を維持することが求められます。
資金ショート時に受けられる融資
資金ショートは、企業にとって大きな脅威となります。しかし、適切な対処法を知っていれば、危機を乗り越えることができるでしょう。
ここでは、資金ショート時に受けられる融資について詳しく解説していきます。金融機関の審査のポイントや、公的機関・民間金融機関の融資制度、そして資金ショート時に適した融資の選び方について見ていきましょう。
金融機関の融資審査のポイント
資金ショート時に融資を受けるためには、金融機関の審査をクリアする必要があります。審査では主に、事業の将来性、経営者の資質、担保や保証の有無などがポイントとなります。
事業の将来性については、事業計画の妥当性や市場の成長性、競合他社との差別化などが評価されます。経営者の資質は、経歴やこれまでの実績、経営に対する姿勢などから判断されるでしょう。担保や保証は、万が一返済できなくなった場合のリスクヘッジとして重視されます。
資金ショート時でも、これらの点をしっかりアピールすることで、融資を受けられる可能性は高まります。事前の準備と説明が重要といえるでしょう。
公的機関の融資制度
資金ショート時には、公的機関の融資制度を活用するのも一つの選択肢です。代表的なものとしては、日本政策金融公庫の「中小企業事業」や信用保証協会の「セーフティネット保証」などがあります。
日本政策金融公庫の「中小企業事業」は、中小企業の経営安定や成長発展を支援するための融資制度です。「セーフティネット保証」は、経営の安定に支障が生じている中小企業者を、保証制度により金融機関等の融資の円滑化を図る制度です。
これらの公的機関の融資は、金利が比較的低く、長期の返済期間が設定されているのが特徴です。金融機関の審査が通りにくい場合でも、利用できる可能性があります。
民間金融機関の融資商品
民間金融機関にも、資金ショート時に適した融資商品があります。代表的なものとしては、コミットメントライン契約やファクタリングなどがあげられます。
コミットメントライン契約は、あらかじめ融資限度額を設定しておき、必要な時に融資を受けられる契約です。手元資金が少ない時に、機動的な資金調達が可能となります。ファクタリングは、売掛金を譲渡することで資金化する方法です。売掛金の回収を待たずに、早期に資金を得ることができます。
これらの商品はスピード重視の資金調達に適しています。ただし、金利や手数料は比較的高めに設定されていることが多いので、注意が必要です。
資金ショート時に適した融資の選び方
資金ショート時に融資を選ぶ際は、自社の状況に合ったものを選ぶことが大切です。短期的な資金繰りには、コミットメントライン契約やファクタリングなどのスピード重視の商品が適しているでしょう。
一方、中長期的な資金ニーズには、日本政策金融公庫の融資や信用保証協会の制度なども検討すべきです。金利や返済期間の面で、メリットが大きいと考えられます。
また、融資を受ける際は、返済計画をしっかり立てることが重要です。無理のない返済額と期間を設定し、着実に返済していく必要があります。資金繰り表などを活用し、入金と支払のバランスを常に意識しておきましょう。
まとめ
本記事では、資金ショートの原因から対応策、そして資金ショート時に受けられる融資について解説してきました。資金ショートは黒字経営の企業でも直面する可能性があり、早期の兆候察知と適切な対策が重要であるといえます。
資金ショートは一時的な問題ではなく、放置すれば企業経営に深刻な影響を及ぼします。資金繰りの状況を常に注視し、早期の対策を講じることが何より大切です。また、公的機関や民間金融機関の融資制度を上手く活用することも有効でしょう。
資金ショートの経験を、強固な経営基盤づくりのチャンスと捉えることが重要です。この試練を乗り越えた先に、持続的な成長が待っているはずです。難局に直面した時こそ、経営者の真価が問われるのだと心に留めておきましょう。